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第六章その5 ~恐怖の助っ人!?~ ディアヌスとの再会編
エロエロなヤツを貸してやろう
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一言で言えば、異様過ぎる光景だった。
人々の最後の希望たる北海道・渡島半島避難区を、かつて魔王と呼ばれた存在が闊歩しているのだ。
もちろんそのまま歩くと大騒ぎになるので、周囲に白い布を張り、宙に浮かんだ神使達がそれを持つ事でカバーしている。
……が、どうやっても誤魔化しきれない迫力というのか、絶対的強者が故の圧迫感というのか……そういうものが漏れるのだろう。
魔王が足を踏み出す度に、人々は怯えるように固まったし、ライトの加減で布が透けると、見てはいけないものを見たかのように冷や汗を流した。
ディアヌスの前後左右には、誠達や船団長、警護の兵が付き添っていたが、それぞれかなり複雑な表情をしていた。
唯一鶴だけは、やる気満々でディアヌスの前を歩いている。
「えっやだ、何あれ、なんか透けてる……!?」
「でかい、でかいよ……絶対人間じゃないよ」
女性兵士達が怯えるのを見て、誠は幕の中に潜り込んだ。
「すっすみません、もうちょっと小さくなれませんかね。流石に騒ぎになっちゃうんで、なるべくならもっと小さく……」
誠が嘆願すると、ディアヌスはじろりとこちらを睨んだ。
「ごちゃごちゃと五月蝿い奴だ」
それでもディアヌスは光に包まれ、半分ほどにその背丈を縮めてくれた。
先程まで4メートル近かった体躯は、今は2メートル強。東海出身のパイロット・清水こころぐらいの大きさである。
誠は胸を撫で下ろした。これなら少しは騒ぎにならずに済むだろう。
やがて一同は、格納庫まで辿り着いた。
凄まじく巨大な建屋であり、中では幾多の人型重機を並べ、まとめて整備が行われていた。
そして件の震天は、その最奥部に立っていたのだ。
身の丈およそ100メートル。
頑強な、しかし機動性を損なわぬ全身の装甲。
兜のような頭部には、社の千木に似たV字アンテナが備わり、腰には巨大な太刀を備えている。
この国の知恵と勇気を結集した機体であり、あの日絶対的な強さを誇ったディアヌスと対峙し、見事討ち果たした鋼鉄の武士である。
震天のそばには無数の技術者がおり、白衣でボサボサ頭の中年男性が指揮をとっていた。第3船団の誇るマッドサイエンティスト……もとい、技術主任の筑波氏だ。
彼はこちらを見ると、遠慮なく歩み寄ってきた。
「おっ伊能、みんなも元気か?」
設備が充実しているせいか、筑波はかなり上機嫌である。
「いやあ、ほんとに凄いぞ第1船団は。まさかこの震天を立った状態で整備できるなんてなあ。これなら全身の神経調整だってすぐ出来る。見てろよ、いつまでも負けてられるかってんだ」
「お、おう……そうか。そりゃあ……良かったぜ」
第3船団の船団長たる伊能は、気まずさ全開でボルサリーノ帽を目深にかぶり直した。
「そりゃあ良かったが……筑波よ。ちょっと頼みがあるんだが」
「おう、俺とお前の仲じゃないか。何だ、納豆でも食いたくなったのか?」
肩を組んで笑う筑波に、伊能は言い辛そうに続けた。
「い、いや……そのな。言いにくい……非常に言いにくいんだが……ちょっと借りたいんだよ」
「借りる? もしかしてあっちの方か? しゃーない、この俺が混乱の前から秘蔵していたエロエロなヤツを貸してやろう」
傍らで真っ赤になって震える女性パイロット・龍恋をよそに、筑波はなおも上機嫌だったのだが……
人々の最後の希望たる北海道・渡島半島避難区を、かつて魔王と呼ばれた存在が闊歩しているのだ。
もちろんそのまま歩くと大騒ぎになるので、周囲に白い布を張り、宙に浮かんだ神使達がそれを持つ事でカバーしている。
……が、どうやっても誤魔化しきれない迫力というのか、絶対的強者が故の圧迫感というのか……そういうものが漏れるのだろう。
魔王が足を踏み出す度に、人々は怯えるように固まったし、ライトの加減で布が透けると、見てはいけないものを見たかのように冷や汗を流した。
ディアヌスの前後左右には、誠達や船団長、警護の兵が付き添っていたが、それぞれかなり複雑な表情をしていた。
唯一鶴だけは、やる気満々でディアヌスの前を歩いている。
「えっやだ、何あれ、なんか透けてる……!?」
「でかい、でかいよ……絶対人間じゃないよ」
女性兵士達が怯えるのを見て、誠は幕の中に潜り込んだ。
「すっすみません、もうちょっと小さくなれませんかね。流石に騒ぎになっちゃうんで、なるべくならもっと小さく……」
誠が嘆願すると、ディアヌスはじろりとこちらを睨んだ。
「ごちゃごちゃと五月蝿い奴だ」
それでもディアヌスは光に包まれ、半分ほどにその背丈を縮めてくれた。
先程まで4メートル近かった体躯は、今は2メートル強。東海出身のパイロット・清水こころぐらいの大きさである。
誠は胸を撫で下ろした。これなら少しは騒ぎにならずに済むだろう。
やがて一同は、格納庫まで辿り着いた。
凄まじく巨大な建屋であり、中では幾多の人型重機を並べ、まとめて整備が行われていた。
そして件の震天は、その最奥部に立っていたのだ。
身の丈およそ100メートル。
頑強な、しかし機動性を損なわぬ全身の装甲。
兜のような頭部には、社の千木に似たV字アンテナが備わり、腰には巨大な太刀を備えている。
この国の知恵と勇気を結集した機体であり、あの日絶対的な強さを誇ったディアヌスと対峙し、見事討ち果たした鋼鉄の武士である。
震天のそばには無数の技術者がおり、白衣でボサボサ頭の中年男性が指揮をとっていた。第3船団の誇るマッドサイエンティスト……もとい、技術主任の筑波氏だ。
彼はこちらを見ると、遠慮なく歩み寄ってきた。
「おっ伊能、みんなも元気か?」
設備が充実しているせいか、筑波はかなり上機嫌である。
「いやあ、ほんとに凄いぞ第1船団は。まさかこの震天を立った状態で整備できるなんてなあ。これなら全身の神経調整だってすぐ出来る。見てろよ、いつまでも負けてられるかってんだ」
「お、おう……そうか。そりゃあ……良かったぜ」
第3船団の船団長たる伊能は、気まずさ全開でボルサリーノ帽を目深にかぶり直した。
「そりゃあ良かったが……筑波よ。ちょっと頼みがあるんだが」
「おう、俺とお前の仲じゃないか。何だ、納豆でも食いたくなったのか?」
肩を組んで笑う筑波に、伊能は言い辛そうに続けた。
「い、いや……そのな。言いにくい……非常に言いにくいんだが……ちょっと借りたいんだよ」
「借りる? もしかしてあっちの方か? しゃーない、この俺が混乱の前から秘蔵していたエロエロなヤツを貸してやろう」
傍らで真っ赤になって震える女性パイロット・龍恋をよそに、筑波はなおも上機嫌だったのだが……
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