全力一歩!

らろぱ

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二話目

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男は目を覚ますとなんともおぞましい光景が広がっていた。

「うわぁぁ!!」
男はその場から立ち去ろうとした。

しかしものすごい力で止められた。

「人が話そうとしてるのに逃げるとはどういう神経してるんですか!?あなたは本当に社会人?」

「なんで…お前がここに…?」

女は首を傾けた。
「言ったじゃないですか死神だって…」

女が男の手を話すと腰が抜けていたからか男はその場に座り込んでしまった。

「じゃあここはどこなんだよ!
俺はどうなったんだよ!
お前はなんのために俺の前に現れたんだよ!
家族のもとには帰れるのか!」

女はため息をついた。
「質問多いですよ…まぁ全て説明しますよ」

「まず、ここは魔界です。
人が死んだ時にここに立ち寄ってから地獄か天国に行きますよ
次にあなたがどうなったかはご想像の通りですよまぁ、ここにいる時点でどうなったかはわかると思いますが…
次はなんで私があなたの前に現れたのか?ですよね?簡単に言えば人口削減です、
地球には多くの人が住んでいますよね?そして、多すぎると私たちにも影響が出てしまうので…
最後に…まぁここまで話せばわかるますよね?
あなたはもう、家族には会えません。
まぁ全員ここに来れば天国で会えますけどね、
家族の皆さんが現世で悪いことをしなければの話ですが…」

男は泣いた。
「嘘…だろ?」

「私が嘘をつくと思います?」

「嘘…って言ってくれよ…」
男は這いつくばった。

「残念ですが…それは無理です」

男は顔を上げた。
「俺がどれだけの時間費やしてここまでやってきたのか…それがあんたにわかるのか!」

「そんなこと言われても…私も仕事ですから…」
女は少し困っていた。

「…そうか!場所が悪かったんですね…こんなにも死体が転がってるところにきたら誰でも気分落ち込みますよね!
じゃあ場所を変えましょう!」

女が指パッチンをすると、別の場所に移動した。

しかし男は泣き止まなかった。

勉強をつづけ、いままで努力してきた甲斐あって会社に入り、嫁とも出会い、子宝に恵まれ、今も順風満帆に過ごしている、
男の人生においてたった10年、これを築くために費やした時間は短いけれど、男にとっては一番思い出に残るほど大変だったものだ。

それがいきなり失われた。

いつものようにあさおきて
いつものように会社に行き
いつものように会社が終わり
いつものようにたばこを吸い
いつものように歩道橋を通り
いつものように帰宅しようとすると

女が現れ、殺された。

(こんなにも酷い人生…他の誰よりも酷いと言える人生…)

「男ならシャキっとしてくださいよー」

(この女のせいで全てめちゃくちゃになった…
こいつを殺せれば俺に悔いはない、
もう…思い残すことは…なにもない…)

一瞬家族が脳裏に浮かんだが、それも振り切り
女に殴りかかった。

しかし死神に敵うわけもなく、
すぐに男を拘束し、頭を足で踏みつけた。
そして、女は男の髪を引っ張り男の耳が自分の口元に来るまで上げた。

「おい…いい加減にしろよ?私にとってはお前の人生なんかどうでも良いんだよ、第一自分の胸によーくきいてみろや、お前が何か悪さしたから、人口削減にお前が選ばれて、いまここにいるんだろうが…勘違いすんなよ?」

女は男を地面に叩きつけた。
「まぁ、今日はこれで終わりです、
半日かけて頭でも冷やしてください」

そして、女は扉から出ていった。

そして、女は出る前に一言言っていった。

「あー、あと明日もそんな感じな態度とるんでしたら…地獄行きですからー
あと…ここからは出られないですからね」

この部屋には机と椅子がおいてあり、
窓からは現世の風景が広がっていた。

男は恐る恐る座った。
いつものように人が歩いているのを見てますます寂しくなった。

「あれは…」

そこには妻と娘が買い物して家に変えるようすだった。

「あ、ああぁー…!!」
思い出すだけで涙が溢れる。

今は…ただ…家族のもとに帰りたい…
なんとか…しなければ…

翌日
この世界にも朝とか夜とかの違いがあるらしい。
そんなことはどうでもいい…

早く女が来るのを待つだけだ。

そんなことを考えているのも束の間すぐに女はきた。

「どうですか…?一晩開けたら少しはあなたも考え方が変わったんではないですか?」

男は女に土下座した。

「頼む!家族のもとに帰らせてくれ…」

女はため息をついた。
「前にも言ったじゃないですか…
あなたはもう、死んだんですよ?」

「なんでも良い…ただ人間として家族に会えたらそれで良いんだ…」

女は黙り込んだ。
「…ならひとつ良い方法がありますが?」

「…それはなんだ?」

「転生です」

(転生?)

転生なんて小説やら漫画やらアニメやらでしか聞いたことがない…ましてやそんなものあるのかと男は思った。

「あなたが人間として生まれ変わるんですよ
まぁ、現世にもどったら記憶もなにも残りませんがね…」

「…それで家族のもとに帰れるんだな?」

「運が良ければです。
転生する場所は神様がきめるので、あなたが住んでいるところよりも遠くで転生してしまったら記憶もないので会うことはほとんど不可能でしょうね…」

「何でも良いから早く転生させてくれ!」

「本気ですか!?あなたは一歩間違えれば二度と家族の方に会えませんよ!?」

男は自分のてが震えているのを知り、それを隠すためか、手を握りしめそれを見つめた。

「大丈夫…少しでも希望があるのならそれで良い…ここで何十年も待ってられるかよ!」

女は男のつよい意志を知り、承諾した。
「わかりました…では神様に報告しときます…ですが転生するには二つの条件があります。」

(二つの条件?)

「一つはあなたの前世でなにも悪いことをしていないか…まぁ、それは懺悔して少し痛い目を見ればなんとかなります…ですが、殺人とかになれば結構な苦痛です…」

男は少し動揺した。
震えている自分の足を必死に押さえつけ、話を聞いた。
「で、二つ目は?」

「…過酷な試練に挑むことです
まぁ、これは一つ目の条件がクリアされない限り教えてはならないので後に教えますね」

「わかった」

男は女に椅子を渡した。
「一つ目の条件について…いや、まずは座ってはなそうか…」

「少しはまともになられたんですね…」

女は手元にある書類を机の上においた。


「とりあえず…あなたの前世の話ですが…というよりは人口削減の選抜するときにあなたは結構人として屑なところがあるから選ばれたんですよ…?」

男は首をかしげた。
(俺が悪いことなんてしてないはず…
生まれてから親に当たることもなくDVやら虐待、パワハラとか…ましてや犯罪なんてものしたことがない俺が…屑?)
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