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1章
翠くんの好みのタイプ……あってるよね?
僕の射程圏内に翠くんを捕らえた時、一気にモチベが上がってきた。
「翠くん……」
「僕に気付いて……」
「僕を見て……」
翠くんに気付いて貰えず、速度を上げた。
翠くんに格好良いと思われたくて……
苦手だった牛乳も頑張って飲んだ……
翠くんの歴代の恋人の見た目とかも……
リサーチした……
好みのタイプに近づける努力もした……
翠くんに楓、見違えたよと言って貰いたくて……
翠くんに僕の声が届いて欲しい気持ちでを込めて……
できるだけ大きな声を出した。
「すぅーいぃーくぅーーん」
お願いだから振り返って……
こっち……みて……
あっ、振り返ってくれた……
翠くんの瞳に僕の姿が映ったのが嬉しくて両手を降りながら翠くんに向かってダッシュした。
眼の前に居る翠くんは、相変わらず格好良いし、真ん丸な目をした表情もとても可愛らしくて口元が緩むのを止めることが出来なかった。
「えーっと……新入生だよね?なんで俺のこと知ってるの?」
はぁ?
翠くんは何を言ってるんだろう……
僕のこと……忘れてしまったのかと思うと、僕の意志とは関係なく目からボロボロと涙が溢れ出てきて止めることが……出来なかった……
翠くんが驚いた顔をしながら大丈夫?
そう聞いてきても全然大丈夫なんかじゃ…ない……
そんな事を言われたら上手く言葉に出来なかった。
「翠くん……僕……楓だよ……」
それだけ言うと翠くんの顔を見ることが出来ずに、顔を伏せてしまった。
「へっ?楓?」
今まで聞いたことのない声色の翠くんを盗み見ると凄く驚いた顔をしていた。
「マジで楓?……気付けなくてごめん……しばらく見ない間に……なんて言うか……大きくなった……な?」
そう話す翠くんの顔はあきらかに困惑した表情を浮かべていて、僕が求めていた表情とはかけ離れていた。
僕は、何かを間違えてしまったのかと思うと強烈に恥ずかしくなって翠くんの元から走って逃亡した。
後から何度も名前を呼ばれたけど……
とてもじゃないが今の僕には顔を合わせる度胸は持ち合わせてはいなかった。
✽✽✽✽
僕の想像とは違う反応に混乱しながら、帰り道を歩きながら頭の整理をしつつ翠くんの家へと向かった。
玄関のチャイムを鳴らし、おばさんが出てくるのを待っているとガチャリと扉が開いて出てきたのは、翠くんのお兄さんの緑だった。
もしかして、ブラコンの緑が僕に誤情報を教えたのかと疑って睨みつけると何故かお腹を抱えながら声を殺して笑い出した。
「緑!僕に誤情報を流したでしょ!」
僕の言葉に、緑は何のこと?と本当に心当たりか無いようだった。
とりあえず、中にはいりなよと言われ足を踏み入れると、緑はまじまじと僕の顔を見ながら、相変わらず整ってる顔をしてるなと笑っていた。
「どんなに整った顔をしていても、翠くんの好みじゃないと意味ないんだけど!」
いつもの椅子に座っていると緑が麦茶もって僕の眼の前に座った。
「何があったの?」
僕を見る目が真剣で、さっきまで声を殺して変な体制で笑っていた人と同一人物とは思えなかった。
僕は長いため息を1つ落とすと緑に話しかけた。
「翠くんが、僕の事に気付いてくれなかった……」
自分の発した言葉に僕の目が映すもの全てが水面のように歪んで見えた。
緑は一瞬驚いたような表情を浮かべたけれど、何かに納得したように、僕に笑顔を見せた。
「なぁ楓、俺や母さんは楓に頻繁に会っていたから気にならなかったけど、楓は家に週5ぐらいで来てるだろ?翠とは久々に会ったんだよな?翠と最期に話をしてから身長どれくらい伸びた?」
緑の問いかけに考えてみると、僕が翠くんと恋人の初めてツーショットを見た時からだから……あの時は165センチだったはずだ……
その後、身長を伸ばす努力の結果、今は186センチだから……
「21センチ伸びたよ。」
そう話すと緑は飲んでいた麦茶でむせていた。
大人なんだから、ゆっくり飲めば良いのにと思いながらとダッサッと心の声が漏れてしまった。
緑は伸びすぎだろう驚いたと言いながらも、ダサいとか言わないで下さいよと笑っていた。
「翠は確か178センチだったと思うんだけどさ、まさか楓が自分よりも大きくなってるなんて思ってもいなかっただろうし……しかも、そのピアスの量にも驚いてしまったんじゃないかな?」
なんとなく緑に慰められてるのは分かるけど、そうは言われても翠くんに褒められたかったし、あんな顔はしてほしくなかった。
まさか……今の僕は翠くんの好みとは違うんじゃ……そう思っただけで不安な気分になった。
「緑!翠くんの好みって、今の僕みたいな感じだよね?」
そう尋ねると、少し困ったような表情を浮かべながら、口を開いた。
「確かに、翠の今までの恋人は今の楓みたいな雰囲気だったけど、好みのタイプと実際に付き合う人とは必ずしもイコールではないんじゃないかな……?」
そう言いながら乾いた笑いを浮かべていた。
僕……また何かを見落としていたのかな……でも僕なら巻き返す事が出来ると闘志を燃やしていると、緑が見た目じゃないんだけどね……と笑っていた。
「翠くん……」
「僕に気付いて……」
「僕を見て……」
翠くんに気付いて貰えず、速度を上げた。
翠くんに格好良いと思われたくて……
苦手だった牛乳も頑張って飲んだ……
翠くんの歴代の恋人の見た目とかも……
リサーチした……
好みのタイプに近づける努力もした……
翠くんに楓、見違えたよと言って貰いたくて……
翠くんに僕の声が届いて欲しい気持ちでを込めて……
できるだけ大きな声を出した。
「すぅーいぃーくぅーーん」
お願いだから振り返って……
こっち……みて……
あっ、振り返ってくれた……
翠くんの瞳に僕の姿が映ったのが嬉しくて両手を降りながら翠くんに向かってダッシュした。
眼の前に居る翠くんは、相変わらず格好良いし、真ん丸な目をした表情もとても可愛らしくて口元が緩むのを止めることが出来なかった。
「えーっと……新入生だよね?なんで俺のこと知ってるの?」
はぁ?
翠くんは何を言ってるんだろう……
僕のこと……忘れてしまったのかと思うと、僕の意志とは関係なく目からボロボロと涙が溢れ出てきて止めることが……出来なかった……
翠くんが驚いた顔をしながら大丈夫?
そう聞いてきても全然大丈夫なんかじゃ…ない……
そんな事を言われたら上手く言葉に出来なかった。
「翠くん……僕……楓だよ……」
それだけ言うと翠くんの顔を見ることが出来ずに、顔を伏せてしまった。
「へっ?楓?」
今まで聞いたことのない声色の翠くんを盗み見ると凄く驚いた顔をしていた。
「マジで楓?……気付けなくてごめん……しばらく見ない間に……なんて言うか……大きくなった……な?」
そう話す翠くんの顔はあきらかに困惑した表情を浮かべていて、僕が求めていた表情とはかけ離れていた。
僕は、何かを間違えてしまったのかと思うと強烈に恥ずかしくなって翠くんの元から走って逃亡した。
後から何度も名前を呼ばれたけど……
とてもじゃないが今の僕には顔を合わせる度胸は持ち合わせてはいなかった。
✽✽✽✽
僕の想像とは違う反応に混乱しながら、帰り道を歩きながら頭の整理をしつつ翠くんの家へと向かった。
玄関のチャイムを鳴らし、おばさんが出てくるのを待っているとガチャリと扉が開いて出てきたのは、翠くんのお兄さんの緑だった。
もしかして、ブラコンの緑が僕に誤情報を教えたのかと疑って睨みつけると何故かお腹を抱えながら声を殺して笑い出した。
「緑!僕に誤情報を流したでしょ!」
僕の言葉に、緑は何のこと?と本当に心当たりか無いようだった。
とりあえず、中にはいりなよと言われ足を踏み入れると、緑はまじまじと僕の顔を見ながら、相変わらず整ってる顔をしてるなと笑っていた。
「どんなに整った顔をしていても、翠くんの好みじゃないと意味ないんだけど!」
いつもの椅子に座っていると緑が麦茶もって僕の眼の前に座った。
「何があったの?」
僕を見る目が真剣で、さっきまで声を殺して変な体制で笑っていた人と同一人物とは思えなかった。
僕は長いため息を1つ落とすと緑に話しかけた。
「翠くんが、僕の事に気付いてくれなかった……」
自分の発した言葉に僕の目が映すもの全てが水面のように歪んで見えた。
緑は一瞬驚いたような表情を浮かべたけれど、何かに納得したように、僕に笑顔を見せた。
「なぁ楓、俺や母さんは楓に頻繁に会っていたから気にならなかったけど、楓は家に週5ぐらいで来てるだろ?翠とは久々に会ったんだよな?翠と最期に話をしてから身長どれくらい伸びた?」
緑の問いかけに考えてみると、僕が翠くんと恋人の初めてツーショットを見た時からだから……あの時は165センチだったはずだ……
その後、身長を伸ばす努力の結果、今は186センチだから……
「21センチ伸びたよ。」
そう話すと緑は飲んでいた麦茶でむせていた。
大人なんだから、ゆっくり飲めば良いのにと思いながらとダッサッと心の声が漏れてしまった。
緑は伸びすぎだろう驚いたと言いながらも、ダサいとか言わないで下さいよと笑っていた。
「翠は確か178センチだったと思うんだけどさ、まさか楓が自分よりも大きくなってるなんて思ってもいなかっただろうし……しかも、そのピアスの量にも驚いてしまったんじゃないかな?」
なんとなく緑に慰められてるのは分かるけど、そうは言われても翠くんに褒められたかったし、あんな顔はしてほしくなかった。
まさか……今の僕は翠くんの好みとは違うんじゃ……そう思っただけで不安な気分になった。
「緑!翠くんの好みって、今の僕みたいな感じだよね?」
そう尋ねると、少し困ったような表情を浮かべながら、口を開いた。
「確かに、翠の今までの恋人は今の楓みたいな雰囲気だったけど、好みのタイプと実際に付き合う人とは必ずしもイコールではないんじゃないかな……?」
そう言いながら乾いた笑いを浮かべていた。
僕……また何かを見落としていたのかな……でも僕なら巻き返す事が出来ると闘志を燃やしていると、緑が見た目じゃないんだけどね……と笑っていた。
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