30DT異世界でのんびり、そして大魔導師になる

ちょこぼーる

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プロローグ  クリスマスイヴは命日

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地方都市の駅のホーム。
いつもなら、まだ賑やかな時間帯なのにやけに閑散としている。
しかし、街から流れて来る喧騒は活気に満ている。
(そっか、今日はクリスマスイブだったなぁ、俺も30か、いよいよ魔法使い確定だな)
そんな事を1人想う俺の名は、《さかき 太一たいち》、今日で30歳になるグレー企業に勤めるサラリーマンだ。
この世に魔法使いなど居ないのは解りきっているんだけど、インターネットの世界では『30歳まで童貞を守り切れば魔法使いになれる』と言う与太話がある。そう、俺は童貞だ。なんか文句ある?
(別に守りたくて守った訳じゃねぇよ…こんな仕事してたら、彼女なんて出来る暇さえねぇだろうが!ちくしょう!ハァ~)
辺りを見渡すと、唯一、酔っ払ったホームレス風なじいさんがヨチヨチ歩いてる。
(あんなホームレスのじいちゃんでさえ、いい気分になってんのに……俺ときたら……あっ!雪か珍しいな、今夜はホワイトクリスマスかぁ、世界中の恋人達に幸せが来ます様に、そして……爆発しろ!……ううっ寒い、コンビニでおでんでも買って帰ろ。ハァ~情けな)
そんな事を考えていると丁度電車が滑り込んで来た。 

どん!!

(えっ?)電車が俺に向かって走って来てる。いや違う、何故か俺が電車の進行を塞ぐ様な形になってる。
(えっ?なんで?どんな流れ?このままじゃヤバいんじゃね?このままだとぶつかるよね?じゃ俺、死ぬの?)
鳴り響くブレーキ音、必死でブレーキを掛けてる運転士の顔が目に入る。何故かその表情から目が離せない。脳裏には今までの色んな事が流れて行く。交通事故で死んじまった両親、遺産に目の色を変えた親戚、残業、休日出勤を当たり前と思ってる上司、
(これが走馬灯ってやつか?あっ運転士の人泣きそうな顔になった、俺より若いかな?、おもしれ~。泣きたいのはこっちだよまったく。しかしなんで俺、こんなに冷静なんだろ?なんか時間も間延びした感じだし?永遠の1秒ってか?それに何これ、この超思考感?いや、並列思考?色んな事を一度に考える事ができる!俺、スゲェ…………でも、もう死ぬけどね。運転士の人ゴメンねクリスマスイブにトラウマに成るような事故に合わせちゃって、そっかこんな夜に働いてるんだから俺と同じじゃん、頑張ってね、ん?あんたイケメンだね…彼女居そうな感じ……モゲロ! そー言えばあのホームレスのおじいちゃん大丈夫かな?今夜は冷えそうだけど…もっとも?俺ももうすぐ冷たく成りますけど?(笑)イヤイヤ笑ってる場合じゃ無いか。アパートは大家さんが片付けてくれるかな?見られて困る物は無いし…あっ!PCの趣味の動画ヤベ)
次の瞬間、俺は衝撃と同時に意識を手放した。
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