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第五章その7 ~その柱待った!~ 魔族のスパイ撃退編
勇者様にあらせられるぞ!
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ほどなく誠達は、全神連・東国本部の正門に辿り着いた。
巨大な鳥居に両開きの板唐戸がはめ込まれ、その左右に高い塀が連なっている。
端々の形状は少し違うが、三輪鳥居のつくりとよく似ていた。
「黒鷹様、こちらへ!」
空間転移で辿り着いた途端、鳳は素早く門に駆け寄っていく。
誠も慌てて後を追うが、そこで数人の門番が立ちはだかった。
それぞれ白い面を付け、神職の衣裳を纏う彼らは、白木の棒を携えていた。棒はうっすら青い光を帯び、誠達を威嚇している。
「……これは西国本部の鳳殿。何用でございますか?」
面で表情が見えないが、その語気は冷たく鋭い。
「黒鷹様にご説明すべき事があるため、中の資料をお借りします」
そのまま通り過ぎようとする鳳だったが、門番は互いの棒を組み合わせて行く手を阻んだ。
「正気でしょうか? 部外者に我らの機密を漏らすとは」
だがそこで鳳が叫んだ。
「部外者とは何たる事か! 八百万の神が勅命で、魔王を討ち倒した勇者様にあらせられるぞ!」
「ぐっ……!」
後ずさる相手に追い討ちをかけるように、鳳は続ける。
「佐久夜姫様から許可をいただいております! お下がりなさい!」
「………………」
門番達はしばし無言だったが、やがて左右に別れて道を譲った。
扉は独りでに開け放たれ……そこからうっすらと青白い光があふれてきた。
以前訪れた時と明らかに違う。
敷地内の建物全体が、強大な霊気を帯びて輝き始めているのだ。
鳳は厳しい表情で言った。
「時間がありません。急ぎましょう……!」
巨大な鳥居に両開きの板唐戸がはめ込まれ、その左右に高い塀が連なっている。
端々の形状は少し違うが、三輪鳥居のつくりとよく似ていた。
「黒鷹様、こちらへ!」
空間転移で辿り着いた途端、鳳は素早く門に駆け寄っていく。
誠も慌てて後を追うが、そこで数人の門番が立ちはだかった。
それぞれ白い面を付け、神職の衣裳を纏う彼らは、白木の棒を携えていた。棒はうっすら青い光を帯び、誠達を威嚇している。
「……これは西国本部の鳳殿。何用でございますか?」
面で表情が見えないが、その語気は冷たく鋭い。
「黒鷹様にご説明すべき事があるため、中の資料をお借りします」
そのまま通り過ぎようとする鳳だったが、門番は互いの棒を組み合わせて行く手を阻んだ。
「正気でしょうか? 部外者に我らの機密を漏らすとは」
だがそこで鳳が叫んだ。
「部外者とは何たる事か! 八百万の神が勅命で、魔王を討ち倒した勇者様にあらせられるぞ!」
「ぐっ……!」
後ずさる相手に追い討ちをかけるように、鳳は続ける。
「佐久夜姫様から許可をいただいております! お下がりなさい!」
「………………」
門番達はしばし無言だったが、やがて左右に別れて道を譲った。
扉は独りでに開け放たれ……そこからうっすらと青白い光があふれてきた。
以前訪れた時と明らかに違う。
敷地内の建物全体が、強大な霊気を帯びて輝き始めているのだ。
鳳は厳しい表情で言った。
「時間がありません。急ぎましょう……!」
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