30DT異世界でのんびり、そして大魔導師になる

ちょこぼーる

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プロローグ  ちっこいじいちゃん

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(あ~温かい、気持ちえ~)
俺は海底から浮力に任せて浮き上がる感覚を感じていた。
『ぷはぁ~(なっ、何だ、どうした?)』
思わず飛び起きる。別に溺れようとしていた訳じゃ無いのだが。
『?、ここは?』
周りを見渡すと上下左右の感覚が無い、暗くも無ければ明るくも無い、寒くもなければ暑くもない、距離感も掴めない、グレーな無重力空間とでも言えば良いのか。
(あれ?ここは?俺どうした?え~っと…思い出せ!……そうだ!電車に轢かれたんだ!でも、何で轢かれたんだ?わからん!でも、轢かれたって事は、俺死んだの?)
そして、自分の身を触ってみると。
『うおぉぉ!(何で俺、素っ裸?)』
『おや?やっとお目覚めかな?調子はどうかな?榊太一君』
背後から声が聞こえた気がして振り返ると人が居た。
慌てて股間を隠す俺。
『……誰?何で俺の名前を?』
そこには古代ギリシャだか古代ローマだかの、トーガみたいな服を着た老人が立ってる。左手に杖を持ち、右手で髭をしごいてる、七福神の福禄寿に似た、可愛いらしい、ちっこいじいちゃんが逆さまで。どこのゆるキャラ?って感じで。
『儂か?そ~さの~儂は人が神様と呼んでる存在に近いかの~君の名前を知ってるのも、君をここに呼んだのは儂じゃからな』
『ハァソウデスカ、死んだばっちゃが宗教を信用するなって言ってましたから、間に合ってます。(ハァ?このじいちゃん大丈夫かぁ?自分の事、神様だなんてカワイソウニ)』
『こらこら、儂は神などと一言も言っとらんじゃろ?それに、信仰を集めんでも存在出来るしのフォッフォッ。ただ人間が抱くイメージで一番近いのが神様じゃろな』
そう言いながら豊かな顎髭をしごいている。
(え?もしかして俺の考えてる事読んでる?そー言えばこのじいちゃん、口動かして無いぞ、笑ってるだけだし。俺の周りをフワフワ浮いてるし)
『そーじゃよ、君の思考を読んどるし、直接脳に語りかけとるぞ』
『ちょ!ちょっとぉ~!止めて下さいよ!プライバシーの侵害でしょ!人の頭ん中覗くなんて!』
『ん?そうか?なら音声で会話をするか?面倒臭いの~』
『ハァ、よろしくお願いします。所で、この状況を説明してもらえませんか?って言うか、その前に着る物有りませんか?』
『お~そうじゃの、そのままではまずいかの。しかし、気にする必要は無いぞ、君のは仮性じゃ、時期が来れば治るからの。なかなか立派な物持っとるじゃないかフォッフォッ』
『はやく服くださいよ!!(その時期とやらはいつ来るんだよ!来ないうちに死んじまったじゃねぇか)』
『ほいほい、ほ~れ』
俺の目の前の空間に服が忽然と現れる。
『どわっ!な、何ですかこれ?どうやって出て来た?』
『ん?まぁ俗な言い方をすれば魔法じゃよ、とりあえずそれを着なさい。』
着替え終えた自分を見たけど…
『はぁ……、で?この服のデザインは神様の趣味で?』
『儂は神などでは無いと言うておろーが』
『じゃ名前教えて下さい。』
『儂に名前など無いよ、唯一無二の存在じゃからな』
『だったら神様でいいでしょ?で?この服の意味は?』
その服と言うのが、どこかのドイツやオランダの街並みを再現したテーマパークの衣装みたいな、古いヨーロッパの衣装っぽい服だった。
『そうじゃの何から説明すれば……先ず、君は今の自分が置かれてる状況をどの程度理解しておるかの?』
『状況って…俺は仕事帰りに駅で…電車に轢かれて死んだ?のかな?たぶんそうだと思います』
『ほぅ、そこは解っている様じゃの…の割には落ち着いておるの』
『落ち着いてる訳じゃ無いんですが…何かいまいち実感が無くてアハハ』
『まぁそうじゃろうが、死んだ事は事実じゃ。事実を有りのままに受け止め、今後の身の振り方じゃが』
『ちょっと待って下さい。身の振り方って何です?死んだら天国か地獄に行くんじゃないんですか?』
『何を言うとる。天国とか地獄とかありゃせんよ。全ての人は自動的にもれなく、死んだ事を自覚出来ん者は消滅するし、自覚した者は輪廻の輪に入り生まれ変わりの順番を待つだけじゃよ。もちろん精神体で眠った状態じゃがな』
『じゃ、前世の罪とか関係無しですか?』
『そうじゃよ、死んで精神体になった時点で前世の全てがリセットされ浄化されるんじゃ。ただの~前世を享楽的に過ごした者は浄化に時間が掛かる為、生まれ変わりが遅くなるの~』
『そーなんですか…あれ?俺、身体ありますよ?ありますよね?それともこの状態が精神体なんですか?』
『ま~慌てるでない、順番に説明するから。まず、君は死んだ、そして葬儀は無縁仏として警察の方で行われた。警察としては君の親戚縁者に連絡したみたいじゃが誰も相手してくれなんだ。』
(あーあの人達らしい)俺は両親の葬儀の際のゴタゴタを思い出してた。
『んでじゃ、今回、特別に君の身体を再現して精神体を定着させた、と言う訳じゃ。』
『はぁ~、どうして俺に身体を?まさか!俺って輪廻の輪に入れないんですか?消滅する運命なんですか?だから身体を与えた?』
『まぁ待て!話の途中じゃ(まぁしかし、そう言う事にしといた方が面倒がないかな)まぁ、君の想像通りじゃ。しかし、それだと余りにも君が不憫じゃったからの、儂が再構成した身体を授け、消滅の危機から救ったんじゃ。が!その身体だと構成因子の関係で元の世界には帰れんのじゃ。ましてや、君は既に死んだ事に成っておるしの。』
『はぁ、ありがとうございます?って言えば良いんでしょうか。で、俺はどうなるんですか?』
『それでじゃ!どうじゃ?違う世界で人生をやり直してみんか?まだヤリタイ事とかあるじゃろ?あんな事や、こんな事や。その逸物もまだ使っておらんのだろうし。』ニヤリと悪い笑みを浮かべる神様モドキ
『!! そりゃまぁ思わんでも無いんですが… 違う世界ってラノベ何かに出てくる異世界的なやつですか?』
『そうそう、そんな読み物があったの~』
『あんなフィクションが実際に在るなんて……』
『何を言う、あれを書いた作者は、過去に異世界に行った事実を書いてるだけじゃよ。』
『えーっ!マジですか!』
『もっとも、現世に帰る時記憶を消すのじゃが、記憶の深層に残ってる断片を題材やネタにしとるんじゃよ。まっ作者本人は記憶の断片も夢だと思っておるじゃろうな』
『すると、俺が異世界に行くとしたら、ラノベみたいにチートな能力を貰えるとか?』
『フォッフォッフォッ、ええぞい。君が望む能力をやってええぞい。その衣装もその世界の物じゃよ』
『マジですか!
……でも、何でそこまで俺に良くしてくれるんです?俺以上に不憫な死に方をした人なんていくらでもいるでしょ?』
『うっ! まぁ、特別じゃよ特別、あれじゃあれ!
「暇をもて余した神々の遊び」ってやつじゃよ。フォッフォッフォッ』
『(なんじゃそりゃ!)そうですか!俺ってラッキーだったんですね!所で、俺、何で死んだんです?電車に轢かれたって事はわかるんですけど、何で轢かれたのかわからんのです。』
『ん?あ、うん、まぁ……自殺?じゃないかの?』
『?、俺って自殺する動機が無いんですけど。確かに仕事はキツいし、彼女も居ない(作る暇がないだけだ)し、でも、それだけで自殺するほど神経弱くないと思いますけど』
『ま、まぁ、君自身も気付かないストレスが有ったんじゃないのかの。それで電車にフラフラっと』
なんか神様モドキの様子がおかしい。
『まぁ…なんじゃ、死んだと言う事実は変わらんのじゃからして、次なるステップに付いて話を進めようかの』
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