【BL】正統派イケメンな幼馴染が僕だけに見せる顔が可愛いすぎる!

ひつじのめい

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1章

☆楓の以外な一面【翠 視点】

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 走って行く楓に呼び掛けたけれど振り向く事なく楓は走って行ってしまった……

 泣かせてしまった……

 体の力が足から抜けていくようにベンチへと腰を下ろすと、楓の泣き顔が頭から離れなかった……

 あまり涙を見せることが無い楓の涙に心がえぐられるって、言葉の意味を初めて理解できた。

 急いで楓を追いかけたなら追い付くかもしれないのに、なぜだか身体が動く事を拒否していた。

 楓に付き合いたいと言われた時は夢だと思った……偽物の会長の仮面をかぶった俺の事なんて好きなはずは無いと、自分で分かっていたから……

 楓の真剣な顔を見た時に断ると言う判断が出来ずに、仮ならokと言った事を俺は後に後悔する事になる……

 あの時、凄く嬉しそうな顔をした楓の顔を俺は絶対に忘れることは出来ないだろう…… 

 傷が深くなる前に……俺の楓に対する思いが大きくなりすぎる前に、関係を解消するつもりでデートをする事にしたのに……
 
 一緒に居るだけで楽しくて……好きな気持ちが止まらなくて……離れがたくて……楓を離したくなかった……

 それと同時にΩである事を否定してなかった時の、楓の恋人達への劣等感を消すことが出来なかった。俺がβという現実を考えると楓の幸せの為には俺は、あまりにも無力すぎる……

 それなのに何故、やっぱり付き合いを白紙にしたいと伝えた時、楓の顔が思っていた楓の顔とはかけ離れていた……

 一瞬にして表情の変わった楓を見だだけで胸が締め付けられる思いだった。

 あんな顔を、させるつもりは無かったんだ……

 ****

 寮に戻り食事と入浴を済ませて部屋に戻ると、大きな溜め息が幾度もこぼれ落ちた。

 楓が、俺のストーカーまがいな事をしていたなんて知らなかった……普通なら不快に思うのかもしれないけれど、俺は楓の気持ちが俺だけに向いているように感じて、きっと理解はされないだろうけれど、優越感から胸が高鳴っていていた……

 楓が見たと言っていた恋人……
 恋人と呼べるかは分からないけれど、きっと比較的、長く続いた3人を言っているんだろうな……

 その日だけの快楽だけを求め合う関係の人は、楓にはバレてはいなそうだったけど楓に知られたらと思うと……
 
 嫌われるのではと言い様の無い怖さが押し寄せてきた。

 もしかしたら嫌われた方が……そんな事が頭を過る。

 楓が俺の事を顔を見るのも嫌なほどに嫌ってくれたなら楓は俺の事を忘れて次に行けるのではないか?

 ベッドに体を投げ出すと、楓の泣き顔が脳裏に浮かんだ。

 僕の片思いを甘くみないで……か……

 目を閉じると、いつもはほがらかに笑う楓の顔が浮かぶけれど今日は、ぐずぐずに泣き崩れた顔しか浮かんでこない。

 俺が……あんな顔をさせたのか……罪悪感と同時に何故か俺だけが知っている顔だと思うと高揚感をも感じていた……最低だな……

 楓によく似た声の人との情事じょうじの時は目を閉じて楓の声を想像していた……

 楓に似ている容姿の人との情事じょうじの時は楓を想像してい行為に及んでいた事を知ったら楓はどう思うのだろうか?

 本当は楓に対して歪んだ愛情を持ってると自覚したから……楓から離れたと知ったら信じて貰えるかな?

 本当は楓の事が子供の頃から……初めて出会った時から好きだったと言っても伝わるかな?

 楓は僕の言葉を信じてと言っていた……なのに、俺はあの時αなら誰とでも身体を重ねるΩとの噂を確証もなく信じていた……。

 俺がどれだけ楓の事が好きでもαでなければ意味がないと思い込んでいたからこそβの俺はαに対して劣等感を隠すことが出来なかった。

 そう認めたら少しだけ気持ちが楽になってきた気がした。

 楓はΩではなくαでβの俺でも関係ない好きだと言っていた……

 もっと早くに自分に正直でいられたのなら、こんなにも悩む事はなかったのではないかと思うと自業自得だと思いながらも、本当の気持ちを楓に伝えたくなった。

 今さらかもしれない、けれど最後に見た楓の顔が泣き顔なんて嫌すぎる……

 ベッドの横に置いてあるナイトテーブルの引き出しから、子供の頃の俺と楓が、祭りで満面の笑顔を浮かべながら、りんご飴を食べている写真を取り出すと、バースの事なんて知らないからこそ……幸せそうな2人を見ると、もう戻ることが出来ないとは分かっているけれど、この頃のようにまた楓と一緒に笑い合いたいと思った。

 明日、俺が楓のクラスへ迎えに行こう……そして、ちゃんと話をしなければ……

  そろそろ寝ないと、明日がキツいと思いながらも頭が興奮しているからか、なかなか寝付く事が出来ずに最低だとは分かりながらも、楓の色んな姿や表情を想像しながら自分で自分を慰なぐさめる行為をする事で、現実から目を背けたかったのかもしれない。
 
 絶頂に達する時には何度も何度も楓の名前を呼んだ……

 ――ッ……ハァ……楓……楓が……好きだ……ア”ッ……ハァ……

 乱れた呼吸で手の中に出たソレを見て、俺は何をやっているんだとただただ虚しさだけが胸に残った。 
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