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〜EP.2 見つからぬ後継者〜
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「ふむっ…ここもダメじゃったか。」
結界の管理の賢者であるルークは現在、銀甲冑を纏った騎士達が戦っている戦場の遥か上空に浮かんだまま世界を眺めていた
自身の後継者となる人物を探す旅をルークが始めてから既に半年が経過していた
数々の世界を渡って後継者となる者を探し出すのだが、未だにルークの目に適うような人物は一人として見つけられずにいた
時折【正義感の強かった者】、【戦闘力が凄まじく高かった者】、【統制力が高くリーダーシップに優れた者】など素質は充分な者は何度か見かけたが結界管理者として不適正の者ばかりだった
「なんだ…誰かと思ったらおじじ様じゃない?」
背後から突如として現れたのは紫がベースの踊り子の衣装に身を包んだ色黒女性
名は【レーナ】といいルークと同じ結界管理者である
普段から愛用しているインド風の柄をした巨大なクッションに寝そべりながら移動しており、ルークでさえ彼女がクッションから降りてきた姿を一度も見たことがない
「なんじゃお前さんもこちらに来とったんじゃな。久方ぶりじゃのう~。ところでどうしてお前さんがここにおるんじゃ?」
「あたしはここら辺の結界に歪みが少し生じていたからまた馬鹿共がこじ開けようとしてんのかと思ってとっちめに来たの。そしたら歪みの原因がおじじ様だったってわけよ。…あ~あ!久しぶりに狩りができると思ってたのに損しちゃった!」
レーナはクッションの上でゴロゴロと激しく転がるが全く落ちない
おそらくクッションに特殊な魔法の付与を行なっているからである
「おぉ~それはすまんかったのうレーナ。実はのう…今わしは世界を渡ってわしの後継者となる者を探しとったんじゃが、これがなかなか見つからなくてのぉ~」
パイプに火をつけ、煙で輪っかを作りながら少し困った様子のルーク
ルークの憶測だと当初は2、3個世界を渡ったら見つかるだろうと思っていたのだがこれほどまでに見つからないとは予想外だった
「ん~こればっかりは私にもね~ あっ!そういえばR-2地点の地球に興味ある子いるんだけどどうかしら?あたしは案外気に入ってるのよね~!」
「R-2地点じゃと?あそこらへんは魔法も何にもない退屈な世界しかないはずじゃぞ?」
管理者達は無数にある世界に区別をつける為、番号や名前を付けている
数多く存在し尚且つ似た様な世界もあるためには名前をつける必要があった
……ちなみに付け方は見つけた順番である
「あたしもまぁ…暇つぶしにその世界の日本って所を覗いていたんだけどさ。とっても可愛くて優しい子だったからついつい見ちゃったのよ。…あっ!そうじゃん!今からその子を見に行こうよおじじ様!!」
そう言ってレーナは手に顎を乗せたまま空間を歪ませた
レーナやルーク達管理者が使用する転移魔法世界渡りである
「(ふむ…レーナがたまたま可愛い子を見つけただけのことじゃろうし、適任者ではなかった時は他の世界に見つければいいからの…)わかった。それじゃ行こうかの」
「よっし!それじゃあR-2地点の地球へレッツ・ゴー!!」
【世界渡り】によって生じた空間の中に上機嫌のレーナと半信半疑のルークが入っていく
同じタイミングで地上で行われていた戦いも白い旗を掲げていた国の大将の首を赤い旗を掲げていた武将が天高く掲げ、勝鬨の咆哮をあげていた
「ホイッ!と~ちゃくっと!」
ルークとレーナが世界渡りから出てきたのは周囲が大きな木に囲まれた廃寺の前の様であるが空は星々が一面に浮かぶほど周囲は真っ暗で、街は街頭などの光はあるにしてもとても人探しがしやすい環境では無かった
……因みに時刻は深夜の2時過ぎ 人間が一番活動をしてない時間帯だった
「これ、レーナよ…もしかしなくもないがこの世界は真夜中ではないか!?見よこの景色を!真っ暗で何にも見えぬではないか!!」
「あれれ~、おっかしいにゃ~。アッハハ」
「おかしいではないわ!この馬鹿もんが!」
憤慨するルークに対しレーナはルークから顔を逸らしてスッとぼけた様な態度をとったことでさらにルークの怒りを買ってしまった
たまにしか会わないのでルークも忘れていたのだがレーナは大胆かつ行動的なのだが、大事なところではどうしても適当になってしまうのでここぞというところで頼りにならない
「こんな真夜中でどうやってわしの後継者を探せというんじゃ!!」
「え~?だっておじじ様こういう世界じゃ動物に変化して探すんでしょ~?……だったらこの世界の動物達に人間達の情報を聞きながら探せるじゃ~ん」
「その探す人間達が今は寝てるんじゃというておろうが!!」
「ふわ~~~……ん~ねむぅ…」
「あくびなんかかいてるんじゃない!!」
怒りと大声で叫んだためハァハァと肩で息をするルークに対してあくびをかきながら目をこするレーナ
普段から眠い、疲れたなどだらしないレーナは寝るのがとても早く少し暗くなっただけで睡魔が始まり、いつの間にか熟睡をして朝どころか昼に起きるほど根が深い
「あ~、おじじ様ごめんねぇ~?あたし眠たくなっちゃったから帰るわぁ~。バイバ~イ」
「ちょ!待たぬかレー…」
ルークの言葉を待つことなく世界渡りで自分の住処に帰っていったレーナ
その場ではルークが手を伸ばしたまま固まっていた
……時折吹く夜風がルークを震えさせる
「あの小娘…今度会った時は覚えておれよ~……へ、へ、へっ!…くし!!」
流石に寒すぎるとルークは世界渡りの異次元を作り、一時暖を取ることにした
小さな空間だがルークが必要なものは全て揃っており、食料に飲み物、お茶菓子に暇つぶしの本なども収納されている
「折角来たことじゃしな。少しこの世界も見ておこうかの…まぁ、どうせ外れじゃろうがのぅ……うむ、ここの茶は好きじゃがのぅ。ホッホッホ」
お茶をすすりながらルークは読みかけだった本のしおりを外しそのまま意識を本の世界に集中した
結界の管理の賢者であるルークは現在、銀甲冑を纏った騎士達が戦っている戦場の遥か上空に浮かんだまま世界を眺めていた
自身の後継者となる人物を探す旅をルークが始めてから既に半年が経過していた
数々の世界を渡って後継者となる者を探し出すのだが、未だにルークの目に適うような人物は一人として見つけられずにいた
時折【正義感の強かった者】、【戦闘力が凄まじく高かった者】、【統制力が高くリーダーシップに優れた者】など素質は充分な者は何度か見かけたが結界管理者として不適正の者ばかりだった
「なんだ…誰かと思ったらおじじ様じゃない?」
背後から突如として現れたのは紫がベースの踊り子の衣装に身を包んだ色黒女性
名は【レーナ】といいルークと同じ結界管理者である
普段から愛用しているインド風の柄をした巨大なクッションに寝そべりながら移動しており、ルークでさえ彼女がクッションから降りてきた姿を一度も見たことがない
「なんじゃお前さんもこちらに来とったんじゃな。久方ぶりじゃのう~。ところでどうしてお前さんがここにおるんじゃ?」
「あたしはここら辺の結界に歪みが少し生じていたからまた馬鹿共がこじ開けようとしてんのかと思ってとっちめに来たの。そしたら歪みの原因がおじじ様だったってわけよ。…あ~あ!久しぶりに狩りができると思ってたのに損しちゃった!」
レーナはクッションの上でゴロゴロと激しく転がるが全く落ちない
おそらくクッションに特殊な魔法の付与を行なっているからである
「おぉ~それはすまんかったのうレーナ。実はのう…今わしは世界を渡ってわしの後継者となる者を探しとったんじゃが、これがなかなか見つからなくてのぉ~」
パイプに火をつけ、煙で輪っかを作りながら少し困った様子のルーク
ルークの憶測だと当初は2、3個世界を渡ったら見つかるだろうと思っていたのだがこれほどまでに見つからないとは予想外だった
「ん~こればっかりは私にもね~ あっ!そういえばR-2地点の地球に興味ある子いるんだけどどうかしら?あたしは案外気に入ってるのよね~!」
「R-2地点じゃと?あそこらへんは魔法も何にもない退屈な世界しかないはずじゃぞ?」
管理者達は無数にある世界に区別をつける為、番号や名前を付けている
数多く存在し尚且つ似た様な世界もあるためには名前をつける必要があった
……ちなみに付け方は見つけた順番である
「あたしもまぁ…暇つぶしにその世界の日本って所を覗いていたんだけどさ。とっても可愛くて優しい子だったからついつい見ちゃったのよ。…あっ!そうじゃん!今からその子を見に行こうよおじじ様!!」
そう言ってレーナは手に顎を乗せたまま空間を歪ませた
レーナやルーク達管理者が使用する転移魔法世界渡りである
「(ふむ…レーナがたまたま可愛い子を見つけただけのことじゃろうし、適任者ではなかった時は他の世界に見つければいいからの…)わかった。それじゃ行こうかの」
「よっし!それじゃあR-2地点の地球へレッツ・ゴー!!」
【世界渡り】によって生じた空間の中に上機嫌のレーナと半信半疑のルークが入っていく
同じタイミングで地上で行われていた戦いも白い旗を掲げていた国の大将の首を赤い旗を掲げていた武将が天高く掲げ、勝鬨の咆哮をあげていた
「ホイッ!と~ちゃくっと!」
ルークとレーナが世界渡りから出てきたのは周囲が大きな木に囲まれた廃寺の前の様であるが空は星々が一面に浮かぶほど周囲は真っ暗で、街は街頭などの光はあるにしてもとても人探しがしやすい環境では無かった
……因みに時刻は深夜の2時過ぎ 人間が一番活動をしてない時間帯だった
「これ、レーナよ…もしかしなくもないがこの世界は真夜中ではないか!?見よこの景色を!真っ暗で何にも見えぬではないか!!」
「あれれ~、おっかしいにゃ~。アッハハ」
「おかしいではないわ!この馬鹿もんが!」
憤慨するルークに対しレーナはルークから顔を逸らしてスッとぼけた様な態度をとったことでさらにルークの怒りを買ってしまった
たまにしか会わないのでルークも忘れていたのだがレーナは大胆かつ行動的なのだが、大事なところではどうしても適当になってしまうのでここぞというところで頼りにならない
「こんな真夜中でどうやってわしの後継者を探せというんじゃ!!」
「え~?だっておじじ様こういう世界じゃ動物に変化して探すんでしょ~?……だったらこの世界の動物達に人間達の情報を聞きながら探せるじゃ~ん」
「その探す人間達が今は寝てるんじゃというておろうが!!」
「ふわ~~~……ん~ねむぅ…」
「あくびなんかかいてるんじゃない!!」
怒りと大声で叫んだためハァハァと肩で息をするルークに対してあくびをかきながら目をこするレーナ
普段から眠い、疲れたなどだらしないレーナは寝るのがとても早く少し暗くなっただけで睡魔が始まり、いつの間にか熟睡をして朝どころか昼に起きるほど根が深い
「あ~、おじじ様ごめんねぇ~?あたし眠たくなっちゃったから帰るわぁ~。バイバ~イ」
「ちょ!待たぬかレー…」
ルークの言葉を待つことなく世界渡りで自分の住処に帰っていったレーナ
その場ではルークが手を伸ばしたまま固まっていた
……時折吹く夜風がルークを震えさせる
「あの小娘…今度会った時は覚えておれよ~……へ、へ、へっ!…くし!!」
流石に寒すぎるとルークは世界渡りの異次元を作り、一時暖を取ることにした
小さな空間だがルークが必要なものは全て揃っており、食料に飲み物、お茶菓子に暇つぶしの本なども収納されている
「折角来たことじゃしな。少しこの世界も見ておこうかの…まぁ、どうせ外れじゃろうがのぅ……うむ、ここの茶は好きじゃがのぅ。ホッホッホ」
お茶をすすりながらルークは読みかけだった本のしおりを外しそのまま意識を本の世界に集中した
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