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TEXT5:Impissedoff
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同時刻:海市蜃楼グループ横浜支部地下第七生体実験棟 通称:玄塔内メイン通路。
「し、侵入者・・・ぐぁ!!」
「急いで応援をよこせ!!あのデウスロド・・・間違いない、〝天使喰らい〟が近くに居・・ぐはぁ!!」
警報音と悲鳴が木霊する中、海市蜃楼の防衛チームを右手に構えたデザートイーグルが的確にその眉間を打ち抜いていく。黒いコートは返り血で汚れサングラス越しからは明らかに機嫌の悪そうなアイスブルーの瞳が覗く
ーーー カキン。
「・・・・なァ蜃楼の雑兵ども・・・俺は今〝物凄く機嫌が悪い〟・・なんでか分かるか?」
煙草を口に咥えて左手のポケットからジッポーライターを取り出しその蓋を片手で開け閉めしながらデウスロイド、ツヴァイは眼前に構える海市蜃楼の防衛チームを睨みつけ低い声で尋ねた
「ふ、ふざけやがって!!数でおせばこちらの・・・」
二発、イーグルから弾丸が放たれ眉間に風穴をあけられた防衛チームのメンバーの身体がぐらりと地に伏した。
ーーーー カキン。
「一つ目、・・・・・俺の惚れた女が隣に居ない事。」
低く呟きながら一歩、また一歩とジッポーライターを鳴らしながらツヴァイは敵との距離を詰めていく
「天使喰らいも近くにいるはずだ!!あいつさえ仕留めればぐぁあ!?」
今度は三発。イーグルから弾丸が放たれ三人が地に伏した。
ーーーー カキン。
「二つ目。・・・・その惚れた女があろうことかどこの馬の骨とも知れねぇ野郎のために命を張ってる事。」
鋭い狼のような瞳が敵を射抜き、また一歩距離が狭くなる
ーーーー カキン。
「で、最後の三つめは・・・・・」
「撃て!!!!」
その言葉が放たれる前にツヴァイはさらにデザートイーグルをもう一丁取り出し防衛チームに向けて発砲した。
暗闇の中踊るように黒いコートが翻り、鮮血があたりに飛び散っていく。薬莢の落ちる音に交じり聞こえる敵の断末魔とともにツヴァイの怒号が木霊した
「堂々と浮気なんざしやがって・・・あンの馬鹿マスターが!!!」
――― ガウン!ガウン!ガウン!
「こんな色男が隣に居るってのに他所の筋肉達磨助けに行くとか何考えてやがんだ!!あのお人好しの〝チョコレートジャンキー〟がよォ!!!!」
ーーーー ガウン!ガウン!ガウン!!
「あの筋肉達磨に姫抱きされて出てきたりしてみろ!!!達磨のド頭に風穴あけてこの場で〝サタデーナイト〟決めてやるからなこのチョコレートジャンキーが!!!!」
ーーーー ガウン!!ガウン!!ガウン!!
戦闘に特化した精鋭部隊を二丁拳銃にて次々となぎ倒していくツヴァイの姿に防衛チーム全員はその表情を青ざめていく。やがて、一人がぽつりと声を漏らした
「・・・・ジェヴォーダンの夜事件・・・」
「は!?・・・。数年前にプロメテウス社の戦闘チームとデウスロイド全員が壊滅されたあの・・・まさか、あのデウスロイドが?」
ーーー ガウン!!
最後の二発が放たれ、ついに蜃楼の防衛チームはたった一機のデウスロイドの手により壊滅状態になった。その様子を見てツヴァイは咥えていた煙草に火をつけ紫煙をはくと奥のほうからこちらに向かってくる足音に向けてイーグルを構える
「あー・・・・さ、さっすがツヴァイ!頼りになる!」
ちょうど地下からアルファに抱きかかえられてきた美琴と合流したのだが、明らかに不機嫌な雰囲気の彼に美琴がなんとか空気を変えようと褒めたたえるが放たれた弾丸はあろうことかアルファの頬ををかすめた
「・・・・・何だ。てめぇは」
「お前の手の中にいる女は俺の大事なモンでね・・さっさと降ろしちゃくれねぇか?なぁ〝ボーヤ」
当たりに漂う険悪な奮起に美琴は冷や汗を流して両方を見る
「え、えっとですね?とりあえず目的は達成しましたんで・・・・か、帰ろ?ね?」
「「あぁ?」」
「爆弾設置したから!!!ほら!!早く!!」
今にも殺し合いが始まりそうな二人を何とかなだめて美琴はそのまま横浜支部を後にするのだった。
・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・
海市蜃楼グループ横浜支部入口。
地下から響く爆発音を背に三人が急ぎその場を離れようとしたその時だった。
「待ちな!!」
どうやらすでに海市蜃楼の本部から刺客が放たれていたらしく、目の前に一人の女が挑発的な笑みを浮かべ立っていた。長い黒髪を後ろに束ね黒いボンテージ姿のチャイナドレスにその右手には鋼鉄の鞭が握られている
「・・・へぇ?アンタが噂の天使食いってやつかい?デウスロイド二体も引き連れていいご身分じゃあないか・・・けど、・・ふぅん?」
ツヴァイ、そしてアルファを交互に見てにやりと笑みを浮かべた刺客は鋼鉄の鞭を静かに舐めると品定めするような眼差しを向け
「ーーーーーー アタシ好みに躾けてやるのも悪くないわね」
そう言った次の瞬間。その片腕は宙を舞い、赤い鮮血がアタリに飛び散った
「・・・・・・は???」
何が起こったのかわけもわからない女の顔を美琴の左手が強く掴みそのまま地面に叩きつける
「っが、あ!?」
「ーーーー 今、地雷踏んだな。お前」
そう低く、怒りと狂気が混じった声色が美琴の口から洩れるとそのまま右手に構えた日本刀、黒涙をガリガリとアスファルトにこすり付け自分、そしてツヴァイ、アルファの前に線を引いた
「・・・二人とも、そこで待ってて。」
淀み、怒りと復讐に燃えた琥珀色と紫の瞳が前方に待ち構える海市蜃楼の刺客たちを捉える。
・・・・躾けなおす?何を?
この刺客共は自分から大切な存在を奪うなんて戯言を抜かしたのか。
笑わせるな。冗談にしては笑えない。いや、一周回って怒りのあまり笑いが込み上げてくる
「・・・触れさせない。」
武装して襲い来る刺客の喉を貫き、その頭を勝ち割り、今自分の目の前に立った事を
背後に控える大切な存在二人を奪うと言った戯言を抜かした事を後悔させてやらねば気が済まない。
「な、なにしてる!!撃て!!はやく・・・」
向けられたサブマシンガンよりも早く距離を詰めて一刀の下に沈める。体が傷つこうが、片腕が無くなろうが自分には関係ない事だ
「・・・アルファと・・・ツヴァイには触らせない。」
返り血を浴び、一歩一歩距離を詰めていく美琴の姿はまさに天使を食う化け物のソレだろう。発せられる怒りと狂気の圧にリーダー格の刺客が声を上げた
「な、なんなの!?なんなのよアンタ!!たかがデウスロイド如きにどうしてそこまで!!」
ーーー どうして?
そんな事、美琴の中でもう答えは出ている。
あの日、全てを失い三社への復讐を誓ったあの日からこの目に映してきた【人もどき】の悲惨な末路。
自分と重なった所もあったかもしれない。哀れだと思ったこともあった
・・・ただ、思ったのだ。
「人間《おまえら》よりも、人工兵器《彼らや彼女ら》のほうが・・・・一番信頼できるんじゃないか、って」
だから決めたのだ。〝あの雨の日〟にツヴァイを助けた時も、そして今アルファを助けた時も
「・・・プロメテウス、ヴィクター、海市蜃楼・・・お前たちにはくれてやるよ。私の希望も怒りも、肉も、それでお前らを地獄に叩き落とせるなら構わない。」
ーー けど
「この二人《ツヴァイとアルファ》だけは、渡さない。」
そう言葉を返して、その刺客の頭を切り飛ばせば赤い雨が美琴を濡らしていく。
ーー 気持ち悪い生暖かさも、鉄さびの香りも
ーー 今の自分には麻痺してなにも感じない。
「・・・・おまたせ、ふたりとも」
ただ、そう。
この二体が居れば、自分にはすべて事足りるのだから
「し、侵入者・・・ぐぁ!!」
「急いで応援をよこせ!!あのデウスロド・・・間違いない、〝天使喰らい〟が近くに居・・ぐはぁ!!」
警報音と悲鳴が木霊する中、海市蜃楼の防衛チームを右手に構えたデザートイーグルが的確にその眉間を打ち抜いていく。黒いコートは返り血で汚れサングラス越しからは明らかに機嫌の悪そうなアイスブルーの瞳が覗く
ーーー カキン。
「・・・・なァ蜃楼の雑兵ども・・・俺は今〝物凄く機嫌が悪い〟・・なんでか分かるか?」
煙草を口に咥えて左手のポケットからジッポーライターを取り出しその蓋を片手で開け閉めしながらデウスロイド、ツヴァイは眼前に構える海市蜃楼の防衛チームを睨みつけ低い声で尋ねた
「ふ、ふざけやがって!!数でおせばこちらの・・・」
二発、イーグルから弾丸が放たれ眉間に風穴をあけられた防衛チームのメンバーの身体がぐらりと地に伏した。
ーーーー カキン。
「一つ目、・・・・・俺の惚れた女が隣に居ない事。」
低く呟きながら一歩、また一歩とジッポーライターを鳴らしながらツヴァイは敵との距離を詰めていく
「天使喰らいも近くにいるはずだ!!あいつさえ仕留めればぐぁあ!?」
今度は三発。イーグルから弾丸が放たれ三人が地に伏した。
ーーーー カキン。
「二つ目。・・・・その惚れた女があろうことかどこの馬の骨とも知れねぇ野郎のために命を張ってる事。」
鋭い狼のような瞳が敵を射抜き、また一歩距離が狭くなる
ーーーー カキン。
「で、最後の三つめは・・・・・」
「撃て!!!!」
その言葉が放たれる前にツヴァイはさらにデザートイーグルをもう一丁取り出し防衛チームに向けて発砲した。
暗闇の中踊るように黒いコートが翻り、鮮血があたりに飛び散っていく。薬莢の落ちる音に交じり聞こえる敵の断末魔とともにツヴァイの怒号が木霊した
「堂々と浮気なんざしやがって・・・あンの馬鹿マスターが!!!」
――― ガウン!ガウン!ガウン!
「こんな色男が隣に居るってのに他所の筋肉達磨助けに行くとか何考えてやがんだ!!あのお人好しの〝チョコレートジャンキー〟がよォ!!!!」
ーーーー ガウン!ガウン!ガウン!!
「あの筋肉達磨に姫抱きされて出てきたりしてみろ!!!達磨のド頭に風穴あけてこの場で〝サタデーナイト〟決めてやるからなこのチョコレートジャンキーが!!!!」
ーーーー ガウン!!ガウン!!ガウン!!
戦闘に特化した精鋭部隊を二丁拳銃にて次々となぎ倒していくツヴァイの姿に防衛チーム全員はその表情を青ざめていく。やがて、一人がぽつりと声を漏らした
「・・・・ジェヴォーダンの夜事件・・・」
「は!?・・・。数年前にプロメテウス社の戦闘チームとデウスロイド全員が壊滅されたあの・・・まさか、あのデウスロイドが?」
ーーー ガウン!!
最後の二発が放たれ、ついに蜃楼の防衛チームはたった一機のデウスロイドの手により壊滅状態になった。その様子を見てツヴァイは咥えていた煙草に火をつけ紫煙をはくと奥のほうからこちらに向かってくる足音に向けてイーグルを構える
「あー・・・・さ、さっすがツヴァイ!頼りになる!」
ちょうど地下からアルファに抱きかかえられてきた美琴と合流したのだが、明らかに不機嫌な雰囲気の彼に美琴がなんとか空気を変えようと褒めたたえるが放たれた弾丸はあろうことかアルファの頬ををかすめた
「・・・・・何だ。てめぇは」
「お前の手の中にいる女は俺の大事なモンでね・・さっさと降ろしちゃくれねぇか?なぁ〝ボーヤ」
当たりに漂う険悪な奮起に美琴は冷や汗を流して両方を見る
「え、えっとですね?とりあえず目的は達成しましたんで・・・・か、帰ろ?ね?」
「「あぁ?」」
「爆弾設置したから!!!ほら!!早く!!」
今にも殺し合いが始まりそうな二人を何とかなだめて美琴はそのまま横浜支部を後にするのだった。
・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・
海市蜃楼グループ横浜支部入口。
地下から響く爆発音を背に三人が急ぎその場を離れようとしたその時だった。
「待ちな!!」
どうやらすでに海市蜃楼の本部から刺客が放たれていたらしく、目の前に一人の女が挑発的な笑みを浮かべ立っていた。長い黒髪を後ろに束ね黒いボンテージ姿のチャイナドレスにその右手には鋼鉄の鞭が握られている
「・・・へぇ?アンタが噂の天使食いってやつかい?デウスロイド二体も引き連れていいご身分じゃあないか・・・けど、・・ふぅん?」
ツヴァイ、そしてアルファを交互に見てにやりと笑みを浮かべた刺客は鋼鉄の鞭を静かに舐めると品定めするような眼差しを向け
「ーーーーーー アタシ好みに躾けてやるのも悪くないわね」
そう言った次の瞬間。その片腕は宙を舞い、赤い鮮血がアタリに飛び散った
「・・・・・・は???」
何が起こったのかわけもわからない女の顔を美琴の左手が強く掴みそのまま地面に叩きつける
「っが、あ!?」
「ーーーー 今、地雷踏んだな。お前」
そう低く、怒りと狂気が混じった声色が美琴の口から洩れるとそのまま右手に構えた日本刀、黒涙をガリガリとアスファルトにこすり付け自分、そしてツヴァイ、アルファの前に線を引いた
「・・・二人とも、そこで待ってて。」
淀み、怒りと復讐に燃えた琥珀色と紫の瞳が前方に待ち構える海市蜃楼の刺客たちを捉える。
・・・・躾けなおす?何を?
この刺客共は自分から大切な存在を奪うなんて戯言を抜かしたのか。
笑わせるな。冗談にしては笑えない。いや、一周回って怒りのあまり笑いが込み上げてくる
「・・・触れさせない。」
武装して襲い来る刺客の喉を貫き、その頭を勝ち割り、今自分の目の前に立った事を
背後に控える大切な存在二人を奪うと言った戯言を抜かした事を後悔させてやらねば気が済まない。
「な、なにしてる!!撃て!!はやく・・・」
向けられたサブマシンガンよりも早く距離を詰めて一刀の下に沈める。体が傷つこうが、片腕が無くなろうが自分には関係ない事だ
「・・・アルファと・・・ツヴァイには触らせない。」
返り血を浴び、一歩一歩距離を詰めていく美琴の姿はまさに天使を食う化け物のソレだろう。発せられる怒りと狂気の圧にリーダー格の刺客が声を上げた
「な、なんなの!?なんなのよアンタ!!たかがデウスロイド如きにどうしてそこまで!!」
ーーー どうして?
そんな事、美琴の中でもう答えは出ている。
あの日、全てを失い三社への復讐を誓ったあの日からこの目に映してきた【人もどき】の悲惨な末路。
自分と重なった所もあったかもしれない。哀れだと思ったこともあった
・・・ただ、思ったのだ。
「人間《おまえら》よりも、人工兵器《彼らや彼女ら》のほうが・・・・一番信頼できるんじゃないか、って」
だから決めたのだ。〝あの雨の日〟にツヴァイを助けた時も、そして今アルファを助けた時も
「・・・プロメテウス、ヴィクター、海市蜃楼・・・お前たちにはくれてやるよ。私の希望も怒りも、肉も、それでお前らを地獄に叩き落とせるなら構わない。」
ーー けど
「この二人《ツヴァイとアルファ》だけは、渡さない。」
そう言葉を返して、その刺客の頭を切り飛ばせば赤い雨が美琴を濡らしていく。
ーー 気持ち悪い生暖かさも、鉄さびの香りも
ーー 今の自分には麻痺してなにも感じない。
「・・・・おまたせ、ふたりとも」
ただ、そう。
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