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 リザが立ち去りしばらく歩くと。

「もうすぐよ。巫杜」
 料理の香りがしてきたのが、わかった。
「ここで食事ができるわ。お店は他にもあるけど、近いから朝は殆どここよ」


 煉瓦造りの赤い建物の中に入った。
(へぇ! 人間と仲のいい動物こんなにいたのね!
キツネにリス。あ! ちっちゃくて可愛い! あれはハムスターかな?
あっちは何かな?)

「巫杜! 入り口でキョロキョロ何してるの! 後ろの人が迷惑してるでしょ!」

 私は振り返り、すぐに頭を下げた。「え! あ! ごめんなさい」
(あれ? 入口って大人2人は並んで入れるくらい大きかったよね?)

 私は頭を下げたまま目を開けた。
(わ! 足おっきい! どんな耳かな?)私は気になり、頭を上げた!
(あ! ゾウだ! 優しそうな感じだなぁ)

 象耳の女性は優しく話した。
「いいのよ別に、私気にしてないから」「ありがとうございます」

「それよりマリア。この子他の世界からきた子でしょ!
もっと優しくしてあげなさいよ!
キョロキョロするのなんて当たり前でしょ。
全部が目新しくて仕方がないのよ。あなた私の性格知ってるでしょ!
私は気にしないんだから、ゆっくり見させてあげなさい! 私だってこの国にはじめ」

 私が優しいゾウなんだなぁと。
思いながら聞いていると。

マリアの咳払いが聞こえた!
「ゴホン! パティー、あなたが優しいことは、よおーーく知ってるわ」
「だったら何よ! 人の話まで途中でとめて!」
「パティーの国に来た話は、長いからよ」「失礼ね! 普通よ」

 マリアは右手人差し指で入口を指して。
「で、本題よ。私が巫杜に言ったのは、
パティーが巫杜に気を使い、入り口で立ち止まった事により。
入れなくなった人たちのことよ!!!
つまり! 本当の原因は、あなたよパティー!」
「わたしの、後ろ? あら本当! 皆ごめんなさいね」

 私はパティーと一緒に謝った。
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