龍神の巫女。

月城 瑠衣

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9話。

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わしは少し不安だった。
あの3人が出所後また瑞希を襲うんじゃないじゃろうか?
龍也と辰樹に頼んだがそれでも襲われた時わしは何もしてやれん。
神だからと言って万能なわけじゃないからのう。
どうしたらいいものか?
瑞希から聞いた時から今も考えている所なんじゃがどうも警護を強固にするしか思いつかん。
相談しようにもわしは神じゃ神が人に相談する訳にも面子が立たんしどうすればいいものか。

わしがうろたえても仕方ないまた瑞希の他愛も無い話を聞こうかのう。

あたしが3人の話をしてから龍神様の顔付きが変わった気がする。
外にいる時は特に一段と険しくなって辺りを見渡すようになった。

おゆうやお父様に相談したら龍神様はあたしが小さい時に居なくなった時も顔付きが変わったとお父様が教えてくれた。
だから出来るだけ気にしないようにしようと決めた。

龍神様が心配性なのが分かったしあたしが元気でいることが1番の孝行だと思うから。

僕達は姫の警護を強化にしあらゆるところからの攻撃を防ごうと小さい頃よりやっていた格闘技の練習を開始し念には念を入れて警護をしていった。

龍也と辰樹は熱心に何かをやっているみたいだけどあたしに関係しているのだろう。
じゃないとあの2人は動かない。
あたしはおゆうに
「あたしも何かした方がいいかな?」って聞いてみた。
おゆうは「姫様は何もしなくて大丈夫です。」と言われたがいても立っても居られない。

あたしはもうすぐ成人を迎える。
あたしの家の神社では成人になれば正式に巫女になれる。
結婚も出来るようになる。

結婚相手は神主であるお父様が決める。
あたしとの相性とかも考慮して。
それまでは自分の事は自分で何とかしなきゃ。
成人してからの巫女は務まらない予感がする。
あたしの予感は小さい頃から当たるから怖いと思う事もあるけどいい事の予感も当たるからいい方の予感をずっと感じていたいと心から思ってる。

3人の件は何かが起こる悪い予感と何事も無いいい予感の両方が存在している。
対策は立てとかないと。
悪い予感が当たらない事を想像しつつ日々の暮らしを穏やかに過ごせたら良いと心の中で呟いきながら龍也と辰樹の行動を見ている。

どうやら2人は武道の練習中らしい。
あたしは見ながらやり方を覚えようと凝視していた。
すると2人があたしに気づき
「姫様何かご用ですか?」と聞かれ
あたしは「かっこいい技だなぁって思って見てただけだよ。」と誤魔化した。
そう言うと2人は「そうですか。姫もやってみます?」と聞いてくれたので「やる。」と言って一緒に練習したのだった。


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