『億り人』になって田舎に家を買ったら、異世界と現代日本を行き来できるようになった件。~お金と文明の利器を使ってのんびり生活~

タジリユウ

文字の大きさ
45 / 110

第45話 冒険者ギルド

しおりを挟む

「まずは冒険者ギルドへ行く」

「なるほど、昨日倒したクラウドワイバーンを買い取ってもらうんだな」

「キュ」

 昨日リリスがあっさりと倒してくれたクラウドワイバーンは収納魔法にしまってある。かなり珍しいようだし、結構な金額で買い取ってもらえるんじゃないかな?

「不要な素材は買い取ってもらうけれど、食べられる部分は全部もらうからいろいろと作って」

「……了解だよ」

 お金というよりかは解体して肉を食べるためだった。

 確かに俺もあの恐ろしかったワイバーンがどんな味をするのか気になってしまう。正直な話、クマや鳥の味は多少想像がついたけれど、あの大きなワイバーンはどんな味なのだろう?

 ……でも冒険者ギルドかあ。イメージ的には街の腕自慢の屈強な男が集まっているイメージだ。リリスみたいな冒険者ばかりだったらいいんだけれど。



「ここがこの街の冒険者ギルド」

「だいぶ大きな建物だね」

「キュウ」

 街の中を歩いて、この街で見てきた中でも一際大きな建物の前へやってきた。

 街を歩いている間はずっときょろきょろしていたから、おのぼりさんと思われていたのかもしれない。先に俺の服装をなんとかした方が良いかなと思ったけれど、この街は本当にいろんな種類の服装をした人がいて、それほど目立ってなさそうだったから、そのままここへやってきた。

 解体作業は時間がかかるらしいから、最初に頼んでおいた方が良いらしい。

 カランッ、カランッ。

 リリスが先頭になって冒険者ギルドの木製のドアを開くと、ドアの上に設置されていた鐘が鳴る。

 一瞬注目されるのかとも思ったけれど、中は人が多く喧騒に包まれていたため、誰も気にしていない様子だった。

 冒険者ギルドの中には厳つい装備をした冒険者たちがいる。ただ、ガチムチの男たちだけというわけではなく、女性冒険者やスラリとした線の細い男性冒険者もいた。

 ……さすがにリリスみたいな少女の姿をした冒険者はいなかったけれど。

「冒険者ギルドへようこそ。ご依頼の発注ですか?」

 特に誰かに絡まれるようなことはなく、カウンターの女性にリリスが話しかける。リリスと俺の外見から依頼を発注した側に見られているようだ。

「魔物の解体と買い取りをお願いしたい」

「承知しました。小さなものでしたら、こちらでそのまま受け付けますが」

「ここだと到底入りきらない。10メートル近くあるから収納魔法を使って収納している」

「しゅ、収納魔法ですか! かしこまりました、こちらの冒険者ギルドの横に併設されております解体場までご案内します」

 やはりリリスが使用した収納魔法という魔法はかなり珍しい魔法らしい。まあ、あんな便利ですごい魔法が普通の人に使えたるわけはないよな。

 そのまま冒険者ギルドの横にある大きな屋根のある建物へと移動した。

「おお~ここも迫力があってすごいね!」

「大きな魔物を一人で解体するのはとても大変ですからね。血抜きだけ済ませて、残りはこちらに任せる方も多くいらっしゃいます」

 ギルド職員さんに案内されて隣までやってきたが、体育館のような広い場所で複数人がイノシシやシカみたいな大きな魔物をこれまた大きな刃物でズバズバと解体していく。

 これはこれでなかなか見ごたえがある。……ただやはりというべきか、血の匂いが結構きついな。一応その辺りも考えてか、大きな窓を全開にしているが、それでもけっこうな匂いである。

「大物の解体をお願いします。収納魔法に入れてあるようです」

「ほう、そりゃすげえな。そこに出してくれ」

 職員さんに案内されて解体場の一番奥へやってきた。

 そこには上半身裸のガチムチなおっちゃんがノコギリを持っていた。この人が解体をしてくれるのか。地面にはシートが敷かれているから、この上に出せということだろう。

「わかった」

 そう言いながらリリスは黒い渦に手を突っ込み、そこから大きなクラウドワイバーンの死骸を取り出す。毎回思うが、この収納魔法という魔法はどういう仕組みなのだろうな……。

「ほ、本当に収納魔法……」

「こ、こいつは驚いた……。クラウドワイバーンじゃねえか。収納魔法も使えるようだし、お嬢ちゃんはいったい何者だ……?」

 職員さんとおっちゃんが目を丸くして驚いている。

 俺も改めて見ると驚いた。ここにあるイノシシやシカ型の魔物よりも遥かに大きい。よくこんな大きな魔物を瞬殺できたものだよ。

「ギルドカードがございましたら、割増で買い取りが可能となりますが……」

「はい」

 リリスがギルドカードを職員さんに見せる。魔物の解体や買い取りなどは一般の人も頼めるらしいのだが、冒険者として登録していると高く買い取ってくれるらしい。

 他にもギルドカードは身分証明書にもなるし冒険者ならではの特典がいくつかあるようだ。ただし、冒険者になるためには試験を受けなければならない。俺には縁のない話だな。

「えっ、Aランク……し、失礼いたしました!」

「まさかこんなお嬢ちゃんがAランクとはな……」

 衛兵さんたちと一緒で、リリスがAランク冒険者であることに驚いている。やはりAランク冒険者はそれほどすごいことなのだろう。
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜

奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。 パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。 健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。

辻ヒーラー、謎のもふもふを拾う。社畜俺、ダンジョンから出てきたソレに懐かれたので配信をはじめます。

月ノ@最強付与術師の成長革命/発売中
ファンタジー
 ブラック企業で働く社畜の辻風ハヤテは、ある日超人気ダンジョン配信者のひかるんがイレギュラーモンスターに襲われているところに遭遇する。  ひかるんに辻ヒールをして助けたハヤテは、偶然にもひかるんの配信に顔が映り込んでしまう。  ひかるんを助けた英雄であるハヤテは、辻ヒールのおじさんとして有名になってしまう。  ダンジョンから帰宅したハヤテは、後ろから謎のもふもふがついてきていることに気づく。  なんと、謎のもふもふの正体はダンジョンから出てきたモンスターだった。  もふもふは怪我をしていて、ハヤテに助けを求めてきた。  もふもふの怪我を治すと、懐いてきたので飼うことに。  モンスターをペットにしている動画を配信するハヤテ。  なんとペット動画に自分の顔が映り込んでしまう。  顔バレしたことで、世間に辻ヒールのおじさんだとバレてしまい……。  辻ヒールのおじさんがペット動画を出しているということで、またたくまに動画はバズっていくのだった。 他のサイトにも掲載 なろう日間1位 カクヨムブクマ7000  

精霊さんと一緒にスローライフ ~異世界でも現代知識とチートな精霊さんがいれば安心です~

ファンタジー
かわいい精霊さんと送る、スローライフ。 異世界に送り込まれたおっさんは、精霊さんと手を取り、スローライフをおくる。 夢は優しい国づくり。 『くに、つくりますか?』 『あめのぬぼこ、ぐるぐる』 『みぎまわりか、ひだりまわりか。それがもんだいなの』 いや、それはもう過ぎてますから。

【完結】うちの孫知りませんか?! 召喚された孫を追いかけ異世界転移。ばぁばとじぃじと探偵さんのスローライフ。

かの
ファンタジー
 孫の雷人(14歳)からテレパシーを受け取った光江(ばぁば64歳)。誘拐されたと思っていた雷人は異世界に召喚されていた。康夫(じぃじ66歳)と柏木(探偵534歳)⁈ をお供に従え、異世界へ転移。料理自慢のばぁばのスキルは胃袋を掴む事だけ。そしてじぃじのスキルは有り余る財力だけ。そんなばぁばとじぃじが、異世界で繰り広げるほのぼのスローライフ。  ばぁばとじぃじは無事異世界で孫の雷人に会えるのか⁈

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい

ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。 強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。 ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。

処理中です...