【BL】正統派イケメンな幼馴染が僕だけに見せる顔が可愛いすぎる!

ひつじのめい

文字の大きさ
20 / 51
1章

僕と空くんと光くん【前編】

しおりを挟む
 重い足取りで校門の前まで来ると、長いため息がでた。

 幸せが逃げちゃうよって遥が言っていたけど、胸のあたりの重い空気を吐き出すと少し楽になる気がした。


「かぁ~え~でぇ~!」


  背中の痛みを感じつつ声の主を見れば空くんが笑っていた。

 空くんは毎回、なんで全力で僕の背中を叩くんだろう……

「昨日のRINE見たけど、楓なんか悩んでいるのか?」

 たった一言のRINEで、そこまで分かる空くん凄いな……

 あまり深刻に捉えてほしくないって気持ちから笑顔を作りながら、聞いて欲しい事があるんだと言うと、空くんの顔に不満の色が浮かんだ。

「楓、作り笑顔がキモイ……そんな顔をしなくても、ちゃんと聞く。」

  僕の事を射ぬくような目で見つめる空くんにゴメンとだけ伝えた。

「楓はそのままで、いいよ……悩んでるの知られたくないなら普通にしとけよ」

  そう言うと僕のかたをポンと叩くと笑顔を向けた。

 改めて口に出すのは恥ずかしいけど、僕の親友は優しいんだよな……

「空くん、授業が終わったら僕の家で話を聞いてくれる?」

  空くんは、断るはずないだろと言うと早く教室に行こうと背中を押した。

 ****

「楓くん、おはよう……何かあった?」

 僕が席に着くと、いつもより声のトーンを落として光くんが声をかけてくれた。

 少し前までは、少し自信がなさ気だった光くん今はクラスメイトには普通に話せるようになっていた。

 僕は光くんに、聞いて欲しい事があるから授業が終わったら僕の家で話を聞いて欲しいと言うと、何かを感じ取ったのか僕でよければ聞くよと笑顔で返してくれた。

 今日は時間が過ぎるのが長く感じそうだ……

 けれど思ったよりも早く時間は過ぎていった、終礼が始まった頃から僕の心臓はあり得ない早さを刻んでいた……僕ってこんなにメンタル弱かったっけ?

 僕の目の前の前で、空くんと光くんが話をしている……

 光くんと目があって、光くんが後ろと口を動かした。

 えっ……なんで……なんで先輩が手招きしてるの?

 動揺したのを悟られないように、先輩の所へ行くと笑いを我慢しているようでピクピクと口元を動かしていた。

「マジ……先輩は暇なんですか?」

 僕の言葉に、ツンデレな楓ちゃんも可愛いぞと言いながら僕の耳元に顔を近づけた。

「翠に……なんかしたでしょ?」

 その言葉に僕の顔が徐々に熱をおびていくのが分かった。

 そんな僕を見た先輩は、僕から顔を離すと凄くナチュラルな笑顔で僕を見ていた。

「今日の翠は集中できて無さそうだったし、俺が楓ちゃんの名前出す度に、反応が面白かったんだよ……」

 僕が睨んでいる事に気付いているはずなのに、笑顔を崩さない先輩が、再び口を開いた。

「あんな人間らしい翠を見たのは久々だよ……楓ちゃん、ありがとね……」

 別にお礼をさるような事は何もしていない、究極の選択を翠くん自ら選んでもらっただけ……

  先輩は、いつもの表情に戻ると今日は観察しに来なかったねと不適な笑みを浮かべた。

 えっ……僕は今日1度も翠くんの事を見てない……先輩の言葉で気付かされて、空くんと光くんに少し待っててと伝えると先輩と一緒に3年の教室へと向かった。

  翠くんのクラスの後ろの扉から先輩としゃがみながら、翠を盗み見ると、いつものキリッとした翠くんからは想像の出来ない表情をしていた。

 今日の翠くんは、いつもと比べ可愛く見える……

 仮とはいえ僕の彼氏になったからだからかな……

 そんな事を思っていると翠くんは自分の目蓋に触れたあとゴンッと音と共にテーブルに頭を打ち付けていた……

 あっ……翠くんが今ふれた場所は、あの時に僕が唇を重ねた場所だと理解すると、翠くんはの行動に僕の胸はありえない早さで脈を打っていた。

 ヤバイ……翠くんはどれほど僕をとりこにさせるの……

 本当に……本当に大好き……

 大好きな気持ちがあふれでてくるのが止まらない……

 両手で顔を覆うと頭の上から声が降ってきた……

「かなめ!あなたは一体、何をしているんですか?わざわざ彼を呼びに行って何がしたいのです?」

 僕の横に居る先輩がヒィと小さな声をあげたのが聞こえた……

 僕が手の隙間から、その人物に視線を向けると冷たい笑みを浮かべた大内先輩がいた。

「かなめ……僕との約束を違たがえてまで彼と一緒に居たいなら、僕はもう知りませんよ。」

 大内先輩の発した言葉に何故か先輩が鼻をすすりだした……

「りっくん、誤解なんだよ……僕にはりっくんしか居ないんだよ……捨てないで……グスッ」

 そう言いながら大内先輩の足に、先輩がすがりつく姿が衝撃すぎて僕はその場から動けなかった。

「もう、僕は知りませんよ……」

 その言葉を聞いた先輩は、嫌だ……りっくんじゃなきゃ無理と言いながら這い上がり気付いた時には、大内先輩を腕の中にガッチリとホールドすると、その場に座り込んだ。

「かなめ、離しなさい!」

  先輩は鋭い目付きで大内先輩のあごを掴み、自分の方へと引き寄せると。

 唇を重ねた……僕の目の前で繰り広げられる大人のキスに無意識に顔を逸らしたけれど、僕の頭は処理しきれずに爆発しそうだった。

 翠くんが、凄く怖い顔でこっちに歩いてくるのが視界の端に見えた時。

「かなめも律も何をやってるんだよ!こ・こ・は・が・っ・こ・う・だろ!」

 聞いたことが無い翠くんの怖い声に、涙が出た……

 僕に気付いた翠くんが、大きな溜め息を付くと2人を教室の外へと投げ出した。

 翠くんが僕の肩に手を置いた時、僕の気持ちとは裏腹にビクッと反応をしてしまった。

「楓に怒った訳じゃないけど、怖がらせたならごめんね……」

 そう言うと僕の前に腰を下ろして僕に笑顔を見せた。

「楓からバースの事を聞いて色々と考えてしまったけど、楓は変わらずに楓なんだな……」

「翠くんだからだよ……翠くんに怒られたら涙が出る……」

  翠くんは、そっか……と言うとハンカチで僕の涙を拭い、頭をポンポンと叩くと、にっこり笑った。

「楓、今日は空くんと光くんに話をすると言ってなかった?」

  僕の記憶が抜けている時に、そんな話をしてたのかと思うと同時に2人を待たしている事に気付いて、翠くんにまた明日と声をかけてその場を離れた。

 後ろの方から翠くんが、先輩に注意してる声を聞いて、怖かったけど、まだ見たこと無い翠くんに出会えた気がした……。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

のほほんオメガは、同期アルファの執着に気付いていませんでした

こたま
BL
オメガの品川拓海(しながわ たくみ)は、現在祖母宅で祖母と飼い猫とのほほんと暮らしている社会人のオメガだ。雇用機会均等法以来門戸の開かれたオメガ枠で某企業に就職している。同期のアルファで営業の高輪響矢(たかなわ きょうや)とは彼の営業サポートとして共に働いている。同期社会人同士のオメガバース、ハッピーエンドです。両片想い、後両想い。攻の愛が重めです。

胎児の頃から執着されていたらしい

夜鳥すぱり
BL
好きでも嫌いでもない幼馴染みの鉄堅(てっけん)は、葉月(はづき)と結婚してツガイになりたいらしい。しかし、どうしても鉄堅のねばつくような想いを受け入れられない葉月は、しつこく求愛してくる鉄堅から逃げる事にした。オメガバース執着です。 ◆完結済みです。いつもながら読んで下さった皆様に感謝です。 ◆表紙絵を、花々緒さんが描いて下さいました(*^^*)。葉月を常に守りたい一途な鉄堅と、ひたすら逃げたい意地っぱりな葉月。

陰キャな俺、人気者の幼馴染に溺愛されてます。

陽七 葵
BL
 主人公である佐倉 晴翔(さくら はると)は、顔がコンプレックスで、何をやらせてもダメダメな高校二年生。前髪で顔を隠し、目立たず平穏な高校ライフを望んでいる。  しかし、そんな晴翔の平穏な生活を脅かすのはこの男。幼馴染の葉山 蓮(はやま れん)。  蓮は、イケメンな上に人当たりも良く、勉強、スポーツ何でも出来る学校一の人気者。蓮と一緒にいれば、自ずと目立つ。  だから、晴翔は学校では極力蓮に近付きたくないのだが、避けているはずの蓮が晴翔にベッタリ構ってくる。  そして、ひょんなことから『恋人のフリ』を始める二人。  そこから物語は始まるのだが——。  実はこの二人、最初から両想いだったのにそれを拗らせまくり。蓮に新たな恋敵も現れ、蓮の執着心は過剰なモノへと変わっていく。  素直になれない主人公と人気者な幼馴染の恋の物語。どうぞお楽しみ下さい♪

【完結】※セーブポイントに入って一汁三菜の夕飯を頂いた勇者くんは体力が全回復します。

きのこいもむし
BL
ある日突然セーブポイントになってしまった自宅のクローゼットからダンジョン攻略中の勇者くんが出てきたので、一汁三菜の夕飯を作って一緒に食べようねみたいなお料理BLです。 自炊に目覚めた独身フリーターのアラサー男子(27)が、セーブポイントの中に入ると体力が全回復するタイプの勇者くん(19)を餌付けしてそれを肴に旨い酒を飲むだけの逆異世界転移もの。 食いしん坊わんこのローグライク系勇者×料理好きのセーブポイント系平凡受けの超ほんわかした感じの話です。

ウサギ獣人を毛嫌いしているオオカミ獣人後輩に、嘘をついたウサギ獣人オレ。大学時代後輩から逃げたのに、大人になって再会するなんて!?

灯璃
BL
ごく普通に大学に通う、宇佐木 寧(ねい)には、ひょんな事から懐いてくれる後輩がいた。 オオカミ獣人でアルファの、狼谷 凛旺(りおう)だ。 ーここは、普通に獣人が現代社会で暮らす世界ー 獣人の中でも、肉食と草食で格差があり、さらに男女以外の第二の性別、アルファ、ベータ、オメガがあった。オメガは男でもアルファの子が産めるのだが、そこそこ差別されていたのでベータだと言った方が楽だった。 そんな中で、肉食のオオカミ獣人の狼谷が、草食オメガのオレに懐いているのは、単にオレたちのオタク趣味が合ったからだった。 だが、こいつは、ウサギ獣人を毛嫌いしていて、よりにもよって、オレはウサギ獣人のオメガだった。 話が合うこいつと話をするのは楽しい。だから、学生生活の間だけ、なんとか隠しとおせば大丈夫だろう。 そんな風に簡単に思っていたからか、突然に発情期を迎えたオレは、自業自得の後悔をする羽目になるーー。 みたいな、大学篇と、その後の社会人編。 BL大賞ポイントいれて頂いた方々!ありがとうございました!! ※本編完結しました!お読みいただきありがとうございました! ※短編1本追加しました。これにて完結です!ありがとうございました! 旧題「ウサギ獣人が嫌いな、オオカミ獣人後輩を騙してしまった。ついでにオメガなのにベータと言ってしまったオレの、後悔」

地味メガネだと思ってた同僚が、眼鏡を外したら国宝級でした~無愛想な美人と、チャラ営業のすれ違い恋愛

中岡 始
BL
誰にも気づかれたくない。 誰の心にも触れたくない。 無表情と無関心を盾に、オフィスの隅で静かに生きる天王寺悠(てんのうじ・ゆう)。 その存在に、誰も興味を持たなかった――彼を除いて。 明るく人懐こい営業マン・梅田隼人(うめだ・はやと)は、 偶然見た「眼鏡を外した天王寺」の姿に、衝撃を受ける。 無機質な顔の奥に隠れていたのは、 誰よりも美しく、誰よりも脆い、ひとりの青年だった。 気づいてしまったから、もう目を逸らせない。 知りたくなったから、もう引き返せない。 すれ違いと無関心、 優しさと孤独、 微かな笑顔と、隠された心。 これは、 触れれば壊れそうな彼に、 それでも手を伸ばしてしまった、 不器用な男たちの恋のはなし。

【完結】異世界から来た鬼っ子を育てたら、ガッチリ男前に育って食べられた(性的に)

てんつぶ
BL
ある日、僕の住んでいるユノスの森に子供が一人で泣いていた。 言葉の通じないこのちいさな子と始まった共同生活。力の弱い僕を助けてくれる優しい子供はどんどん大きく育ち――― 大柄な鬼っ子(男前)×育ての親(平凡) 20201216 ランキング1位&応援ありがとうごございました!

幼馴染みのハイスペックαから離れようとしたら、Ωに転化するほどの愛を示されたβの話。

叶崎みお
BL
平凡なβに生まれた千秋には、顔も頭も運動神経もいいハイスペックなαの幼馴染みがいる。 幼馴染みというだけでその隣にいるのがいたたまれなくなり、距離をとろうとするのだが、完璧なαとして周りから期待を集める幼馴染みαは「失敗できないから練習に付き合って」と千秋を頼ってきた。 大事な幼馴染みの願いならと了承すれば、「まずキスの練習がしたい」と言い出して──。 幼馴染みαの執着により、βから転化し後天性Ωになる話です。両片想いのハピエンです。 他サイト様にも投稿しております。

処理中です...