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2章
翠くんの気持ち【後編】
どれくらい遥に抱き付いて泣いていただろう……
自分でも時間感覚が分からなくなっていたけれど、背中を優しく撫でている遥のおかげで少しずつ気持ちが落ち着いてきた。
父さんとは違い、遥は僕が話すまでは何も聞いてこない。
「……迷惑かけてゴメン。」
僕が言葉を落とすと遥は僕をギュッと抱きしめると、楓はまだ15才だよ……間違えたり迷惑をかけることはあると思うし、ある意味でそれは経験だと僕は思うと言った。
そして遥の話を聞いていると僕たちと同じ日、同じ日数をこのホテルで過ごすことにしていたみたいだ。
その事を先生には話していて、知らないフリをお願いしていたらしい。
「楓、身体が冷えているから室内浴室でシャワーだけでも浴びておいで……」
遥に言われるがままに僕は着替えを持って浴室へと向かうと鏡に映された自分の顔を見て愕然とした。
――涙のあとはシャワーで流せても赤くなった目元は、隠せそうにはない……
あの時はただ、翠くんと海に入っていただけなのに一体、僕になにが起こったのか分からなかった。
父さんの反応を見たら、僕が何かをしでかしたとしか思えない。
けれどどうして翠くんと引き離されないといけなかったのかが僕には分からない……
翠くんと……もうすぐ遊べる時間が減ってしまうのに……
無意識に長く大きな溜め息が落ちる。
部屋へと戻ると、いつもと変わらない遥がドライヤーを用意しているのが目に入りる。
――過保護気味なんだよな……
僕に気がついた遥が柔らかな表情で手招きしている。
僕は子供の頃から遥に対して拒否できないから、そのまま遥の前に座り髪を乾かしてもらう。
「僕は、楓に大事な人ができて良かったと思ってる……」
そう話す遥の顔は見えないけど、想像はできる。
それでもと言葉を続けた遥は、そろそろ楓もαとしての自覚を持ってほしいかなと言う。
αとしての自覚って何?
翠くんと別れてΩの相手を探せってこと?
いつも優しい遥の口から紡ぎ出された言葉とは信じられない。
「――翠くんと別れろってこと?」
自分でも信じられない程、冷たい声がでた。
遥はドライヤーをoffにすると、そうじゃないよと僕の前に腰を下ろし僕の目をしっかりと捕らえた。
今まで見たことが無い優しいけれど強い眼差しに思わず喉がなる。
「僕は楓の親だから、楓が子供の頃から翠くんの事が好きな事は気づいていたよ、けれど恋愛として好きなんだと僕が気付いたのは本当に最近の事なんだ。子どもの頃から楓は何に対しても執着する事が少なかったから……翠くんを無意識にでも目で追う楓にとって特別な存在なんだって。」
僕が頷くと、遥はふにゃりと目尻が下がる。
「それなら渚さんとαとして、きちんと話をしなさい僕が話してあげれたら良いんだけど僕ではダメだから……」
少し申し訳なさそうに話す遥を見て、最近αとして自覚持った僕には知識も気の持ちようも何もかもが足りないと言われているようだった。
遥は僕の髪を整えると、じぃちゃんに電話をしていた。
数十分後に部屋のドアが開くと、いつもと変わらないじぃちゃんと口元は笑っているけれど目が笑っていない父さん、そして翠くんが入ってきた。
僕が翠くんの元へと向かおうとした時、父さんに声だけで呼び止められた。
普通に怖い……
正直なところ僕は父さんに勝てる気がしない……
いつもヘラヘラしてるくせに……
「好きなら傷つけることは、するな。」
上から見下ろしている父さんのその目は、周りから見たら優しそうに見えているんだろう、けれどその奥には僕を諌めているような熱を感じる。
僕は、分かってるとだけ言うと翠くんへと足をむけた。
「楓は大丈夫だったか?俺は軽い熱中症だったみたいで先生が気付いてくれなかったらヤバかったって言われたよ」
そう笑う翠くんは、まだ少し顔が赤かった。
父さん達が部屋を出てドアが閉まる時に何故か、あまり仲が良くない父さんとじぃちゃんが真剣な面持ちで話しているのが目に入った。
◇◇◇◇
翠くんが窓から海を見ている後ろ姿に僕は引き寄せられるように、後ろから翠くんを抱き締めた。
「翠くんごめんね……」
翠くんは楓はなにもしてないだろ?と言うとお腹に回された僕の手に触れた。
翠くんの優しさに甘えている自分が嫌になる……
翠くんの肩に顔を埋めると自分の意思とはうらはらに、涙がこぼれる。
「えっ、なんで楓は泣いているの?」
翠くんが触れていた手を引き寄せると僕は翠くんと向き合う形になったけど顔を合わせることができない。
僕の手を引き歩き出した翠くんによって、僕は翠くんと隣り合わせでソファーに腰を下ろした。
「なんで……泣いてるの?」
翠くんの優しい問いかけに言葉が出てこない……
止まらない涙を見られたくなくて、顔を上げる事が出来ない僕を翠くんはギュッと抱き締めると、楓はなにもしてないだろ?と頭の上から翠くんの言葉が降ってくる……
落ち着いて、そう言いながら背中をポンポンとされると徐々に気持ちが落ち着いてくる。
「僕……翠くんになにもしてあげられない……」
自分の口から出た言葉で更に苦しくなる。
「俺は、楓から色んな物を貰っている目に見えない物も含めて……だから泣かないで、楓に泣かれると俺はどうすればいいか分からなくなる。」
翠くんの優しさが心に染みる……
それなのに、翠くんが忙しいのが分かっていても少しでも一緒に居たいと願ってしまう。
今回の旅行でさえも、あわよくば……翠くんと一つになれるかもしれないと考えていた。
僕の知るαは常に堂々としていて他を寄せ付けない強さが見てとれる。
じぃちゃんからも感じるけれど、それ以上に父さんは甘い顔とは反対に、独自の強さを持ちながらも周りを圧倒するほどのオーラさえも持っている。
だからこそ敵わないと同時に、そんな風に父さんの事を思っていると悟られたくないと反発したくなる。
僕はαなのに……ダサすぎる……
他の人には上手くできるのに……
翠くんの前では、うまくいかない……
それでも、翠くんの隣に居続けたいって気持ちは誰にも負ける気はない……
「楓、俺さ受験の事も考えては居るのは確かなんだけど、それ以上に考えている事があるんだ……話を聞いてくれるか?」
優しい言葉に導かれるように、翠くんに顔を向けると。
そこには見たことがない真剣な眼差しで僕を見据える翠くんが居た。
このまま話を聞く事はできるだろうけど、ちゃんと受け止めるには時間がかかりそうだったから、夕御飯の後に改めてお互いが思っていることを話すことにした。
「楓、俺はどんなことがあっても楓から離れる気はないから」
翠くんの言葉に僕は頷くと、その後は会話らしい会話はなく味のしない夕飯を食べながら、自分の気持ちに向き合う為に翠くんに先にお風呂に入ってもらった。
翠くんが出てくるまでの時間が実際よりも長く感じた。
そして今、僕と翠くんはソファーに向かい合って座っている。
「楓に、話しておきたい事がある」
先に口を開いたのは翠くんだった。
「――俺は楓の事が好きなのに、その気持ちを隠して何人か付き合った人がいるのは話したよな……」
翠くんに付き合っていた人が居るのは、翠くんの観察をしていたから知っている。
それでも……
関係が終わったと分かっていても……
改めてその話をされると指先が冷えていくのを感じる。
――翠くんは初めてじゃない。
「楓はさ、この旅行で……その……そういう気持ちって言うか、考えていたって事なんだよな?」
翠くんへと視線を向けると、今まで見たことがない程に顔を赤らめながら僕の返事を待っているようだった。
隠すつもりは無いそれに女っぽく見えても僕だって健全な男子なんだ。
好きな相手に、そういう欲がわかないわけがない。
「そのつもりだよ……」
僕の答えに翠くんはハァ~と大きく息を吐くと両手で顔をおおった。
翠くんと名前を呼ぶと、何かを決意したような表情を浮かべた翠くんの眼差しに僕は射ぬかれそうになる。
「楓に伝える事がある……」
僕は頷くと同時に喉がなった。
「マジで俺は最低なんだけど……今はまでに何人かと体の関係はあった。」
翠くんの口から出た言葉に分かっていた事とは言え、お腹の奥を握りつぶされるような不快感を感じる。
僕は初めてだけど翠くんは違う……
頭の中が白くなっていくのが分かる……
「――だ」
えっ?
僕は一瞬、翠くんが何を言っているのか理解ができなかった。
そんな僕をみた翠くんは僕の両手を握ると、僕の目を見ながら口を開く。
「だけど俺は今まで、誰も受け入れたことがないんだ。」
自分でも時間感覚が分からなくなっていたけれど、背中を優しく撫でている遥のおかげで少しずつ気持ちが落ち着いてきた。
父さんとは違い、遥は僕が話すまでは何も聞いてこない。
「……迷惑かけてゴメン。」
僕が言葉を落とすと遥は僕をギュッと抱きしめると、楓はまだ15才だよ……間違えたり迷惑をかけることはあると思うし、ある意味でそれは経験だと僕は思うと言った。
そして遥の話を聞いていると僕たちと同じ日、同じ日数をこのホテルで過ごすことにしていたみたいだ。
その事を先生には話していて、知らないフリをお願いしていたらしい。
「楓、身体が冷えているから室内浴室でシャワーだけでも浴びておいで……」
遥に言われるがままに僕は着替えを持って浴室へと向かうと鏡に映された自分の顔を見て愕然とした。
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父さんの反応を見たら、僕が何かをしでかしたとしか思えない。
けれどどうして翠くんと引き離されないといけなかったのかが僕には分からない……
翠くんと……もうすぐ遊べる時間が減ってしまうのに……
無意識に長く大きな溜め息が落ちる。
部屋へと戻ると、いつもと変わらない遥がドライヤーを用意しているのが目に入りる。
――過保護気味なんだよな……
僕に気がついた遥が柔らかな表情で手招きしている。
僕は子供の頃から遥に対して拒否できないから、そのまま遥の前に座り髪を乾かしてもらう。
「僕は、楓に大事な人ができて良かったと思ってる……」
そう話す遥の顔は見えないけど、想像はできる。
それでもと言葉を続けた遥は、そろそろ楓もαとしての自覚を持ってほしいかなと言う。
αとしての自覚って何?
翠くんと別れてΩの相手を探せってこと?
いつも優しい遥の口から紡ぎ出された言葉とは信じられない。
「――翠くんと別れろってこと?」
自分でも信じられない程、冷たい声がでた。
遥はドライヤーをoffにすると、そうじゃないよと僕の前に腰を下ろし僕の目をしっかりと捕らえた。
今まで見たことが無い優しいけれど強い眼差しに思わず喉がなる。
「僕は楓の親だから、楓が子供の頃から翠くんの事が好きな事は気づいていたよ、けれど恋愛として好きなんだと僕が気付いたのは本当に最近の事なんだ。子どもの頃から楓は何に対しても執着する事が少なかったから……翠くんを無意識にでも目で追う楓にとって特別な存在なんだって。」
僕が頷くと、遥はふにゃりと目尻が下がる。
「それなら渚さんとαとして、きちんと話をしなさい僕が話してあげれたら良いんだけど僕ではダメだから……」
少し申し訳なさそうに話す遥を見て、最近αとして自覚持った僕には知識も気の持ちようも何もかもが足りないと言われているようだった。
遥は僕の髪を整えると、じぃちゃんに電話をしていた。
数十分後に部屋のドアが開くと、いつもと変わらないじぃちゃんと口元は笑っているけれど目が笑っていない父さん、そして翠くんが入ってきた。
僕が翠くんの元へと向かおうとした時、父さんに声だけで呼び止められた。
普通に怖い……
正直なところ僕は父さんに勝てる気がしない……
いつもヘラヘラしてるくせに……
「好きなら傷つけることは、するな。」
上から見下ろしている父さんのその目は、周りから見たら優しそうに見えているんだろう、けれどその奥には僕を諌めているような熱を感じる。
僕は、分かってるとだけ言うと翠くんへと足をむけた。
「楓は大丈夫だったか?俺は軽い熱中症だったみたいで先生が気付いてくれなかったらヤバかったって言われたよ」
そう笑う翠くんは、まだ少し顔が赤かった。
父さん達が部屋を出てドアが閉まる時に何故か、あまり仲が良くない父さんとじぃちゃんが真剣な面持ちで話しているのが目に入った。
◇◇◇◇
翠くんが窓から海を見ている後ろ姿に僕は引き寄せられるように、後ろから翠くんを抱き締めた。
「翠くんごめんね……」
翠くんは楓はなにもしてないだろ?と言うとお腹に回された僕の手に触れた。
翠くんの優しさに甘えている自分が嫌になる……
翠くんの肩に顔を埋めると自分の意思とはうらはらに、涙がこぼれる。
「えっ、なんで楓は泣いているの?」
翠くんが触れていた手を引き寄せると僕は翠くんと向き合う形になったけど顔を合わせることができない。
僕の手を引き歩き出した翠くんによって、僕は翠くんと隣り合わせでソファーに腰を下ろした。
「なんで……泣いてるの?」
翠くんの優しい問いかけに言葉が出てこない……
止まらない涙を見られたくなくて、顔を上げる事が出来ない僕を翠くんはギュッと抱き締めると、楓はなにもしてないだろ?と頭の上から翠くんの言葉が降ってくる……
落ち着いて、そう言いながら背中をポンポンとされると徐々に気持ちが落ち着いてくる。
「僕……翠くんになにもしてあげられない……」
自分の口から出た言葉で更に苦しくなる。
「俺は、楓から色んな物を貰っている目に見えない物も含めて……だから泣かないで、楓に泣かれると俺はどうすればいいか分からなくなる。」
翠くんの優しさが心に染みる……
それなのに、翠くんが忙しいのが分かっていても少しでも一緒に居たいと願ってしまう。
今回の旅行でさえも、あわよくば……翠くんと一つになれるかもしれないと考えていた。
僕の知るαは常に堂々としていて他を寄せ付けない強さが見てとれる。
じぃちゃんからも感じるけれど、それ以上に父さんは甘い顔とは反対に、独自の強さを持ちながらも周りを圧倒するほどのオーラさえも持っている。
だからこそ敵わないと同時に、そんな風に父さんの事を思っていると悟られたくないと反発したくなる。
僕はαなのに……ダサすぎる……
他の人には上手くできるのに……
翠くんの前では、うまくいかない……
それでも、翠くんの隣に居続けたいって気持ちは誰にも負ける気はない……
「楓、俺さ受験の事も考えては居るのは確かなんだけど、それ以上に考えている事があるんだ……話を聞いてくれるか?」
優しい言葉に導かれるように、翠くんに顔を向けると。
そこには見たことがない真剣な眼差しで僕を見据える翠くんが居た。
このまま話を聞く事はできるだろうけど、ちゃんと受け止めるには時間がかかりそうだったから、夕御飯の後に改めてお互いが思っていることを話すことにした。
「楓、俺はどんなことがあっても楓から離れる気はないから」
翠くんの言葉に僕は頷くと、その後は会話らしい会話はなく味のしない夕飯を食べながら、自分の気持ちに向き合う為に翠くんに先にお風呂に入ってもらった。
翠くんが出てくるまでの時間が実際よりも長く感じた。
そして今、僕と翠くんはソファーに向かい合って座っている。
「楓に、話しておきたい事がある」
先に口を開いたのは翠くんだった。
「――俺は楓の事が好きなのに、その気持ちを隠して何人か付き合った人がいるのは話したよな……」
翠くんに付き合っていた人が居るのは、翠くんの観察をしていたから知っている。
それでも……
関係が終わったと分かっていても……
改めてその話をされると指先が冷えていくのを感じる。
――翠くんは初めてじゃない。
「楓はさ、この旅行で……その……そういう気持ちって言うか、考えていたって事なんだよな?」
翠くんへと視線を向けると、今まで見たことがない程に顔を赤らめながら僕の返事を待っているようだった。
隠すつもりは無いそれに女っぽく見えても僕だって健全な男子なんだ。
好きな相手に、そういう欲がわかないわけがない。
「そのつもりだよ……」
僕の答えに翠くんはハァ~と大きく息を吐くと両手で顔をおおった。
翠くんと名前を呼ぶと、何かを決意したような表情を浮かべた翠くんの眼差しに僕は射ぬかれそうになる。
「楓に伝える事がある……」
僕は頷くと同時に喉がなった。
「マジで俺は最低なんだけど……今はまでに何人かと体の関係はあった。」
翠くんの口から出た言葉に分かっていた事とは言え、お腹の奥を握りつぶされるような不快感を感じる。
僕は初めてだけど翠くんは違う……
頭の中が白くなっていくのが分かる……
「――だ」
えっ?
僕は一瞬、翠くんが何を言っているのか理解ができなかった。
そんな僕をみた翠くんは僕の両手を握ると、僕の目を見ながら口を開く。
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