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第五章その7 ~その柱待った!~ 魔族のスパイ撃退編
正体は魔族だ!
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すぐに辿り着いたのは、ひときわ奥まった一室だった。
誠達が駆け込むと、青い光で描かれた東国本部の建築群が、空中に模型のように浮かんでいる。
建物はもちろん平屋ではないのだが、ほとんど階段が見当たらない。
代わりにあちこち光の円が……つまり魔法陣が描かれており、そこに乗って各階を移動する仕組みだろう。
「東国本部は恐ろしく巨大で、行き来には空間転移の魔法陣を使います。そして御柱方も、例外なく魔法陣を使い移動しています」
鳳は忙しく光の模型を操作し、柱を作る作業場を拡大した。
「柱そのものが大きいので、反対側に行くだけで大仕事です。そのため……」
「ごっ、ごめんなさい、その作業場の魔法陣をいじれば、神雷の階につなげられるって事ですね?」
「仰るとおりです、本当にご理解が早い……!」
多分お世辞だろうが、鳳はそう言って頷いてくれる。
「通常私達は、魔族の発する気を察して正体を見分けますが、神雷はあらゆる方法で魔の存在を嗅ぎ分けます。私達では気付かない敵の擬態も、見破れるかもしれません」
鳳はそう言いながらも、光の模型を操る手は止めない。魔法陣の設定を捻じ曲げ、転移実験の準備をしているのだろう。
「はじめに、御柱方でない者を飛ばしてみましょう」
鳳の言葉とほぼ同時に、別の場所を移動していた全神連の職員が、突然神雷エリアへ飛ばされてしまった。
職員は周囲を見回して驚いているが、神雷は特に反応しなかった。
「やはり、普通の人間では反応しませんね」
次は御柱方を転移させる番だ。
彼らの1人が魔法陣に踏み込む直前、鳳は素早く行き先を切り替える。
先ほどの職員同様、神雷のある最下層へと飛ばされ……次の瞬間だった。
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
凄まじい振動が、建物全体を揺さぶった。
地の底から湧き上がる揺れは、紛れも無く神雷から発生したものだ。
映像を拡大すると、神雷は激しく放電しながら蠢いていた。
先ほどまで噴出していた雷の龍とはサイズの違う、巨大な龍の頭が玉の中から湧き上がると、赤く輝く目で御柱方を睨んだのだ。
牙をむき出し、轟くような声で唸る神雷に、御柱方はうろたえている。
「間違いない、魔族だ!」
「急がなければ! もう始まってしまいます!」
誠達は通路へ飛び出した。
そのまま回廊を駆け抜け、転移のための魔法陣に飛び込む。
周囲に無数の光が流れるような光景の中、鳳は言った。
「行き先をいじっておきました、すぐ中央に繋がるはずです」
だがしかし、唐突に強い衝撃が走ると、光の道は掻き消えたのだ。
「っっっ!?」
誠達は通路に落下したが、そこで男の声が響き渡った。
「こそこそと何をしているのだ、鳳家の末裔よ……!」
立ち塞がる3人は、静かにこちらを見据えている。
「……懲罰方、それも幹部級ですか。配下が出払っていると考えれば、自然な成り行きですが」
鳳は手にした太刀を握り締め、緊張した面持ちで呟いた。
懲罰方。誠もその名に覚えがある。
罪を犯した人々を、地の果てまでも追い詰めて呪殺する部隊である。
誠達が駆け込むと、青い光で描かれた東国本部の建築群が、空中に模型のように浮かんでいる。
建物はもちろん平屋ではないのだが、ほとんど階段が見当たらない。
代わりにあちこち光の円が……つまり魔法陣が描かれており、そこに乗って各階を移動する仕組みだろう。
「東国本部は恐ろしく巨大で、行き来には空間転移の魔法陣を使います。そして御柱方も、例外なく魔法陣を使い移動しています」
鳳は忙しく光の模型を操作し、柱を作る作業場を拡大した。
「柱そのものが大きいので、反対側に行くだけで大仕事です。そのため……」
「ごっ、ごめんなさい、その作業場の魔法陣をいじれば、神雷の階につなげられるって事ですね?」
「仰るとおりです、本当にご理解が早い……!」
多分お世辞だろうが、鳳はそう言って頷いてくれる。
「通常私達は、魔族の発する気を察して正体を見分けますが、神雷はあらゆる方法で魔の存在を嗅ぎ分けます。私達では気付かない敵の擬態も、見破れるかもしれません」
鳳はそう言いながらも、光の模型を操る手は止めない。魔法陣の設定を捻じ曲げ、転移実験の準備をしているのだろう。
「はじめに、御柱方でない者を飛ばしてみましょう」
鳳の言葉とほぼ同時に、別の場所を移動していた全神連の職員が、突然神雷エリアへ飛ばされてしまった。
職員は周囲を見回して驚いているが、神雷は特に反応しなかった。
「やはり、普通の人間では反応しませんね」
次は御柱方を転移させる番だ。
彼らの1人が魔法陣に踏み込む直前、鳳は素早く行き先を切り替える。
先ほどの職員同様、神雷のある最下層へと飛ばされ……次の瞬間だった。
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
凄まじい振動が、建物全体を揺さぶった。
地の底から湧き上がる揺れは、紛れも無く神雷から発生したものだ。
映像を拡大すると、神雷は激しく放電しながら蠢いていた。
先ほどまで噴出していた雷の龍とはサイズの違う、巨大な龍の頭が玉の中から湧き上がると、赤く輝く目で御柱方を睨んだのだ。
牙をむき出し、轟くような声で唸る神雷に、御柱方はうろたえている。
「間違いない、魔族だ!」
「急がなければ! もう始まってしまいます!」
誠達は通路へ飛び出した。
そのまま回廊を駆け抜け、転移のための魔法陣に飛び込む。
周囲に無数の光が流れるような光景の中、鳳は言った。
「行き先をいじっておきました、すぐ中央に繋がるはずです」
だがしかし、唐突に強い衝撃が走ると、光の道は掻き消えたのだ。
「っっっ!?」
誠達は通路に落下したが、そこで男の声が響き渡った。
「こそこそと何をしているのだ、鳳家の末裔よ……!」
立ち塞がる3人は、静かにこちらを見据えている。
「……懲罰方、それも幹部級ですか。配下が出払っていると考えれば、自然な成り行きですが」
鳳は手にした太刀を握り締め、緊張した面持ちで呟いた。
懲罰方。誠もその名に覚えがある。
罪を犯した人々を、地の果てまでも追い詰めて呪殺する部隊である。
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