少年たちは浄化を願う

碧碧

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教えの日〜赦しの時間〜


 呼ばれたニコが壇上に上がり、いまだエリアスにペニスを揉まれているフィリップを一瞥してくすりと笑った。

「ぁ……ッ、く、そぉ……っ」
「下品な言葉遣いはやめなよー、フィリップ」
「うぁぁぁッ!出したい、出したいぃぃっ!」

 ニコは悶え苦しむフィリップの額にキスをして、足を弾ませながらマティアス神父の元に急ぐ。そしておもむろに全ての服を脱ぎ捨て、自らペニスの下のふぐりを手のひらに乗せた。

「マティアスさまっ、僕、ちゃんと一週間自慰してないよ!」
「ははは、どうかな。少し触るよ」
「う、んっ……触って、ぇ」

 マティアス神父に差し出すように、ニコが腰を前に出す。神父は、髪の毛と同じようにカールしているニコの陰毛を指でくるくると弄び、そっとふぐりを手のひらで包んだ。

「は、あ……っ」

 途端にニコの表情がとろりと蕩けた。マティアス神父の手の中でころころと転がされているそれは、皺もよらないほどぷっくりと膨らんでいる。

「よし、今週もちゃんと我慢できている。この調子なら来年ちゃんとお務めに行けるだろう」
「ぁ、うれし……っ」

 はふはふと浅く呼吸を繰り返しながら、ニコはうっとりと微笑んだ。彼の目はマティアス神父だけを見つめている。その視線はまるで神に陶酔しているような、心の全てをマティアス神父に委ねているような、そんな目だ。

「マティアスさま……」

 ふぐりを揉み続けている神父の手に自分の手を重ね、指を這わせる。そして至近距離に顔を寄せ、小さくキスをねだった。

 マティアス神父は微笑んで、ニコの額にキスをする。その唇は、耳、頬と移り、最後には唇に辿り着いた。ちゅ、ちゅ、と濡れたリップ音が響く。

 マティアス神父がニコをベッドに座らせ、自分も隣に座る。隣にいるフィリップは食い入るように二人を見つめ、切なそうにエリアスにしがみついていた。

 マティアス神父の手がニコの勃起したペニスを包み、ゆっくりと上下し始める。キスの合間にくぐもった声を上げながら、ニコはぶるぶると身体を震わせた。

 ベッドの上の天国と地獄、対のような二組の睦み合い。タジはただただ目の前の光景に息を呑んだ。

「あぁ……マティアスさまの手が、僕の……っ、あああっ」
「さあ、たっぷりと出しなさい」
「あああぁぁぁ……っ」

 神父の手が速度を上げる。根本から絞り上げ、くびれのところで小刻みに扱いた。頭の割れ目からとろりと穢れが漏れ出始める。

 ニコはしきりに神父にキスをねだりながら、手の動きに合わせて腰を揺らしている。広げたままの両膝に力が入って閉じそうになるのを、マティアス神父が無理やりこじ開けた。ふぐりが何度もぎゅっと持ち上がっているのがはっきり見える。

「ああッ、マティアスさまっ、マティアスさまっ!」
「ニコ、可愛いね。すごく可愛いよ」
「あ゙、あ゙、もう出る、ぅっ!」

 ピンッと両脚が伸び、ぎゅっとつま先が丸まる。

「出しなさい」

 神父からの赦しを受け、ニコは何度かカクカクと腰を振り上げてから、遂にペニスの先から白濁した穢れを吐き出した。

「あ゙ーーーッ!あ゙ッ、あ゙ッ!」

 何度も何度も、マティアス神父の指がくびれを擦り上げるたび、ニコは腰を突き出して穢れを噴き上げる。ラシードの比ではない。一週間溜めに溜められたそれが決壊したかのようにあふれ出ている。

「ああ……マティアスさまっ、ああん……っ」

 最後まで吐き出させようとマティアス神父の指が動き続ける。くるくると円を描くように先端を撫で回されると、ニコの両腿が細かく痙攣し始めた。

「ニコ、まだ出そうかな」
「あ゙、あ゙、マティ、アスさまぁぁ!」
「出そうだね。全て出しなさい。君の穢れは私が引き受けてあげるから。ほら、身を任せて」
「ぁ゙……っ」

 ニコの快感と苦痛の入り混じった表情に、タジの喉が鳴る。

「あ゙あ゙ッ、マティアスさまッ!あ゙、漏れますッ、漏らしちゃう……ッ!」
「きちんと報告できて偉いな。ほら、我慢しない」
「や゙、ぁ゙……!ゔ、ッぐ……ゔ、あ゙あ゙あ゙ーーッ!」

 ぷしっ!ぷしゃっ、ぷしゃっ!

 先ほど出したものよりもサラサラとした、水のような何かが噴き出した。ニコは狂ったように四肢を戦慄かせ泣きじゃくっている。

「あ゙ーーーっ!マティアスさまッ!それ、あ゙あ゙ッ、気持ち良すぎ、て、変に……ん゙ゔーーー!」
「安心しなさい、私がしているんだ。堕落などしない」
「あ゙っあ゙っ、嬉しい……っ、マティアスさま、気持ちいいっ、気持ちいいッ!また、出ちゃ……っ」

 そうしてニコは白濁の穢れと透明な穢れを交互に何度も吐き出した。最後にはくったりと身体を神父に預け、とろとろと穢れを細く漏らすだけになっている。

「ニコ、ペニスに穢れが残っていないか確認するよ」
「はあぁぁ……っ」

 神父がニコのペニスを根本からゆっくりと絞る。やはり中に残っていたらしく、こぷりと穢れが零れてきた。それを何度か繰り返し、先端から穢れが滲まなくなってやっと、マティアス神父がゆっくりと身体を離す。すっかり下を向いたニコのペニスからしょろしょろと小水が漏れた。

「ぁ、ごめ、なさい……」
「謝らなくていい。これで全ての穢れが出たんだ」
「あぁ……すごい、マティアス様……幸せぇ……」

 幼子のように舌足らずな口調で、ニコがそう言う。本当に全て出たのだろう。あれだけ腫れていたふぐりは萎んで小さくなっている。

 マティアス神父はニコの額にキスを落とし、そっと立ち上がらせた。ニコの脚は生まれたての子鹿のように小刻みに震えている。神父はニコを抱き上げると、祭壇を降り、椅子に座らせた。慈愛に満ちたその仕草に、タジがぼうっと見惚れる。

「あ゙ーーーッ!俺も、俺も出すッ!」

 そこに、つんざくような悲鳴。フィリップが何度目かの寸止めをされているのだ。目の前でニコが出すところを散々見せられて、フィリップはとうに限界を迎えているようだった。

「フィルはダメ」
「エリアスッ、やだっ、助けてっ!うああぁん!」
「よしよし。ほら、大好きな先っぽ、くちゅくちゅしてあげるから」
「あっあっそれ……ああだめっ!出させて、出させて……っ」
「だめだよ」
「や゙ーーーッ!」

 エリアスの手が先端を弄ると、一瞬だけフィリップの顔が蕩ける。しかしすぐに穢れを吐き出したい欲に呑まれ、絶叫し始める。もう一瞬も我慢できないとフィリップが仰け反り、脚をピンと伸ばしたところでエリアスの手が止まり、彼はまたわんわんと泣き喚く。フィリップは、短い間隔でこれを繰り返しているのだ。

「エリアス、ふぐりを下げておかないと漏れてしまうよ」
「あっ……そうでした」

 エリアスはマティアス神父の指摘に頷いてから、フィリップのふぐりをぎゅっと握り、下へと引っ張った。途端にフィリップは髪を振り乱し、苦しげに呻いている。

「や゙ぁぁぁッ!出したい!出したいッ!」
「フィルは今週勝手に出したんでしょう?」
「ごめんなさいッ!ごめんなさいいい!何でもするから、出させて!出させてください!マティアス様ああああ!」

 そう絶叫して、くんっと上に突き上げた瞬間、またエリアスの手が止まる。引っ張られたふぐりがきゅんきゅんと必死に穢れを押し出そうとしているのが見えた。

「ゔーーーーー!」
「いい子。がんばろうね」
「エリアス、ぅ……っ」

 フィリップは本格的に泣き出した。ひっくひっくとしゃくり上げながら、穢れを吐き出したいと懇願する。

「兄ちゃん……穢れって、こわいね……」
「はあっ、はあっ……そう、だね」

 タジの小さな呟きに、ラシードは頷いた。

 あんなにクールを気取っていた少年が、皆の前なのに泣きじゃくってプライドもなく懇願しているのだ。穢れを出すというのは、どんなに甘美なのだろう。同じ歳なのに、タジはまだ何も知らない。それがなんだか歯痒かった。



「じゃあ次、ソラ」
「……はいっ」

 もじもじと切なげな表情を浮かべていたソラが、マティアス神父に呼ばれて急ぎ足で壇上に向かう。悶えているフィリップには目もくれず、神父の元へ一直線に駆け寄った。そしてゆっくりと身につけていた服を脱ぐ。タジはこくりと喉を鳴らした。

 タジとはたったの二歳差、そして兄と同い年のはずなのに、彼の黄味がかった肌は弾むようなハリがあり、胸はふかふかとして柔らかそうだった。もっちりとした腹の下には艶やかな黒い陰毛。そして——。

「えっ?!」

 タジは思わず声を上げた。なんとソラのペニスは銀色に光る檻のようなものに包まれていたからだ。

「はは、タジは初めて見るね」

 マティアス神父はその檻のようなものをカチャカチャと揺らしながら笑った。

「これは貞操帯と言って、自分でペニスを触ったり、勃起できないようにしたりする道具なんだ」
「え……なぜそれを、ソラくんが……」

 呆然とするタジに、ソラがうっとりと微笑む。

「僕がどうしても自慰をしたくなっちゃって、マティアス様に相談したんだよ。我慢できなくなったら部屋においでって、僕もタジと同じように言ってもらってたから」

 マティアス神父がソラの頭を撫でた。

「ソラはこの前、初めて二週間穢れを溜めることになったんだ。しかし先週の教えの日の後、どうしても自慰をしたいという気持ちが抑えられなくなって、泣きながら相談してきてくれた」
「恥ずかしいです……」

 ソラが顔を赤く染めて俯く。

「そのまま清めてやってもよかったんだが、ソラががんばりたいと言ってね。だから貞操帯をつけて様子を見てみたんだ。ソラ、一週間よくがんばったな」
「はい……でも次は道具なしでやり遂げたいです……」
「いい向上心だよ。素晴らしいね」

 俯いたソラの顎をくいっと持ち上げ、マティアス神父がふっくらとした唇に吸い付いた。ソラの身体がぶるりと震え、貞操帯に包まれたペニスからとろりと銀糸が垂れる。

「さあ、貞操帯を外そうか」

 神父がポケットから小さな鍵を取り出し、貞操帯の鍵穴に差し込む。ソラは息を荒げ、鼻を膨らませながらその様子をじっと見つめた。

 ガチャン。

 鍵が開き、ころりと貞操帯が外れた。途端にソラのペニスがぐんと大きくなる。竿には血管が浮き出て、頭の先まで血液を送り込んでいるのが見えた。収まっていたときには隠れていた頭が、勃起したことでぶるりと姿を現した。そこは鮮やかな濃い赤色で、ぱんっと張って輝いている。

「はあぁ……っ」

 ソラの口から感嘆のため息が漏れた。

「フィリップ、お前も触りたくなった時に私の部屋に来ていれば、結果は変わっただろう」

 マティアス神父はそう切り出した。

「いいかい。困っている人を助けるのが私の仕事なんだ。いくら決まりごとでも、やり遂げるのが難しいこともある。そういう時は、きちんと私に頼って欲しい。必ず救ってあげるから」

 その力強い言葉は、タジの胸にもじんわりとあたたかく染み込んだ。今こうして学びができているのも、あたたかいご飯を食べられるのも、きちんとしたベッドで寝られるのも、全てはマティアス神父のおかげなのだ。あの時、彼に助けてもらっていなければ、自分はもうこの世にいなかった。こうして兄と過ごすこともできなかった。

 神父は本当に神の使いなのだ。こんなに慈悲深く、愛情にあふれ、差別もせず、恵まれない子どもたちにも親身にしてくれる。実の親ですら兄と自分を捨てたというのに、誰の子かもわからない自分たちを、マティアス様は受け入れ、時には厳しくありながらも、深く愛してくれる。

「マティアス様、ごめんなさいっ!ごめんなさいっ!」

 フィリップが叫ぶ。これまでの、色に塗れた謝罪ではなく、心からの言葉だとわかった。

「俺、恥ずかしくて……絶対一週間我慢できるって思ってたのに、無理で……情けなくて、こんなの見せたくなくて、マティアス様に救いを求められなかった……っ」

 フィリップがプライドを剥ぎ取り、ぐずぐずと鼻を啜って吐露する。

「フィリップ、人は間違うものだ。でも、よりよく変わっていくことができる。過ちを犯した分、次にまたがんばればいい。一度の過ちで、私は君を見捨てたり、失望したりしない」
「は、い……マティアス様、ごめんなさい……ッ」

 絞り出したその謝罪で、マティアス神父の頬はほろりと緩んだ。

「いいだろう。エリアス、冷水で治めてやってくれるか」
「はい」

 突然エリアスから放り出され、フィリップがベッドの上でぼうっと惚ける。エリアスはすぐに桶を持って戻ってきた。カラカラと音が鳴っているのは、どうやら氷が浮いているからのようだ。

「フィル、少し冷たいけど我慢ね」
「うん……」

 フィリップは素直にエリアスの指示に従っている。エリアスは桶をフィリップの股の間に持っていき、張り詰めて涙を流すペニスをそっと氷水に浸した。

「ゔ~~~~~っ!」

 熱を持ったそれに氷水を浴びせられる衝撃はどんなものだろうか。想像だけで縮み上がる思いがした。フィリップはぽろぽろと涙を零しながら全身をぶるぶると震わせ、ぎゅっと拳を握ってそれに耐えている。

 目に見えてペニスは萎んでいった。フィリップの顔には、安堵と切なさの混じった複雑な表情が浮かんでいる。勃起が治まっても、排泄欲が奥で渦巻いているのだろう。

 完全に萎み切って、頭まで皮の中に隠れたのを見届け、エリアスが、ソラに嵌っていたのと同じ、あの銀色の檻を手に取る。フィリップは虚な目でエリアスの行動をぼうっと眺めていた。

 カチャン。

 フィリップが惚けているうちにその檻は縮こまったペニスを収納した。あっという間に施錠も済ませてしまう。

 先程まで、穢れを出そうと勇んで打ち震えていたフィリップのペニスは、見る影もなく檻の中で身を竦ませていた。

「これでフィリップも二週間我慢できるだろう」
「よかったね、フィル」
「ぁ……」

 ゆらりと揺れた瞳に、また新しい涙が浮かぶ。確かに絶望していたが、これで乗り越えられるという安堵も滲んでいた。

「それでも我慢できなかったらどうするのかな?」
「マティアス様に、相談しに行、くっ」
「そうだね。いい子だ」

 マティアス神父からの教えを賜り、フィリップとエリアスは揃って祭壇を降りる。ベッドは広くなり、そこにソラが横たえられた。

「待たせたね、ソラ」
「いえ……」

 横になると、ソラの胸が大きく上下しているのがわかる。これから解放できるという期待感に、ペニスも大きく反り返り、すでに穢れの上澄みが漏れてきていた。

 マティアス神父がソラのペニスの根本をそっとさすり、ふぐりを持ち上げる。たっぷりと穢れの溜まったそこは重々しく神父の手の中で転がった。

「ふ……っ、う」

 それだけでソラは息を乱し、腰を揺すり上げる。

「いい子だ、ソラ。がんばったご褒美だ」

 そう言って、マティアス神父はソラの股ぐらに顔を埋めた。一体何をするのかとラシードとタジは息を呑んで見守る。そして、くちゅ、と濡れた音が響いた瞬間、ソラが目を見開いて絶叫した。

「ゔ、あーーーーーッ!」

 じたばたと両脚が藻搔く。逃げようとずり上がる身体を神父は引き摺り下ろした。その神父の頭が上下にゆっくりと動いている。これは、もしかして。

「お口、やぁぁぁッ!マティアス様っ、ダメです!これ、ダメ……ッ!」

 そう、マティアス神父がソラのペニスを口に入れているのだ。いくらソラの身体が美しく、湯浴みを済ませているとはいえ、そんなところを舐めるなんて。しかしソラの悶え方は異常と言えるほどで、その快感を想像してタジの腰の奥がカッと熱くなる。

「は、ああああッ!マティアス、さまっ!」

 じゅ、じゅ、と神父が穢れを吸い出す音がする。ソラは失禁するのを我慢しているように唇を噛んで首を横に振っていた。

「いいぞ、出しなさい」
「ぁ、う……!」

 ペニスから口を離しソラを見上げて言う神父。視線が交わって、ソラの腰がかくんと突き上がる。まるでねだるようなその姿はあまりにも卑猥だった。

「ほら、奥までおいで」
「ああぁ……」

 神父が口を開け、見せつけるように舌をゆっくりと回す。ソラは羞恥に顔を歪めながらも、衝動に抗えずその魅惑の口にペニスを近づけた。くぷ、と頭が唇に包まれた瞬間、ソラの腰が一気に振り上がる。

「ん゙あ゙ーーッ!」

 喉の奥からくぐもったマティアス神父の笑い声が漏れた。彼は頬を凹ませるほどに吸いつきながらゆっくりと上下に顔を動かす。程なくしてソラの両脚がピーンと伸び、つま先が丸まった。先程のニコと同じだ。きっともうすぐ穢れが出る。

 ベッドのシーツを掴んだ手が震え始めた。ソラが大きく背中を反らせ、低い声で呻く。

「ゔ、ぁ……っ、マティアスさまッ、ああもう、出、ます……っ!」

 それに許可をするように、神父の吸い付きが強まった。そしてソラが背中を丸め、自身のペニスを吸う神父を見下ろす。その光景が目に入った瞬間、もう一度大きく仰け反って天を見上げた。

「あ゙ぁぁーー……っ」

 ふぐりがぎゅっと穢れを押し上げる。そこがまるでポンプのように収縮し、どくどくと神父の口に流し込んでいるのがわかった。神父の喉は何度も上下している。飲んでいるのだ、穢れを。大丈夫なのだろうかと心配しつつも、タジは目が離せなかった。身体が熱い。喚き散らしたくなるような、駆け出したくなるような、よくわからない衝動が渦巻いている。

 ソラは何度か腰を揺らし、とろんと蕩けた表情で穢れを吐き出している。二週間溜めに溜めたそれは、なかなか止まらないようだった。

「はああっ……マティアス様、ああっ、まだだめっ!先っぽ、だめ、ですっ」

 突然ソラが暴れ始め、神父の顔を引き剥がそうと控えめに頭に手を置いた。どうやら敏感なうちからまた先端を舌で磨かれているらしい。可哀想なほどに全身をのたうたせ、ソラが快感に咽び泣く。

「だめです、だめ、だめええッ!」

 ソラがいやいやと首を振ったが、次の瞬間彼は神父の頭を抱え込むように身体を丸め、びくんと大きく痙攣した。こぷ、と神父の口から何かがあふれる。

「あ゙、あ゙!なにか、出てる、あ゙あ゙っ、出てるッ!」

 まさか先ほどのニコのように小水を漏らしているのかと、タジがひやりとする中、マティアス神父はごくごくと喉を鳴らしてそれを飲み下していく。

 そしてソラの身体から一切の力が抜け、だらりと四肢を投げ出したのを見て、神父がゆっくりと顔を離した。口の端からこぼれた分も、指で掬って口に入れる。

「マティアス様……今のは、小水ですか?」

 聞いたのはラシードだった。

「あぁ、ラシードとタジは初めて見ただろうね。ソラも出すのは初めてかな」

 マティアス神父はラシードとタジに向き直ってにっこりと笑った。

「これは潮と言って、小水に似ているが別のものなんだ。さっきニコも出していたが、穢れを出した後、敏感になったペニスをそのまま刺激し続けるとたまに出る。これ自体は穢れではないんだが、まぁ、穢れを洗い流すような働きをしているのだろうね」

 そう言いながら、彼は未だぐったりとしているソラの腹を撫でる。

「出る時は辛いような切ないような気持ちいいような、なんとも言えない感覚だ。ソラ、まだ胎の奥が切ないんじゃないかい」
「は、い……っ」

 ペニスはすっかり萎えしぼんでいる。それでも時折りソラのむっちりとした腹は波打ち、震えていた。



 しばらく休んだ後ソラが自分の椅子に戻ると、マティアス神父は全員の方に身体を向け、一人一人と目を合わせて優しく微笑む。慈愛に満ちたあたたかい笑顔に、身体の中を渦巻いていた熱が少し落ち着いたのがわかった。

「今日は少し長くなったね。教えの日も、あと少しだ」

 ラシードとタジ以外はこくりと頷く。

「さあ、最後。清めの時間に入ろうか。おいで、サリオ」

 その声に、サリオがすっと立ち上がった。

 まだ清いままの、穢れを知らないはずのサリオが、「清めの時間」に何をするというのだろう。皆が見守る中、彼はしっかりとした足取りで祭壇を昇っていった。








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