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三日目(その三十一)♡

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「ああっ! やっ、やだ、環くん、いやぁっ!」

 ユリがなお叫ぶ。

「ユリはこっち」

 無情にも、錬が下半身へと誘う。

「んっ、んんー」

 硬い錬のモノを口に含むと喜ばせたい気持ちはあるが、こんな体勢でされるのは初めてで恥ずかしくてたまらない。

(ああ、どうしよう……これ、気持ち、いい……。距離が近い……環くんの息が、すごく伝わってくる)
「⁉︎」

 環の舌先が、いきなりユリの奥深くに入り込む。

「ああっ! いやっ! やめっ……環、くん……」
「ヌチュ、ヌチッ」
「ああぁ、はあっ、んんっ!」

 舌が何度も出し入れされると、ユリは錬のモノをくわえていられないほどに感じてきていた。

「ユリ……環のほうが気持ちいいのか?」

 錬はユリの上体を起こすと、環の顔の上に完全にまたがるように仕向ける。

「あっ! やっ、錬……こんなの、いやぁ……」

 ユリの両手を組むようにして錬が握り、下では環がガッチリとユリの腰を抱え込んでいる。
 真下から突き上げるようにして、環の舌が入ってくる。

「ああっ! あっ、はっ、やっ、んっ、はあん」

 刺激が一点に集中し、体の力が抜けていく。

「ユリ、気持ちいいのか?」
「ひぁんっ!」

 錬の問いかけに答える間を与えず、環がレロレロと舌を激しく動かし始めた。

「……ああ、いや……だめ、あっ、あんっ、うんん」
「ふりひゃん、ひもちひーひ?」
「あっ、やだ、環、くん、しゃべっちゃ……いや……」

 すると錬が俺もと言わんばかりに、ユリの乳房に吸い付いてくる。
 舌先で転がすように先端を舐め回すと、ユリはふたり同時の攻撃にすぐに泣きそうな声を出す。

「……うぅっ……いや……錬……もう……だめ……私、おかしく……なる」

 錬はたまらずユリにキスをすると、右手で自分のモノを擦り始める。

「ハアッ……環、そろそろ……ハアッ、限界だ。ユリに、挿れたい……くっ、出したい!」

 それを聞いた環が、ユリの下から口を手で拭いながら出てきた。

「うん、そろそろだね。いつ僕の顔に発射されるかドキドキしてたよ」
「ーーうるせー。いいから早く……取ってよこせ」

 グッタリと倒れかかってきたユリを抱き締めながら、錬が言った。


   * * * * * *


 環から受け取ったコートを着けた錬は、横に寝かせたユリにすぐに覆いかぶさる。

「ユリ、挿れるぞ」

 そして太腿を大きく広げると、中心部の入り口をすぐに探し当て一気に突いた。

「ああっ!」
「ズズッ、ズチュッ、ズチュッ、ヌチッ」

 激しく腰を動かしてくる錬に、しがみつくユリ。

「んんっ、あっ、はんっ、やっ、錬」
「くっ、ユリ!」

 甘い時間が過ぎていく中、錬の動きが最高潮に達すると、ユリの体もまた大きく揺れた。
 ふたりは横になったまま、強く抱き合う。
 それを確認した環がコートを着け、待ちかねた表情でユリに言う。

「ユリちゃん、やっと僕の番だね」
「……環、少しは休ませろ。お前には余韻ってものがないのか」
「ひどいよー、錬。僕だってがんばって我慢してたんだからね」

 そう拗ねる環に、ユリは起き上がると素早くキスをした。

「……ユリ、ちゃん?」
「いいの。私も環くんに……抱かれたい」

 その言葉に、環はすぐにユリに抱きつき押し倒すと、十分に濡れそぼった場所に激しいキスを浴びせた。

「あっ、あんっ、環くん……私、あっ、もう……濡れ、てるよ?」
「ん……知ってる、黙って」

 環は真剣に言い放つと、優しさと激しさを織り交ぜ、ユリの愛おしい場所を責めた。
 そしてしばらく経って体を起こすと、その場所めがけて硬くなったモノを突き立てる。

「ああっ! やっ、んっ」
「くっ、う、ユリちゃん……好きだよ」
「……環くん、私も……好き」



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