34 / 78
「ごちそうさま」
3
しおりを挟む
平日には出来なかった洗濯やら部屋の掃除なんかをして全てが一段落した頃、お腹がグーと鳴った。そう言えば朝にバゲットを食べたきりだ。
時計を見ると、時刻は午後2時。どうりでお腹が空くはずだ。
さて、何を食べよう?
徒歩7分のコンビニで何か買うか、徒歩5分の定食屋へ行くか、お湯を注ぐだけのカップ麺か、それとも……。
思案した結果、一番近い徒歩3分のスーパーでお弁当を買うことに決めた。
コートを羽織り、お財布とスマホをコートのポケットに突っ込む。
そう言えば電源を落としたままだったことを思い出してもう一度スマホを手に取り、電源を入れる。起動するまで少し時間がかかるので、そのまま再びポケットの中へと放り込んだ。
スニーカーを履いて家を出て、挙動の遅いエレベーターをのんびり待って……いる間にスマホが完全に起動したらしく、ピコン、とメッセージの通知音が鳴った。
「……げっ」
エレベーターに乗り込みながら画面を確認すると、何件もの留守電の通知と、同じく何件ものショートメッセージが入っていて思わず下品な声が出た。それが全て孝治からのものだったので、ますますげんなりする。
最悪だ。
本当に全てアイツからのものかどうかをしっかり確認してから、通知を全て削除した。一体いまさら何の用事があると言うんだろう。
振られた側の私がもう一度考え直してって懇願するならともかく、振った側の男が捨てた女に対して何を言うつもり?
お前のメシは不味かった、とか。
お前の迷子癖には辟易だ、とか。
お前の派手な顔はもう見飽きた、とか……?
「……サイアク」
余計な想像をしてしまって、ムカムカして来てしまった。もうアイツのことを考えるのはよそう。
スーパーでお昼に食べるお弁当と夜に食べる分のお総菜、ついでに切らしていたビールの6缶パックを買って、ルンルン気分で来た道を戻る。
……と、スーパーを出てすぐにスマホが鳴った。
右手にお弁当とお総菜、左手にビール……、両手がふさがってるから無視しようかな……ビール重いし。そう思っている間にもけたたましい音が鳴り響き、着信を主張している。
あーあ、バイブだけのマナーモードにしておくべきだった、うるさすぎる。
仕方なく買ったものを全て左手に持ち、ポケットからスマホを取り出した。発信主は案の定、孝治だ。
電話には出ずに通話を切って、今度こそバイブモードに切り替え、ポケットに放り込む。
あぁ、片手で持ってたから、せっかく買ったお弁当とお総菜が斜めになっておかずが寄ってしまったじゃないの、どうしてくれるのよ?
イラッとしながら自宅へと歩き出す。
ポケットの中でスマホがブルブルし始めたけど、無視だ。部屋へ着くまでの間も、何度も着信があったけど全部無視した。
だって私のおかずをこれ以上犠牲には出来ないから。
斜めにしてしまったからお弁当のおかずは完全に寄ってしまっていて、さくら漬けとひじきの煮物が混ざり合った状態でから揚げにすっかりまぶされていた。
うわぁ、カオス……。
時計を見ると、時刻は午後2時。どうりでお腹が空くはずだ。
さて、何を食べよう?
徒歩7分のコンビニで何か買うか、徒歩5分の定食屋へ行くか、お湯を注ぐだけのカップ麺か、それとも……。
思案した結果、一番近い徒歩3分のスーパーでお弁当を買うことに決めた。
コートを羽織り、お財布とスマホをコートのポケットに突っ込む。
そう言えば電源を落としたままだったことを思い出してもう一度スマホを手に取り、電源を入れる。起動するまで少し時間がかかるので、そのまま再びポケットの中へと放り込んだ。
スニーカーを履いて家を出て、挙動の遅いエレベーターをのんびり待って……いる間にスマホが完全に起動したらしく、ピコン、とメッセージの通知音が鳴った。
「……げっ」
エレベーターに乗り込みながら画面を確認すると、何件もの留守電の通知と、同じく何件ものショートメッセージが入っていて思わず下品な声が出た。それが全て孝治からのものだったので、ますますげんなりする。
最悪だ。
本当に全てアイツからのものかどうかをしっかり確認してから、通知を全て削除した。一体いまさら何の用事があると言うんだろう。
振られた側の私がもう一度考え直してって懇願するならともかく、振った側の男が捨てた女に対して何を言うつもり?
お前のメシは不味かった、とか。
お前の迷子癖には辟易だ、とか。
お前の派手な顔はもう見飽きた、とか……?
「……サイアク」
余計な想像をしてしまって、ムカムカして来てしまった。もうアイツのことを考えるのはよそう。
スーパーでお昼に食べるお弁当と夜に食べる分のお総菜、ついでに切らしていたビールの6缶パックを買って、ルンルン気分で来た道を戻る。
……と、スーパーを出てすぐにスマホが鳴った。
右手にお弁当とお総菜、左手にビール……、両手がふさがってるから無視しようかな……ビール重いし。そう思っている間にもけたたましい音が鳴り響き、着信を主張している。
あーあ、バイブだけのマナーモードにしておくべきだった、うるさすぎる。
仕方なく買ったものを全て左手に持ち、ポケットからスマホを取り出した。発信主は案の定、孝治だ。
電話には出ずに通話を切って、今度こそバイブモードに切り替え、ポケットに放り込む。
あぁ、片手で持ってたから、せっかく買ったお弁当とお総菜が斜めになっておかずが寄ってしまったじゃないの、どうしてくれるのよ?
イラッとしながら自宅へと歩き出す。
ポケットの中でスマホがブルブルし始めたけど、無視だ。部屋へ着くまでの間も、何度も着信があったけど全部無視した。
だって私のおかずをこれ以上犠牲には出来ないから。
斜めにしてしまったからお弁当のおかずは完全に寄ってしまっていて、さくら漬けとひじきの煮物が混ざり合った状態でから揚げにすっかりまぶされていた。
うわぁ、カオス……。
2
あなたにおすすめの小説
結婚直後にとある理由で離婚を申し出ましたが、 別れてくれないどころか次期社長の同期に執着されて愛されています
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「結婚したらこっちのもんだ。
絶対に離婚届に判なんて押さないからな」
既婚マウントにキレて勢いで同期の紘希と結婚した純華。
まあ、悪い人ではないし、などと脳天気にかまえていたが。
紘希が我が社の御曹司だと知って、事態は一転!
純華の誰にも言えない事情で、紘希は絶対に結婚してはいけない相手だった。
離婚を申し出るが、紘希は取り合ってくれない。
それどころか紘希に溺愛され、惹かれていく。
このままでは紘希の弱点になる。
わかっているけれど……。
瑞木純華
みずきすみか
28
イベントデザイン部係長
姉御肌で面倒見がいいのが、長所であり弱点
おかげで、いつも多数の仕事を抱えがち
後輩女子からは慕われるが、男性とは縁がない
恋に関しては夢見がち
×
矢崎紘希
やざきひろき
28
営業部課長
一般社員に擬態してるが、会長は母方の祖父で次期社長
サバサバした爽やかくん
実体は押しが強くて粘着質
秘密を抱えたまま、あなたを好きになっていいですか……?
一億円の花嫁
藤谷 郁
恋愛
奈々子は家族の中の落ちこぼれ。
父親がすすめる縁談を断り切れず、望まぬ結婚をすることになった。
もうすぐ自由が無くなる。せめて最後に、思いきり贅沢な時間を過ごそう。
「きっと、素晴らしい旅になる」
ずっと憧れていた高級ホテルに到着し、わくわくする奈々子だが……
幸か不幸か!?
思いもよらぬ、運命の出会いが待っていた。
※エブリスタさまにも掲載
叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する
花里 美佐
恋愛
冷淡財閥御曹司VS失業中の華道家
結婚に興味のない財閥御曹司は見合いを断り続けてきた。ある日、祖母の師匠である華道家の孫娘を紹介された。面と向かって彼の失礼な態度を指摘した彼女に興味を抱いた彼は、自分の財閥で花を活ける仕事を紹介する。
愛を知った財閥御曹司は彼女のために冷淡さをかなぐり捨て、甘く変貌していく。
俺に抱かれる覚悟をしろ〜俺様御曹司の溺愛
ラヴ KAZU
恋愛
みゆは付き合う度に騙されて男性不信になり
もう絶対に男性の言葉は信じないと決心した。
そんなある日会社の休憩室で一人の男性と出会う
これが桂木廉也との出会いである。
廉也はみゆに信じられない程の愛情を注ぐ。
みゆは一瞬にして廉也と恋に落ちたが同じ過ちを犯してはいけないと廉也と距離を取ろうとする。
以前愛した御曹司龍司との別れ、それは会社役員に結婚を反対された為だった。
二人の恋の行方は……
白椿の咲く日~ひそかな恋、遠い日の思いは
紫さゆり
恋愛
結婚を控えた真由子は、久しぶりに異母姉の稚子(わかこ)と会う。
真由子の母、雪江は大学教授であり、著名な歌人の水上実之(みなかみさねゆき)の後添いとして水上家に嫁いだ。
婚約者の諒人(りょうと)のことなど、真由子は稚子と色々語り合ううち、庭の白椿の木は真由子がなついていた異母兄、靖之が植えたものだと知る。
白椿の木をめぐっての、ひそかな大人の恋物語です。
シンデレラは王子様と離婚することになりました。
及川 桜
恋愛
シンデレラは王子様と結婚して幸せになり・・・
なりませんでした!!
【現代版 シンデレラストーリー】
貧乏OLは、ひょんなことから会社の社長と出会い結婚することになりました。
はたから見れば、王子様に見初められたシンデレラストーリー。
しかしながら、その実態は?
離婚前提の結婚生活。
果たして、シンデレラは無事に王子様と離婚できるのでしょうか。
あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
けいこ
恋愛
カフェも併設されたオシャレなパン屋で働く私は、大好きなパンに囲まれて幸せな日々を送っていた。
ただ…
トラウマを抱え、恋愛が上手く出来ない私。
誰かを好きになりたいのに傷つくのが怖いって言う恋愛こじらせ女子。
いや…もう女子と言える年齢ではない。
キラキラドキドキした恋愛はしたい…
結婚もしなきゃいけないと…思ってはいる25歳。
最近、パン屋に来てくれるようになったスーツ姿のイケメン過ぎる男性。
彼が百貨店などを幅広く経営する榊グループの社長で御曹司とわかり、店のみんなが騒ぎ出して…
そんな人が、
『「杏」のパンを、時々会社に配達してもらいたい』
だなんて、私を指名してくれて…
そして…
スーパーで買ったイチゴを落としてしまったバカな私を、必死に走って追いかけ、届けてくれた20歳の可愛い系イケメン君には、
『今度、一緒にテーマパーク行って下さい。この…メロンパンと塩パンとカフェオレのお礼したいから』
って、誘われた…
いったい私に何が起こっているの?
パン屋に出入りする同年齢の爽やかイケメン、パン屋の明るい美人店長、バイトの可愛い女の子…
たくさんの個性溢れる人々に関わる中で、私の平凡過ぎる毎日が変わっていくのがわかる。
誰かを思いっきり好きになって…
甘えてみても…いいですか?
※after story別作品で公開中(同じタイトル)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる