32 / 33
text32 幕間~死神の盤面・起~
しおりを挟む
数年前、ヤタガラス新宿支部アジト。
「ーーーー 野良デウスロイドだぁ?」
ビンテージ物のソファに深く腰を下ろし目の前にたたずむパーカーのデウスロイド・・最近ヤタガラスに保護され諜報役として高い実力を評価されている個体名、廻をいぶかし目に見つめながらオーナーがいぶかし気に尋ねた
「野良のデウスロイドなんざゴロゴロいるだろうが・・なんでソレをウチが気にしなきゃならねぇんだ」
「まぁまぁ、オーナーさん。・・・それがそのデウスロイドさぁ・・ただのデウスロイドじゃないっぽいんだよねぇ」
カウンターに腰を下ろし唇を弧にしたまま言葉を続ける廻にオーナーはメガネを外し腕を組む。先の大戦後、デウスロイドやマキナロイドの増加に伴い、中にはより精度の良い個体を求めて今までそばに置いていた旧型を主従関係契約をリセットしそのまま捨ててしまう人間が増えた。そしてそうした主の居ない野良デウスロイドやマキナロイドが増えている事も世界的な問題になってきている
新しい主ができれば良し。だがその大半は犯罪行為を起こしスクラップされる結末
それが今現在、人類の発展の裏にできた大きな闇の一つにもなっているのだ
それは今目の前に居る廻も同じことである。オーナー自身も詳しくは知らないが彼も昔はどこかの組織に所属していたのだが・・それを見かねた大和独立党の代表、霧島の手により現在はこのヤタガラスと言う組織を新たな自分の居場所として生命活動を続けているのだ。
しかし、それでも廻の言葉は少し引っかかった
「ただのデウスロイドじゃあない?・・」
首をかしげるオーナーに廻はポケットからある新聞記事を取り出しオーナーに見せる。それはつい一週間前に起きた米国の巨大企業【プロメテウス社】で起きたある事件の切り抜き記事だった
「・・・黒獣の夜事件か・・たしかプロメテウス社のデウスロイドが実験中に暴走し重役職員や科学者数名殺して逃げたって言う・・あの」
と、そこまで言いかけてオーナーは目を見開き廻を見る
「おい・・・まさかとは思うが・・・」
「ご明察♪・・・その事件を引き起こしたプロメテウス社のデウスロイドを見かけたってワケ!・・・しかも・・女の子と一緒にね?」
「・・・逃げ出した黒獣と契約した女だと・・」
信じられないと言わんばかりに頭を抱えるオーナーに廻が二枚の写真を取り出しカウンターに並べる
「俺も驚いちゃったよ・・・けど時間かけてプロメテウス社のデータにハッキングして照らし合わせたら見事的中しちゃってね・・・まさか・・・あの凄惨な事件を引き起こしたデウスロイドがプロメテウス社選りすぐりの対戦闘兵器型デウスロイド【10の兄弟】の二番目だったとは・・」
写真に写るダークブルーの髪にこちらを射抜き殺さんばかりに鋭いアイスブルーの瞳のデウスロイドにオーナーは深いため息をつく
「・・・そんな暴走事故を起こした個体を引き連れてるこの女も何者なんだ・・」
「どうすんの?コンタクトしてみる?」
「当たり前だ・・・上手くいけば俺たち側に最強の切り札が加わることになるんだからな」
廻の言葉にオーナーは立ち上がり出かける準備をするとスマホでほかの構成員たちにすぐに集まるよう招集のメールを一斉送信する。その様子を見ながら廻は苦笑いを浮かべてさらに話をつづけた
「この二人、フリーの依頼受けて食いつないでるっぽい。だから決まった寝床も無く・・・周囲のラブホテルを二週間ごとに行き来してるね」
「この二人の居場所の目星は」
「ついてますとも!歌舞伎町近くの高級ラブホテル~♪・・・あ、でも会うなら気をつけなよ?オーナー」
「あぁ?なんでだよ」
コートを羽織るオーナーに廻が困ったように言葉を返した
「
今まで舌戦で負けなかった俺が、コテンパンに叩き潰されちゃったから。」
「ーーーー 野良デウスロイドだぁ?」
ビンテージ物のソファに深く腰を下ろし目の前にたたずむパーカーのデウスロイド・・最近ヤタガラスに保護され諜報役として高い実力を評価されている個体名、廻をいぶかし目に見つめながらオーナーがいぶかし気に尋ねた
「野良のデウスロイドなんざゴロゴロいるだろうが・・なんでソレをウチが気にしなきゃならねぇんだ」
「まぁまぁ、オーナーさん。・・・それがそのデウスロイドさぁ・・ただのデウスロイドじゃないっぽいんだよねぇ」
カウンターに腰を下ろし唇を弧にしたまま言葉を続ける廻にオーナーはメガネを外し腕を組む。先の大戦後、デウスロイドやマキナロイドの増加に伴い、中にはより精度の良い個体を求めて今までそばに置いていた旧型を主従関係契約をリセットしそのまま捨ててしまう人間が増えた。そしてそうした主の居ない野良デウスロイドやマキナロイドが増えている事も世界的な問題になってきている
新しい主ができれば良し。だがその大半は犯罪行為を起こしスクラップされる結末
それが今現在、人類の発展の裏にできた大きな闇の一つにもなっているのだ
それは今目の前に居る廻も同じことである。オーナー自身も詳しくは知らないが彼も昔はどこかの組織に所属していたのだが・・それを見かねた大和独立党の代表、霧島の手により現在はこのヤタガラスと言う組織を新たな自分の居場所として生命活動を続けているのだ。
しかし、それでも廻の言葉は少し引っかかった
「ただのデウスロイドじゃあない?・・」
首をかしげるオーナーに廻はポケットからある新聞記事を取り出しオーナーに見せる。それはつい一週間前に起きた米国の巨大企業【プロメテウス社】で起きたある事件の切り抜き記事だった
「・・・黒獣の夜事件か・・たしかプロメテウス社のデウスロイドが実験中に暴走し重役職員や科学者数名殺して逃げたって言う・・あの」
と、そこまで言いかけてオーナーは目を見開き廻を見る
「おい・・・まさかとは思うが・・・」
「ご明察♪・・・その事件を引き起こしたプロメテウス社のデウスロイドを見かけたってワケ!・・・しかも・・女の子と一緒にね?」
「・・・逃げ出した黒獣と契約した女だと・・」
信じられないと言わんばかりに頭を抱えるオーナーに廻が二枚の写真を取り出しカウンターに並べる
「俺も驚いちゃったよ・・・けど時間かけてプロメテウス社のデータにハッキングして照らし合わせたら見事的中しちゃってね・・・まさか・・・あの凄惨な事件を引き起こしたデウスロイドがプロメテウス社選りすぐりの対戦闘兵器型デウスロイド【10の兄弟】の二番目だったとは・・」
写真に写るダークブルーの髪にこちらを射抜き殺さんばかりに鋭いアイスブルーの瞳のデウスロイドにオーナーは深いため息をつく
「・・・そんな暴走事故を起こした個体を引き連れてるこの女も何者なんだ・・」
「どうすんの?コンタクトしてみる?」
「当たり前だ・・・上手くいけば俺たち側に最強の切り札が加わることになるんだからな」
廻の言葉にオーナーは立ち上がり出かける準備をするとスマホでほかの構成員たちにすぐに集まるよう招集のメールを一斉送信する。その様子を見ながら廻は苦笑いを浮かべてさらに話をつづけた
「この二人、フリーの依頼受けて食いつないでるっぽい。だから決まった寝床も無く・・・周囲のラブホテルを二週間ごとに行き来してるね」
「この二人の居場所の目星は」
「ついてますとも!歌舞伎町近くの高級ラブホテル~♪・・・あ、でも会うなら気をつけなよ?オーナー」
「あぁ?なんでだよ」
コートを羽織るオーナーに廻が困ったように言葉を返した
「
今まで舌戦で負けなかった俺が、コテンパンに叩き潰されちゃったから。」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし
かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし
長屋シリーズ一作目。
第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。
頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。
一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる