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尾行(メイファside)
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「バレちゃったんなら仕方ない」
私は私の目的を果たさせてもらうわ!
まずは敵を知ることから始めなきゃ。
日常に戻るとギムレットは、執務に追われ日々忙しく過ごしている。
国民からの陳情にも耳を傾け、謁見もこまめにこなしている。
この日は、城下に出向き、街の活気や衛生状況を直接調べに行くようである。
私は気づかれないようにヒジャーブ風にスカーフを纏い、町娘になりきり後をつけた。
(フンッ!真面目に政務に取り組んでるように見せてその裏で悪い取引してるんだわ…今日こそ証拠を掴んでやる)
砂の王国デュークには、砂漠の中にあるオアシスを取り囲むように街が広がっている。
中でもサウスビーン地区は、たくさんの市場や屋台が軒を連ね、活発な経済の中心であるようだ。
ギムレットの視察を尾行し、怪しい交渉などしてないか見逃さないように後を追っていた。
尾行するうちに、街中を探索できてメイファは楽しくなってきた。
自由に出歩くのは、ここへ到着して初めてである。
珍しい服が並ぶ服屋やアクセサリーも沢山の品揃えだ。スカーフもカラフルでデザインも驚くほど多い。
屋台には、ケバブサンドや串焼き、麺類など様々なものが売ってある。
オアシスの木陰には、ベンチとテーブルが設置してあり、親子がくつろいでいた。
ギムレットの後をつけながら人混みを歩くのは苦労していた。
「おっと、すいません…」
柄の悪い大男にぶつかってしまった。
(いけない…見失うわけにはいかない…。ちゃんと前を向かないと!)
それにしても、屋台街はすごい賑わいだ。あちこちで食べ物と貨幣のやり取りがされ、行列ができている店もあった。
「あぁ…美味しそうな匂いだわ…」
(次来る時は、お金を持ってこなくちゃ…)
物欲しそうに屋台を眺める私を見て、屋台のおじさんが、
『姉ちゃん!ちょっと味見してみな!』
と、串に刺さった羊肉をくれた。
ガッツリ効いたスパイスが最高に美味しい!
「何これ、うまーーーーい!!」
周りで買い物していた人々が、集まってきた。
どうやら売上に貢献できたようだった。
屋台のおじさんがウインクしてくれて、私も嬉しくなった!
あれれ…ギムレットが従者と何かヒソヒソ話してる…これは怪しい動きかもしれない…
ギムレットの行動から目を離さないように気を配っていたが、隣の屋台のおばさんも話しかけてきた。
『姉ちゃん、この焼き菓子も食べてみな!』
と、試食にしては大きいアツアツの焼き菓子をくれた。
「わー!私、こんなに美味しいクッキー初めて食べたわーー!!!」
またドヤドヤと人を集めてしまった…。
…そんなことをしているうちに、ギムレットは姿を消していた…。
(しまった…尾行中だったのに…)
(でも、お腹はいっぱいだわ…美味しかったからいいか。)
(私の尾行をまくとは…なかなかやるわね…)
仕方なく宮殿へ戻ることにした。
「あーあ…今日も収穫なし…こんなんで復讐なんかできるのかしら…」
宮殿の庭にある噴水の前で座り込んで1人呟いていると、祖国から従者としてアンリと共にやって来てくれたカルロスが話しかけてきた。
『メイファ様、何かお困りのようですね。』
このカルロスは、祖国パナギア王国からの道中、この婚礼に関するデューク王国の悪行を報告してくれた男だ。
「そっか!そうだわ!カルロス、お願いがあるの…ギムレットの弱点や悪行を探ってくれないかしら?」
私は自分で尾行しても失敗ばかりだったので、カルロスに依頼することにした。
しばらく噴水の前で佇み、夕焼けに染まる砂漠の景色を眺めていると、ギムレットが偵察を終え帰ってきた。
『やぁ、我が妻ケイト。ただいま戻りました。』
正体を知った後も公の場では『ケイト』
と呼んでくれている。
夕焼けに染まるギムレットもまた美しいと思った。
私は私の目的を果たさせてもらうわ!
まずは敵を知ることから始めなきゃ。
日常に戻るとギムレットは、執務に追われ日々忙しく過ごしている。
国民からの陳情にも耳を傾け、謁見もこまめにこなしている。
この日は、城下に出向き、街の活気や衛生状況を直接調べに行くようである。
私は気づかれないようにヒジャーブ風にスカーフを纏い、町娘になりきり後をつけた。
(フンッ!真面目に政務に取り組んでるように見せてその裏で悪い取引してるんだわ…今日こそ証拠を掴んでやる)
砂の王国デュークには、砂漠の中にあるオアシスを取り囲むように街が広がっている。
中でもサウスビーン地区は、たくさんの市場や屋台が軒を連ね、活発な経済の中心であるようだ。
ギムレットの視察を尾行し、怪しい交渉などしてないか見逃さないように後を追っていた。
尾行するうちに、街中を探索できてメイファは楽しくなってきた。
自由に出歩くのは、ここへ到着して初めてである。
珍しい服が並ぶ服屋やアクセサリーも沢山の品揃えだ。スカーフもカラフルでデザインも驚くほど多い。
屋台には、ケバブサンドや串焼き、麺類など様々なものが売ってある。
オアシスの木陰には、ベンチとテーブルが設置してあり、親子がくつろいでいた。
ギムレットの後をつけながら人混みを歩くのは苦労していた。
「おっと、すいません…」
柄の悪い大男にぶつかってしまった。
(いけない…見失うわけにはいかない…。ちゃんと前を向かないと!)
それにしても、屋台街はすごい賑わいだ。あちこちで食べ物と貨幣のやり取りがされ、行列ができている店もあった。
「あぁ…美味しそうな匂いだわ…」
(次来る時は、お金を持ってこなくちゃ…)
物欲しそうに屋台を眺める私を見て、屋台のおじさんが、
『姉ちゃん!ちょっと味見してみな!』
と、串に刺さった羊肉をくれた。
ガッツリ効いたスパイスが最高に美味しい!
「何これ、うまーーーーい!!」
周りで買い物していた人々が、集まってきた。
どうやら売上に貢献できたようだった。
屋台のおじさんがウインクしてくれて、私も嬉しくなった!
あれれ…ギムレットが従者と何かヒソヒソ話してる…これは怪しい動きかもしれない…
ギムレットの行動から目を離さないように気を配っていたが、隣の屋台のおばさんも話しかけてきた。
『姉ちゃん、この焼き菓子も食べてみな!』
と、試食にしては大きいアツアツの焼き菓子をくれた。
「わー!私、こんなに美味しいクッキー初めて食べたわーー!!!」
またドヤドヤと人を集めてしまった…。
…そんなことをしているうちに、ギムレットは姿を消していた…。
(しまった…尾行中だったのに…)
(でも、お腹はいっぱいだわ…美味しかったからいいか。)
(私の尾行をまくとは…なかなかやるわね…)
仕方なく宮殿へ戻ることにした。
「あーあ…今日も収穫なし…こんなんで復讐なんかできるのかしら…」
宮殿の庭にある噴水の前で座り込んで1人呟いていると、祖国から従者としてアンリと共にやって来てくれたカルロスが話しかけてきた。
『メイファ様、何かお困りのようですね。』
このカルロスは、祖国パナギア王国からの道中、この婚礼に関するデューク王国の悪行を報告してくれた男だ。
「そっか!そうだわ!カルロス、お願いがあるの…ギムレットの弱点や悪行を探ってくれないかしら?」
私は自分で尾行しても失敗ばかりだったので、カルロスに依頼することにした。
しばらく噴水の前で佇み、夕焼けに染まる砂漠の景色を眺めていると、ギムレットが偵察を終え帰ってきた。
『やぁ、我が妻ケイト。ただいま戻りました。』
正体を知った後も公の場では『ケイト』
と呼んでくれている。
夕焼けに染まるギムレットもまた美しいと思った。
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