六畳半のフランケン

彼女は自身を俯瞰していた。
眼に映すその情景を私の世界と認めるように。
彼女は笑って涙していた。
余りに小さなその輝きを尊いものだと囁くように。
彼女はか細く別れを告げた。
無力な僕の傍らで在る日常を慈しむように。

そうして、


彼女は僕の手の中で死んだ。

彼女の好きな丘の上。
自由を歌ったその街並みを
最後に眺めて、眠りについた。

盗み取りながら、壊した幸せ。
離れたはずの質素な夢が、

彼女の影を残す六畳半の中、
僕に再び目覚めを告げた。

見えない愛のカタチを捉え直す、
日常系ラブストーリー。



注) この作品はフィクションです。
実在の人物や団体などとは
関係ありません。
24h.ポイント 0pt
0
小説 218,746 位 / 218,746件 恋愛 64,210 位 / 64,210件

あなたにおすすめの小説

短編)どうぞ、勝手に滅んでください。

黑野羊
恋愛
二度も捨てられた聖女です。真実の愛を見つけたので、国は救いません。 あらすじ) 大陸中央にあるルオーゴ王国で、国を守る結界を維持してきた聖女ロザリア。 政略のため王太子と婚約していた彼女は、突如『真の聖女』が現れたとして婚約を破棄され、聖女の座を追われてしまう。さらに、代わりに婚姻しろと命じられた聖騎士からも拒絶され、実家にも見捨てられたロザリアは、『最果ての修道院』へと追放された。 けれど彼女はそこで、地位や栄光、贅沢などとはほど遠い、無条件に寄り添ってくれる『真実の愛』と穏やかな日々を手にいれる。 やがて聖女を失った王国は、崩壊へ向かっていき――。 ーーー ※カクヨム、なろうにも掲載しています

 怒らせてはいけない人々 ~雉も鳴かずば撃たれまいに~

美袋和仁
恋愛
 ある夜、一人の少女が婚約を解消された。根も葉もない噂による冤罪だが、事を荒立てたくない彼女は従容として婚約解消される。  しかしその背後で爆音が轟き、一人の男性が姿を見せた。彼は少女の父親。  怒らせてはならない人々に繋がる少女の婚約解消が、思わぬ展開を導きだす。  なんとなくの一気書き。御笑覧下さると幸いです。

思い出してしまったのです

月樹《つき》
恋愛
同じ姉妹なのに、私だけ愛されない。 妹のルルだけが特別なのはどうして? 婚約者のレオナルド王子も、どうして妹ばかり可愛がるの? でもある時、鏡を見て思い出してしまったのです。 愛されないのは当然です。 だって私は…。

拝啓、婚約者さま

松本雀
恋愛
――静かな藤棚の令嬢ウィステリア。 婚約破棄を告げられた令嬢は、静かに「そう」と答えるだけだった。その冷静な一言が、後に彼の心を深く抉ることになるとも知らずに。

あのひとのいちばん大切なひと

キムラましゅろう
恋愛
あのひとはわたしの大切なひと。 でも、あのひとにはわたしではない大切なひとがいる。 それでもいい。 あのひとの側にいられるなら。 あのひとの役にたてるなら。 でもそれも、もうすぐおしまい。 恋人を失ったアベルのために奮闘したリタ。 その恋人がアベルの元へ戻ると知り、リタは離れる決意をする。 一話完結の読み切りです。 読み切りゆえにいつも以上にご都合主義です。 誤字脱字ごめんなさい!最初に謝っておきます。 小説家になろうさんにも時差投稿します。 ※表紙はあさぎかな先生(@yatusiro1)にコラージュアートを作成していただいたものです。 (*´˘`*)シアワセデスッ

どうぞお好きになさってください

みおな
恋愛
学園に入学して一ヶ月。 婚約者の第一王子殿下は言った。 「学園にいる間くらい自由にさせてくれないか。君が王太子妃になることは決定事項だ。だから、せめて学園に通う二年間は、僕は恋がしたい」 公爵令嬢はその綺麗な顔に冷酷な笑みを浮かべる。 「好きになさればよろしいわ」

嫌われたと思って離れたのに

ラム猫
恋愛
 私は、婚約者のカイルに嫌われたと思った。冷たくそっけなく、近づくたびに避けられる日々。  距離を置くことを選び、留学の準備も進めて心を落ち着かせようとするけれど——。

可愛らしい人

はるきりょう
恋愛
「でも、ライアン様には、エレナ様がいらっしゃるのでは?」 「ああ、エレナね。よく勘違いされるんだけど、エレナとは婚約者でも何でもないんだ。ただの幼馴染み」 「それにあいつはひとりで生きていけるから」 女性ながらに剣術を学ぶエレナは可愛げがないという理由で、ほとんど婚約者同然の幼馴染から捨てられる。 けれど、 「エレナ嬢」 「なんでしょうか?」 「今日の夜会のパートナーはお決まりですか?」  その言葉でパートナー同伴の夜会に招待されていたことを思い出した。いつものとおりライアンと一緒に行くと思っていたので参加の返事を出していたのだ。 「……いいえ」  当日の欠席は著しく評価を下げる。今後、家庭教師として仕事をしていきたいと考えるのであれば、父親か兄に頼んででも行った方がいいだろう。 「よければ僕と一緒に行きませんか?」