『億り人』になって田舎に家を買ったら、異世界と現代日本を行き来できるようになった件。~お金と文明の利器を使ってのんびり生活~

タジリユウ

文字の大きさ
39 / 110

第39話 飛行魔法

しおりを挟む

「よし、完成だ! これが我が日本の誇るラーメンだぞ!」

「待ってた!」

「キュウ!」

 街へ食材を購入しに行き、ラーメンの食材を購入してきた。最近ではお店のラーメンを持ち帰れる店も増えているけれど、せっかくなので、自分たちで作る生ラーメンを選んだ。

 俺もよく店で食べたり、カップラーメンを食べたりすることはよくあったけれど、家で麺を茹でて作るラーメンは久しぶりだったな。

 ちなみに当然だが、うちの家には宅配ピザやウーバーなんちゃらなんて届かないからな。料理の配達が可能なだけで恵まれた環境なのである。

「それじゃあ、いただきます」

「いただきます!」

「キュキュ」

 みんなで手を合わせて、目の前にあるラーメンをいただく。

 俺は箸でリリスは使い慣れているフォーク、ハリーは食べやすいように少量ずつ小さな器にラーメンを移してあげた。

「っ! 昨日のカップラーメンの味と全然違う! こっちのラーメンはスープの味がとても濃厚で麺に弾力がある!」

「キュキュウ~♪」

 昨日リリスは醤油味のカップラーメンを食べていたので、今回は豚骨醤油味のラーメンを選んでみた。確かに豚骨醤油味の方が味が濃厚だよな。それにカップラーメンよりも麺は生ラーメンの方がおいしい。

「うん、具材もいい感じだな。ダナマベアのチャーシューも悪くないぞ」

 今日は昼まで時間があったので、ラーメンの具材であるチャーシューもちゃんと作ってみた。

 ネットのレシピを見て初めてチャーシューを作ってみたのだが、思ったよりもうまくいったようだ。最近のネットで検索できるレシピは料理の素人でもできるくらいわかりやすく説明してくれるから本当に便利だ。

 卵もいい半熟具合だな。メンマや海苔は市販のものだが、こういった具材を再現するのはカップラーメンでは難しいだろう。

「唐揚げもおいしかったけれど、このラーメンもすごくおいしい。本当にケンタの世界の料理はどれもすごい!」

「キュキュキュウ!」

「二人とも気に入ってくれたみたいでよかったよ。俺もラーメンは好きだから、たまには作ってみるかな」

 他にも豚骨や味噌など様々な味のラーメンがある。ご当地ラーメンなんかもとんでもない種類があるからなあ。

 そして市販のラーメンもおいしいのだが、有名店のラーメンなんかはこれのさらに一段上をいく味だ。まあ、いろんなラーメンを少しずつ味わってもらうとしよう。



「うおっ、すごいな! これが空を飛ぶという感覚なのか!」

「キュウキュウ!」

「基本的には私が操作しているから変な感じがするのかもしれない」

 ふわふわと宙を浮かぶ感覚。重力を感じずに足も踏ん張れないというおかしな感じがする。俺の意思ではなくリリスが操作しているからだろう。

 午後は外でリリスとハリーと一緒に過ごしている。

 今度この世界の街へ連れていってもらうということで、リリスに飛行魔法を使ってもらっているわけだ。

「ハリーは大丈夫か?」

「キュ!」

 ハリーの方はというと、いつもは俺の右肩にいるのだが、今回は俺の世界で移動するペット用のキャリーケースの中に入っており、それを俺が抱き抱えている。

 俺とハリーを一緒に飛行魔法を使って運ぶよりも、ハリーを抱えた俺を飛行魔法で飛ばせてくれた方が魔力とやらの消費が少ないらしい。キャリーケースを落とさないように肩からベルトをかけている。

「もう少し高く上がる」

「……思ったよりも怖いな」

 最初は地面から2~3メートルほど上に留まっていたのだが、さらに上昇して5~6メートルまで上がる。確かに2~3メートルだと下にいる魔物からの襲撃を受けてしまうから、もう少し上空を飛んでいるほうが危険は少ない。

 だが、5~6メートルほど上がると思ったよりも怖い。ここから落ちたら命に関わるとまではいかなくとも、骨折くらいはしてしまいそうである。

「それじゃあ進む」

「おおっ! これは気持ちがいいな!」

「キュキュ!」

 リリスも俺の横で一緒に飛行している。

 ゆっくりと前に進み、少しずつ速度が上がっていき、ママチャリで進むくらいの速度になった。すると風が頬に当たってきて、とても心地が良い。そして前に進むことによって、先ほどまで不安だった宙に漂っている感覚もなくなり、空を飛んでいるという実感がわくようになった。

 ハリーも空を飛ぶという感覚をとても楽しんでいる。

「少しずつスピードを上げていくから、厳しくなったら言って」

「ああ、了解だよ。もう少しなら大丈夫そうだ」

 そのあとも湖の周りを飛行魔法で飛び回った。

 リリスは車並みのスピードも出せるみたいだったが、そこまでいくと正面からの風がものすごい。フロントガラスにはちゃんと意味のあることがよくわかった。

 一応風魔法も同時に使って正面からの風を軽減することはできるらしいけれど、その場合は魔力の消費が激しいらしい。リリスと相談した結果、原付レベルの早さで進むことになった。

 これで異世界の街へ行く準備が整ったな。さて、異世界の街はどんなものなのか楽しみだ。
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜

奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。 パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。 健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。

辻ヒーラー、謎のもふもふを拾う。社畜俺、ダンジョンから出てきたソレに懐かれたので配信をはじめます。

月ノ@最強付与術師の成長革命/発売中
ファンタジー
 ブラック企業で働く社畜の辻風ハヤテは、ある日超人気ダンジョン配信者のひかるんがイレギュラーモンスターに襲われているところに遭遇する。  ひかるんに辻ヒールをして助けたハヤテは、偶然にもひかるんの配信に顔が映り込んでしまう。  ひかるんを助けた英雄であるハヤテは、辻ヒールのおじさんとして有名になってしまう。  ダンジョンから帰宅したハヤテは、後ろから謎のもふもふがついてきていることに気づく。  なんと、謎のもふもふの正体はダンジョンから出てきたモンスターだった。  もふもふは怪我をしていて、ハヤテに助けを求めてきた。  もふもふの怪我を治すと、懐いてきたので飼うことに。  モンスターをペットにしている動画を配信するハヤテ。  なんとペット動画に自分の顔が映り込んでしまう。  顔バレしたことで、世間に辻ヒールのおじさんだとバレてしまい……。  辻ヒールのおじさんがペット動画を出しているということで、またたくまに動画はバズっていくのだった。 他のサイトにも掲載 なろう日間1位 カクヨムブクマ7000  

【完結】うちの孫知りませんか?! 召喚された孫を追いかけ異世界転移。ばぁばとじぃじと探偵さんのスローライフ。

かの
ファンタジー
 孫の雷人(14歳)からテレパシーを受け取った光江(ばぁば64歳)。誘拐されたと思っていた雷人は異世界に召喚されていた。康夫(じぃじ66歳)と柏木(探偵534歳)⁈ をお供に従え、異世界へ転移。料理自慢のばぁばのスキルは胃袋を掴む事だけ。そしてじぃじのスキルは有り余る財力だけ。そんなばぁばとじぃじが、異世界で繰り広げるほのぼのスローライフ。  ばぁばとじぃじは無事異世界で孫の雷人に会えるのか⁈

精霊さんと一緒にスローライフ ~異世界でも現代知識とチートな精霊さんがいれば安心です~

ファンタジー
かわいい精霊さんと送る、スローライフ。 異世界に送り込まれたおっさんは、精霊さんと手を取り、スローライフをおくる。 夢は優しい国づくり。 『くに、つくりますか?』 『あめのぬぼこ、ぐるぐる』 『みぎまわりか、ひだりまわりか。それがもんだいなの』 いや、それはもう過ぎてますから。

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい

ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。 強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。 ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。

処理中です...