3 / 29
宇宙人?の奇跡
carriage return
しおりを挟む
………なびく。
…………なびいている。
風が。光が。
蒼ヶ峰聡の接地面をなびいていく。
始点も。終点も。
今の彼にはおおよそ関連がない。
此処に只有るのは流れ。
flow. flow. flow. flow.
在ることが許される簡略化された概念が
軌跡で結ぶ流曲線でもってして
かろうじて彼はその自認を楔留めている。
………それが?
枠、枠なのだ。
言うなればそれはフレームであり、
同様に、ジグソーパズルのスプリット。
ハマればそろうだろう。
カメればうごくだろう。
………だから?
しかして、その用意された空席に
漫然と着くことを記憶が受け入れない。
手放したのだ。
手放したのだ。
戻ってくる。追いすがる。
蒼ヶ峰聡がボクに絡みつき、
その生命を滲ませるように脈動する。
どこまで救いようのない。
それじゃあダメなんだもの。
俯瞰私の幽体ならありありとわかる。
アレを蒼ヶ峰聡と銘打つのなら
彼の隣には。
彼女がいなくては
その生命はヒト足りえないのだから。
……………
…………
………
……
neutralized
意気揚々と綴られていた打鍵音。
意匠を含んだテンポでもって
辿るゆるやかな安行が停止する。
……………………………
silence
silence
silence
平静は変わらない。
閑静も止まるまい。
されど二度のfermata
繰り返された間隙。不明瞭なるカテゴライズ。
虚無を識る奏者見えずとも
明確なりし微かなイロが
その幕間に含有まれていた。
チィン
跳ねる金属器。
しばし、ーーー
暗転。
…………なびいている。
風が。光が。
蒼ヶ峰聡の接地面をなびいていく。
始点も。終点も。
今の彼にはおおよそ関連がない。
此処に只有るのは流れ。
flow. flow. flow. flow.
在ることが許される簡略化された概念が
軌跡で結ぶ流曲線でもってして
かろうじて彼はその自認を楔留めている。
………それが?
枠、枠なのだ。
言うなればそれはフレームであり、
同様に、ジグソーパズルのスプリット。
ハマればそろうだろう。
カメればうごくだろう。
………だから?
しかして、その用意された空席に
漫然と着くことを記憶が受け入れない。
手放したのだ。
手放したのだ。
戻ってくる。追いすがる。
蒼ヶ峰聡がボクに絡みつき、
その生命を滲ませるように脈動する。
どこまで救いようのない。
それじゃあダメなんだもの。
俯瞰私の幽体ならありありとわかる。
アレを蒼ヶ峰聡と銘打つのなら
彼の隣には。
彼女がいなくては
その生命はヒト足りえないのだから。
……………
…………
………
……
neutralized
意気揚々と綴られていた打鍵音。
意匠を含んだテンポでもって
辿るゆるやかな安行が停止する。
……………………………
silence
silence
silence
平静は変わらない。
閑静も止まるまい。
されど二度のfermata
繰り返された間隙。不明瞭なるカテゴライズ。
虚無を識る奏者見えずとも
明確なりし微かなイロが
その幕間に含有まれていた。
チィン
跳ねる金属器。
しばし、ーーー
暗転。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
3
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる