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愛されすぎる一夜――イケメンエリート吸血鬼が抱いて離してくれない
5. 名残り
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蒼真さんの唇が、首筋からそっと離れる。
舌先で静かにぬぐうように傷をなぞって、それから、深く息を吐いた。
「……疲れたでしょ。少し、じっとしてて」
そう言って、彼の腕が私の背を包み込む。
軽く引き寄せられると、彼の胸に頭が預けられて、自然と腕の中におさまった。
抵抗する理由なんてなかった。身体の力が抜けて、ただ身を預ける。
呼吸のリズムが、少しずつ整っていく。
彼の心音がゆっくりと響いていて、まるで子守唄みたいだった。
肩幅、広いな――とふと思う。
胸にぴったりとくっついているから余計にそう感じる。
抱きしめられているというより、囲まれているみたいな感覚。
息苦しくはない。ただ、安心してしまっている自分がいた。
「……こうしてると、落ち着くね」
ぽつりと、彼が呟く。
無理に気を引くでもなく、どこか自然な響きで。
「……はい」
私の声は、自分でも驚くほど小さくて、掠れていた。
でも彼はそれに返事をしないまま、黙って頭を撫でてきた。
ゆっくりと、髪を梳くように。何も言わずに。
ただ、それだけで十分だった。
何も話さなくても、この時間を終わらせたくないと思ってしまった。
「名残惜しいけど、そろそろ戻らないとね」
彼の手が、私の背に軽く触れたまま、そう言った。
私はうなずいて、少しだけ身体を起こす。
彼がさりげなくドレスを直してくれた。
指先が肌に触れたとき、ぴくんと肩が反応する。
「……まだ、余韻が残ってるね」
小さくそう言って、彼は私の顔を見ずに立ち上がった。
その背中を見上げながら、私もゆっくりと立ち上がる。
「また来るよ」
振り返らずに言われたその一言が、やけに耳に残った。
軽いのか、重いのか、それすらわからないまま、私はただ――うなずいた。
舌先で静かにぬぐうように傷をなぞって、それから、深く息を吐いた。
「……疲れたでしょ。少し、じっとしてて」
そう言って、彼の腕が私の背を包み込む。
軽く引き寄せられると、彼の胸に頭が預けられて、自然と腕の中におさまった。
抵抗する理由なんてなかった。身体の力が抜けて、ただ身を預ける。
呼吸のリズムが、少しずつ整っていく。
彼の心音がゆっくりと響いていて、まるで子守唄みたいだった。
肩幅、広いな――とふと思う。
胸にぴったりとくっついているから余計にそう感じる。
抱きしめられているというより、囲まれているみたいな感覚。
息苦しくはない。ただ、安心してしまっている自分がいた。
「……こうしてると、落ち着くね」
ぽつりと、彼が呟く。
無理に気を引くでもなく、どこか自然な響きで。
「……はい」
私の声は、自分でも驚くほど小さくて、掠れていた。
でも彼はそれに返事をしないまま、黙って頭を撫でてきた。
ゆっくりと、髪を梳くように。何も言わずに。
ただ、それだけで十分だった。
何も話さなくても、この時間を終わらせたくないと思ってしまった。
「名残惜しいけど、そろそろ戻らないとね」
彼の手が、私の背に軽く触れたまま、そう言った。
私はうなずいて、少しだけ身体を起こす。
彼がさりげなくドレスを直してくれた。
指先が肌に触れたとき、ぴくんと肩が反応する。
「……まだ、余韻が残ってるね」
小さくそう言って、彼は私の顔を見ずに立ち上がった。
その背中を見上げながら、私もゆっくりと立ち上がる。
「また来るよ」
振り返らずに言われたその一言が、やけに耳に残った。
軽いのか、重いのか、それすらわからないまま、私はただ――うなずいた。
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