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自己紹介
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妙に懐いてきた子狐に追加のチキンを与えながら俵は考える。
「(可愛い娘だなぁ…)」
エメラルドグリーンの瞳、顔のパーツは整っており、腰まで伸びる金色の髪は緩やかに波打ち僅かに差し込んだ太陽光に反射してキラキラと輝いている。
身長は低めで恐らく15、6歳であろう少女は警戒心も露わに俵を見つめている。
これは困った、とばかりに頭を掻く俵に業を煮やしたのか少女はその眼を吊り上げて短剣を鞘から引き抜いて構える。
「そう、答える気は無いのね…」
短剣を構える少女に焦った俵は片手で制しながら慌てた様に口を開いた。
「あー、俺は…そうだなぁ…あ、俵!俵 竜司ってんだ!!」
短剣とはいえ刃物を向けてくる相手に自己紹介を始める俵。
フィリスはそんな俵に毒気を抜かれながらも目的を問い質す。
「そ、そう…で、タ…タゥラ?貴方の目的は何よ?」
怪しい発音であったが俵は気にせず、フィリスの問いに答える。
「うむ、住む所を探していてな。」
「…はぁ?」
フィリスは思い切り疑問符を浮かべた。
「なるほどね、俄かには信じられないけど…」
「たはは…そうだよなぁ…」
「くぅん。」
お互いに自己紹介し、川辺の方に移動しながら俵の現状を理解したフィリスは短剣を納めてどうするかと思案する。
森に連れ帰るのは論外である。
彼処はエルフ族の縄張りでありヒュームの俵だと受け入れて貰えないだろう。
何よりフィリス自身が帰りにくい現状であるのだ。
まぁ、それについてはおいおい話すとして今は俵の事である。
ヒュームの街まで連れて行くのは構わない、何よりヒュームである俵が近くに居るだけでエルフ族のフィリスは格段にヒュームの街で動きやすくなるのだ。
現在、ヒュームの街ではエルフ族は奴隷の様な扱いを受ける。これはエルフ族だけでなく獣人族も奴隷扱いされるのだ。
ヒュームの信仰している神の教えだと言われているが…詳しい事は分からない。
そんなヒュームの街に向かうなら俵に主人の振りをさせればいい。
そうすれば自分の目的も果たせて俵も目的が果たせるかもしれない。
そこまで思考してフィリスは俵に向き直る。
「…仕方ないから私がヒュームの街まで連れて行ってあげるわ。」
「おお、ありがたい!」
そう言いながら俵は川辺の石を積みながら何やらゴソゴソとしている。
「……で、何してんのよ…。」
「お、これか?これはなぁ…」
「くぅん!くぅん!」
ジト目で睨みながらフィリスは俵が何をしているか聞く。
俵は笑いながら手頃な石を積み簡易的な竃を作る、そして中心に薪をくべ、チャッカマンで火をつける。
乾いた草が燃え、枝に火を移し、簡易的な竃とそれより少し離れた所に焚き火の用意をする。
徐ろに鞄に手を入れて念じながら飯盒と米に竹串、岩魚と塩を取り出すとテキパキと準備を始める。
岩魚を取り出した辺りで子狐のテンションは高まり俵の周りをピョンピョンと幅跳ねる。
「飯の準備さ!」
ニカッ、と笑いながら俵は岩魚に串打ちを始めた。
「(可愛い娘だなぁ…)」
エメラルドグリーンの瞳、顔のパーツは整っており、腰まで伸びる金色の髪は緩やかに波打ち僅かに差し込んだ太陽光に反射してキラキラと輝いている。
身長は低めで恐らく15、6歳であろう少女は警戒心も露わに俵を見つめている。
これは困った、とばかりに頭を掻く俵に業を煮やしたのか少女はその眼を吊り上げて短剣を鞘から引き抜いて構える。
「そう、答える気は無いのね…」
短剣を構える少女に焦った俵は片手で制しながら慌てた様に口を開いた。
「あー、俺は…そうだなぁ…あ、俵!俵 竜司ってんだ!!」
短剣とはいえ刃物を向けてくる相手に自己紹介を始める俵。
フィリスはそんな俵に毒気を抜かれながらも目的を問い質す。
「そ、そう…で、タ…タゥラ?貴方の目的は何よ?」
怪しい発音であったが俵は気にせず、フィリスの問いに答える。
「うむ、住む所を探していてな。」
「…はぁ?」
フィリスは思い切り疑問符を浮かべた。
「なるほどね、俄かには信じられないけど…」
「たはは…そうだよなぁ…」
「くぅん。」
お互いに自己紹介し、川辺の方に移動しながら俵の現状を理解したフィリスは短剣を納めてどうするかと思案する。
森に連れ帰るのは論外である。
彼処はエルフ族の縄張りでありヒュームの俵だと受け入れて貰えないだろう。
何よりフィリス自身が帰りにくい現状であるのだ。
まぁ、それについてはおいおい話すとして今は俵の事である。
ヒュームの街まで連れて行くのは構わない、何よりヒュームである俵が近くに居るだけでエルフ族のフィリスは格段にヒュームの街で動きやすくなるのだ。
現在、ヒュームの街ではエルフ族は奴隷の様な扱いを受ける。これはエルフ族だけでなく獣人族も奴隷扱いされるのだ。
ヒュームの信仰している神の教えだと言われているが…詳しい事は分からない。
そんなヒュームの街に向かうなら俵に主人の振りをさせればいい。
そうすれば自分の目的も果たせて俵も目的が果たせるかもしれない。
そこまで思考してフィリスは俵に向き直る。
「…仕方ないから私がヒュームの街まで連れて行ってあげるわ。」
「おお、ありがたい!」
そう言いながら俵は川辺の石を積みながら何やらゴソゴソとしている。
「……で、何してんのよ…。」
「お、これか?これはなぁ…」
「くぅん!くぅん!」
ジト目で睨みながらフィリスは俵が何をしているか聞く。
俵は笑いながら手頃な石を積み簡易的な竃を作る、そして中心に薪をくべ、チャッカマンで火をつける。
乾いた草が燃え、枝に火を移し、簡易的な竃とそれより少し離れた所に焚き火の用意をする。
徐ろに鞄に手を入れて念じながら飯盒と米に竹串、岩魚と塩を取り出すとテキパキと準備を始める。
岩魚を取り出した辺りで子狐のテンションは高まり俵の周りをピョンピョンと幅跳ねる。
「飯の準備さ!」
ニカッ、と笑いながら俵は岩魚に串打ちを始めた。
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