【戦国時代小説】 甲斐の虎•武田信玄と軍師•山本勘助

蔵屋

文字の大きさ
17 / 18

第十七巻 武田信玄の野田城攻め

 話しは前後するが、信玄の西上作戦について、触れておく。

ー(武田信玄の野田城攻め)ー

 野田城の戦いのだじょうのたたかいは、元亀4年(1573年)1月から2月にかけて、三河国野田城をめぐり、武田信玄率いる武田軍と徳川家の間で行われた戦いである。

 ー(野田城の戦い)ー
 以下は映画『影武者』を鑑賞して私が脚色を加えた物語である。

 武田信玄の上洛進軍は西上作戦という。
三方ヶ原の戦いで家康を破り進軍を進めた信玄は野田城攻めを行うもすぐに落とすことが出来なかった。
 そこで考えた策が野田城への井戸を破壊。水攻めを行なった。|《》
 そして敵将の吹く笛の音を暗闇の中で聴いていた信玄は敵将の家来が放った鉄砲の玉が命中した。深手を負った信玄は全軍を率いて甲斐国を目指したのであった。
 信玄は甲斐国に着く前に死去したのであった。享年53歳。
 ある説によると信玄はこの時、自分の死を3年間伏せておくように遺言していたのである。

ー(史実による野田城の戦い)ー
 武田信玄

 野田城:菅沼定忠、菅沼定盈、設楽貞通

  信玄は30,000の兵を率いていた。

  対する徳川方は僅か500の兵であった。

 西上作戦の最終盤の戦いであり、三方ヶ原の戦いで勝利した武田信玄最後の戦いであった。
 元亀3年9月、武田信玄は西上作戦を発動し、徳川家康の所領であった遠江及び三河に30,000の軍勢を率いて攻め込む。12月に武田軍は遠江国三方ヶ原で徳川家康率いる徳川・織田連合軍を相手に勝利したが、遠江国浜名湖北岸の形部村に滞在し越年する。半月後の元亀4年1月10日に同地を発ち、宿泊を重ねて宇利峠から三河へ進入。豊川を渡河、徳川方の三河における属城のひとつである野田城を包囲した。

 一方の徳川家は、三方ヶ原の戦いによる敗戦によって戦線を維持できるような状態ではなく、後詰のしにくい状態にあった。
また、野田城(正確には改築のための仮城であった大野田城)は元亀2年の武田方の侵攻の際に落とされた城の1つで、そのときの教訓を元に防衛機能を高めて改築された城であった。

ー(野田城攻防戦)ー

 野田城は『三河物語』に於いて「藪のうちに小城あり」と言われるほどの小さな城であり、兵力も城将・菅沼定盈とその援軍合わせて500名程度であった。しかし、河岸段丘の地形を利用した築城によって攻め口が限られてくるため、武田の大軍を相手にするには有利な構造となっていた。それでも兵力30,000を有する武田方の有利は変わらなかったが、武田軍は力攻めは行わず、わざわざ甲斐の金山掘を呼び寄せて地下道を掘り、水の手を断ち切ることで落城に追い込む作戦を採った。

 結果として野田城は1ヶ月持ちこたえたが、2月16日に城兵の助命を条件に開城降伏し、定盈は捕虜として武田軍に連行された。
なお、定盈の子孫が記した『菅沼家譜』によれば、途中家康が後詰に現れたが豊川の対岸山頂で引き返してしまったという。

ー(合戦後)ー

 野田城が落ちたことで、徳川家の三河防衛網が崩壊し、徳川家の重要拠点であった吉田城や岡崎城が危機に陥った。しかし、武田軍は信玄の病状が悪化したため侵攻を止めて甲斐へと引き返し、その道中で信玄は亡くなった。

 3月10日に城主・定盈が徳川家と武田家の人質交換で解放された。
 信玄の死が広まった直後に家康は長篠城を奪還するが、野田城も翌天正2年(1574年)に定盈によって奪還され、定盈が再度城主として入城している。
感想 0

あなたにおすすめの小説

戦国終わらず ~家康、夏の陣で討死~

川野遥
歴史・時代
長きに渡る戦国時代も大坂・夏の陣をもって終わりを告げる …はずだった。 まさかの大逆転、豊臣勢が真田の活躍もありまさかの逆襲で徳川家康と秀忠を討ち果たし、大坂の陣の勝者に。果たして彼らは新たな秩序を作ることができるのか? 敗北した徳川勢も何とか巻き返しを図ろうとするが、徳川に臣従したはずの大名達が新たな野心を抱き始める。 文治系藩主は頼りなし? 暴れん坊藩主がまさかの活躍? 参考情報一切なし、全てゼロから切り開く戦国ifストーリーが始まる。 更新は週5~6予定です。 ※ノベルアップ+とカクヨムにも掲載しています。

【時代小説】 黄昏夫婦

蔵屋
歴史・時代
 江戸時代、東北地方の秋田藩は貧かった。  そんな中、真面目なひとりの武士がいた。同僚からは馬鹿にされていたが真面目な男であった。俸禄は低く貧しい。娘二人と実母との4人暮らし。  秋田藩での仕事は勘定方である。  仕事が終わると真っ直ぐ帰宅する。 ただひたすら日中は城中では勘定方の仕事をまじめにして、帰宅すれば論語を読んで知識を習得する。   そんな毎日であった。彼の名前は立花清左衛門。年齢は35歳。  娘は二人いて、一人はとめ15歳。もう一人は梅、8歳。  さて|黄昏《たそがれ》は、一日のうち日没直後、雲のない西の空に夕焼けの名残りの「赤さ」が残る時間帯のことを言う。「|黄昏時《たそがれどき)」。 「黄昏れる《たそがれる》」という動詞形もある。    「たそがれ」は、江戸時代になるまでは「たそかれ」といい、「たそかれどき」の略でよく知られていた。夕暮れの人の顔の識別がつかない暗さになると誰かれとなく、「そこにいるのは誰ですか」「誰そ彼(誰ですかあなたは)」とたずねる頃合いという意味で日常会話でよく使われた。  今回の私の小説のテーマはこの黄昏である。  この風習は広く日本で行われている。  「おはようさんです」「これからですか」「お晩でございます。いまお帰りですか」と尋ねられれば相手も答えざるを得ず、互いに誰であるかチェックすることでヨソ者を排除する意図があったとされている。  「たそかれ」という言葉は『万葉集』に 誰そ彼と われをな問ひそ 九月の 露に濡れつつ 君待つわれそ」 — 『万葉集』第10巻2240番 と登場するが、これは文字通り「誰ですかあなたは」という意味である。  「平安時代には『うつほ物語』に「たそかれどき」の用例が現れ、さらに『源氏物語』に 「寄りてこそ それかとも見め たそかれに ほのぼの見つる 夕顔の花」 — 『源氏物語』「夕顔」光源氏 と、現在のように「たそかれ」で時間帯を表す用例が現れる。  なおこの歌は、帖と登場人物の名「夕顔」の由来になった夕顔の歌への返歌である。  またこの言葉の比喩として、「最盛期は過ぎたが、多少は余力があり、滅亡するにはまだ早い状態」をという語句の用い方をする。 漢語「|黄昏《コウコン》」は日没後のまだ完全に暗くなっていない時刻を指す。「初昏」とも呼んでいた。十二時辰では「戌時」(午後7時から9時)に相当する。  「たそがれ」の動詞化の用法。日暮れの薄暗くなり始めるころを指して「空が黄昏れる」や、人生の盛りを過ぎ衰えるさまを表現して「黄昏た人」などのように使用されることがある。  この物語はフィクションです。登場人物、団体等実際に同じであっても一切関係ありません。  それでは、小説「黄昏夫婦」をお楽しみ下さい。  読者の皆様の何かにお役に立てれば幸いです。  作家 蔵屋日唱    

四代目 豊臣秀勝

克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。 読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。 史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。 秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。 小牧長久手で秀吉は勝てるのか? 朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか? 朝鮮征伐は行われるのか? 秀頼は生まれるのか。 秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

天正の黒船

KEYちゃん
歴史・時代
幕末、日本人は欧米諸国が日本に来た時の黒船に腰を抜かした。しかしその300年前に日本人は黒船を作っていた。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき