3 / 51
1章
空くんの気持ち
しおりを挟む
壇上の上に現れたのは翠くんだった。
久しぶりに真正面から見た翠すいくんは、光り輝くような顔力で僕の荒んだ心を穏やかにしてくれた。
高校入学と同時に翠くんが、寮の暮らしを始めて少し経った頃に僕は寮の近くで翠くんの偵察に行った時……
翠くんと手を繋いだ派手な見た目の長身の男と楽しそうに一緒に部屋へと消えていった姿を見た時には血の気が引く経験をして今でも凄いトラウマだ……
その頃の僕はまだ中学2年で幼かった事もあって、翠くんと距離を取ることでしか心のモヤモヤを鎮める方法が分からなかった……けれど、翠くんの好みのタイプをリサーチする為に、週1で寮まで様子を見に行っていた。
空くんに知られた時は、引き気味にストーカーは辞めたほうが良いと思うと言われたけど……
偵察&翠くん観察だからと平気だよと答えたら渋い顔をしていたのが懐かしい……
翠くんのお相手は共通して、派手なフェロモン系……僕とは正反対だったから少しでも近づける様に沢山ピアスを開けてみたりフェロモンの研究をした結果、さらにΩっぽいと言われるようになってしまった……。
翠くんがΩだったらな……
無理矢理にでも僕に縛り付けることが出来るのに……
そんな妄想をする僕は最低だと自覚はしていた。
翠くんが壇上から下りる時に目が合った気がしたけど、これだけの人数の中で見つけて貰えるハズはないよなと思うと少し悲しかった……
翠くんにも僕を見つけて欲しいな……
いつも……僕が翠くんを追いかけてる……
「楓?」
名前を呼ばれて我にかえると、空くんが心配そうに僕のことを見ていた。
大丈夫だよと伝えるとホッとした顔つきになって、人酔いでもしたかと思って心配したぞ!と言いながら僕の背中をバシバシ叩いてきた……
普通に痛いから止めて欲しいと思った時に視線を感じて、その視線の先を探るとクラス担任と紹介された先生が、悲しさ、苦しさ……嫉妬心とも受け取れる表情でこっちを見ていた。
もしかして僕のこと?と思ったのも束の間、視線の先はあきらかに空くんだった。
僕の頭の中で導き出された答が合っているか気になったと同時にいたずら心がムクムクと湧き出した……
空くんの肩を抱き耳元に近づくと質問をした。
「空くん、僕たちのクラ担って空くんの彼ピ?」
そう聞くと、うわぁ~と叫びながら僕の口を両手で塞ぎながら涙目になっていた。
そして、先生の方を見ると【ビンゴ】
あの顔は、きっと誤解してるんだろうな……心配しなくても空くんと、どうこうなろうとはお互いに思ってないし空くんも彼氏しか目に入ってないですよと伝えたくなる。
ただ先生が見せる、嫉妬に歪んだ顔は独占欲と言う感情がダイレクトに伝わってきて、いつか翠くんにも、してもらいたい表情だと思うと口角が上がるのを止めることが出来なかった。
「楓……今すっげぇ~悪い顔してるけど気付いてる?」
そう言われ、僕は空くんと目を合わせると少し首を傾けて笑顔を浮かべた。
空くんは、顔を赤らめつつ、今度は俺の肩をバシバシ叩きながら口を開いた。
「あざとい!自分の顔が綺麗なの分かってて、やってるんだろうけど俺には【れん】だけだから!」
そんな素直な空くんが、あまりに可愛らしく見えて叩いている手を取りながら。
「素直な空くんは可愛い~」
そう言って指先にキスを落とすと……
「それはダメだ!!」
教員席から高梨先生の声が聞こえ、2人が僕の想像通りに動いてる事に素直に可愛く思えて口元が緩むのが止められなかった。
先生は他の先生に注意されているようだった……
やりすぎちゃったかな……と思っていると空くんに後頭部を平手打ちされた。
「俺は楓に合わせられるから多少の事は許せるけど【れん】はダメだ!絶対にだ!」
僕は空くんにごめんねと必死に謝ったけれど、さっきから、ずっと僕の足を踏み続けている。
椅子に座っているとは言え足を踏まれるのは痛い……しかも、つま先を中心に踏まれているから特に痛かった。
こんなにも、お互いを思い合ってるなんて羨ましいな……
「楓、なんか言った?」
そう言いながらも今だに僕の足を踏み続けてる空くんに、足が痛くて涙腺ヤバイかもと上目遣いで見つめれば赤い顔をしながら踏むのを止めてくれた。
親友と言えども色んな意味でチョロ過ぎて心配になってきた。
「空くん、彼ピの誤解はちゃんと解いておいたほうがマジでいいと思うよ、誤解してるっぽいし……」
僕がそう言うと、ブンッと音が聞こえそうなほどに勢いよく頭を先生の方へと向けると、あからさまに先生の表情が変わった。
空くんは先生の方を向いたままだから表情は分からなかったけれど先生の表情をみるかぎり、恋人同士でしか見せない顔つきなんだろうなと思った。
「好きだよ」
空くんが小さな声でそう言うと同時に先生は腕で顔を隠していた。
僕は何を見せられているんだろう……と思いながらも可愛いすぎるカップルに、僕は親友の恋を一生推すことに決めた。
久しぶりに真正面から見た翠すいくんは、光り輝くような顔力で僕の荒んだ心を穏やかにしてくれた。
高校入学と同時に翠くんが、寮の暮らしを始めて少し経った頃に僕は寮の近くで翠くんの偵察に行った時……
翠くんと手を繋いだ派手な見た目の長身の男と楽しそうに一緒に部屋へと消えていった姿を見た時には血の気が引く経験をして今でも凄いトラウマだ……
その頃の僕はまだ中学2年で幼かった事もあって、翠くんと距離を取ることでしか心のモヤモヤを鎮める方法が分からなかった……けれど、翠くんの好みのタイプをリサーチする為に、週1で寮まで様子を見に行っていた。
空くんに知られた時は、引き気味にストーカーは辞めたほうが良いと思うと言われたけど……
偵察&翠くん観察だからと平気だよと答えたら渋い顔をしていたのが懐かしい……
翠くんのお相手は共通して、派手なフェロモン系……僕とは正反対だったから少しでも近づける様に沢山ピアスを開けてみたりフェロモンの研究をした結果、さらにΩっぽいと言われるようになってしまった……。
翠くんがΩだったらな……
無理矢理にでも僕に縛り付けることが出来るのに……
そんな妄想をする僕は最低だと自覚はしていた。
翠くんが壇上から下りる時に目が合った気がしたけど、これだけの人数の中で見つけて貰えるハズはないよなと思うと少し悲しかった……
翠くんにも僕を見つけて欲しいな……
いつも……僕が翠くんを追いかけてる……
「楓?」
名前を呼ばれて我にかえると、空くんが心配そうに僕のことを見ていた。
大丈夫だよと伝えるとホッとした顔つきになって、人酔いでもしたかと思って心配したぞ!と言いながら僕の背中をバシバシ叩いてきた……
普通に痛いから止めて欲しいと思った時に視線を感じて、その視線の先を探るとクラス担任と紹介された先生が、悲しさ、苦しさ……嫉妬心とも受け取れる表情でこっちを見ていた。
もしかして僕のこと?と思ったのも束の間、視線の先はあきらかに空くんだった。
僕の頭の中で導き出された答が合っているか気になったと同時にいたずら心がムクムクと湧き出した……
空くんの肩を抱き耳元に近づくと質問をした。
「空くん、僕たちのクラ担って空くんの彼ピ?」
そう聞くと、うわぁ~と叫びながら僕の口を両手で塞ぎながら涙目になっていた。
そして、先生の方を見ると【ビンゴ】
あの顔は、きっと誤解してるんだろうな……心配しなくても空くんと、どうこうなろうとはお互いに思ってないし空くんも彼氏しか目に入ってないですよと伝えたくなる。
ただ先生が見せる、嫉妬に歪んだ顔は独占欲と言う感情がダイレクトに伝わってきて、いつか翠くんにも、してもらいたい表情だと思うと口角が上がるのを止めることが出来なかった。
「楓……今すっげぇ~悪い顔してるけど気付いてる?」
そう言われ、僕は空くんと目を合わせると少し首を傾けて笑顔を浮かべた。
空くんは、顔を赤らめつつ、今度は俺の肩をバシバシ叩きながら口を開いた。
「あざとい!自分の顔が綺麗なの分かってて、やってるんだろうけど俺には【れん】だけだから!」
そんな素直な空くんが、あまりに可愛らしく見えて叩いている手を取りながら。
「素直な空くんは可愛い~」
そう言って指先にキスを落とすと……
「それはダメだ!!」
教員席から高梨先生の声が聞こえ、2人が僕の想像通りに動いてる事に素直に可愛く思えて口元が緩むのが止められなかった。
先生は他の先生に注意されているようだった……
やりすぎちゃったかな……と思っていると空くんに後頭部を平手打ちされた。
「俺は楓に合わせられるから多少の事は許せるけど【れん】はダメだ!絶対にだ!」
僕は空くんにごめんねと必死に謝ったけれど、さっきから、ずっと僕の足を踏み続けている。
椅子に座っているとは言え足を踏まれるのは痛い……しかも、つま先を中心に踏まれているから特に痛かった。
こんなにも、お互いを思い合ってるなんて羨ましいな……
「楓、なんか言った?」
そう言いながらも今だに僕の足を踏み続けてる空くんに、足が痛くて涙腺ヤバイかもと上目遣いで見つめれば赤い顔をしながら踏むのを止めてくれた。
親友と言えども色んな意味でチョロ過ぎて心配になってきた。
「空くん、彼ピの誤解はちゃんと解いておいたほうがマジでいいと思うよ、誤解してるっぽいし……」
僕がそう言うと、ブンッと音が聞こえそうなほどに勢いよく頭を先生の方へと向けると、あからさまに先生の表情が変わった。
空くんは先生の方を向いたままだから表情は分からなかったけれど先生の表情をみるかぎり、恋人同士でしか見せない顔つきなんだろうなと思った。
「好きだよ」
空くんが小さな声でそう言うと同時に先生は腕で顔を隠していた。
僕は何を見せられているんだろう……と思いながらも可愛いすぎるカップルに、僕は親友の恋を一生推すことに決めた。
83
あなたにおすすめの小説
胎児の頃から執着されていたらしい
夜鳥すぱり
BL
好きでも嫌いでもない幼馴染みの鉄堅(てっけん)は、葉月(はづき)と結婚してツガイになりたいらしい。しかし、どうしても鉄堅のねばつくような想いを受け入れられない葉月は、しつこく求愛してくる鉄堅から逃げる事にした。オメガバース執着です。
◆完結済みです。いつもながら読んで下さった皆様に感謝です。
◆表紙絵を、花々緒さんが描いて下さいました(*^^*)。葉月を常に守りたい一途な鉄堅と、ひたすら逃げたい意地っぱりな葉月。
地味メガネだと思ってた同僚が、眼鏡を外したら国宝級でした~無愛想な美人と、チャラ営業のすれ違い恋愛
中岡 始
BL
誰にも気づかれたくない。
誰の心にも触れたくない。
無表情と無関心を盾に、オフィスの隅で静かに生きる天王寺悠(てんのうじ・ゆう)。
その存在に、誰も興味を持たなかった――彼を除いて。
明るく人懐こい営業マン・梅田隼人(うめだ・はやと)は、
偶然見た「眼鏡を外した天王寺」の姿に、衝撃を受ける。
無機質な顔の奥に隠れていたのは、
誰よりも美しく、誰よりも脆い、ひとりの青年だった。
気づいてしまったから、もう目を逸らせない。
知りたくなったから、もう引き返せない。
すれ違いと無関心、
優しさと孤独、
微かな笑顔と、隠された心。
これは、
触れれば壊れそうな彼に、
それでも手を伸ばしてしまった、
不器用な男たちの恋のはなし。
ウサギ獣人を毛嫌いしているオオカミ獣人後輩に、嘘をついたウサギ獣人オレ。大学時代後輩から逃げたのに、大人になって再会するなんて!?
灯璃
BL
ごく普通に大学に通う、宇佐木 寧(ねい)には、ひょんな事から懐いてくれる後輩がいた。
オオカミ獣人でアルファの、狼谷 凛旺(りおう)だ。
ーここは、普通に獣人が現代社会で暮らす世界ー
獣人の中でも、肉食と草食で格差があり、さらに男女以外の第二の性別、アルファ、ベータ、オメガがあった。オメガは男でもアルファの子が産めるのだが、そこそこ差別されていたのでベータだと言った方が楽だった。
そんな中で、肉食のオオカミ獣人の狼谷が、草食オメガのオレに懐いているのは、単にオレたちのオタク趣味が合ったからだった。
だが、こいつは、ウサギ獣人を毛嫌いしていて、よりにもよって、オレはウサギ獣人のオメガだった。
話が合うこいつと話をするのは楽しい。だから、学生生活の間だけ、なんとか隠しとおせば大丈夫だろう。
そんな風に簡単に思っていたからか、突然に発情期を迎えたオレは、自業自得の後悔をする羽目になるーー。
みたいな、大学篇と、その後の社会人編。
BL大賞ポイントいれて頂いた方々!ありがとうございました!!
※本編完結しました!お読みいただきありがとうございました!
※短編1本追加しました。これにて完結です!ありがとうございました!
旧題「ウサギ獣人が嫌いな、オオカミ獣人後輩を騙してしまった。ついでにオメガなのにベータと言ってしまったオレの、後悔」
【完結】※セーブポイントに入って一汁三菜の夕飯を頂いた勇者くんは体力が全回復します。
きのこいもむし
BL
ある日突然セーブポイントになってしまった自宅のクローゼットからダンジョン攻略中の勇者くんが出てきたので、一汁三菜の夕飯を作って一緒に食べようねみたいなお料理BLです。
自炊に目覚めた独身フリーターのアラサー男子(27)が、セーブポイントの中に入ると体力が全回復するタイプの勇者くん(19)を餌付けしてそれを肴に旨い酒を飲むだけの逆異世界転移もの。
食いしん坊わんこのローグライク系勇者×料理好きのセーブポイント系平凡受けの超ほんわかした感じの話です。
のほほんオメガは、同期アルファの執着に気付いていませんでした
こたま
BL
オメガの品川拓海(しながわ たくみ)は、現在祖母宅で祖母と飼い猫とのほほんと暮らしている社会人のオメガだ。雇用機会均等法以来門戸の開かれたオメガ枠で某企業に就職している。同期のアルファで営業の高輪響矢(たかなわ きょうや)とは彼の営業サポートとして共に働いている。同期社会人同士のオメガバース、ハッピーエンドです。両片想い、後両想い。攻の愛が重めです。
陰キャな俺、人気者の幼馴染に溺愛されてます。
陽七 葵
BL
主人公である佐倉 晴翔(さくら はると)は、顔がコンプレックスで、何をやらせてもダメダメな高校二年生。前髪で顔を隠し、目立たず平穏な高校ライフを望んでいる。
しかし、そんな晴翔の平穏な生活を脅かすのはこの男。幼馴染の葉山 蓮(はやま れん)。
蓮は、イケメンな上に人当たりも良く、勉強、スポーツ何でも出来る学校一の人気者。蓮と一緒にいれば、自ずと目立つ。
だから、晴翔は学校では極力蓮に近付きたくないのだが、避けているはずの蓮が晴翔にベッタリ構ってくる。
そして、ひょんなことから『恋人のフリ』を始める二人。
そこから物語は始まるのだが——。
実はこの二人、最初から両想いだったのにそれを拗らせまくり。蓮に新たな恋敵も現れ、蓮の執着心は過剰なモノへと変わっていく。
素直になれない主人公と人気者な幼馴染の恋の物語。どうぞお楽しみ下さい♪
【完結】異世界から来た鬼っ子を育てたら、ガッチリ男前に育って食べられた(性的に)
てんつぶ
BL
ある日、僕の住んでいるユノスの森に子供が一人で泣いていた。
言葉の通じないこのちいさな子と始まった共同生活。力の弱い僕を助けてくれる優しい子供はどんどん大きく育ち―――
大柄な鬼っ子(男前)×育ての親(平凡)
20201216 ランキング1位&応援ありがとうごございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる