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第二章『異世界探索 新しい仲間(眷属)が入る(手に入る)予感』
冒険者として頑張っていこう
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水晶玉に手を触れたら、僕のステータスボードが現れる。
するとボードがテレビの砂嵐のようになっていき、見えなくなってしまう。
隠蔽による影響だ。
「あら?どうしたのかしら。」
受付の人が異変に気づいたようだ。
「…すみません。他のを持ってきますので、少々お待ちください。」
そう言って機械を持ち、また受付の奥へ行く。
僕は急いでステータスボードを『隠蔽』で偽装していく。
そして僕は偽のステータスボードを作り上げた。
「みんな、早く自分のステータスを『隠蔽』で偽装して。」コソッ
三人に話したあと、三人も急いで自分のステータスを偽装していく。ちなみに、クルーエルとガラハに僕とグリムの『隠蔽』を貸与させた。
数分後、受付の女性が戻ってきて、新しいのを置いた。
「先程は不良品を出してしまい申し訳ありません。新しいのを持ってきましたので、どうぞ。」
僕はクラスを《銃士(ガンナー)だけにして、エクストラスキルも《銃使い》にだけ偽装した。
三人も、クラスを《武斧闘士》に《聖騎士》、《暗殺者》に偽装してる。もちろん種族は人種で、僕の眷属というのも隠してる。
しかし貸与により、全てを偽装は無理のようで、絶対見られたくないのだけど偽装して、それ以外は仕方なくそのままにした。
レベルはそれぞれ20台あたりにしてある。一桁だと周りに舐められる可能性もある。
「…登録完了しました。三人の方は強いスキルですね。」
三人って、クルーエルたちのことか。てことは僕はそれほどでもないと…なんか悔しい。
でもとりあえず、これで身分証明書である冒険者カードは手に入れたってことで良かったよかった。
「皆さんは再発行ですので、ランクはEからスタートになります。クエストで成功したり、強いモンスターの素材を手に入れることができたらランクが上がります。逆に失敗すればランクが下がったり罰金の請求が起きたりしますからお気をつけ下さい。」
こういうのはゲームや漫画と同じ設定だな。異世界での定番といったものだ。
「ランクは十段階あって、最高がSで最低はEです。皆様は最低のEからですので、これから頑張って下さい。」
そうして受付からの説明が終わり、次に僕らは再発行の支払いをすることになった。でもその前に寄るところがある。
「すみません、素材の買い取りお願いします。」
冒険者ギルドではモンスターの素材や薬草などの買い取りがされている。僕らは一文無しなため、まずは買い取りをしてもらう。
「はいはい、買い取りですね。まず素材を見せてもらいますね。」
そういうわけで、僕たちはモンスターの素材と薬草を買い取りのカウンターに出す。
「おお、すごい量ですね。では鑑定しておきますのでお待ちください。」
そう言って袋にある素材や薬草を調べていってる。
素材はゴブリンやスライムなどの低級モンスターばかりだけど、その数は一人2~30体くらいだ。それに薬草も、傷薬や風邪薬用などのやつばかりだが、これも数が多い。
これならきっと大金が手に入るに違いない。
「鑑定が終わりました。お一人様あたり、金貨3枚と銀貨と銅貨が少しです。」
そう言って硬貨が入った袋を僕らに渡してくる。
(なるほど、金貨と銀貨、銅貨となると、ここから日本円にするとどれくらいかが分かってくるな。)
僕の漫画の知識だと、銅貨一枚が10円か1円の価値で、銀貨一枚が百円か千円、金貨一枚が一万くらいの価値だ。
「よし、とりあえず再発行としての代金が銀貨5枚だからまだお金は残る、と。残りは今後のために冒険に必要な物資を買うことに使おう。」
そうして僕らは受付で再発行のお金を払い、物資を集めるため商店街へ足を運ぶ。
「人が多いね。」
「小せえ町だがそれなりに活気があるな。」
「まるで昔に戻った気分です。」
「…懐かしい。」
そういえば三人が仕えてた国は栄えていたって言ってたな。
昔の国とこの町を重ねてるようだ。
しばらく歩いて、僕らは色々と冒険に必要なものを揃える。
そして念願のほしかったものを買うことができた。
「フフッ、遂に買っちゃったな。」
そう、それは装備だ。
上半身はインナーに厚手の布鎧、下半身は衝撃を和らげる素材で作られた布製ズボン(予算の問題で中古のやつ)と、革製のブーツと手袋、布鎧とインナーの間に鎖帷子を着て、さらにマントを羽織ってる。そして、このマントはフード付きだ。
「異世界といえばやっぱり、ブーツに鎖帷子、マントだよね。」
以前からこういうのに憧れて着てみたいと思ってたんだよね。
そういえば以前に学級委員のオタクたちとで、異世界でこういうのを着てみたいというので盛り上がったっけ。
「…みんな、今どこにいるのかな?」
町を見た限り、クラスメイトたちはいそうにない。
町の人に聞いてみたけど、みんなはここに来ていないようだ。
「…できれば、みんなと服の見せ合いをしたかったな。」
「マスター…大丈夫か。」
後ろからグリムが話しかけてきた。その顔は心配している表情だった。グリムだけでなくクルーエルにガラハもだ。
どうやら心配をかけたようだ。
「いや、大丈夫だよ。クラスメイトとはいつか会えるだろうさ。」
ここで心配をかけさせてはダメだ。
今はただ、クラスメイトたちの安全を祈ろう。不良どもはモンスターに八裂きにされることを祈ろう。
「それじゃあみんな、今日は宿に泊まって明日に備えようか。」
そうして僕らは道中歩きながら、今日泊まる宿を探す。
「さっき町の地図を見たんだけど、この辺りだったかな。」
「…俺たちと同じ…冒険者が、たくさんいる。」
先程の商店街よりも、鎧や武器を持った人たちが多い。それに道には露天商売をしている人たちも多い。
「この辺りは冒険者や商人専用の宿に酒場があるようです。」
「つまり俺たちのようなやつら専用の場所ってことだな。」
そうして露天販売を見ながら歩いてると、目的地の宿に着いた。
三階建てで何年も前からあると思わされるほど年季が入ってて、一階からは沢山の声が聞こえる。冒険者たちが酒でも飲んでるのだろう。
「…いきなり冒険者が突っかかって来るのってよくあることかな。」
「…どういうこと?」
「いや、酔っ払った冒険者とかが腹いせとかで突っかかって来るかなと思って。」
漫画とかでイキった冒険者が主人公に突っかかるのは見たことあるけど、この世界にもそういうのはあるのだろうか。
「仮にそういう輩がいてもご主人様なら問題ないのでは。」
「ああ、旦那なら多分大丈夫だろ。」
うむ、それもそうかな。
クルーエルとガラハの言う通り、今の僕はたくさんのスキルを持ってるし、仮に高ランク冒険者でもなんとかなるかもしれない。
(それじゃあ入るか。)
決意して宿に入る。
中は予想通り冒険者や商人がたくさんいて、酒やら料理やらが置かれてるテーブルを囲って騒いでる。
(こう言う場所ってあまり好きじゃないんだよなぁ。)
人が多い場所が好きではないのは高校生になってからだったな。不良どもに酷い目に遭わされて人間不信になったこともあったし仕方ないのだけど。
「と、とりあえず泊まれるか聞いてみようか。」
僕らは受付のところまで向かうが、その道中こちらをチラチラ見てくる連中が多くてつい緊張してしまう。
(受付に着く前に絡まれなきゃいいけど。)
「おいお前、ここはガキの遊び場じゃねぇぞ。」
「ガキは大人しくママのところへ帰りな。」
うん、予感的中だな。
というか、僕がガキ呼ばわりされるとは。身長は170くらいだけど、向こうは2メートルくらいはある。
これじゃあガキと呼ばれるのも仕方ないのかな。
「こう見えて僕17なんですが。」
「17?ぶ、ブハハハ、てめぇみたいなチビが17なわけねぇだろう。」
「見栄張らなくていいんだぞ。」
…流石にここまでくると腹が立ってきたな。
しかしここで怒ってはいけない。なぜなら後ろから三人の殺気がこっちに来ている。ここで僕が怒れば三人も怒って、最悪の場合建物が壊れるかも、いや絶対壊れるな。
「僕たち今日ここに泊まりたくて来たんです。受付に行きたいので道を譲ってもらえませんか。」
とにかくここは穏便に済ませよう。
ここで三人を怒らせることだけはないようにしないと。
「はっ、お前そいつらのリーダーのつもりか、チビ。」
「全然リーダーには見えねぇな、チビ。」
チビチビうっさいわ!
僕は無視して通ろうとした瞬間、二本の腕が僕の頭をかすめ、目の前の冒険者二人の胸ぐらを掴んでいた。
「お前ら…俺たちのマスターを愚弄するな。」
二人の胸ぐらを掴んでる手の主、グリムが怒りが篭った声を発する。
これはもう手遅れのようだ。
「て、てめぇなにしやが--」
「なにウチの旦那をバカにしてんだ!テメェら」ガッ
グリムの次はクルーエルが怒りの表情で一人の男の首根っこを掴む。
「お、おい待て、アンタら。アンタらはこのチb--」
「え、なんか言おうとしましたか?」チャキ
次はガラハが剣を抜いてもう一人の男の首に突きつける。
しかも三人とも『威圧』が発動してるみたいで、周りが震えている。
ああ、できれば穏便に済ませたかったのに。
でももとはといえばこの二人組が突っかかってこなければ良かったことだ。こんなこと言うのはおこがましいけど、人を見た目で判断しない方がいい。
「三人共、その辺にしよう。これ以上悪目立ちするわけにもいかないし、なにより他の人たちにも迷惑かけてる。」
「…はい。」
「ふん。」
「…」
すると三人は突っかかってきた二人を離した。
「二度とご主人様を侮辱するな。」
「次は容赦なしだ。」
「……」ジロッ
三人を説得して僕はカウンターに向かう。
そこには腰を抜かしてる女将さんと10歳ほどの女の子が縮こまってる。悪いことをしたな。
僕はそっと近づき、女の子の目の位置まで目線を下げる。
「僕の仲間が怖がらせてゴメンね。でも本当は優しい人たちだから大丈夫だよ。」
こういう時は子供と同じ目線に合わせた方いい。子供を見下ろす姿勢だと怖がられてしまうからだ。
そうして女将さんと女の子が落ち着くのを待って、僕らは四つの部屋を借りた。
一泊一部屋銀貨3枚と安いため、毎日狩りをすればいつでも泊まれる。
「今のところは蓄えがあるけど、やっぱりこの先を考えると貯金しておかなきゃな。」
今日は色んなものを買ったため、金貨は使い果たし銀貨と銅貨が数枚といったところだ。明日モンスターを狩って稼がないといけない。
この辺りのモンスターのレベルは15~20が平均で、一番高レベルなのが30辺りがいるためいいレベル上げができそうだ。
「…みんな、今どこにいるのかな。」
あれからもう三日が経っている。クラスのみんなは今どこにいるのだろうか。
しばらくはここを拠点として、クラスの情報を集めよう。
するとボードがテレビの砂嵐のようになっていき、見えなくなってしまう。
隠蔽による影響だ。
「あら?どうしたのかしら。」
受付の人が異変に気づいたようだ。
「…すみません。他のを持ってきますので、少々お待ちください。」
そう言って機械を持ち、また受付の奥へ行く。
僕は急いでステータスボードを『隠蔽』で偽装していく。
そして僕は偽のステータスボードを作り上げた。
「みんな、早く自分のステータスを『隠蔽』で偽装して。」コソッ
三人に話したあと、三人も急いで自分のステータスを偽装していく。ちなみに、クルーエルとガラハに僕とグリムの『隠蔽』を貸与させた。
数分後、受付の女性が戻ってきて、新しいのを置いた。
「先程は不良品を出してしまい申し訳ありません。新しいのを持ってきましたので、どうぞ。」
僕はクラスを《銃士(ガンナー)だけにして、エクストラスキルも《銃使い》にだけ偽装した。
三人も、クラスを《武斧闘士》に《聖騎士》、《暗殺者》に偽装してる。もちろん種族は人種で、僕の眷属というのも隠してる。
しかし貸与により、全てを偽装は無理のようで、絶対見られたくないのだけど偽装して、それ以外は仕方なくそのままにした。
レベルはそれぞれ20台あたりにしてある。一桁だと周りに舐められる可能性もある。
「…登録完了しました。三人の方は強いスキルですね。」
三人って、クルーエルたちのことか。てことは僕はそれほどでもないと…なんか悔しい。
でもとりあえず、これで身分証明書である冒険者カードは手に入れたってことで良かったよかった。
「皆さんは再発行ですので、ランクはEからスタートになります。クエストで成功したり、強いモンスターの素材を手に入れることができたらランクが上がります。逆に失敗すればランクが下がったり罰金の請求が起きたりしますからお気をつけ下さい。」
こういうのはゲームや漫画と同じ設定だな。異世界での定番といったものだ。
「ランクは十段階あって、最高がSで最低はEです。皆様は最低のEからですので、これから頑張って下さい。」
そうして受付からの説明が終わり、次に僕らは再発行の支払いをすることになった。でもその前に寄るところがある。
「すみません、素材の買い取りお願いします。」
冒険者ギルドではモンスターの素材や薬草などの買い取りがされている。僕らは一文無しなため、まずは買い取りをしてもらう。
「はいはい、買い取りですね。まず素材を見せてもらいますね。」
そういうわけで、僕たちはモンスターの素材と薬草を買い取りのカウンターに出す。
「おお、すごい量ですね。では鑑定しておきますのでお待ちください。」
そう言って袋にある素材や薬草を調べていってる。
素材はゴブリンやスライムなどの低級モンスターばかりだけど、その数は一人2~30体くらいだ。それに薬草も、傷薬や風邪薬用などのやつばかりだが、これも数が多い。
これならきっと大金が手に入るに違いない。
「鑑定が終わりました。お一人様あたり、金貨3枚と銀貨と銅貨が少しです。」
そう言って硬貨が入った袋を僕らに渡してくる。
(なるほど、金貨と銀貨、銅貨となると、ここから日本円にするとどれくらいかが分かってくるな。)
僕の漫画の知識だと、銅貨一枚が10円か1円の価値で、銀貨一枚が百円か千円、金貨一枚が一万くらいの価値だ。
「よし、とりあえず再発行としての代金が銀貨5枚だからまだお金は残る、と。残りは今後のために冒険に必要な物資を買うことに使おう。」
そうして僕らは受付で再発行のお金を払い、物資を集めるため商店街へ足を運ぶ。
「人が多いね。」
「小せえ町だがそれなりに活気があるな。」
「まるで昔に戻った気分です。」
「…懐かしい。」
そういえば三人が仕えてた国は栄えていたって言ってたな。
昔の国とこの町を重ねてるようだ。
しばらく歩いて、僕らは色々と冒険に必要なものを揃える。
そして念願のほしかったものを買うことができた。
「フフッ、遂に買っちゃったな。」
そう、それは装備だ。
上半身はインナーに厚手の布鎧、下半身は衝撃を和らげる素材で作られた布製ズボン(予算の問題で中古のやつ)と、革製のブーツと手袋、布鎧とインナーの間に鎖帷子を着て、さらにマントを羽織ってる。そして、このマントはフード付きだ。
「異世界といえばやっぱり、ブーツに鎖帷子、マントだよね。」
以前からこういうのに憧れて着てみたいと思ってたんだよね。
そういえば以前に学級委員のオタクたちとで、異世界でこういうのを着てみたいというので盛り上がったっけ。
「…みんな、今どこにいるのかな?」
町を見た限り、クラスメイトたちはいそうにない。
町の人に聞いてみたけど、みんなはここに来ていないようだ。
「…できれば、みんなと服の見せ合いをしたかったな。」
「マスター…大丈夫か。」
後ろからグリムが話しかけてきた。その顔は心配している表情だった。グリムだけでなくクルーエルにガラハもだ。
どうやら心配をかけたようだ。
「いや、大丈夫だよ。クラスメイトとはいつか会えるだろうさ。」
ここで心配をかけさせてはダメだ。
今はただ、クラスメイトたちの安全を祈ろう。不良どもはモンスターに八裂きにされることを祈ろう。
「それじゃあみんな、今日は宿に泊まって明日に備えようか。」
そうして僕らは道中歩きながら、今日泊まる宿を探す。
「さっき町の地図を見たんだけど、この辺りだったかな。」
「…俺たちと同じ…冒険者が、たくさんいる。」
先程の商店街よりも、鎧や武器を持った人たちが多い。それに道には露天商売をしている人たちも多い。
「この辺りは冒険者や商人専用の宿に酒場があるようです。」
「つまり俺たちのようなやつら専用の場所ってことだな。」
そうして露天販売を見ながら歩いてると、目的地の宿に着いた。
三階建てで何年も前からあると思わされるほど年季が入ってて、一階からは沢山の声が聞こえる。冒険者たちが酒でも飲んでるのだろう。
「…いきなり冒険者が突っかかって来るのってよくあることかな。」
「…どういうこと?」
「いや、酔っ払った冒険者とかが腹いせとかで突っかかって来るかなと思って。」
漫画とかでイキった冒険者が主人公に突っかかるのは見たことあるけど、この世界にもそういうのはあるのだろうか。
「仮にそういう輩がいてもご主人様なら問題ないのでは。」
「ああ、旦那なら多分大丈夫だろ。」
うむ、それもそうかな。
クルーエルとガラハの言う通り、今の僕はたくさんのスキルを持ってるし、仮に高ランク冒険者でもなんとかなるかもしれない。
(それじゃあ入るか。)
決意して宿に入る。
中は予想通り冒険者や商人がたくさんいて、酒やら料理やらが置かれてるテーブルを囲って騒いでる。
(こう言う場所ってあまり好きじゃないんだよなぁ。)
人が多い場所が好きではないのは高校生になってからだったな。不良どもに酷い目に遭わされて人間不信になったこともあったし仕方ないのだけど。
「と、とりあえず泊まれるか聞いてみようか。」
僕らは受付のところまで向かうが、その道中こちらをチラチラ見てくる連中が多くてつい緊張してしまう。
(受付に着く前に絡まれなきゃいいけど。)
「おいお前、ここはガキの遊び場じゃねぇぞ。」
「ガキは大人しくママのところへ帰りな。」
うん、予感的中だな。
というか、僕がガキ呼ばわりされるとは。身長は170くらいだけど、向こうは2メートルくらいはある。
これじゃあガキと呼ばれるのも仕方ないのかな。
「こう見えて僕17なんですが。」
「17?ぶ、ブハハハ、てめぇみたいなチビが17なわけねぇだろう。」
「見栄張らなくていいんだぞ。」
…流石にここまでくると腹が立ってきたな。
しかしここで怒ってはいけない。なぜなら後ろから三人の殺気がこっちに来ている。ここで僕が怒れば三人も怒って、最悪の場合建物が壊れるかも、いや絶対壊れるな。
「僕たち今日ここに泊まりたくて来たんです。受付に行きたいので道を譲ってもらえませんか。」
とにかくここは穏便に済ませよう。
ここで三人を怒らせることだけはないようにしないと。
「はっ、お前そいつらのリーダーのつもりか、チビ。」
「全然リーダーには見えねぇな、チビ。」
チビチビうっさいわ!
僕は無視して通ろうとした瞬間、二本の腕が僕の頭をかすめ、目の前の冒険者二人の胸ぐらを掴んでいた。
「お前ら…俺たちのマスターを愚弄するな。」
二人の胸ぐらを掴んでる手の主、グリムが怒りが篭った声を発する。
これはもう手遅れのようだ。
「て、てめぇなにしやが--」
「なにウチの旦那をバカにしてんだ!テメェら」ガッ
グリムの次はクルーエルが怒りの表情で一人の男の首根っこを掴む。
「お、おい待て、アンタら。アンタらはこのチb--」
「え、なんか言おうとしましたか?」チャキ
次はガラハが剣を抜いてもう一人の男の首に突きつける。
しかも三人とも『威圧』が発動してるみたいで、周りが震えている。
ああ、できれば穏便に済ませたかったのに。
でももとはといえばこの二人組が突っかかってこなければ良かったことだ。こんなこと言うのはおこがましいけど、人を見た目で判断しない方がいい。
「三人共、その辺にしよう。これ以上悪目立ちするわけにもいかないし、なにより他の人たちにも迷惑かけてる。」
「…はい。」
「ふん。」
「…」
すると三人は突っかかってきた二人を離した。
「二度とご主人様を侮辱するな。」
「次は容赦なしだ。」
「……」ジロッ
三人を説得して僕はカウンターに向かう。
そこには腰を抜かしてる女将さんと10歳ほどの女の子が縮こまってる。悪いことをしたな。
僕はそっと近づき、女の子の目の位置まで目線を下げる。
「僕の仲間が怖がらせてゴメンね。でも本当は優しい人たちだから大丈夫だよ。」
こういう時は子供と同じ目線に合わせた方いい。子供を見下ろす姿勢だと怖がられてしまうからだ。
そうして女将さんと女の子が落ち着くのを待って、僕らは四つの部屋を借りた。
一泊一部屋銀貨3枚と安いため、毎日狩りをすればいつでも泊まれる。
「今のところは蓄えがあるけど、やっぱりこの先を考えると貯金しておかなきゃな。」
今日は色んなものを買ったため、金貨は使い果たし銀貨と銅貨が数枚といったところだ。明日モンスターを狩って稼がないといけない。
この辺りのモンスターのレベルは15~20が平均で、一番高レベルなのが30辺りがいるためいいレベル上げができそうだ。
「…みんな、今どこにいるのかな。」
あれからもう三日が経っている。クラスのみんなは今どこにいるのだろうか。
しばらくはここを拠点として、クラスの情報を集めよう。
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