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夢と現実の交わるところ
第七日
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第七日
いつもよりも早い時間に起き、仕度を済ますと前の町に向かうため家を出た。
電車とバスを乗り継ぎ、ようやく前住んでいた家の住所にたどり着くと、その近くには確かに森があった。
ここまでの道のりに見覚えはなかった。よく考えれば十年以上たっているのだ。
町だって変わるし、約束を忘れてしまうには充分すぎる時間だ。
思い出せるのだろうか? とても不安になった。
思い出さなきゃいけないんだ。そんなに時間がたっても、約束を守りにきてくれた彼女のために。
気を引きしめ直すと、俺は森の中にはいっていった。
あっちにいけばいい。覚えているという程のはっきりしたものではないが、なんとなく進むべき方向がわかった。あまり森にはいる人がいないのか、道といえるようなものはなく、しかし、俺の体は歩きかたを覚えているのか、スムーズに進んでいくことが出来た。
しばらく歩き、目の前がひらけたと思うと川があった。
この場所を俺は知っている、そう思った。
とりあえず、俺は川の近くに座った。
俺は、小さい頃、ここに誰かに逢いにきていたんだ。
そして、一緒に泳いだりしていた。
彼女と、一緒に泳いだ時に思い出したのはきっとここで逢っていた子のことだ。
そして、その逢っていた子というのは、幼き日の彼女なのだろう。
今、海に住む彼女はこの川とどんなつながりがあったのだろう?
今は、とりあえず、約束を思い出さないと。
約束をしたとすれば、きっと、引っ越しをする直前くらいだろう。
かなり近いとこまできたような気がするけれど、思い出せない。
俺は、たち上がり、靴と靴下を脱ぎ、ズボンのすそをなんどか折って川にはいった。
その時、突然頭の中に声が流れてきた。
それは優しくとてもおだやかな声だった。
「漱くん、大きくなったわね。ことねのことを思い出しにきたのよね?」
俺はその不思議な声にうなずいていた。
「ことねのこと好き?」
その声は子どもに聞くようなものだったが、言葉の奥に真剣さが隠れているのがわかった。
「はい」
真剣なのがちゃんと伝わるように、はっきりと答えた。
「あなたの世界で生きたことのないことねを大切にしてくれる? あなたしか見えないことねのことを、いつか重たいと思わない?」
あまりにも真剣な声だった。
その言葉の意味をしばらく考えてから俺は真剣に言葉をつむいだ。
「ことねのことを俺は大切にします。俺の生きる世界のことがわからなくても構いません。俺だって、ことねの生きてきた世界のことはわからないから。互いにわからなくて困るのなら、教えあって助けあえばいいんです。ことねのことをいつか重いと思うかとかは、正直わかりません。でもそれは、誰と一緒にいたって同じだと思います」
しばらく声は返ってこなかった。俺の気持ちはちゃんと伝わったのだろうか?
「ありがとう」
弾むような声ではなかったが、確かに嬉しそうな声に聞こえた。
その後に、頭の中に声ではなくイメージが流れてきた。
それは、おさない男の子と女の子が小指を絡ませ約束をしている、ぼやけた写真のようなものだった。
「この川の先にはほんとに、海っていうものがあるの?」
「うん、ぼくは、その海の近くに引っ越すんだ」
「わかった。私、絶対に海に……から。漱くんは、海で絶対に……てね」
「ぼく、絶対に……るよ」
「忘れちゃダメなんだからね」
そこで、イメージが消えた
俺は、一度あたりを見回し川から出て川に向かって一礼し、靴を履いてバス停に向かった。
さっきのイメージはきっと、俺と彼女の小さい頃の約束の記憶だ。
さっきのイメージをきっかけに、彼女のことを思い出した。
彼女のそれまでの姿や、川でよく遊んでいたことを。
こんなに大切な記憶を今まで、忘れていたなんて……。
電車やバスの乗り継ぎがうまくいかずいきよりも時間がかかり、日が落ち始めている。
駅から走って海にきた。そして、海に向かって、叫んだ。
「今まで、忘れていてごめん。俺絶対に待ってるよっていったのに」
海から顔を出した彼女が叫んだ。
「漱くん!」
その瞬間、彼女の体が光に包まれ、水面からゆっくり浮き上がった。
そして、ヒレが、足に変わる。彼女は水面の上を走って近づいてくる。
俺の近くにきても彼女はスピードをゆるめない。
彼女の足が砂浜に着き、彼女を包んでいた光が消えた。そして、俺の胸に飛びこんできた。
思ったよりも勢いがあって、後ろにバランスを崩し彼女を抱きとめたまま倒れた。
俺は彼女に回していた手をほどき後ろに手をついて、上半身を起こした。彼女も浜に手をついて上体を起こし、見つめあう格好になった。
彼女の顔は、今までと少し変わっていた。今までは、ただひたすらに美しかった。でも、今では、美しいというよりも、少女のようなあどけなさを残したかわいらしい感じになっていた。顔の輪郭といったものは変わっていない。雰囲気が変わったのだ。
でもそれは、俺がもっと彼女を好きになる理由にしかならなかった。
その姿は、幼い頃の記憶の中の彼女の面影をしっかり残していたのだから。
「やっと、思い出してくれたんだね」
俺の脚の間に正座し、とても嬉しそうにいった。
「本当に、ごめん。今まで忘れてて」
俺は、もう一度謝った。
「私は、一度も忘れなかったんだよ。でも、もういいの。ちゃんと思い出してくれたんだもん。でもなんで、思い出せたの?」
川にいってそこであったことを、彼女に話した。
「それきっと、私のお母さんがしたんだ」
首をかしげる俺に彼女は質問した。
「私が昔なんだったかも漱くんは思い出してくれた?」
うなずいて俺はいった。
「川の精霊だったんだよね」
彼女は大きくうなずいた。
「最後の望みは人間になること?」
質問に彼女はまた大きくうなずいた。
「俺に逢うために、すべてを捨ててきたのか?」
「うん。でも、これは私が望んで、私が決めたことなんだから、漱くんはなにも気にしないでね」
「でも、約束を忘れてたこんな俺のために、今までの世界を捨てることになってしまったんだよな」
「私が、そうしたかったの。例え、漱くんが私のことも、約束も忘れてしまっていても、漱くんに会いたかった。漱くんとずっと一緒にいられる可能性にかけてみたいと思ったの」
「俺も、ことねとずっと一緒にいたいと思ってる。人間の暮らしになれるのに時間がかかると思うけど、俺と一緒にがんばろう」
「ありがとう、漱くん」
「ことね、今度は最後までいわして欲しいんだけど。俺、ことねのこと……」
俺は、また最後までいうことは出来なかった。
彼女が、自分の口で俺の口をふさいでしまったのだ。
突然のことにしばらく、呆然としてしまった。
彼女はゆっくりと離れると、
「私、漱くんのこと大好きだよ」
そういって、あどけなく笑った。
「俺も、ことねのこと好きだよ」
「大好きじゃないんだぁ」
そういって、すねる彼女はとても愛らしい。
漱は、てれながら「大好きだよ」とつぶやいた。
それを聞いて、彼女までてれくさくなってしまったのか、ほほをももいろに染めている。
今思うと、彼女が好きだといっていたのは、俺のことだったのだ。自分に嫉妬していたなんて、おかしい。
「どうしたの?」
そんなことは恥ずかしくっていえないから、首をかしげる彼女を俺はそっと抱きしめてもう一度キスをした。
いつもよりも早い時間に起き、仕度を済ますと前の町に向かうため家を出た。
電車とバスを乗り継ぎ、ようやく前住んでいた家の住所にたどり着くと、その近くには確かに森があった。
ここまでの道のりに見覚えはなかった。よく考えれば十年以上たっているのだ。
町だって変わるし、約束を忘れてしまうには充分すぎる時間だ。
思い出せるのだろうか? とても不安になった。
思い出さなきゃいけないんだ。そんなに時間がたっても、約束を守りにきてくれた彼女のために。
気を引きしめ直すと、俺は森の中にはいっていった。
あっちにいけばいい。覚えているという程のはっきりしたものではないが、なんとなく進むべき方向がわかった。あまり森にはいる人がいないのか、道といえるようなものはなく、しかし、俺の体は歩きかたを覚えているのか、スムーズに進んでいくことが出来た。
しばらく歩き、目の前がひらけたと思うと川があった。
この場所を俺は知っている、そう思った。
とりあえず、俺は川の近くに座った。
俺は、小さい頃、ここに誰かに逢いにきていたんだ。
そして、一緒に泳いだりしていた。
彼女と、一緒に泳いだ時に思い出したのはきっとここで逢っていた子のことだ。
そして、その逢っていた子というのは、幼き日の彼女なのだろう。
今、海に住む彼女はこの川とどんなつながりがあったのだろう?
今は、とりあえず、約束を思い出さないと。
約束をしたとすれば、きっと、引っ越しをする直前くらいだろう。
かなり近いとこまできたような気がするけれど、思い出せない。
俺は、たち上がり、靴と靴下を脱ぎ、ズボンのすそをなんどか折って川にはいった。
その時、突然頭の中に声が流れてきた。
それは優しくとてもおだやかな声だった。
「漱くん、大きくなったわね。ことねのことを思い出しにきたのよね?」
俺はその不思議な声にうなずいていた。
「ことねのこと好き?」
その声は子どもに聞くようなものだったが、言葉の奥に真剣さが隠れているのがわかった。
「はい」
真剣なのがちゃんと伝わるように、はっきりと答えた。
「あなたの世界で生きたことのないことねを大切にしてくれる? あなたしか見えないことねのことを、いつか重たいと思わない?」
あまりにも真剣な声だった。
その言葉の意味をしばらく考えてから俺は真剣に言葉をつむいだ。
「ことねのことを俺は大切にします。俺の生きる世界のことがわからなくても構いません。俺だって、ことねの生きてきた世界のことはわからないから。互いにわからなくて困るのなら、教えあって助けあえばいいんです。ことねのことをいつか重いと思うかとかは、正直わかりません。でもそれは、誰と一緒にいたって同じだと思います」
しばらく声は返ってこなかった。俺の気持ちはちゃんと伝わったのだろうか?
「ありがとう」
弾むような声ではなかったが、確かに嬉しそうな声に聞こえた。
その後に、頭の中に声ではなくイメージが流れてきた。
それは、おさない男の子と女の子が小指を絡ませ約束をしている、ぼやけた写真のようなものだった。
「この川の先にはほんとに、海っていうものがあるの?」
「うん、ぼくは、その海の近くに引っ越すんだ」
「わかった。私、絶対に海に……から。漱くんは、海で絶対に……てね」
「ぼく、絶対に……るよ」
「忘れちゃダメなんだからね」
そこで、イメージが消えた
俺は、一度あたりを見回し川から出て川に向かって一礼し、靴を履いてバス停に向かった。
さっきのイメージはきっと、俺と彼女の小さい頃の約束の記憶だ。
さっきのイメージをきっかけに、彼女のことを思い出した。
彼女のそれまでの姿や、川でよく遊んでいたことを。
こんなに大切な記憶を今まで、忘れていたなんて……。
電車やバスの乗り継ぎがうまくいかずいきよりも時間がかかり、日が落ち始めている。
駅から走って海にきた。そして、海に向かって、叫んだ。
「今まで、忘れていてごめん。俺絶対に待ってるよっていったのに」
海から顔を出した彼女が叫んだ。
「漱くん!」
その瞬間、彼女の体が光に包まれ、水面からゆっくり浮き上がった。
そして、ヒレが、足に変わる。彼女は水面の上を走って近づいてくる。
俺の近くにきても彼女はスピードをゆるめない。
彼女の足が砂浜に着き、彼女を包んでいた光が消えた。そして、俺の胸に飛びこんできた。
思ったよりも勢いがあって、後ろにバランスを崩し彼女を抱きとめたまま倒れた。
俺は彼女に回していた手をほどき後ろに手をついて、上半身を起こした。彼女も浜に手をついて上体を起こし、見つめあう格好になった。
彼女の顔は、今までと少し変わっていた。今までは、ただひたすらに美しかった。でも、今では、美しいというよりも、少女のようなあどけなさを残したかわいらしい感じになっていた。顔の輪郭といったものは変わっていない。雰囲気が変わったのだ。
でもそれは、俺がもっと彼女を好きになる理由にしかならなかった。
その姿は、幼い頃の記憶の中の彼女の面影をしっかり残していたのだから。
「やっと、思い出してくれたんだね」
俺の脚の間に正座し、とても嬉しそうにいった。
「本当に、ごめん。今まで忘れてて」
俺は、もう一度謝った。
「私は、一度も忘れなかったんだよ。でも、もういいの。ちゃんと思い出してくれたんだもん。でもなんで、思い出せたの?」
川にいってそこであったことを、彼女に話した。
「それきっと、私のお母さんがしたんだ」
首をかしげる俺に彼女は質問した。
「私が昔なんだったかも漱くんは思い出してくれた?」
うなずいて俺はいった。
「川の精霊だったんだよね」
彼女は大きくうなずいた。
「最後の望みは人間になること?」
質問に彼女はまた大きくうなずいた。
「俺に逢うために、すべてを捨ててきたのか?」
「うん。でも、これは私が望んで、私が決めたことなんだから、漱くんはなにも気にしないでね」
「でも、約束を忘れてたこんな俺のために、今までの世界を捨てることになってしまったんだよな」
「私が、そうしたかったの。例え、漱くんが私のことも、約束も忘れてしまっていても、漱くんに会いたかった。漱くんとずっと一緒にいられる可能性にかけてみたいと思ったの」
「俺も、ことねとずっと一緒にいたいと思ってる。人間の暮らしになれるのに時間がかかると思うけど、俺と一緒にがんばろう」
「ありがとう、漱くん」
「ことね、今度は最後までいわして欲しいんだけど。俺、ことねのこと……」
俺は、また最後までいうことは出来なかった。
彼女が、自分の口で俺の口をふさいでしまったのだ。
突然のことにしばらく、呆然としてしまった。
彼女はゆっくりと離れると、
「私、漱くんのこと大好きだよ」
そういって、あどけなく笑った。
「俺も、ことねのこと好きだよ」
「大好きじゃないんだぁ」
そういって、すねる彼女はとても愛らしい。
漱は、てれながら「大好きだよ」とつぶやいた。
それを聞いて、彼女までてれくさくなってしまったのか、ほほをももいろに染めている。
今思うと、彼女が好きだといっていたのは、俺のことだったのだ。自分に嫉妬していたなんて、おかしい。
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