転生したら乙女ゲームのモブキャラだったのでモブハーレム作ろうとしたら…BLな方向になるのだが

松林 松茸

文字の大きさ
76 / 88

第七十五話 レナンジェス、異世界召喚される!

しおりを挟む
私は今、起こっているイベントをほんのちょっぴり体験した。

い、いや…体験したというよりは全く理解を超えていたのだが…

あ…ありのまま今起こっている事を話します!

突然、学院の廊下を歩いていたら足元に魔方陣が現れ、私を光が包み込こんだ。そして私の姿はこの世界から消えた。

な…何を言っているか解らないと思います…。

私も何が起こっているか解らない。

断罪イベントとか告白イベントだとかそんなチャチなモノでは断じてなかった。

もっと不思議な現象を味わったのだ…。

異世界に召喚されました。

「よく来た、勇者よ」

気が付くと王宮の謁見の間らしき場所に私は立っていた。

(誰?ここは何処?)

レナンジェスは回りを見渡す。王座には若いイケメン王。周りもクールビューティー系のイケメンや可愛い系男子が取り囲んでいる。

「あの…ここは?」

レナンジェスは途惑いながら問い掛ける。

「ここはキケヤメという世界のマーラー帝国だ。我はマーラー1919世である。此度、勇者を召喚したのはこの世界に氾濫する魔族から民を守って欲しいからだ。其方の力を借りたい」

「それで…元の世界へは戻れるのですか?」

マーラー国王の言葉にレナンジェスは問い掛ける。

「無理だ。しかしこの世界では男同士の結婚は認められている。それにこの世界の秘薬を使えば男でも子供を産めるのだ」

「え?…それはお断りで…」

その言葉に周りの美男子たちが野獣の様な眼差しを向けてくる。

「あの…」

レナンジェスは周りの反応に貞操の危機を感じる。何しろ全員が股間にテントを張っているのだ。

「断ればお主の体は自由にさせて貰う」

「そんな…R18指定が付くシチュエーションは困ります!」

「ならば魔族狩りの手伝いをして貰おうか。勿論、成功の暁には我の第五王妃の座に着けよう」

「それは…貴男にあんな事やそんなとこをという状況になりますよね?それは困ります」

レナンジェスは内心でトキメキながら言う。何しろイケメン、イケボのコンボだ。しかしレナンジェスにもやる事はある。故に元の世界に戻る事を考えなければならない。

(魔方陣を解析すれば…逆転移を出来そうだが…)

そんな事を考えながら首を縦に振る。相手を油断させ元の世界に戻る為だ。

「そうか。それでは早速、訓練を始めよう!」

王が嬉しそうに言う。

「私の能力を鑑定したり、この世界にやって来たことにより付与された能力は無いのですか?」

レナンジェスの言葉に王の目が点になる。

「どこの異世界人でも能力を扱うのには練習が必要だ。与えられた能力など存在しないのだよ。それに能力を鑑定するにしても実際に使って貰わなければ解らないさ」

見かねたクール系イケメンが横から口を挟む。どうやらラノベ設定が通じないみたいだ。

その後、レナンジェスは訓練場に連れて行かれる。そこにはブーメランパンツ姿のマッチョや剣を携えたイケメン剣士で溢れかえっていた。

(この世界はおかしい。何処にもブサメンが居ない…)

レナンジェスはそんな事を考える。元の世界では美男美女しか居なかった。それは乙女ゲームの世界だから仕方がない。しかしこの世界でも同じなのだ。

『お、フツメン君が勇者か。手柄を立てれば女子にモテるぞ』

『それにしても細いな。一緒に筋トレしないか?』

『いやいや、このまま俺の嫁になれよ』

訓練していた兵士たちが口々に言う。レナンジェスは苦笑いを浮べるだけだ。

「君の実力を見せてくれ」

不意に隊長らしき者がレナンジェスに木剣を渡してくる。

「…はぁ」

レナンジェスは溜息交じりに木剣を受け取ると剣を構える。そして向かってくる相手を片端から一閃で薙ぎ飛ばす。

『これは…』

『伝説の剣聖か?』

『それにしても細身の男はそそられる』

『凄い技術だ!』

『良いお尻だよな』

『これなら魔族の群れにも勝てるぞ!』

『でも、魔法はどうなんだ?』

所々、厭らしい声も聞こえてくるがどうやら剣術は合格みたいだ。

「次は魔法を見せてくれ」

隊長が的を指刺しながら言う。

「はい…」

レナンジェスはやる気無さそうに呟くと氷の矢を放つ。すると的が石つぶてを放ち反撃してくる。

「あの魔法を粉砕するんだ」

隊長の言葉にレナンジェスは魔力吸収(ドレイン)を付与した氷の鎖を作り出す。そして横に薙ぎ払った。すると的の魔力を吸収した鎖は一瞬で全ての的を破壊した。

「…即戦力だな」

隊長は驚愕の表情を浮かべて言う。

「ところで勇者召喚される基準は何ですか?」

「運だな」

「え?」

「ある意味では運が良いと言える。魔法やら剣術をみっちり覚えられるのだから。逆に今までの生活を奪われるのだから運が悪いともいえる」

「過去に召喚された人は?」

「俺がそうだな。科学の世界で育って来た俺は魔法を覚えるのに2週間も掛ったよ。その代り科学知識が役に立ったけどな」

そう言うと的に向かって火魔法と水魔法を同時に発射する隊長。そして的付近で2つの魔法は重なり爆発を起こす。的は粉々に砕け散っていた。

「…水蒸気爆発」

「そうだ。もしかして科学の世界から来たのか?」

「いいえ、魔法の世界です。それでも魔族はいませんでしたけど」

レナンジェスの乙女ゲームの世界に魔族の設定は無かった。故に見た事が無い。

「俺もこの世界で初めて魔族を見たよ」

隊長は語りだす。

この世界で魔族と呼ばれる存在はラノベ的なモノらしい。黒い翼に羊の角を生やした容姿。顔は美男美女だが性格はエロすぎるそうだ。何しろ人間を薄い本の状態にするのが趣味なのだから。

(要するに性犯罪者から国民を守れと言う事か…それにしても何故、勇者を召喚する必要がある?それだって誘拐じゃないか!)

レナンジェスは納得できないという表情を浮かべる。

「勇者が召喚される理由は…魔族と互角に戦える存在だからだよ」

「マッチョでも互角に戦えそうですが?」

「それはダメだ。奴らはマッチョを見ると喜びながらチップを渡すからな。そのチップはこの国の民から盗んだものだし…」

「じゃあ、全員でマッチョになれば解決でしょ?」

「そうだが…筋トレだけでは…」

その言葉でレナンジェスは思いつく。プロテインを大量に作れば平和になると。

「私に考えがあります」

レナンジェスはそう言うとこの世界の植物図鑑を借りる。そしてプロテインの原料を調べるのであった。

しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

【完結】双子の兄が主人公で、困る

  *  ゆるゆ
BL
『きらきら男は僕のモノ』公言する、ぴんくの髪の主人公な兄のせいで、見た目はそっくりだが質実剛健、ちいさなことからコツコツとな双子の弟が、兄のとばっちりで断罪されかけたり、 悪役令息からいじわるされたり 、逆ハーレムになりかけたりとか、ほんとに困る──! 伴侶(予定)いるので。……って思ってたのに……! ルティとトトの動画を作りました! インスタ @yuruyu0 絵もあがります Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら! 本編、両親にごあいさつ編、完結しました! おまけのお話を、時々更新しています。 本編以外はぜんぶ、アルファポリスさまだけですー! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

普段「はい」しか言わない僕は、そばに人がいると怖いのに、元マスターが迫ってきて弄ばれている

迷路を跳ぶ狐
BL
全105話*六月十一日に完結する予定です。 読んでいただき、エールやお気に入り、しおりなど、ありがとうございました(*≧∀≦*)  魔法の名手が生み出した失敗作と言われていた僕の処分は、ある日突然決まった。これから捨てられる城に置き去りにされるらしい。  ずっと前から廃棄処分は決まっていたし、殺されるかと思っていたのに、そうならなかったのはよかったんだけど、なぜか僕を嫌っていたはずのマスターまでその城に残っている。  それだけならよかったんだけど、ずっとついてくる。たまにちょっと怖い。  それだけならよかったんだけど、なんだか距離が近い気がする。  勘弁してほしい。  僕は、この人と話すのが、ものすごく怖いんだ。

無能の騎士~退職させられたいので典型的な無能で最低最悪な騎士を演じます~

紫鶴
BL
早く退職させられたい!! 俺は労働が嫌いだ。玉の輿で稼ぎの良い婚約者をゲットできたのに、家族に俺には勿体なさ過ぎる!というので騎士団に入団させられて働いている。くそう、ヴィがいるから楽できると思ったのになんでだよ!!でも家族の圧力が怖いから自主退職できない! はっ!そうだ!退職させた方が良いと思わせればいいんだ!! なので俺は無能で最悪最低な悪徳貴族(騎士)を演じることにした。 「ベルちゃん、大好き」 「まっ!準備してないから!!ちょっとヴィ!服脱がせないでよ!!」 でろでろに主人公を溺愛している婚約者と早く退職させられたい主人公のらぶあまな話。 ーーー ムーンライトノベルズでも連載中。

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新 Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新 プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!

【完結】愛執 ~愛されたい子供を拾って溺愛したのは邪神でした~

綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢
BL
「なんだ、お前。鎖で繋がれてるのかよ! ひでぇな」  洞窟の神殿に鎖で繋がれた子供は、愛情も温もりも知らずに育った。 子供が欲しかったのは、自分を抱き締めてくれる腕――誰も与えてくれない温もりをくれたのは、人間ではなくて邪神。人間に害をなすとされた破壊神は、純粋な子供に絆され、子供に名をつけて溺愛し始める。  人のフリを長く続けたが愛情を理解できなかった破壊神と、初めての愛情を貪欲に欲しがる物知らぬ子供。愛を知らぬ者同士が徐々に惹かれ合う、ひたすら甘くて切ない恋物語。 「僕ね、セティのこと大好きだよ」   【注意事項】BL、R15、性的描写あり(※印) 【重複投稿】アルファポリス、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ 【完結】2021/9/13 ※2020/11/01  エブリスタ BLカテゴリー6位 ※2021/09/09  エブリスタ、BLカテゴリー2位

この僕が、いろんな人に詰め寄られまくって困ってます!〜まだ無自覚編〜

小屋瀬
BL
〜まだ無自覚編〜のあらすじ アニメ・漫画ヲタクの主人公、薄井 凌(うすい りょう)と、幼なじみの金持ち息子の悠斗(ゆうと)、ストーカー気質の天才少年の遊佐(ゆさ)。そしていつもだるーんとしてる担任の幸崎(さいざき)teacher。 主にこれらのメンバーで構成される相関図激ヤバ案件のBL物語。 他にも天才遊佐の事が好きな科学者だったり、悠斗Loveの悠斗の実の兄だったりと個性豊かな人達が出てくるよ☆ 〜自覚編〜 のあらすじ(書く予定) アニメ・漫画をこよなく愛し、スポーツ万能、頭も良い、ヲタク男子&陽キャな主人公、薄井 凌(うすい りょう)には、とある悩みがある。 それは、何人かの同性の人たちに好意を寄せられていることに気づいてしまったからである。 ーーーーーーーーーーーーーーーーー 【超重要】 ☆まず、主人公が各キャラからの好意を自覚するまでの間、結構な文字数がかかると思います。(まぁ、「自覚する前」ということを踏まえて呼んでくだせぇ) また、自覚した後、今まで通りの頻度で物語を書くかどうかは気分次第です。(だって書くの疲れるんだもん) ですので、それでもいいよって方や、気長に待つよって方、どうぞどうぞ、読んでってくだせぇな! (まぁ「長編」設定してますもん。) ・女性キャラが出てくることがありますが、主人公との恋愛には発展しません。 ・突然そういうシーンが出てくることがあります。ご了承ください。 ・気分にもよりますが、3日に1回は新しい話を更新します(3日以内に投稿されない場合もあります。まぁ、そこは善処します。(その時はまた近況ボード等でお知らせすると思います。))。

【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました

  *  ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。 BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑) 本編完結しました! おまけのお話を時々更新しています。 きーちゃんと皆の動画をつくりました! もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。 インスタ @yuruyu0 絵もあがります Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら! 本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

処理中です...