【BL】正統派イケメンな幼馴染が僕だけに見せる顔が可愛いすぎる!

ひつじのめい

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1章

翠くんと話がしたい

 僕の中で大事件のあった入学式から気がつけば、教室から見えた満開の桜が今は青々とした若葉へと変わっていた。

 もし、あの時のように僕の欲望のまま翠くんに話しかけて……
 あの時みたいな態度を取られたらと想像するだけで怖くて……
 僕は毎日、遠くから翠くんを観察するしか出来なかった。

 どうしたら僕だけを見てくれるかな……

 そんな事を考えていると、空くんが僕の髪をいじりにやってきた。

「楓の髪ってさ、アレンジしやすくてマジ羨ましい。」

 そう言いながら、あっという間に凝ったデザインのハーフアップに仕上げてくれた。

 空くんに格好良く仕上げてもらう度に翠くんに見せたい気持ちがあふれてくるけれど……直接会いに行く勇気が今の僕には無かった。

「あっ……か、楓くん……いつもの、お客さんが楓くんに、手を振ってるよ……。」

 光くんの言葉を聞いて、その人物とは目を合わせてはいけない事を伝えると光くんは遠くを見ながら頷いていた。

 今、教室のドアの所に居るのは間違いなく僕の天敵だ。

「楓ちゃぁぁん♪」

 僕の視界にチラチラと映り込むメガネの姿に全てのメガネが嫌いになりそうだった。

 ただ、この人が来るようになってからクラスメイトの僕への対応が確実に好意的なものへと変わったのは何故だろう?

 物凄く……かまって欲しそうな、その人を見るとため息が落ちた。

「何やってるんですか?暇なんですか?」

 仕方なく話しかけると一見、冷たそうな顔が一瞬ゆるんだ。

「そろそろ俺と付き合いたくなったんじゃないかと思って。」

 その言葉に間髪入れずに無理と答えると、わざとらしく悲しい表情を浮かべて僕を見てくるから、ため息しか出ない。

 何度も断ってるのに、まったくめげていないのはメンタルが強すぎる……

 やっぱり生徒会はαでなければ、なれないと言うのは頷ける。

 この人が気付いているかは分からないけど、僕のクラスのほとんどの人に……
 【どMなα】と呼ばれている事を自覚して欲しい。
なぜか空くんもメガネの事は怖そうではないし……

「楓ちゃん、何度も聞くけど何で俺じゃだめなの?」

 なんで、そんな期待を持った顔をしているのかと思うとイライラしてきてしまった。

「顔がうるさい……」

 僕の言葉を聞いて、空くんが言い過ぎだよと言いながら僕を席へと座らせると、メガネに教室へと帰る様に促していた。

「楓ちゃん今度、俺が来たときには、かなめ先輩って読んで良いからね。」

 そう言いながら戻る姿をみて、顔だけじゃなくて全てが煩いと感じると一気に疲労感に襲われた。

 ✽✽✽✽

 結局……今日は学食の今の時間しか翠くん観察が出来ない。

 翠くんの箸の持ち方は綺麗だな……
 横顔もかっこいいな……

 本当は翠くんと一緒にお昼を食べたいけれど、生徒会の人と食べてるから邪魔できない……

「なぁ楓……そんなに翠センパイと仲良くなりたいなら、かなめセンパイに協力してもらえば?」

 何気なく言葉にした空くんの疑問に首を縦に振れないのは、そんな事をしたら後が怖いし借りもつつくりたくない。

 食堂の入り口でこっそりと、翠くんをみていた……つもりだったけど視線を感じ、そっちへと視線を向けると。

 翠くんと目が合った……

 それと同時にメガネが話しかけてきた。

 さすがの僕も翠くんの前で無視する事はできないので空くんと一緒に先輩達の座るテーブルへと向かった。

「楓ちゃん、お昼まだなら一緒に食べようよ」

 僕に声をかけたのはメガネだった……

 空くんが、ありがとうございますと答えたので渋々、同じテーブルの席へと腰を下ろした。

「楓、何食べる?俺が持ってくるよ……」

 僕は空くんと同じものを頼むと席に着いた。

 一緒に行けば良かったかな……空くんを目で追いかけるとその先には、れんと先生が居た。

 空くんも先生も隠しているみたいだけど、見てれば気づくだろうな。

 2人で話しているだけなのに幸せそうで、羨ましい。

「楓……」

 翠くんに名前を呼ばれただけなのに胸が跳ねた。

 翠くんへと顔を向けると少し気まずそうに笑っていたけれど、久々に目があって頬が熱くなった。

「楓の……そのピアスは痛くないの?」

 話題が浮かばないからか……ピアスの話をふったのかもしれないけど、それでも話ができたのが嬉しかった。

「初めは痛かったけど今は慣れたよ。」

 翠くんは、そうなんだと答えると昔みたいな笑顔浮かべていた。

 ヤバイ……やっぱり好きだ……

 そんな僕と翠とのやり取り見ていたメガネが、2人ってもとも知り合いなの?とたずねると翠くんは、幼馴染で兄弟みたいなんだ最近は忙しくて会えなかったんだけどね……そう話す翠くんの言葉に胸がチクリと痛んだ。
 
 まだ僕は幼馴染の域を出ていなかったんだ……

 はやく翠くんに男として意識してもらえるようになりたい……そう思った。
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