親猿は悪魔 見猿、聞か猿、言わ猿

蔵屋

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第一巻

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 師走に入り、悠人、すず、結衣の三人は、保険契約の新規獲得のため、いつもの場所、心斎橋筋の喫茶店、MAHOROBAにいた。
「ホットモーニングを。ブラックで」
悠人が言った。
「私は、サンドイッチセットで。ホットで」
「私もサンドイッチセットで、ホットで」
「砂糖とミルクは、如何いたしましょうか?」
「砂糖とミルクをお願いします」
「私も同じもので」
「畏まりました」
そう言って、ウェイトレスは調理場の方へ向かった。
すずが話を切り出した。
「今年の漢字、知ってる?」
「今年の漢字ってどういうこと?」
「まあ、結衣ったら何にも知らないのね。そんなんで営業できるの、大丈夫?」
「失礼しちゃうわ。馬鹿にしないでよ」
「馬鹿になんかしてないわよ」
「だって、さっき大丈夫って言ったじゃないの」
「ごめん、ごめん」
「まあ、まあ、二人共、そんなたわいもないことで、言い合いしないの」
悠人が間に入り、二人の口論はおさまった。
「毎年12月12日は漢字の日なの。それで漢字の一字を決めるのよ。2025年の「今年の漢字」は、全国各地での出没や被害が相次いだことから 「熊」 に決定したの。次点には物価高騰や初の女性首相就任を表す「高」、米の価格高騰や備蓄米放出を表す「米」が選ばれたのよね。
 今年は、熊による人身被害や死亡者数が過去最多となり、イベント中止なども相次いだのよ。特に市街地への出没も増え、生活や経済活動に深刻な影響を与えたことが選ばれた理由なの。
次に多かったのが米で米の価格高騰や備蓄米の放出などで選ばれたの。
次は『高』で、物価高、初の女性首相(高市氏)就任、国内最高気温の更新などが選定された理由よ。次は『脈』で大阪・関西万博のキャラクター「ミャクミャク」にちなんで選ばれたのよ。次は『万』で大阪・関西万博にちなんでよ。ちなみに日本能率協会マネジメントセンターのキャンペーンでは、「楽」が1位だったのよ。それで『今年の漢字』は、公益財団法人日本漢字能力検定協会が主催し、その年の世相を漢字一文字で表すイベントだったのよ。毎年12月12日の『漢字の日』に、全国からの公募で最も多く寄せられた漢字が京都の清水寺で発表されるのよ。分かった?」
「うん。よくわかってわ。早速、営業で役立てるわ」
「そうよ。結衣、頑張ってよ。私も頑張るから(笑い)」
「うん、ありがとう」
「お待たせしました。モーニングセットと、サンドイッチです。お飲み物はすぐにお持ちします」
ウェイトレスはモーニングセットとサンドイッチを置いて調理場に行った。しばらくしてホットコーヒーを持ってきた。
「お待たせしました。どうぞごゆっくり」
「ありがとう」
「さあ、いただきましょうよ」
すずは、サンドイッチを口の中に入れ、食べ始めた。
悠人はホットコーヒーを美味しそうに飲んでいる。
結衣も、ホットコーヒーを飲み始めた。
三人はしばらくの間、飲んで、食べて、また、飲んで、楽しい会話でその場が盛り上がった。1時間程度喫茶店で時間をつぶして、それぞれの地域に向かって、生命保険の営業活動のため、既契約者の訪問に向かった。生命保険業界に置いて、この既契約者の訪問活動は最も重要なことで、訪問をすることによって、様々な情報を聞き出すことができる。例えば、近所の奥さんの場合とか、近所の奥さんのご主人の会社の事とか、いろんな意味で情報が溢れている。特に日中の暇な時間帯は、主婦は家事を終えたら自宅でくつろいでいるのが一般的だ。
すずは箕面市の高級住宅街へ向かった。その理由は既契約者の立花和子(45歳)のセレブがいるからだ。和子は、交際上手で、かなりの知人や友人がいた。すずは以前から和子の知人や友人を狙っていた。果たして、今日はどんな結果になるであろうか?
結衣は、京橋に向かった。結衣の上得意先があるからだ。すでに契約をもらっているが、この契約者は、大阪で展開する役に焼肉店のチェーン店を展開していた。大阪府下に33店舗を持つ大手の焼肉チェーン店であった。結衣は以前から従業員の生命保険契約を提案していた。所謂職域営業である。その焼肉チェーン店では、はじめての試みであった。結衣はそのために、チェーン店のオーナーを度々難波で接待をしていた。
悠人は、法人担当の営業であった。悠人は関西電力電気機器株式会社を担当していた。従業員規模は5000名である。悠人は毎日のように、この会社を訪問し、的確な営業成績を上げていたのである。いつもその会社の人事部課長接待していたのだ。

三人三用さんにんさんようの営業スタイルがあるのだ。果たして。悠人と結衣の今日の営業活動はどのようになるのであろうか?
三人の営業活動は続くのである。
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