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第六章その10 ~決戦開始よ!~ 作戦名・日はまた昇る編
天(あま)下る勇気の刃
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ディアヌスから直接送られてくる映像を確認しながら、誠は機体を急上昇させていた。
千里眼の放つ射撃は、味方の航空戦艦を容赦なく襲っている。
先頭のディアヌスがうまく弾いているものの、そう長くは持ち堪えられないだろう。
勝利のカギは誠と鶴に……そしてこの白い人型重機・心神にかかっているのだ。
既に機体は上空の暗雲に突入しており、周囲には激しい稲光が閃いていた。
気流も乱れ、飛行しにくいのは当然だったが、それでも雲に飛び込んだのには意味がある。
(千里眼の必中能力は見える範囲。だったら水平じゃなく、雲のある真上から狙う……!)
邪神どもの城は高台に位置しており、千里眼の視界も良好だった。
……しかしその一方で、この地を覆う暗雲の高度はそう高くない。だから上から狙うのだ。
ここなら千里眼に『見られずに』、水平方向より近付けるからだ。
ディアヌスが派手な攻撃を繰り返し、一時的に館の周囲を粉塵で包んだのも、上空に飛び立つ誠達を千里眼の目から隠すためだった。
十分に高度を確保すると、誠は機体を下降に転じさせる。
どんどん速く加速する様は、落下というより『全力で真下に飛ぶ』と言った方が正しい。
それはかつて能登半島の戦いで、誠達がとったのと同じ戦法だった。
あの時はディアヌスの分霊を屠るために降下したのに、今はそのディアヌスと共闘しているのだから……本当に未来は分からないものだ。
(見えたっ……!!!)
暗雲を突き抜けた瞬間、千里眼の姿が視認出来た。
館の上空に浮かび、以前よりかなり巨大化している。
そして千里眼は、瞬時に顔を上げてこちらを見た。雲を突き抜け、わずかコンマ数秒程度……この短時間に察知されてしまったのだ。
でも誠はうろたえなかった。当然だ、相手はそういう邪神なのだ。
邪神は矢をつがえ、こちらに向けて構えた。
やがて放たれた光の矢は、凄まじい速度で迫ってきた。
誠は予定通り、機体を斜め左に回避させようとする。
もちろん邪神の放った矢は、弧を描いて即座に軌道を修正していた。
このままでは間違いなく当たる……!
だがその時、邪神の周囲を覆う光にノイズが走り、鶴が叫んだ。
「黒鷹っ、行くわよっ!!!」
「了解っ!!!」
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
刹那、機体に激しい衝撃が走った。
矢が命中したわけじゃない。鶴が霊力で発生させた力場が、機体を反対側に押し戻したのだ。
邪神の矢は機体の傍をすり抜け、暗雲を突き破っていく。
『今だ、やれ小僧っっっ!!!』
脳内にディアヌスの声が聞こえると、機体の出力が一気に上がった。神であるディアヌスの力を大量に流し込まれたのだ。
機体の刀を構え、誠は全速力で千里眼に近付く。
絶対必中のはずの射撃を外し、相手は少なからず動揺していた。二の矢を構えるのが遅れ、表情にも余裕が無い。
「おおおおおおおおっっっ!!!!!!」
次の瞬間、誠は雄叫びと共に千里眼に迫り、すれ違い様に一閃していた。
ディアヌスの力を宿す機体の刀が、千里眼の鎧ごと叩き切ったのだ。
遠距離戦なら遅れをとっても、近距離の攻撃力なら、ディアヌスが圧倒的に上なのだ。
『良くやった小僧っ、そしてざまは無い、千里眼よ!!!』
ディアヌスの歓喜の叫びが脳内に聞こえた。
弓を手放し、落下していく千里眼。
これにより、邪神どもの館を守る射手は打ち倒された。
そしてそれこそが、この戦いの総力戦の合図だったのだ。
千里眼の放つ射撃は、味方の航空戦艦を容赦なく襲っている。
先頭のディアヌスがうまく弾いているものの、そう長くは持ち堪えられないだろう。
勝利のカギは誠と鶴に……そしてこの白い人型重機・心神にかかっているのだ。
既に機体は上空の暗雲に突入しており、周囲には激しい稲光が閃いていた。
気流も乱れ、飛行しにくいのは当然だったが、それでも雲に飛び込んだのには意味がある。
(千里眼の必中能力は見える範囲。だったら水平じゃなく、雲のある真上から狙う……!)
邪神どもの城は高台に位置しており、千里眼の視界も良好だった。
……しかしその一方で、この地を覆う暗雲の高度はそう高くない。だから上から狙うのだ。
ここなら千里眼に『見られずに』、水平方向より近付けるからだ。
ディアヌスが派手な攻撃を繰り返し、一時的に館の周囲を粉塵で包んだのも、上空に飛び立つ誠達を千里眼の目から隠すためだった。
十分に高度を確保すると、誠は機体を下降に転じさせる。
どんどん速く加速する様は、落下というより『全力で真下に飛ぶ』と言った方が正しい。
それはかつて能登半島の戦いで、誠達がとったのと同じ戦法だった。
あの時はディアヌスの分霊を屠るために降下したのに、今はそのディアヌスと共闘しているのだから……本当に未来は分からないものだ。
(見えたっ……!!!)
暗雲を突き抜けた瞬間、千里眼の姿が視認出来た。
館の上空に浮かび、以前よりかなり巨大化している。
そして千里眼は、瞬時に顔を上げてこちらを見た。雲を突き抜け、わずかコンマ数秒程度……この短時間に察知されてしまったのだ。
でも誠はうろたえなかった。当然だ、相手はそういう邪神なのだ。
邪神は矢をつがえ、こちらに向けて構えた。
やがて放たれた光の矢は、凄まじい速度で迫ってきた。
誠は予定通り、機体を斜め左に回避させようとする。
もちろん邪神の放った矢は、弧を描いて即座に軌道を修正していた。
このままでは間違いなく当たる……!
だがその時、邪神の周囲を覆う光にノイズが走り、鶴が叫んだ。
「黒鷹っ、行くわよっ!!!」
「了解っ!!!」
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
刹那、機体に激しい衝撃が走った。
矢が命中したわけじゃない。鶴が霊力で発生させた力場が、機体を反対側に押し戻したのだ。
邪神の矢は機体の傍をすり抜け、暗雲を突き破っていく。
『今だ、やれ小僧っっっ!!!』
脳内にディアヌスの声が聞こえると、機体の出力が一気に上がった。神であるディアヌスの力を大量に流し込まれたのだ。
機体の刀を構え、誠は全速力で千里眼に近付く。
絶対必中のはずの射撃を外し、相手は少なからず動揺していた。二の矢を構えるのが遅れ、表情にも余裕が無い。
「おおおおおおおおっっっ!!!!!!」
次の瞬間、誠は雄叫びと共に千里眼に迫り、すれ違い様に一閃していた。
ディアヌスの力を宿す機体の刀が、千里眼の鎧ごと叩き切ったのだ。
遠距離戦なら遅れをとっても、近距離の攻撃力なら、ディアヌスが圧倒的に上なのだ。
『良くやった小僧っ、そしてざまは無い、千里眼よ!!!』
ディアヌスの歓喜の叫びが脳内に聞こえた。
弓を手放し、落下していく千里眼。
これにより、邪神どもの館を守る射手は打ち倒された。
そしてそれこそが、この戦いの総力戦の合図だったのだ。
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