転生したら乙女ゲームのモブキャラだったのでモブハーレム作ろうとしたら…BLな方向になるのだが

松林 松茸

文字の大きさ
66 / 88

第六十六話 文化祭2日目

しおりを挟む
(雰囲気が…まずいな…)

昨日の噂を聞いたのかモブ貴族がレナンジェスの教室に集まる。ケーキの売り上げは伸びるが客で来たモブ貴族の目付きが妖淫である。

(視線を私に向けられている…)

地味で未亡人風のレナンジェスの女装を見ながらモブ貴族が鼻息を荒くしている。そして下半身委はテントを張っているではないか。

『我等も女装して…百合の世界に…』

『男の娘同士だったらベーコンレタスだぞ!』

『でも…あの姿は反則だ…』

『あぁ、大人の色気だな』

『スカートを捲り上げて…グヘヘヘ』

『おいおい、そんな下品な笑いは止せよ』

『それでも…反則だろ!』

レナンジェスを見ながらモブ男子は欲望を露わにする。

『若い男の子風より未亡人風だな』

『それでも…見えそうで見えないのが…』

『こんな可愛いのに男の娘とは…』

大人のモブ貴族もベーコンレタス的な想像を膨らませているようだ。

『まあ、男装女子も素敵ですわね』

『そうですわ。劇も最後は号泣してしまいましたもの』

『それにしても貴族の女装なんて…』

『絶対領域が刺激的ですわ』

『見えそうで見えないのも…』

『今度、旦那を女装させて…』

『いけませんわ!そんな男装姿でご主人を襲うなんて…』

『でも、素敵ではありませんか』

モブ貴族の奥方もお茶会がてらとんでもない発言をしている。

(やり過ぎたか…)

レナンジェスは絶賛、後悔中だ。何しろモブ貴族を美少女にして令嬢を美男子に見せるメイクは反響が大きくメイク本をミーアが出そうとしている。そうすれば逆転夫婦が増えそうだ。

『男の娘とはここまで威力があるとは…』

『愛人に男の娘が欲しくなりますな』

『でも、脱いだら男ですぞ?』

『何を言う!着衣のままパンツを半脱ぎで…』

『そ、それは…』

『そうすれば…』

『ウム、素晴らしいですな!』

モブ貴族よ、それ以上の会話は止めようか!その先を言ったらR18枠になるだろうが!!

(男の娘…何て恐ろしい物を父は作ってしまったんだ…)

レナンジェスは内心で父に悪態をつく。そもそもこの世界の男の子のルーツはヒューイとドゥーイだ。それが進化して小悪魔~ズになっている。

(男の娘の認知度は2人のアイドル活動で広まってしまったし…一過性のモノでは無くなっている…どうすれば良いんだ?)

そう考えながらもモブ男子の女装は可愛らしい。

「レナンジェス…」

不意に耳元でライディースの声がする。振り返ると女装姿のライディースが妖淫な笑みを浮かべ立っている。

「あの…何でしょうか?」

「一緒に居たくてな」

イケボが再び耳元で発せられる。

(せめて学生服で言ってくれ…マジで女装男子のイケボとか合わないから!)

そう考えながらもレナンジェスは仕事をこなしていく。何しろお茶会の奥様が居座っているのだ。バルコニーにも席は設けたが居座る貴族が多すぎる。

始めは爵位の者が来れば席を空けていたが今は伯爵以上の爵位持ちに占拠されている。

「ママ、空き部屋を確保したわよ」

不意にアリスが嬉しそうに言う。

「助かります」

レナンジェスは列を作る貴族を見ながら笑みを浮かべて言うとアリスは「エヘヘ」と嬉しそうに笑った。

そこからが戦場だった。次々と来る貴族に対してモブ男子を振り分ける。そして劇はダンス練習場を急遽、借りるとそこで公演する。

幸い、モブ貴族の従者が上手く立ち回ってくれたおかげで今のところは特に不備はない。しかし人員はどうしても足りなくなる。

『手伝うわ』

不意に男装モブ女子がそう言うとメイドを伴って接客をしてくれる。彼女等はメイドが持って来たトレーの上のケーキをテーブルに置くだけだ。

しかし劇で男子になりきっているモブ女子は早速やらかす。

『僕が運んだんだからな!残したらお仕置きだぞ!!』

『兄上、ケーキでございます』

『旦那様、奥様お茶の時間ですよ』

(おいおい、執事喫茶やら妹喫茶が混ざっているぞ!!)

それを見たモブ男子は意味の無い対抗心を燃やす。

『ご主人様、ケーキですぅ』

『美味しくな~れ、萌え萌えキュン』

それを見たモブ貴族生徒が今度は押しかけてくる。

(モブは何でも有りなの?有りなのか?男装女子は貴族の奥方に顎クイと何やら耳元で囁いているし、男子は完全にメイド喫茶の店員になりきっている…。この世界にメイド喫茶を作った覚えは無いのだが…)

そう考えるも作るのはレナンジェス1人だ。

(疲れた…既に学園祭ではなくショッピングモールのランチタイムになっているのだが…)

それでも笑顔を絶やさない。

『あの未亡人は是非とも我が息子の嫁に…』

『あれはハックマン子爵家の次期当主ですぞ?』

『では婿養子に…』

『いや、息子の愛人に…』

モブ貴族のトンデモ発言を聞き流しながらレナンジェスは職務を遂行するのであった。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

【完結】双子の兄が主人公で、困る

  *  ゆるゆ
BL
『きらきら男は僕のモノ』公言する、ぴんくの髪の主人公な兄のせいで、見た目はそっくりだが質実剛健、ちいさなことからコツコツとな双子の弟が、兄のとばっちりで断罪されかけたり、 悪役令息からいじわるされたり 、逆ハーレムになりかけたりとか、ほんとに困る──! 伴侶(予定)いるので。……って思ってたのに……! ルティとトトの動画を作りました! インスタ @yuruyu0 絵もあがります Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら! 本編、両親にごあいさつ編、完結しました! おまけのお話を、時々更新しています。 本編以外はぜんぶ、アルファポリスさまだけですー! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

普段「はい」しか言わない僕は、そばに人がいると怖いのに、元マスターが迫ってきて弄ばれている

迷路を跳ぶ狐
BL
全105話*六月十一日に完結する予定です。 読んでいただき、エールやお気に入り、しおりなど、ありがとうございました(*≧∀≦*)  魔法の名手が生み出した失敗作と言われていた僕の処分は、ある日突然決まった。これから捨てられる城に置き去りにされるらしい。  ずっと前から廃棄処分は決まっていたし、殺されるかと思っていたのに、そうならなかったのはよかったんだけど、なぜか僕を嫌っていたはずのマスターまでその城に残っている。  それだけならよかったんだけど、ずっとついてくる。たまにちょっと怖い。  それだけならよかったんだけど、なんだか距離が近い気がする。  勘弁してほしい。  僕は、この人と話すのが、ものすごく怖いんだ。

無能の騎士~退職させられたいので典型的な無能で最低最悪な騎士を演じます~

紫鶴
BL
早く退職させられたい!! 俺は労働が嫌いだ。玉の輿で稼ぎの良い婚約者をゲットできたのに、家族に俺には勿体なさ過ぎる!というので騎士団に入団させられて働いている。くそう、ヴィがいるから楽できると思ったのになんでだよ!!でも家族の圧力が怖いから自主退職できない! はっ!そうだ!退職させた方が良いと思わせればいいんだ!! なので俺は無能で最悪最低な悪徳貴族(騎士)を演じることにした。 「ベルちゃん、大好き」 「まっ!準備してないから!!ちょっとヴィ!服脱がせないでよ!!」 でろでろに主人公を溺愛している婚約者と早く退職させられたい主人公のらぶあまな話。 ーーー ムーンライトノベルズでも連載中。

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新 Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新 プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!

【完結】愛執 ~愛されたい子供を拾って溺愛したのは邪神でした~

綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢
BL
「なんだ、お前。鎖で繋がれてるのかよ! ひでぇな」  洞窟の神殿に鎖で繋がれた子供は、愛情も温もりも知らずに育った。 子供が欲しかったのは、自分を抱き締めてくれる腕――誰も与えてくれない温もりをくれたのは、人間ではなくて邪神。人間に害をなすとされた破壊神は、純粋な子供に絆され、子供に名をつけて溺愛し始める。  人のフリを長く続けたが愛情を理解できなかった破壊神と、初めての愛情を貪欲に欲しがる物知らぬ子供。愛を知らぬ者同士が徐々に惹かれ合う、ひたすら甘くて切ない恋物語。 「僕ね、セティのこと大好きだよ」   【注意事項】BL、R15、性的描写あり(※印) 【重複投稿】アルファポリス、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ 【完結】2021/9/13 ※2020/11/01  エブリスタ BLカテゴリー6位 ※2021/09/09  エブリスタ、BLカテゴリー2位

この僕が、いろんな人に詰め寄られまくって困ってます!〜まだ無自覚編〜

小屋瀬
BL
〜まだ無自覚編〜のあらすじ アニメ・漫画ヲタクの主人公、薄井 凌(うすい りょう)と、幼なじみの金持ち息子の悠斗(ゆうと)、ストーカー気質の天才少年の遊佐(ゆさ)。そしていつもだるーんとしてる担任の幸崎(さいざき)teacher。 主にこれらのメンバーで構成される相関図激ヤバ案件のBL物語。 他にも天才遊佐の事が好きな科学者だったり、悠斗Loveの悠斗の実の兄だったりと個性豊かな人達が出てくるよ☆ 〜自覚編〜 のあらすじ(書く予定) アニメ・漫画をこよなく愛し、スポーツ万能、頭も良い、ヲタク男子&陽キャな主人公、薄井 凌(うすい りょう)には、とある悩みがある。 それは、何人かの同性の人たちに好意を寄せられていることに気づいてしまったからである。 ーーーーーーーーーーーーーーーーー 【超重要】 ☆まず、主人公が各キャラからの好意を自覚するまでの間、結構な文字数がかかると思います。(まぁ、「自覚する前」ということを踏まえて呼んでくだせぇ) また、自覚した後、今まで通りの頻度で物語を書くかどうかは気分次第です。(だって書くの疲れるんだもん) ですので、それでもいいよって方や、気長に待つよって方、どうぞどうぞ、読んでってくだせぇな! (まぁ「長編」設定してますもん。) ・女性キャラが出てくることがありますが、主人公との恋愛には発展しません。 ・突然そういうシーンが出てくることがあります。ご了承ください。 ・気分にもよりますが、3日に1回は新しい話を更新します(3日以内に投稿されない場合もあります。まぁ、そこは善処します。(その時はまた近況ボード等でお知らせすると思います。))。

【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました

  *  ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。 BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑) 本編完結しました! おまけのお話を時々更新しています。 きーちゃんと皆の動画をつくりました! もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。 インスタ @yuruyu0 絵もあがります Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら! 本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

処理中です...