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復讐する女
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3日間の婚礼の儀を終え、
やっと2人きりになれた月の美しい夜だった。
『さてさて、どーしようかなぁ…』
ギムレットがニヤニヤしながら言ってくる。
あのベランダでの出来事以来、ギムレットはメイファを茶化すように扱っている。
「なんの事です?ギムレット」
メイファは、開き直ったように素知らぬ顔でケイトとして過ごしている。
『いやー、落ち着いたら愛しのお姉様に会えるよう新婚旅行でも行こうかなーと君に相談しようと思ってさ…』
(フンッ!引っかかってなるものですか!!)
「私には、妹しかおりませんわよ、どこかのご令嬢とお間違いになってるのでありませんか?」
『そーか、、でも旅行に行きたいのはホントだよ、2人でのんびり過ごしに行こう。貴方の故郷のエーゲ海を旅してみたいのもホントなんだ…砂は見飽きた…』
そう言いながら、メイファの頬を優しく撫でる。
「ヒャッ…」
このスキンシップにはいつまでたっても慣れない…
その度に身を硬くし、青く澄んだ瞳を見つめ返すことも出来ずにいた。
(この男は、敵だ…必ず弱点を見つけてやる…)
メイファは自分に言い聞かせるようにしていた。
だが、ケイトとしての役割がある以上、無下にするわけにもいかない。
2人は、ベランダのベンチに座り、月を眺めながら、たわいも無い話を続けた。
『祖国パナギア王国はどんな所なんだ?』
「ここほど裕福な国では無いけれど、海と空が美しく、人々も温和で素晴らしい国です。港には貿易で色々な人が出入りして…」
故郷の話になりメイファはついつい饒舌になってしまっていた。
『さぞ、海産物も美味しいのだろうな…』
そんなギムレットの呟きに…
「そうなんです…海の幸は素晴らしく美味しいですわよ…何せ新鮮ですもの!」
『……釣り場は何処がオススメなのかな?』
「そーね!パレット湾のイエロービーチが穴場なの!魚はもちろん、イカやタコだって採れるのよ!」
『竿で釣るのかい?』
「そーね!竿も面白いし、あ、エサはね、、、」
そこまで言って、メイファは黙った…。喋りすぎてしまった事に気づいたのだ。
『ハハハッ!メイファは、すぐに猫かぶりできなくなるな…ハハハッ!』
メイファは、ギムレットのツッコミにハッとした。
そして調子に乗って喋ってしまったことを後悔した…。
「むむむ…なによ…嵌めたのね!」
メイファは涙目になりながらギムレットに悪態をついた。
「ほんっと、貴方って悪評通りの策略家ね!そうやってパナギア王国もはめたんでしょ!!??」
メイファは、もう取り繕うことは出来ないと観念して立ち上がり、ギムレットに向き合った。
「そーよ!私は貴方が伴侶として望んだケイトではないわ!お転婆メイファよ。フンッ!」
ギムレットも立ち上がった。
そして興奮するメイファを抱きしめた。
「離して離して!」
メイファはジタバタしている。
『落ち着け、メイファ…』
メイファはますます悔しくなり、握りしめた両手の拳をギムレットの厚い胸にドンドンっと打ち付ける。
長身のギムレットには何の効果もない…
ギムレットは、ハハハッと笑い、両手を挙げて降参のポーズをとっている。
自分で言って悲しくなった。
ギムレットが妻として選んでいたのは姉のケイトなのだ。
何故かその事が引っかかり、益々ギムレットにムカついた。
この男は復讐するべき敵なのに…
なんで2人きりになると、恥ずかしくなるの…
なんで2人きりになると、楽しくなるの…
なんで触れられると、嬉しいの…
なんで嘘を突き通すことが心苦しいの…
なんで…なんで…私を選んでくれなかったの…
「もういい。バレちゃったんなら、仕方ないわ。その通り、私はメイファ。
私は貴方に嫁ぎ、貴方に復讐する女よ」
「覚悟しなさい!!!貴方に向かって、ざまぁぁぁって言ってやるんだからぁーーーーー」
大声で叫び、言い逃げるようにして自分の部屋に逃げ込んだ。
やっと2人きりになれた月の美しい夜だった。
『さてさて、どーしようかなぁ…』
ギムレットがニヤニヤしながら言ってくる。
あのベランダでの出来事以来、ギムレットはメイファを茶化すように扱っている。
「なんの事です?ギムレット」
メイファは、開き直ったように素知らぬ顔でケイトとして過ごしている。
『いやー、落ち着いたら愛しのお姉様に会えるよう新婚旅行でも行こうかなーと君に相談しようと思ってさ…』
(フンッ!引っかかってなるものですか!!)
「私には、妹しかおりませんわよ、どこかのご令嬢とお間違いになってるのでありませんか?」
『そーか、、でも旅行に行きたいのはホントだよ、2人でのんびり過ごしに行こう。貴方の故郷のエーゲ海を旅してみたいのもホントなんだ…砂は見飽きた…』
そう言いながら、メイファの頬を優しく撫でる。
「ヒャッ…」
このスキンシップにはいつまでたっても慣れない…
その度に身を硬くし、青く澄んだ瞳を見つめ返すことも出来ずにいた。
(この男は、敵だ…必ず弱点を見つけてやる…)
メイファは自分に言い聞かせるようにしていた。
だが、ケイトとしての役割がある以上、無下にするわけにもいかない。
2人は、ベランダのベンチに座り、月を眺めながら、たわいも無い話を続けた。
『祖国パナギア王国はどんな所なんだ?』
「ここほど裕福な国では無いけれど、海と空が美しく、人々も温和で素晴らしい国です。港には貿易で色々な人が出入りして…」
故郷の話になりメイファはついつい饒舌になってしまっていた。
『さぞ、海産物も美味しいのだろうな…』
そんなギムレットの呟きに…
「そうなんです…海の幸は素晴らしく美味しいですわよ…何せ新鮮ですもの!」
『……釣り場は何処がオススメなのかな?』
「そーね!パレット湾のイエロービーチが穴場なの!魚はもちろん、イカやタコだって採れるのよ!」
『竿で釣るのかい?』
「そーね!竿も面白いし、あ、エサはね、、、」
そこまで言って、メイファは黙った…。喋りすぎてしまった事に気づいたのだ。
『ハハハッ!メイファは、すぐに猫かぶりできなくなるな…ハハハッ!』
メイファは、ギムレットのツッコミにハッとした。
そして調子に乗って喋ってしまったことを後悔した…。
「むむむ…なによ…嵌めたのね!」
メイファは涙目になりながらギムレットに悪態をついた。
「ほんっと、貴方って悪評通りの策略家ね!そうやってパナギア王国もはめたんでしょ!!??」
メイファは、もう取り繕うことは出来ないと観念して立ち上がり、ギムレットに向き合った。
「そーよ!私は貴方が伴侶として望んだケイトではないわ!お転婆メイファよ。フンッ!」
ギムレットも立ち上がった。
そして興奮するメイファを抱きしめた。
「離して離して!」
メイファはジタバタしている。
『落ち着け、メイファ…』
メイファはますます悔しくなり、握りしめた両手の拳をギムレットの厚い胸にドンドンっと打ち付ける。
長身のギムレットには何の効果もない…
ギムレットは、ハハハッと笑い、両手を挙げて降参のポーズをとっている。
自分で言って悲しくなった。
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何故かその事が引っかかり、益々ギムレットにムカついた。
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なんで2人きりになると、恥ずかしくなるの…
なんで2人きりになると、楽しくなるの…
なんで触れられると、嬉しいの…
なんで嘘を突き通すことが心苦しいの…
なんで…なんで…私を選んでくれなかったの…
「もういい。バレちゃったんなら、仕方ないわ。その通り、私はメイファ。
私は貴方に嫁ぎ、貴方に復讐する女よ」
「覚悟しなさい!!!貴方に向かって、ざまぁぁぁって言ってやるんだからぁーーーーー」
大声で叫び、言い逃げるようにして自分の部屋に逃げ込んだ。
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