『「あんな化け物と結婚なんて嫌!」と妹が泣くので私が身代わりになりました。……あの、化け物どころか、国一番の美形で紳士な旦那様なんですけど?

ラムネ

文字の大きさ
3 / 20

第3話『仮面の下の真実』

目が覚めたとき、最初に感じたのは、かつて経験したことのないような柔らかさでした。

まるで雲の上に浮いているかのような、羽毛の感触。 頬に触れるシーツは上質なシルクで、ほのかに甘い香りが漂っています。

(ここは……天国、でしょうか?)

私はぼんやりとした頭でそう思いました。 最後に覚えているのは、漆黒の騎士様の腕の中。 あの冷たくも温かい鎧の感触と、どこか悲しげな紫色の瞳。 そして、意識が途切れる瞬間の、浮遊感。

ああ、きっと私は死んだのです。 あのオークに襲われたときか、あるいは騎士様の魔力に当てられたときか。 どちらにせよ、あの地獄のような実家から解放され、こうして安らかな場所にいるのなら、それはそれで幸せな結末なのかもしれません。

「……気がつかれましたか?」

不意に、部屋の隅から控えめな声が聞こえました。 ビクリと肩を震わせて視線を向けると、そこには一人の若いメイドが立っていました。

彼女は酷く青ざめた顔をしており、小刻みに震えていました。 手には銀の水盆を持っていますが、水面が波打つほど手が震えています。

「あ……はい。ここは?」

私が上半身を起こすと、メイドはさらに怯えたように一歩後退りました。

「こ、ここはジークハルト辺境伯様の居城、黒鷲城(シュバルツ・アドラー)でございます。貴女様は……ご到着されるなり気を失われたので、旦那様がここまで運ばれたのです」

生きていました。 私はまだ、現世に留まっていたようです。

周囲を見渡すと、そこは信じられないほど広い寝室でした。 天井は高く、重厚な石造りの壁には見たこともないような魔獣の毛皮や、年代物のタペストリーが飾られています。 家具はすべて黒檀で作られており、シックで高級感がありますが、どこか冷たく、人を拒絶するような威圧感がありました。

「あ、あの……旦那様は?」

私が恐る恐る尋ねると、メイドは「ひっ」と小さな悲鳴を上げました。 まるで、禁忌の名前を聞いてしまったかのように。

「だ、旦那様は……執務室にいらっしゃいます。貴女様が目覚めたら、湯浴みを済ませ、夜まで待機するようにと……」

「夜まで?」

「は、はい。今夜は……その、初夜ですので」

メイドは消え入りそうな声でそう告げると、同情と恐怖が入り混じった目で私を見つめました。

「お可哀想に……。前の花嫁候補の方々は、城の門をくぐるだけで泡を吹いて倒れたり、精神に異常をきたして逃げ帰ったりしたのに。貴女様は、ここまで連れてこられてしまうなんて」

彼女の言葉には、明らかな「死刑宣告」の響きがありました。 この城の使用人たちにとって、主人の寝室に呼ばれることは、死にに行くのと同義なようです。

「さあ、お湯の準備ができております。せめて……綺麗な体で……」

彼女は言葉を濁しましたが、その続きが「あの世へ行けるように」であることを、私は敏感に察しました。

                  ◇

用意された浴室は、私の実家の居間よりも広い、大理石造りの豪華なものでした。 湯船には色とりどりの花びらが浮かべられ、希少な香油が惜しげもなく使われています。

メイドたちが数人がかりで私の体を洗ってくれました。 彼女たちは一様に無口で、怯えていました。 私の痩せっぽちの体や、背中に残る古傷(実家で折檻された時のものです)を見ても、嘲笑うことなく、ただ痛ましそうに顔を歪めるだけでした。

「細い……。これでは、旦那様のあの一撃に耐えられるわけが……」 「シッ! 滅多なことを言うもんじゃないよ。壁に耳ありだ」

彼女たちのひそひそ話を聞き流しながら、私は湯船の中で小さくなりました。

(あの一撃……?)

騎士様の強さは、渓谷での戦いで目の当たりにしています。 あの大剣の一振りで、オークを肉塊に変えてしまうほどの怪力。 もし、あんな力で抱かれたら、私の体など枯れ木のように折れてしまうでしょう。

でも。 私の脳裏に蘇るのは、あの時の彼の、震える指先でした。 「行くな」と私の腕を掴んだ、必死な声でした。

あれは演技だったのでしょうか。 それとも、獲物を逃がさないための捕食者の本能だったのでしょうか。

湯浴みを終えた私は、純白のシルクのネグリジェに着替えさせられました。 それは肌が透けるほど薄く、体のラインが露わになる恥ずかしいデザインでしたが、文句を言える立場ではありません。

髪を丁寧に梳かされ、香水を振りかけられ、私は「生贄」として完璧に仕上げられました。

「では……ご武運を」

メイド長らしき年配の女性が、最後にそう言って深く頭を下げました。 彼女たちが部屋を出ていくと、重い扉が閉まり、カチャリと鍵のかかる音がしました。

逃げ場はありません。 広い寝室に、私一人。 窓の外はすでに漆黒の闇に包まれており、時折吹く風が窓ガラスをガタガタと鳴らしています。

私は天蓋付きの巨大なベッドの端に腰掛け、膝を抱えました。 心臓の音が、時計の針の音よりも大きく聞こえます。

怖い。 正直に言えば、怖いです。 「化け物」と呼ばれる旦那様が、どんな姿で現れるのか。 何をされるのか。

けれど、実家でマリアに虐げられていた時の、あの底なしの絶望感とは、どこか種類が違うような気がしました。 少なくとも、ここでは私は「一人の人間」として扱われています。 冷たいけれど清潔なシーツ、温かいお湯、そして高価な衣服。

(……待とう)

私は覚悟を決めました。 どんな結末が待っていようと、ここが私の新しい居場所なのですから。

一時間、二時間……。 永遠にも思える時間が過ぎました。

深夜零時を告げる鐘の音が、遠くの塔から響いてきたとき。 重厚な扉のノブが、ゆっくりと回りました。

ガチャリ。

扉が開き、廊下の冷たい空気と共に、あの人が入ってきました。

ジークハルト辺境伯。 私の夫となる人。

彼は、昼間の戦闘時とは違う服装でした。 漆黒の鎧は脱いでおり、代わりに黒い絹のガウンを羽織っています。 鍛え上げられた広い肩幅と、分厚い胸板が、布越しでもわかります。

しかし、顔だけは。 顔だけは、あの禍々しい鉄仮面で覆われたままでした。 目と口の部分だけが開いた、無機質な仮面。 そこから覗く紫色の瞳が、暗闇の中で妖しく光っています。

彼は部屋に入るなり、扉の近くで立ち止まりました。 私の方へ近づこうとはしません。

「……起きているか」

低く、重低音の声。 仮面を通しているせいか、少し籠もったような響きがあり、それが余計に非人間的な不気味さを醸し出していました。

「はい、旦那様。お待ちしておりました」

私はベッドから立ち上がり、床に跪いて礼をしました。 淑女の礼法としては完璧だったはずです。 しかし、彼はそれを見て、苦々しそうに舌打ちをしました。

「よせ。俺にそんな礼儀は必要ない」

彼は荒々しく扉を閉めると、私から一番遠いソファにドカリと腰を下ろしました。 そして、サイドテーブルにあった酒瓶を掴み、グラスにも注がず、直接あおり始めました。

その姿は、自暴自棄になっているようにも、何かを恐れて気を紛らわせているようにも見えました。

沈黙が支配します。 私はどうすればいいのかわからず、立ち尽くしていました。 初夜というのは、普通、もっと甘い言葉を交わしたり、あるいは事務的に事を進めたりするものだと思っていました。 しかし、彼は私を見ようともしません。

「……怖くないのか」

しばらくして、彼がぽつりと呟きました。 酒瓶を置く音が、静寂を破ります。

「この仮面が。この禍々しい空気が。お前は何も感じないのか」

私は彼を見つめました。 確かに、部屋の空気は重く淀んでいます。 彼を中心に、黒い陽炎のような魔力が渦巻いているのが、目に見えるようです。 普通の人間なら、この部屋にいるだけで発狂してしまうのかもしれません。

でも、私にはそれが「悲鳴」のように聞こえるのです。 制御できない強大な力が、行き場を失って泣き叫んでいるような。

「怖くはありません」

私は一歩、彼の方へ近づきました。

「貴方様は、私を助けてくださいました。オークの群れから、私を守ってくださいました。命の恩人を恐れる理由がありません」

「……あれは、気まぐれだ。俺の領地が汚れるのが嫌だっただけだ」

彼は頑なに私を拒絶します。 仮面の奥の瞳が、鋭く私を射抜きました。

「近づくな。そこから一歩でも動けば、殺すぞ」

殺気。 確かに、彼から放たれたのは純粋な殺意でした。 しかし、私は止まりませんでした。 なぜなら、その殺気が「私を守るため」に向けられていることに気づいてしまったからです。

彼は、自分の力が私を傷つけることを恐れている。 だから、私を遠ざけるために、わざと恐ろしい言葉を吐いている。

「殺せるものなら、殺してください」

私はもう一歩、近づきました。 彼との距離は、あと数メートル。

「私は実家に捨てられた身です。身代わりの花嫁として、ここで死ぬ覚悟はできています。……でも、どうせ死ぬなら」

私は、胸の奥で燻っていた想いを口にしました。 あの馬車の中で、彼に抱き上げられた時に感じた、あの温もりへの渇望を。

「どうせ死ぬなら、貴方様の本当のお姿を見てから死にたいです。化け物と呼ばれ、仮面の下に隠している、貴方様の真実を」

「貴様……!」

ジークハルト様が立ち上がりました。 その巨体が、私を見下ろします。 周囲の魔力が爆発的に膨れ上がり、部屋中の窓ガラスがビリビリと振動しました。 キャンドルの火が一斉に消え、部屋は月明かりだけの薄闇に包まれます。

「俺の素顔を見れば、お前は呪われるぞ。目が潰れ、皮膚がただれ、二度と人としての形を保てなくなる。それでもいいと言うのか!」

脅しではありませんでした。 事実として、彼はそう信じ込んでいるのです。 これまで、彼の素顔を見た者が、皆そうなってしまったからこそ。

でも、私は知っています。 私は「魔力無効化」の体質なのです。 彼がどれほど強大な呪いを抱えていようと、私には通じません。

「構いません」

私は彼の目の前まで歩み寄りました。 彼の手が震えているのが見えました。 私を突き飛ばそうとして、でも触れることさえ躊躇っている手。

私はその手を両手で包み込みました。 冷たい革手袋の感触。 でも、その奥には、人間らしい温かい血が通っています。

「旦那様。私はエルサと申します」

私は静かに語りかけました。 暴れる魔力の嵐の中で、私だけが平然と立っていることに、彼は目を見開いていました。

「貴方様の妻です。夫婦の間に、隠し事はなしにしましょう?」

私は、彼の手を自分の頬に導きました。 そして、もう片方の手を伸ばし、彼の顔を覆う冷たい鉄仮面に触れました。

「やめろ……!」 「嫌です」

「後悔するぞ……!」 「しません」

私は躊躇なく、仮面の留め具を外しました。 カチリ、という小さな音が、爆音のように響きました。

仮面が、彼の顔から滑り落ちます。 重い金属音を立てて、床に転がりました。

月光が、彼の素顔を照らし出しました。

私は息を呑みました。 言葉を失いました。

そこにいたのは、化け物ではありませんでした。 焼けただれた皮膚も、三つの目も、裂けた口もありませんでした。

そこにいたのは、この世のものとは思えないほど美しい、一人の青年でした。

夜空の星をすべて溶かし込んだような、艶やかな銀色の髪。 切れ長の瞳は、最高級のアメジストよりも深く透き通った紫色。 鼻筋は通り、唇は薄く、顎のラインは彫刻のように精悍です。

神々しいまでの美貌。 もし神様がいるとしたら、最高傑作として創り出したに違いない、完璧な造形。

ただ、その美しい顔は、今、ひどく怯えていました。 私が悲鳴を上げて逃げ出すのを、あるいはその場で絶命するのを待っているかのように、彼は目を硬く閉じていました。

「……見ただろう」

彼は震える声で言いました。

「これが俺の呪いだ。魔力が強すぎて、人の形を歪めてしまった醜い姿だ。……さあ、笑うなり、叫ぶなりしろ。そして消えろ」

彼は本気で、自分のことを醜いと思っているようでした。 あまりにも強すぎる魔力が、周囲の認識さえも歪めていたのでしょうか。 それとも、彼の魔力に耐えられなかった人々が、苦痛のあまり彼を「化け物」と罵ったことが、彼の心を歪めてしまったのでしょうか。

私は、こみ上げてくる愛おしさを抑えきれませんでした。 なんて、不器用な人。 なんて、孤独な人。

私は、彼の頬にそっと手を添えました。 彼はビクリと身を縮めましたが、私が逃げないことに気づき、恐る恐る目を開けました。

紫色の瞳が、私の顔を映しています。 そこには、恐怖も軽蔑もありません。 あるのは、ただ、目の前の美しい夫への賛美だけ。

「……綺麗」

私の口からこぼれ落ちたのは、飾り気のない本音でした。

「旦那様。貴方様は、国一番……いいえ、世界で一番、美しいです」

「……は?」

彼は呆気にとられたような顔をしました。 何を言われたのか理解できない、という表情です。

「綺麗? 俺が? ……正気か?」

「はい、正気です。今まで見たどんな宝石よりも、どんな絵画よりも美しいです」

私は背伸びをして、彼の目元にキスを落としました。 チュッ、という音が、静かな部屋に響きます。

彼が石のように固まりました。 顔が、耳まで一瞬で真っ赤に染まるのがわかりました。

「な、な、なにを……!?」

「夫婦ですから」

私は悪戯っぽく微笑みました。 彼が私を殺すつもりがないことは、もう明白でした。 この人は、ただ自分の力で誰かを傷つけるのが怖いだけの、優しい人なのです。

「それに、見てください。私、何ともありませんよ? 目が潰れてもいないし、呪われてもいません。貴方様の素顔を見ても、ただ見惚れてしまうだけです」

「なぜだ……」

彼は私の肩を掴みました。今度は強く、確かめるように。

「なぜ、俺の魔力が効かない? なぜ、俺に触れられる? 今まで、最強の騎士でさえ、俺の素顔を見たら泡を吹いて倒れたんだぞ?」

「さあ……。私にもわかりません。私は『魔力なし』の出来損ないですから。あるいは、神様が貴方様のために、私をあつらえてくださったのかもしれませんね」

私の言葉に、彼はハッとして息を呑みました。

「俺の……ために?」

「はい。貴方様に触れても壊れない、たった一人の人間として」

彼の瞳が揺れました。 長い間、凍りついていた孤独な氷河が、春の日差しを浴びて溶け出すように。 彼の瞳から、一筋の涙がこぼれ落ちました。

それは、彼が初めて他人に見せた、弱さの証でした。

「……ずっと、一人だった」

彼は掠れた声で呟きました。 その巨大な体が、子供のように小さく見えます。

「誰も俺に触れなかった。親でさえ、俺を恐れて遠ざけた。俺はこの城で、鎧と仮面の中に閉じこもって、死ぬまで一人でいるのだと思っていた」

彼は、ゆっくりと私を抱きしめました。 最初は壊れ物を扱うように慎重に。 そして、私がその背中に腕を回して抱き返すと、今度は力一杯に。 骨が軋むほどの強さでしたが、ちっとも痛くありませんでした。 彼の体温が、鼓動が、ダイレクトに伝わってきます。

「……温かい」

彼が私の首筋に顔を埋め、深呼吸をしました。 彼の涙が、私の肌を濡らします。

「人の肌というのは、こんなにも温かいものだったのか……」

「はい。旦那様。私はここにいます。どこへも行きません」

私は彼の銀髪を優しく撫でました。 サラサラとしていて、とても手触りがいいです。

「エルサ」

彼が顔を上げ、濡れた瞳で私を見つめました。 そこにはもう、あの禍々しい殺気はありません。 あるのは、一人の男としての、熱っぽい情熱だけ。

「もう二度と、お前を離さない。誰にも渡さない。お前は俺の光だ。俺の……妻だ」

その言葉は、契約の誓いよりも重く、甘く、私の心に刻まれました。 ああ、身代わりになってよかった。 あんな家、捨ててきてよかった。

私の本当の人生は、今、この瞬間から始まるのです。

「はい、ジークハルト様。……どうか、私を愛してください」

「愛する。一生かけて、お前が呆れるくらいに」

彼はそう誓うと、今度は目元ではなく、私の唇に、深く口づけを落としました。 それは、私のファーストキスであり、長い夜の始まりの合図でした。

仮面の下の真実。 それは、化け物などではなく、誰よりも愛に飢えた、不器用で美しい旦那様でした。 そして私は、この日を境に、彼の「過保護すぎる溺愛」という、別の意味で恐ろしい攻撃にさらされることになるのです。

でも、それはもう少し先のお話。 今はただ、この温もりの中で、彼と二人だけの時間を過ごしましょう。

(……マリア、お父様、お母様。残念ですが、私は死にませんでした。それどころか、世界一素敵な旦那様を見つけてしまいました)

心の片隅で、実家への小さな勝利宣言をして、私は彼の瞳を見つめ返しました。 窓の外では、いつの間にか風が止み、美しい満月が二人を祝福するように輝いていました。
感想 4

あなたにおすすめの小説

とっていただく責任などありません

まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、 団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。 この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!? ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。 責任を取らなければとセルフイスから、 追いかけられる羽目に。

【今さら遅い】毒で声を失い公爵に捨てられた私。妹では精霊が応えず国は滅びへ。ですが隣国皇帝に溺愛される私に、今さら縋ってきても遅いです

唯崎りいち
恋愛
国一番の歌姫だった私は、妹に毒を盛られ声を失い、婚約者に捨てられた。 すべてを奪われた私を救ったのは、隣国の皇帝。 「お前の歌がなければ国は滅びる」と言われた私の歌は、精霊に届く“本物”の力を持っていて―― 一方、私を追放した国は偽物の歌では加護を失い衰退。 今さら元婚約者が縋ってきても、もう遅い。

【完結】「元カノが忘れられないんでしょう?」と身を引いた瞬間、爽やか彼氏の執着スイッチが入りました

恋せよ恋
恋愛
「元カノが忘れられないなら、私が身を引くわくべきよね」 交際一周年、愛するザックに告げた決別の言葉。 でも、彼は悲しむどころか、見たこともない 暗い瞳で私を追い詰めた。 「僕を捨てる? 逃げられると思っているの、アン」 私の知る爽やかな王子の仮面が剥がれ落ち、 隠されていた狂おしいほどの独占欲が牙を剥く。 🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。 🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。 🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。 🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。 🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!

「貧相な小娘」と罵った第一王子へ。番(つがい)は貴方ではなく、国王陛下(お父様)でした

しえろ あい
恋愛
「お父様、わたくし、あの方と目が合った瞬間、分かってしまったのです」 十六歳のデビュタントの夜、ルーセント侯爵令嬢フェリシアを待っていたのは、残酷な罵倒だった。第一王子カシウスは、可憐な白いドレスを纏った彼女を「貧相な小娘」と呼び、己の番(つがい)であることを真っ向から否定する。 会場に響く冷笑と、愛用の刺繍に込めた自信さえ打ち砕くような屈辱。しかし、絶望の淵に立たされた彼女を見つめていたのは、王子ではなく、圧倒的な威厳を放つ「ある男」だった。 魂を焦がすような熱い視線が重なり、静まり返る謁見の間。この出会いが、王室を揺るがす大事件の幕開けになるとは、まだ誰も知らない。自身の価値を否定された少女が、真実の愛によって世界で最も幸福な王妃へと駆け上がる、逆転溺愛ストーリー。 ※小説家になろう様にも投稿しています※

『婚約破棄だ』と王子が告げた瞬間、王城の花が枯れ、泉が涸れ、空が曇った——令嬢に宿る精霊の加護を、誰も知らなかった

歩人
ファンタジー
公爵令嬢エレオノーラは、生まれつき大精霊の加護を宿していた。 しかし本人も、それが自分の力だとは知らなかった。 王城の庭園が四季を問わず花で溢れていたのも、泉が枯れなかったのも、 王都に災害が起きなかったのも——全てエレオノーラの存在がもたらす精霊の恩恵だった。 王子に「地味で退屈な女」と婚約破棄され、王城を去った瞬間—— 花が萎れ、泉が涸れ、空が曇り始めた。 追放されたエレオノーラが辺境の荒野に足を踏み入れると、枯れた大地に花が咲き乱れた。 そのとき初めて、彼女は自分の中にある力に気づく。

ブサイク令嬢は、眼鏡を外せば国一番の美女でして。

みこと。
恋愛
伯爵家のひとり娘、アルドンサ・リブレは"人の死期"がわかる。 死が近づいた人間の体が、色あせて見えるからだ。 母に気味悪がれた彼女は、「眼鏡をかけていれば見えない」と主張し、大きな眼鏡を外さなくなった。 無骨な眼鏡で"ブサ令嬢"と蔑まれるアルドンサだが、そんな彼女にも憧れの人がいた。 王女の婚約者、公爵家次男のファビアン公子である。彼に助けられて以降、想いを密かに閉じ込めて、ただ姿が見れるだけで満足していたある日、ファビアンの全身が薄く見え? 「ファビアン様に死期が迫ってる!」 王女に新しい恋人が出来たため、ファビアンとの仲が危ぶまれる昨今。まさか王女に断罪される? それとも失恋を嘆いて命を絶つ? 慌てるアルドンサだったが、さらに彼女の目は、とんでもないものをとらえてしまう──。 不思議な力に悩まされてきた令嬢が、初恋相手と結ばれるハッピーエンドな物語。 幸せな結末を、ぜひご確認ください!! (※本編はヒロイン視点、全5話完結) (※番外編は第6話から、他のキャラ視点でお届けします) ※この作品は「小説家になろう」様でも掲載しています。第6~12話は「なろう」様では『浅はかな王女の末路』、第13~15話『「わたくしは身勝手な第一王女なの」〜ざまぁ後王女の見た景色〜』、第16~17話『氷砂糖の王女様』というタイトルです。

【完結】身代わりに病弱だった令嬢が隣国の冷酷王子と政略結婚したら、薬師の知識が役に立ちました。

朝日みらい
恋愛
リリスは内気な性格の貴族令嬢。幼い頃に患った大病の影響で、薬師顔負けの知識を持ち、自ら薬を調合する日々を送っている。家族の愛情を一身に受ける妹セシリアとは対照的に、彼女は控えめで存在感が薄い。 ある日、リリスは両親から突然「妹の代わりに隣国の王子と政略結婚をするように」と命じられる。結婚相手であるエドアルド王子は、かつて幼馴染でありながら、今では冷たく距離を置かれる存在。リリスは幼い頃から密かにエドアルドに憧れていたが、病弱だった過去もあって自分に自信が持てず、彼の真意がわからないまま結婚の日を迎えてしまい――

愛人を選んだ夫を捨てたら、元婚約者の公爵に捕まりました

由香
恋愛
伯爵夫人リュシエンヌは、夫が公然と愛人を囲う結婚生活を送っていた。 尽くしても感謝されず、妻としての役割だけを求められる日々。 けれど彼女は、泣きわめくことも縋ることもなく、静かに離婚を選ぶ。 そうして“捨てられた妻”になったはずの彼女の前に現れたのは、かつて婚約していた元婚約者――冷静沈着で有能な公爵セドリックだった。 再会とともに始まるのは、彼女の価値を正しく理解し、決して手放さない男による溺愛の日々。 一方、彼女を失った元夫は、妻が担っていたすべてを失い、社会的にも転落していく。 “尽くすだけの妻”から、“選ばれ、守られる女性”へ。 静かに離婚しただけなのに、 なぜか元婚約者の公爵に捕まりました。