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幕間 貴女との約束
出逢い
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僕には、かつて、好きな人がいました。
彼女はとても遠い人でした。
彼女はとても強い人でした。
彼女はとても美しい人でした。
けれど、彼女は儚い人でした。
それでも、僕は彼女だけを愛しています。
‐‐‐‐‐‐‐
それはまだ、ブルーフィス公爵の嫡男として、やっと外へ出してもらえるようになったばかりの頃。僕が10歳になるかならないかという幼い頃の話。
陛下から呼び出された父について本宮上がり、僕は気まぐれで庭園に出ていた。そんな暇つぶしをしていたのは、まだ幼い僕には父たちのお話には混ざれなかったからだ。
そして、偶然にも彼女に出会った。
庭に降りた僕が、森を模し、木が立ち並ぶ地区に入った時。突然彼女は落ちてきたのだ。
「どいてっ!!」
そんな悲鳴のような声が聞こえて、見上げた僕の上に……。
何事か分からないながらも、思わず受け止めようとしたが、思ったよりも大きな反動のせいで草の繁る地面に僕は倒れた。
「ああ!! お怪我はありませんか!?」
衝撃に瞑った目を開けると、目の前には心配そうに覗き込むドレスを着た灰色の瞳の少女がいた。
少女といっても、当時の僕より5つ年上だった彼女は、僕の目にはずいぶんと大人に見えた。
「……」
僕が驚きに口をきけないでいると、彼女は心配そうに寝転んだままの僕をうかがった。
それに気づいて、僕はあわてて立ち上がる。
「あ、えっと……」
「お怪我はありませんか?」
僕があまりに慌てていて何も言えないでいると、心配そうに彼女が訊いてきた。
「は、はい。大丈夫です」
「それはよかった」
僕の答えを聞いて、彼女はほっとしたように微笑む。その笑顔に、僕は目を奪われた。
「ところで、どうしてこちらに? この先は王族の庭園ですのに」
「え、あ、申し訳ございません! 僕、まだ本宮慣れていなくて……」
それは嘘ではなかった。このころの僕は、やっと父上について本宮に出入りできるようになったばかりで、その森の構造までは熟知していなかった。
しかし、少女は怒ることなく、柔らかく笑って言った。
「まぁ、そうでしたの。……わたくし、セーラと申します。貴方のお名前を伺ってもよろしいかしら?」
「クラストです。クラスト・ブルーフィスと申します」
慌てて名乗った僕に、彼女は驚いたように目を見張った。
「あら、では、あなたがブルーフィス公のご子息?」
「はい」
僕は頷いて答えた。すると、彼女は考えるように首をかしげて、その灰色の瞳で僕を見た。その灰色の瞳に浮かぶ真剣な色に、僕は少し動揺した。
やがて、彼女は楽しそうに目を細めていった。
「少しお時間はあります? 一緒に、お散歩をしていただけません?」
突然の申し出に、僕は唖然として答えることができなかった。しかし、彼女は構わず僕の手を引いて歩き出したのだった。
これが、セーラと僕の出会い。
僕の手を引いたセーラは森のような庭を抜ける。やがて、噴水を中心に据えた広場のような場所に出ると、僕を誘って噴水の側のベンチに腰掛けた。
「こちらにどうぞ」
そう笑顔で自分の隣の席を指したセーラに僕は戸惑った。何故といって、目の前の少女はどう見ても王族にゆかりのある方のはず。もしくは、どこかの上位貴族や他国の姫君か。どちらにせよ、身分のある人の姫だ。そんな姫が子供とはいえ、男と二人きりになるなど、はしたないことに思えたのだ。
「あの、セーラ様……」
指摘をしようとおずおずと声をかける。すると、セーラは小首を傾げて僕を見上げた。
「あら、様はいらないわ。ただのセーラとお呼びになって」
ね?と笑顔で当然のようにそう言われると、何故か僕には抗えなかった。
「……では、セーラ」
「何かしら?」
「王宮の庭とはいえ、若い女性がお一人で出歩くのは良くないと……」
勇気を振り絞って告げると、セーラは可笑しそうに目を細めて答えた。
「まぁ、若いのにクラストは頭が固いのね。取り敢えず、お座りなさいな」
僕の言葉を軽く流して、自分の隣の席をポンポンと叩くセーラに、唖然とした。しばらく、セーラと空いているベンチを見比べていたが、その間もじっと笑顔で待っているセーラに負けて、僕はそっと腰を下ろした。その様子に、セーラは満足そうに笑顔で頷いた。
「クラストは真面目なのね」
「そんなことは……」
「真面目は良いことよ。でも、真面目過ぎるのはいただけないわ」
「そう、ですか?」
真面目が悪いことだなどと考えたことのない僕には、セーラの言葉の意味がわからない。そんな僕に、セーラは悪戯っぽい笑顔を浮かべて言った。
「だって、面白くないもの」
「……」
そんな理由で、と再び唖然とした僕を見て、セーラはその笑みを苦笑に変えた。
「クラストは、本当に真面目な子みたいね」
そんなセーラの苦笑の意味が分からず、僕は困惑した。だから、確かめるように言ったのだ。
「……僕は、将来父の跡を継いで公爵となります。公爵は他の貴族の模範となるもの。上に立つ者は、常に真面目で公平な態度であるべきだと、僕は教わりました。……セーラは違うのですか?」
その問いは、セーラの身分を確認する意味も込めていた。兄弟が居ないクラストは、今まで同年代の女の子には殆ど会ったことがない。会う女性といえば、母以外なら大抵両親の知り合いの貴婦人か、世話をしてくれる家政婦か。一応名前だけは知っている許嫁だって、まだ会ったことはない。だから、セーラのような少女が、どんな身分の子なのか、判断できなかったのだ。
そんな僕の問いに、一瞬、目を丸くしたセーラは、しかし、次の瞬間には面白いものを見るように笑みを浮かべて答えた。
「クラストは頭がいいのね。立派だわ。将来が楽しみね」
「……そうですか?」
「ええ」
笑顔で答えたセーラに、それ以上は聞けなかった。何故だが、やんわりと聞くなと拒まれた気がしたのだ。僕はそこに踏み込むことは出来なかった。
「ねぇ、クラスト」
黙り込んだ僕に、ふと思いついたようにセーラが話しかけた。
「何ですか?」
「この王宮の外の話をして」
「え?」
王宮の外、といっても、当時の僕は、ブルーフィスの屋敷と馬車で通る市街地の大通り、そして、郊外にあるブルーフィスの別邸、避暑地にある別荘の話くらいしかできなかった。その上まだ、一人で出歩かせてもらえる範囲も限られており、大体父についていく程度だった。そう僕は告げたが、セーラはそれでもいいから、と僕を促した。
「市街地にはお店がたくさんあるのでしょう?」
「そうですね。僕も馬車の中から見たことしかありませんが、大通りにはお店もたくさんあるし、屋台も多いですよ」
「屋台?」
「ええ。店として建物を持たないで、動く台車などを使って、路上で販売している人たちがいるんです」
そう話すとセーラは目を見張って、詳しく聞きたがった。僕も、実際に利用したことなんて無かった。そもそも、貴族が立ち寄るような店ではない。そう話すと、セーラは面白そうに笑った。
「それなら、一度行ってみたいわね」
「そう、ですか?」
一度もそんなことを思ったことが無かった僕は、セーラの言葉に首をかしげた。
「ええ。だって、面白そうじゃない」
「でも、人は多いし、品物だって庶民向けのものですよ」
「だからよ」
楽しそうにそう言ったセーラを僕は理解できていなかったが、セーラは構わず先を促した。促されるままに、僕は、街のこと、屋敷のこと、郊外の森のこと、別荘のそばにある湖の話や、森で見つけた動物、父が獲ってきた動物のことを、セーラの気が済むまで話した。
なんにでも興味を持って聞くセーラに話すのはとても楽しかった。しかし、楽しい時間は過ぎるのも早い。気がつくと、日が暮れ始めていた。
「いけない、戻らないと……」
あわてて立ち上がった僕に、セーラも頷いて笑った。
「なら、またいらして?」
「え?」
「この噴水の広場で待っているから」
「でも、僕は時々父上に付いてきているだけで……」
いつ来れるか分からないし、確実に来れるかわからない。そう告げる僕に、セーラも頷いていった。
「来れるときだけでいいわ。そして、お話の続きを聞かせて頂戴」
その淡い笑みに、僕は断れなかった。また、この噴水の広場へやってくることを約束すると、急いで父の待つ建物に向かった。
彼女はとても遠い人でした。
彼女はとても強い人でした。
彼女はとても美しい人でした。
けれど、彼女は儚い人でした。
それでも、僕は彼女だけを愛しています。
‐‐‐‐‐‐‐
それはまだ、ブルーフィス公爵の嫡男として、やっと外へ出してもらえるようになったばかりの頃。僕が10歳になるかならないかという幼い頃の話。
陛下から呼び出された父について本宮上がり、僕は気まぐれで庭園に出ていた。そんな暇つぶしをしていたのは、まだ幼い僕には父たちのお話には混ざれなかったからだ。
そして、偶然にも彼女に出会った。
庭に降りた僕が、森を模し、木が立ち並ぶ地区に入った時。突然彼女は落ちてきたのだ。
「どいてっ!!」
そんな悲鳴のような声が聞こえて、見上げた僕の上に……。
何事か分からないながらも、思わず受け止めようとしたが、思ったよりも大きな反動のせいで草の繁る地面に僕は倒れた。
「ああ!! お怪我はありませんか!?」
衝撃に瞑った目を開けると、目の前には心配そうに覗き込むドレスを着た灰色の瞳の少女がいた。
少女といっても、当時の僕より5つ年上だった彼女は、僕の目にはずいぶんと大人に見えた。
「……」
僕が驚きに口をきけないでいると、彼女は心配そうに寝転んだままの僕をうかがった。
それに気づいて、僕はあわてて立ち上がる。
「あ、えっと……」
「お怪我はありませんか?」
僕があまりに慌てていて何も言えないでいると、心配そうに彼女が訊いてきた。
「は、はい。大丈夫です」
「それはよかった」
僕の答えを聞いて、彼女はほっとしたように微笑む。その笑顔に、僕は目を奪われた。
「ところで、どうしてこちらに? この先は王族の庭園ですのに」
「え、あ、申し訳ございません! 僕、まだ本宮慣れていなくて……」
それは嘘ではなかった。このころの僕は、やっと父上について本宮に出入りできるようになったばかりで、その森の構造までは熟知していなかった。
しかし、少女は怒ることなく、柔らかく笑って言った。
「まぁ、そうでしたの。……わたくし、セーラと申します。貴方のお名前を伺ってもよろしいかしら?」
「クラストです。クラスト・ブルーフィスと申します」
慌てて名乗った僕に、彼女は驚いたように目を見張った。
「あら、では、あなたがブルーフィス公のご子息?」
「はい」
僕は頷いて答えた。すると、彼女は考えるように首をかしげて、その灰色の瞳で僕を見た。その灰色の瞳に浮かぶ真剣な色に、僕は少し動揺した。
やがて、彼女は楽しそうに目を細めていった。
「少しお時間はあります? 一緒に、お散歩をしていただけません?」
突然の申し出に、僕は唖然として答えることができなかった。しかし、彼女は構わず僕の手を引いて歩き出したのだった。
これが、セーラと僕の出会い。
僕の手を引いたセーラは森のような庭を抜ける。やがて、噴水を中心に据えた広場のような場所に出ると、僕を誘って噴水の側のベンチに腰掛けた。
「こちらにどうぞ」
そう笑顔で自分の隣の席を指したセーラに僕は戸惑った。何故といって、目の前の少女はどう見ても王族にゆかりのある方のはず。もしくは、どこかの上位貴族や他国の姫君か。どちらにせよ、身分のある人の姫だ。そんな姫が子供とはいえ、男と二人きりになるなど、はしたないことに思えたのだ。
「あの、セーラ様……」
指摘をしようとおずおずと声をかける。すると、セーラは小首を傾げて僕を見上げた。
「あら、様はいらないわ。ただのセーラとお呼びになって」
ね?と笑顔で当然のようにそう言われると、何故か僕には抗えなかった。
「……では、セーラ」
「何かしら?」
「王宮の庭とはいえ、若い女性がお一人で出歩くのは良くないと……」
勇気を振り絞って告げると、セーラは可笑しそうに目を細めて答えた。
「まぁ、若いのにクラストは頭が固いのね。取り敢えず、お座りなさいな」
僕の言葉を軽く流して、自分の隣の席をポンポンと叩くセーラに、唖然とした。しばらく、セーラと空いているベンチを見比べていたが、その間もじっと笑顔で待っているセーラに負けて、僕はそっと腰を下ろした。その様子に、セーラは満足そうに笑顔で頷いた。
「クラストは真面目なのね」
「そんなことは……」
「真面目は良いことよ。でも、真面目過ぎるのはいただけないわ」
「そう、ですか?」
真面目が悪いことだなどと考えたことのない僕には、セーラの言葉の意味がわからない。そんな僕に、セーラは悪戯っぽい笑顔を浮かべて言った。
「だって、面白くないもの」
「……」
そんな理由で、と再び唖然とした僕を見て、セーラはその笑みを苦笑に変えた。
「クラストは、本当に真面目な子みたいね」
そんなセーラの苦笑の意味が分からず、僕は困惑した。だから、確かめるように言ったのだ。
「……僕は、将来父の跡を継いで公爵となります。公爵は他の貴族の模範となるもの。上に立つ者は、常に真面目で公平な態度であるべきだと、僕は教わりました。……セーラは違うのですか?」
その問いは、セーラの身分を確認する意味も込めていた。兄弟が居ないクラストは、今まで同年代の女の子には殆ど会ったことがない。会う女性といえば、母以外なら大抵両親の知り合いの貴婦人か、世話をしてくれる家政婦か。一応名前だけは知っている許嫁だって、まだ会ったことはない。だから、セーラのような少女が、どんな身分の子なのか、判断できなかったのだ。
そんな僕の問いに、一瞬、目を丸くしたセーラは、しかし、次の瞬間には面白いものを見るように笑みを浮かべて答えた。
「クラストは頭がいいのね。立派だわ。将来が楽しみね」
「……そうですか?」
「ええ」
笑顔で答えたセーラに、それ以上は聞けなかった。何故だが、やんわりと聞くなと拒まれた気がしたのだ。僕はそこに踏み込むことは出来なかった。
「ねぇ、クラスト」
黙り込んだ僕に、ふと思いついたようにセーラが話しかけた。
「何ですか?」
「この王宮の外の話をして」
「え?」
王宮の外、といっても、当時の僕は、ブルーフィスの屋敷と馬車で通る市街地の大通り、そして、郊外にあるブルーフィスの別邸、避暑地にある別荘の話くらいしかできなかった。その上まだ、一人で出歩かせてもらえる範囲も限られており、大体父についていく程度だった。そう僕は告げたが、セーラはそれでもいいから、と僕を促した。
「市街地にはお店がたくさんあるのでしょう?」
「そうですね。僕も馬車の中から見たことしかありませんが、大通りにはお店もたくさんあるし、屋台も多いですよ」
「屋台?」
「ええ。店として建物を持たないで、動く台車などを使って、路上で販売している人たちがいるんです」
そう話すとセーラは目を見張って、詳しく聞きたがった。僕も、実際に利用したことなんて無かった。そもそも、貴族が立ち寄るような店ではない。そう話すと、セーラは面白そうに笑った。
「それなら、一度行ってみたいわね」
「そう、ですか?」
一度もそんなことを思ったことが無かった僕は、セーラの言葉に首をかしげた。
「ええ。だって、面白そうじゃない」
「でも、人は多いし、品物だって庶民向けのものですよ」
「だからよ」
楽しそうにそう言ったセーラを僕は理解できていなかったが、セーラは構わず先を促した。促されるままに、僕は、街のこと、屋敷のこと、郊外の森のこと、別荘のそばにある湖の話や、森で見つけた動物、父が獲ってきた動物のことを、セーラの気が済むまで話した。
なんにでも興味を持って聞くセーラに話すのはとても楽しかった。しかし、楽しい時間は過ぎるのも早い。気がつくと、日が暮れ始めていた。
「いけない、戻らないと……」
あわてて立ち上がった僕に、セーラも頷いて笑った。
「なら、またいらして?」
「え?」
「この噴水の広場で待っているから」
「でも、僕は時々父上に付いてきているだけで……」
いつ来れるか分からないし、確実に来れるかわからない。そう告げる僕に、セーラも頷いていった。
「来れるときだけでいいわ。そして、お話の続きを聞かせて頂戴」
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