上 下
59 / 63

第60話 不死の王VS王子と真一

しおりを挟む
「ついに僕一人になったか。でもね、僕の虐殺魔法はチートなのを忘れて貰っては困るよ。神や悪魔でも僕は倒せないんだ。君たち4人を殺したら上空の女性天使で脱童貞するんだ。僕の野望は邪魔させないよ」

不死の王が淫らな笑みを浮かべながら上空の女性天使に目を向ける。

「それはどうかな?僕はお前にバックヴァージンを奪われた。その恨みと苦痛を乗り越えてお前の魔法を相殺できる能力を手に入れたんだ。おまえだけは絶対に許さない」

真一は怒りに燃えながら不死の王を睨みつける。

「俺達兄弟は神魔融合の力を持つ。おまえの力と互角以上なんだぜ。それが4人だ。おまえに勝ち目はないね」

青龍がそう言い放つと5人は臨戦態勢をとる。

「それでは始めようか」

不死の王はそう言うと虐殺魔法を放つ。

「こんなもの!」

真一は結界を展開しながら虐殺魔法を防ぐ。そして刃を出現させると不死の王めがけて放つ。

「かすったか…ちょっと痛いね」

そう言いながら不死の王の傷が修復する。

「惜しかったね」

不死の王はニヤリと笑う。

「あ、青龍王子避けて!」

そう言いながら真一は青龍の周りに結界を張ろうとする。しかし青龍の後ろから放たれた虐殺魔法が青龍に直撃した。

「王子!」

真一が青龍の傍に駆け寄る。

「心配するな。神魔融合の力でなら虐殺魔法を防げるさ」

そう言いながら青龍は不死の王に突進する。そして顔面を殴った。

「ギャー…痛い」

不死の王は鼻血を出しながら吹き飛ぶ。

「お前の力は俺には通じない」

そう言いながらも青龍は背中から血を流している。薄くではあるが傷を負ったのだ。

「強がり言っちゃって。全部防げないじゃないか」

不死の王が笑い出す。

「ギャー」

再び不死の王が悲鳴をあげる。朱雀と玄武の神魔融合魔法を食らったのだ。そして右腕と左足が吹き飛ぶ。

「やってくれたな!」

不死の王は腕と足を再生するが魔力は落ちている。

「食らえ!」

白虎が近接戦闘で不死の王をサンドバックにする。そして背中から思いっきり蹴り飛ばした。そこには青龍がおり、青龍も不死の王をボコボコに殴る。

「クッ…こんな事が…」

そう言いながら体を癒そうとするがその度に青龍、白虎、朱雀、玄武の攻撃を受ける。そしてふらふらになっていた。

「真一!止めは君が刺すんだ!」

その言葉に真一は黒い刃を複数本、不死の王に放つ。

「ギャー…こんな事が…」

「くたばれ!素人童貞!!」

真一はそう言うと大きな刃を不死の王の胸に突き刺す。

「…素人…童貞…言うな…」

その言葉が不死の王の最後の言葉になった。不死の王は塵と化し消えていったのだ。

「バックヴァージンの恨み晴らしたぞ!」

真一は涙ながらに叫んだ。

「あぁ、立派だったぞ」

白虎がそう言いながら真一の頭を撫でる。

「フゥ…疲れた」

青龍は女性天使に回復魔法をかけて貰いながら一息つく。


「我々の勝利だ!」

朱雀の雄叫びに歓声が沸き起こる。ついに不死の王を倒したのだ。


それから数時間後、戦闘での死者を運び出し瘴気の大地へ通じる洞窟は全てコンクリートで埋められる。これで瘴気の大地からの脅威は去ったのだ。


それから数時間後、人間の大陸の瘴気の森は全て正常な状態になった。真一の探知能力で魔石を全て回収できたのだ。そして魔石は浄化される。

「これで…みんなのバックヴァージンは守られる」

真一は達成感を表情に現しながら言い放つ。

「真一さん!」

恋人のエルフが真一に駆け寄る。そして2人は唇を重ねる。

その後、近くの宿屋へ消えていく2人であった。
しおりを挟む

処理中です...