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最初のダンジョン

葛藤

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(モンスターであろうが生き物だ。生物は大抵、体の半分以上が水でできているはずだ。なら飲める!)



暴論なのはわかっているが、仕方がない。喉が渇いたのだから。



スライムの死体?残骸?水?に一応消しゴムをつけてみる。



(大丈夫溶けてない)



震える手で液体を触ってみる。冷たい。だが手が溶けることも痛みを感じることもなかった。



恐る恐る口を近づけ、少し唇に当てる。



(これは多分いける!)


死んだらそれまでだったってことだ。



「ごくっ」



(うん。普通の水だ)



 ――――  ――――  ――――   ――――



(足りないな…)



保湿クリームはまだ残っている。さっきスライムを倒した時に使った量からすると、あと5、6体ぐらいスライムを倒すことができる。



だがわざわざ危険に飛び込んできたことはない。倒し方がわかったとはいえ、こちらも死と隣り合わせなのだから。



(………スライム探すか)



喉の渇きには勝てなかった




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