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第85話 中華料理
しおりを挟む「っ! ふわふわの卵の上に甘酸っぱいタレがかかっていて、卵の下には昨日食べたチャーハンが入っている。全部の味が一体となってすごくおいしい!」
「それは天津炒飯っていうんだ。チャーハンじゃなくて白いご飯だと天津飯っていう料理なんだけれど、それの別バージョンだよ」
このチェーン店で俺がよく食べるのはこの料理だ。リリスの言う通り、甘酸っぱいタレとカニ玉を載せたチャーハンが三味一体となって他にはない味を作り出しているのである。
「こっちの料理は辛えけどあとを引く味だな! 白い飯とあわせるとちょうどいいくらいの味でうめえぞ!」
「麻婆豆腐は花椒や豆板醤とトウガラシのような多くの香辛料を使っているから複雑な味がしておいしい。ご飯の上に直接かけて麻婆丼にして食べてもおいしいよ」
中華料理といえばと聞かれたら辛さが特徴的な中華料理として最上位に挙げられるのがこの麻婆豆腐だろう。花椒の辛さである麻(マー)と豆板醤や唐辛子の辛さである辣(ラー)のふたつがひとつになった麻辣が特徴的な料理だ。
上品さなど知ったことかとでもいうように、真っ白なご飯の上にぶっかけてレンゲでかっ込むのが最高にうまいんだよなあ。あまり店ではやれないが家では大体こうやって食べている。
「キュウ、キュキュウ!」
「ハリーは酢豚が気に入ったのか。甘酸っぱい味は他にはあまりない料理でおいしいよ」
豚肉を揚げてから野菜と一緒に甘酢あんを絡めて炒めた料理である酢豚。この甘酸っぱさと揚げて表面がサクッとした豚肉がうまいのである。
ちなみに酢豚といえばパイナップルを入れるか問題はあるが、俺は入れる派だ。途中でパイナップルを挟むとあの甘酸っぱさが口の中をリセットしてくれる。
他にもニラレバやエビチリなど様々な中華料理をみんなで楽しんだ。
「キュウ~♪」
ハリーがリビングに寝っ転がり、真っ白なお腹を天井に向けている。いっぱい食べたせいか、いつもより少しお腹が膨れていた。
そんな様子も可愛らしいものだ。
「いやあ~今日はよく食ったぜ。どの料理も本当にうめえから止まらなくなっちまったな」
「それぞれいろんな味がしてすごくおいしかった。それにあの白くて甘いスライムみたいなデザートは私たちの世界では食べたことのない食感だった」
「こっちだと杏仁豆腐みたいに柔らかい食感のデザートが多いからね」
デザートの杏仁豆腐も満足してくれたようだ。あっちの世界にはゼリーやプリンのようなプルプルとした食感のデザートはないらしい。……さすがにスライムは食べないようだ。
今日は余る想定でかなり多くの量を買ってきたこともあって、3人ともお腹いっぱいになったらしい。思ったよりも残っていなくて驚いたものだ。中華料理はそれぞれ味が違って本当においしいからなあ。
「中国はとっても大きい国で4000年もの歴史のある国だから、いろんな料理が開発されているんだよ」
「4000年もか。俺の世界だと一番歴史のある帝国でも数百年だったはずだぜ」
「……他の国にもそれぞれ長い歴史がある。道理でケンタの世界はいろいろと進んでいる」
中国最古の王朝が成立してからすでに4000年以上が経過していると考えると凄いよなあ。
リリスはソファに座りながら、今日新調したばかりの新しいタブレットで早速調べていた。ヴィオラに壊されてしまったが、最新のタブレットになり、タッチペンや横に立てられるケースなどのアクセサリーも購入してきたので、結果的にはパワーアップしている。
「飯もそうだが、機械ってやつや車もすごかったな。あんなに速え乗り物が何百台も走ってんだからすげえよ。あの信号ってやつがなけりゃあ、事故が起こりまくっているだろうな」
「他にもバイクや自転車、最近は電動キックボードなんかもあるから気を付けないといけないね。犬や猫なんかの動物も結構事故に遭っているらしいよ」
「キュウ!?」
街中はいろいろと危ない。今日はほとんど車で移動したけれど、街中を歩く時は気を付けなければならない。特にハリーはヴィオラの認識力を低下させる状態でいる時は気を付けないと。やはり街中ではキャリーバッグに入っていてもらった方が安心できそうだ。
「この服もすごく着心地がいい。いろんな色を組み合わせているし、細かい刺繍なんかも入っている」
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