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14話~ナミ~
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(ママンがそろそろやって来るっていうのに……何だよこれ……)
ホワイトにかけられた術を、すぐ解く事は出来たものの、時間の経過と共に【術酔い】がエンディの身体を襲い始めていました。
(まぁ、もう少ししたら収まるかな……)
朦朧と酔う意識の中、エンディはパパンであるエンディの記憶に包まれていました。
(パパンの記憶を知っておく事も、大事な任務だしね)
エンディはゆっくりと眼を閉じると、そのまま記憶と共に眠りについたのでした。
*
パパンであるエンディがジュピターからやって来た目的は、改造の依頼でした。
突如、遠い星団から転がり込んできたこの他国のお客人に、ホワイトはとても興味を示しました。
色々な情報交換。
その意志の伝達の中で、ホワイトは種族の残し方の違いに、とても興味を持ちました。
何故ならホワイトの種族には、性別という概念がなかったからでした。とても長命だった為、繁殖は身体のパーツからの分裂による誕生であり、それはとてもシンプルな形の物でした。
その為に、ある程度の感情は発生するものの、感情の波形もとてもシンプルなもの。
ホワイトは、エンディの感情の波形にとても興味を持ちました。その波はとても複雑で、強弱の振り幅も凄まじく、そしてそれは【愛】によって生み出されるという事を教わりました。
そしてそれを知るには【性別】が必要であるという事。愛を知り繁殖をする事で、新たな生命体が誕生する事を知ったのでした。
そこで、ホワイトはエンディと契約をする事にしました。改造を施す代わりに【愛】を教わるという契約です。
ホワイトは、星間戦争が一向に無くならないこのオリオンを【新たな概念】である【愛】で、阻止したいと思ったのでした。
*
ジュピターから、エンディの紹介で1人の科学者がやって来ました。ジュピター出身のその科学者は大人の女性で、名を『ナミ』と言いました。
エンディの話では、ナミは女性であり
ジュピターでは、女性だけが生命体を生み出す事が出来るという話でした。
ホワイトは、ナミを森の奥にある実験施設へと連れて行きました。
ホワイトはそこで色々な技術をナミに教えました。ナミもそれを瞬時に飲み込み、ホワイトの色々な助けとなるレベルにすら、いつしかなっていました。
「改造のやり方もだいたい理解出来たわ、ホワイト。エンディの足の取り変えも、私が試してみてもいいかしら?」
ナミは自信に満ち溢れた顔つきで、そうホワイトに尋ねました。
「エンディがいいなら構わないが」
「俺なら大丈夫だよ?」
実験施設に入ってきたエンディは、ニッコリと微笑むと、ふたりの傍に座り、身体から生える大きな羽を身体の中へとおさめました。
「じゃあ決まりね♪」
ナミが早速、改造の準備を始めると、エンディが「その前に!」と、大きな声でその動きを制しました。
「どうしたのだ、エンディ」
「いや、折角だし?ホワイト、女性という種をこの星に誕生させてみない?その方が【愛】をいち早く理解出来ると思うんだ」
「なるほど。それは、どうすれば?」
「ホワイトの術と、私の技術の融合をさせる……でいいかしら?エンディ」
ナミは、真剣な顔つきでセオリーを語り始めました。そしてそれは、果てしなくタブーな領域に足を踏み入れる事でもありました。
「核か……」
ホワイトは、そのセオリーの中に出てきた危険なワードに、少し顔を歪めました。
「この星が、星間戦争で使用された核でこんな状態になった事も聞き及んでいるわ。そして、その核となる鉱石が、豊富な星であるという事も」
「確かに。核は、莫大なエネルギーを生み出すものだが………それで滅びた星が後を絶たない。この星が星間戦争の対象外なのも、汚染が最大の要因なのだから」
「汚染からも護る事が可能な技術がジュピターにはあるわ?いえ、私にはあるわ。ホワイト、だからそれらを逆手に取りましょうよ」
「なるほど。ナミは自己肯定感の塊というわけか」
ホワイトは、目を細めて微笑みかけました。
「核を使う事を、特別に許可しよう」
「ありがとうホワイト!では、最初の妻を生み出すわ。どんなタイプがお好みかしら?」
「妻とかタイプの意味が全く理解が出来ない。だから、ナミに全てを任せよう」
「わかったわ。私に任せて?」
ナミは興奮気味にそう言うと、自分の実験施設の中へと消えていきました。
「いい事思いついた!」
突如、大きな声で閃きの言葉を口にしたエンディはホワイトに提案を始めました。
「折角だしさ、他国の著名クラスのコピーにしちゃわない?」
「コピー?」
「オリジナルのソウルをスキャニングして、それを器に紐付けるんだ。そうすると、ホワイトの片腕にもなるし、【愛】も知る事が出来るし、良い事ばかりかなって」
「それは、いわばクローンと同じではないのか。クローンでしか種を残せなくなった他国の者を沢山見てきた。そして皆が必ず滅んでいった。そんな二番煎じに乗るわけには……」
「二番煎じなんかじゃないよ?クローンってのは、デメリットが多すぎる。でも、コピーである、レプリカは違う」
「レプリカ?」
「あぁそうレプリカ。ナミとホワイトが協力すれば、それは多分可能だよ?だから、やってみない?」
ホワイトは、エンディの言葉に黙り込みました。
そして不安と期待を天秤にかけた時に、期待への比重が高くなるのを、もはや止めることが出来なくなっていたのでした。
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