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2章
楓の家にお泊り《翠視点》
――翠くん旅行の前日に、僕の家に泊まりに来ない?
楓の提案に断る選択肢はなく、俺は考えることなくyesの返事をした。
楓の家には子供の頃に何度か泊まりに行ったことがある、今さら緊張する必要はないのは分かっている。
けれどあの頃と今とでは俺たちの関係は決定的に異なる事のも事実……
今まで幾度となく付き合っていた人の家に泊まったことは有るのに、楓の家に泊まると考えるだけで感じたことがない気持ちが胸をほのかに温める。
急がなくていいからね、気をつけてきて。
そう楓に言われたにもかかわらず普段よりも歩幅が大きくなっているのに気付くと、ふと笑みがこぼれた。
俺らしくないと言ったら……
らしくないな……
それでも……手に入れることは無理だと思っていた楓が俺の彼氏になって自分を隠す必要性がまったく無くなり本来の自分で居られる。
――インターホンを押すと遥さんの声が聞こえ、ドアが開くと、久しぶりと楓によく似た笑顔を向けてくれた遥さんが出迎えてくれた。
「翠くん!」
名前を呼ばれ、声の方へと目を向けるとパジャマ姿の楓がにこりと笑顔を向けていた。
えっ……パジャマ姿の楓……えっろ……まじでヤバイだろ……
下心を気づかれないように笑顔を向けると、うれしそうな顔をしながら俺の元へと来ると楓から優しく香るシャボンの香りが鼻をくすぐった。
「遅くなってゴメンな」
そんな俺の言葉に来てくれて嬉しいと言いながら、部屋へ行こうと俺の手を引いた。
楓の部屋はエアコンが効いていて汗ばんだ肌を心地よい温度が出迎えてくれた。
そして、目に飛び込んできたのは身に覚えのない俺の写真を中心に、コラージュされた楓とのツーショットが数枚が写真立てに入れられて飾られていた。
受験を言い訳に、楓との時間を作る事が出来なかったのは俺が人より努力をしなければ、成績のキープが出来ないからだ。
知らず知らずに、寂しい思いをさせていたのかもしれない。
「楓、俺とツーショット撮りたいの?」
俺は撮りたいけど……そう言いかけた言葉を飲み込みむ。
楓から一緒に撮りたいって言葉を期待しながら誘導してしまう……
楓の顔が、見たことない男の表情を浮かべたと同時に繋いだ手が引き寄せられ、バランスを崩した俺はそのまま楓に抱き締められる形になった……
う……薄い……
パジャマを着ているからか、いつもより線の細さを感じて俺が倒れた事で怪我をしていないか心配になる。
そんな心配をよそに楓は俺の耳元へと顔を近付けると、吐息混じりに一緒に撮りたいと囁いた。
それだけでも俺の心を騒がすのに、楓の唇は確信犯の様に徐々に首もとへと移動してくる。
「汗かいてるから……ほんとマジで……ちょっと待って……」
一瞬……言われなければ気付かないぐらいの変化……
見逃してしまいそうな不安気な表情を楓が浮かべたと思ったその時……今度は恍惚な表情に一瞬に変わった。
「翠くんゴメンね……」
全然、悪いとは思っていないだろ……思ったことが無意識に出た俺の言葉に、あきらかに楓の表情が曇った。
あっ……また楓を傷付けてしまった……?
本当は嬉しいのに素直になれない自分に嫌気がさす……
それでも、今ならまだ挽回できるよな……
――楓……
短く名前だけを呼び、楓のパジャマを掴むと俺の方へと引き寄せた。
えっ?いつの間に、こんなに背が伸びたんだ……
引き寄せた筈なのにまだ少し見上げないと楓を捕らえることが出来ない。
「翠くん……チューしたい……」
楓の唐突に発せられた言葉に、あやうく理性が飛びそうになったのを押さえられた自分を誉めてあげたい。
背伸びをして、自分の唇を楓の唇に重ねた。
ただ軽く唇が触れただけなのに、すべての体温が顔に集まった様な感覚に目眩がしそうだった。
気恥ずかしい空気が流れるのを感じていると、楓も何かを感じたようで、慌ただしくお風呂をすすめながら俺にパジャマを手渡してきた。
◇◇◇◇
はぁ……
楓に渡されたパジャマに目を落とすと溜め息が落ちた……
バスルームには何故か名前が書かれたシャンプーボトルが綺麗に並べられている。
深い意味がないと言ったらウソになりそうだけど無意識に俺は『かえで』と書かれたボトルに手を伸ばしていた。
あっ……楓の香りがする……
そう思うと同時に、楓に抱き締められられた時の感覚がよみがえり、無性に恥ずかしさが込み上げてくる。
俺……今までこんな事で動揺したことは有ったか?
楓にだけ、なぜだか冷静を装うことすら出来ない……
初恋だから?
それとも想いが一方通行ではないから?
色々と考えれば考えるほどに、答えが分からなくなる……
――とりあえず今は頭を冷やして、いつもの俺らしい姿で早く楓のもとへ早く戻ろう……
そして脱衣場で楓に渡されたパジャマを見て、またしても溜め息が落ちる。
普段Tシャツに短パンの俺にはパジャマは着なれない……けれど楓と色ちがいを渡され嬉しくないはずはない……
そして、さっきの表情から楓が何を思ってパジャマを渡したのかも想像が付く。
楓は本当の俺の事をまだ知らない……
それに関しては、これから知ってもらえれば良い……
俺も……さっき楓が思いのほか体が細いことを気づかされた。
本当にこのままパジャマに袖を通しても大丈夫か……?
そう思いながら、楓のパジャマに袖を通した……
楓の提案に断る選択肢はなく、俺は考えることなくyesの返事をした。
楓の家には子供の頃に何度か泊まりに行ったことがある、今さら緊張する必要はないのは分かっている。
けれどあの頃と今とでは俺たちの関係は決定的に異なる事のも事実……
今まで幾度となく付き合っていた人の家に泊まったことは有るのに、楓の家に泊まると考えるだけで感じたことがない気持ちが胸をほのかに温める。
急がなくていいからね、気をつけてきて。
そう楓に言われたにもかかわらず普段よりも歩幅が大きくなっているのに気付くと、ふと笑みがこぼれた。
俺らしくないと言ったら……
らしくないな……
それでも……手に入れることは無理だと思っていた楓が俺の彼氏になって自分を隠す必要性がまったく無くなり本来の自分で居られる。
――インターホンを押すと遥さんの声が聞こえ、ドアが開くと、久しぶりと楓によく似た笑顔を向けてくれた遥さんが出迎えてくれた。
「翠くん!」
名前を呼ばれ、声の方へと目を向けるとパジャマ姿の楓がにこりと笑顔を向けていた。
えっ……パジャマ姿の楓……えっろ……まじでヤバイだろ……
下心を気づかれないように笑顔を向けると、うれしそうな顔をしながら俺の元へと来ると楓から優しく香るシャボンの香りが鼻をくすぐった。
「遅くなってゴメンな」
そんな俺の言葉に来てくれて嬉しいと言いながら、部屋へ行こうと俺の手を引いた。
楓の部屋はエアコンが効いていて汗ばんだ肌を心地よい温度が出迎えてくれた。
そして、目に飛び込んできたのは身に覚えのない俺の写真を中心に、コラージュされた楓とのツーショットが数枚が写真立てに入れられて飾られていた。
受験を言い訳に、楓との時間を作る事が出来なかったのは俺が人より努力をしなければ、成績のキープが出来ないからだ。
知らず知らずに、寂しい思いをさせていたのかもしれない。
「楓、俺とツーショット撮りたいの?」
俺は撮りたいけど……そう言いかけた言葉を飲み込みむ。
楓から一緒に撮りたいって言葉を期待しながら誘導してしまう……
楓の顔が、見たことない男の表情を浮かべたと同時に繋いだ手が引き寄せられ、バランスを崩した俺はそのまま楓に抱き締められる形になった……
う……薄い……
パジャマを着ているからか、いつもより線の細さを感じて俺が倒れた事で怪我をしていないか心配になる。
そんな心配をよそに楓は俺の耳元へと顔を近付けると、吐息混じりに一緒に撮りたいと囁いた。
それだけでも俺の心を騒がすのに、楓の唇は確信犯の様に徐々に首もとへと移動してくる。
「汗かいてるから……ほんとマジで……ちょっと待って……」
一瞬……言われなければ気付かないぐらいの変化……
見逃してしまいそうな不安気な表情を楓が浮かべたと思ったその時……今度は恍惚な表情に一瞬に変わった。
「翠くんゴメンね……」
全然、悪いとは思っていないだろ……思ったことが無意識に出た俺の言葉に、あきらかに楓の表情が曇った。
あっ……また楓を傷付けてしまった……?
本当は嬉しいのに素直になれない自分に嫌気がさす……
それでも、今ならまだ挽回できるよな……
――楓……
短く名前だけを呼び、楓のパジャマを掴むと俺の方へと引き寄せた。
えっ?いつの間に、こんなに背が伸びたんだ……
引き寄せた筈なのにまだ少し見上げないと楓を捕らえることが出来ない。
「翠くん……チューしたい……」
楓の唐突に発せられた言葉に、あやうく理性が飛びそうになったのを押さえられた自分を誉めてあげたい。
背伸びをして、自分の唇を楓の唇に重ねた。
ただ軽く唇が触れただけなのに、すべての体温が顔に集まった様な感覚に目眩がしそうだった。
気恥ずかしい空気が流れるのを感じていると、楓も何かを感じたようで、慌ただしくお風呂をすすめながら俺にパジャマを手渡してきた。
◇◇◇◇
はぁ……
楓に渡されたパジャマに目を落とすと溜め息が落ちた……
バスルームには何故か名前が書かれたシャンプーボトルが綺麗に並べられている。
深い意味がないと言ったらウソになりそうだけど無意識に俺は『かえで』と書かれたボトルに手を伸ばしていた。
あっ……楓の香りがする……
そう思うと同時に、楓に抱き締められられた時の感覚がよみがえり、無性に恥ずかしさが込み上げてくる。
俺……今までこんな事で動揺したことは有ったか?
楓にだけ、なぜだか冷静を装うことすら出来ない……
初恋だから?
それとも想いが一方通行ではないから?
色々と考えれば考えるほどに、答えが分からなくなる……
――とりあえず今は頭を冷やして、いつもの俺らしい姿で早く楓のもとへ早く戻ろう……
そして脱衣場で楓に渡されたパジャマを見て、またしても溜め息が落ちる。
普段Tシャツに短パンの俺にはパジャマは着なれない……けれど楓と色ちがいを渡され嬉しくないはずはない……
そして、さっきの表情から楓が何を思ってパジャマを渡したのかも想像が付く。
楓は本当の俺の事をまだ知らない……
それに関しては、これから知ってもらえれば良い……
俺も……さっき楓が思いのほか体が細いことを気づかされた。
本当にこのままパジャマに袖を通しても大丈夫か……?
そう思いながら、楓のパジャマに袖を通した……
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