六畳半のフランケン

乙太郎

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つまるところボクら排他的社会人

1#お昼ご飯

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バタン


ドアが、閉まる。

…………

情報媒体、テレビジョンによる学習を中止。
メインタスク。お昼ご飯の調達。

が、その前に。
居室を確認。
あるじの出払った六畳半。
いつも通り、静寂が充満するスペース。
いつもと違う、並んだままの敷布団。

「清掃、開始します。」

端を掴み、持ち上げ、端と合わせ、整える。
端を掴み、持ち上げ、端と合わせ、整える。
これら2組を規定された位置、壁面と壁面の形成するポケットへ。

………

「不足。部屋を埋める構成因子。」

窓際に立て掛けられたちゃぶ台を持ち上げ
限られたスペースの中央に展開。

………?

こてん。

「要検証。食事を摂る必要のないタイムラインにおける
ちゃぶ台の存在の是非。」

見渡す。見つける。
キッチンに放置された加工済備蓄食糧。
気温。湿度。暖まりはじめの春先。
現状での長期保存は非推奨。
鮮度の低下による副次的リスクを想定。

………

「命令。キッチン周りは不可侵で。」

サトルさんの用意したお昼ご飯はない。
調理器具も使えず、備蓄も全消費。

「外出の必要性を確認。
認可により禁則行動の一つを解禁。
………一通り、出来ますとも。マイパートナー。」

睡眠時のユニフォームから外出時の衣服へ転身。
通話機能のみのスマートフォンを手にとって。

先ほど主がそうしたように。
重く、厚く、冷たい隔壁とも呼べるソレを、ーーー

………?

取っ手を掴もうとした右手に違和感。
痺れ。脱力。そして、震え?

「………疑問。当該行為に不適当な箇所は
ない筈。そうですよね?」

構わず左手でドアノブを引く。
預けられたカギ。
そのまま取り出して上下を回す。
振り返ってして頭上を見上げる。

あいもかわらず、
彼の太陽はてらてら眩しくさんさんと。

そして誰もいなくなった六畳半を置き去りに。
アオガミネユリネは休日に共に立ち寄ったことのある
コンビニエンスストアへと歩みを進めた。
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