転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。

40.悪役令嬢との出会い

エントランスの手前で校舎裏にある広くて綺麗な庭に案内された。庭には池もあり、とても綺麗で穏やかなな場所だ。

その庭にとても綺麗な女子生徒が立っていた。
髪は水色で綺麗なロング、綺麗な顔立ちで気の強さが見て取れる雰囲気の人だ。

「ティア様、スレイさんをお連れしましたわ。」
「ありがとう。」


この方がティア様…？私面識ないけど何処かであったかしら？

「初めまして、私はティア・テンペスト。魔法科の3年よ。」
仕草も声もとても綺麗で見惚れてしまった。
「は、初めまして。研究科1年のスレイ・ダンパーネと申します！」

「ここのお呼び立てしたのは…私は侯爵家の娘で王太子殿下の婚約者候補です。貴方は伯爵家で私よりも地位が低く王太子殿下とは婚約者候補でも何でもないのではなくて？」

思い出した…ティア…そう！ティア・テンペスト侯爵令嬢…！
彼女は悪役令嬢だわ！
これは小説の中でも書かれていたシーンで、悪役令嬢であるティアがヒロインのサーシャにルル様との事で詰め寄るシーンだった筈…。
何で私がここにいるんだろう？でもそっか…サーシャはルル様とは恋仲でもなければ仲良くもない。どちらかと言うとサーシャよりも私と一緒にいる時間が多いから…まぁそうよね、こうなるわよね。

ティアは私を冷たい目で見てきた。

「それに…王太子殿下の弟である第二王子殿下にとも仲良くなさっていて気の多い女性ですのね。ご自分がなさっている事がお分かりですか？」

小説の中でこの後確かティアとサーシャが言い合いをして、腹を立てたティアがサーシャを池に落としてしまうシーンだった筈…びしょ濡れで寮まで帰る間、周りの人に笑われ、ひそひそと悪口を叩かれてた。

悪目立ちしたくない…！何とか回避しておかなければ。

「申し訳ありません。王太子殿下に婚約者候補がいるとは知らずに、お・兄・様・を・交・え・て・仲良くさせて頂いてましたが少し距離が近かったようです。第二王子殿下とも同じクラスメイトの1人として仲良くさせて頂いてるだけですが、これからは身の程を弁えて接するよう心掛け致します。」

誠心誠意謝ったのちゃんと伝わったかしら…。

「そう…分かったわ。」
ティアはくるりと背中を向けた。

よしっ回避できた良かった。これからは目立たないように主要キャラと関わらないようにしなきゃ…

そんな事を思っていた時、ドンっと体を強く押された。押された勢いが強すぎて私は思いっきり体を地面に打ち付けた。

何…？めちゃくちゃ痛い…

ティアを見るとティアは私を睨みつけてきた。
「そうね…しっかり弁えてもう2度と近づかないように分らせてあげないといけないみたいね」

ティアと一緒にいた令嬢達は風魔法と水魔法を使い私を池に落とした。