死に戻り毒妃の、二度目の仮婚 【オメガバース】

飛鳥えん

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すれ違い (改)

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「どうしたんだ? さっきから、浮かない顔をして」

 国王の寝室を退出した帰り道、ヨアンがそう訊いてきた。

「ヨアン様は、封じられた精霊を解放してよいのですか? オスロが豊かであるためには必要なことだと、そう思いませんか?」

「きっとこれから先、技術や知識はもっと進歩すると思うんだ。目に見えない何かを信じてすべてを頼っていては、きっと今は良くても、いずれ立ちいかなくなる。何かを犠牲にして得る実りよりも、堅固たる礎が俺の代で築けたら良いと思う」

 それに、とヨアンが苦い笑みを浮かべた。

「自分の子供をあんな目に合わせたくない……俺と同じ思いをさせたくないんだ」

「ヨアン様の子供は、幸せです。貴方はきっと良い父親になる」

 シュメルヒは眩しい物を見るように目を細めた。

(貴方の子供は……きっと可愛いだろうな、ヨアン様に似て、黒髪で、目はきっと、ナーシャに似て濃い青の)

 涙が盛り上がる気配を察知して、慌てて何度も瞬きをした。

「……少し疲れてしまいました。陛下のご容態も一進一退ですし、もっと何かできることがあれば」

「薬のことを気にしてるなら、平気だ。父上の容体が完全に回復することがないのは俺も母上も分かってる」

 ヨアンはシュメルヒ抱き寄せると、頭のてっぺんに頬を当てた。

「それまでの間、痛みを抑えられたらそれでいいんだ。……感謝してる。昔、俺に使ってくれるつもりで用意していた薬がこんな形で父上を助けてくれるなんて。君は未来を見通す占い師みたいだな」

「そんなことはありません……それにあの時だって」

「ん? あの時がなんだって?」

「いえ、……」

 ヨアンはじっとシュメルヒの横顔を見下ろしたが、それ以上の答えが返ってこないと見て、頬にかかっていた髪を指で払った。

「疲れたんだな。使節を迎えたりして、このところ忙しかったから。おいで、もう部屋に戻って休もう」

 シュメルヒがこくんと頷くと、ヨアンは穏やかな目をして背中を支えるように寄り添った。



 シュメルヒの頭の中に、黒い靄のような疑問が湧いていた。

 一年前に亡くなるはずだった国王の存命は、もちろん喜ばしい。凍てついていたエセル王妃とヨアンを挟んで、親子三人が仲良く集っているのを見ると、シュメルヒの胸の奥もぽかぽかと温かくなる。

 しかし……。

(どうして私の薬……いや、毒が陛下に『効いた』?)

 

 鎮静剤の原料は「アコ二ツム」という名の猛毒植物。石灰と土、砂、水とでろ過し、他にも数種類の薬草を加えて調合する。調合の種類より、肝心なのは希釈濃度だ。シュメルヒは自分で体内に取り込んで実験するが、<毒持ち>でなければ正解の配合にたどり着くまでに何人か死人が出ているだろう。常人なら命の保障がない危険な実験だった。

 毒を直に取り込んでいることはヨアンには知らせていない。何となく、ヨアンが怒る気がしたからだ。

 

 そのような例外的な薬は、ヨアンのために、ヨアンの症状や体調に精密に合わせて調合したものだ。

(それがどうして、……『陛下にも効いてしまう』?)

 

 ヨアンの症状は神経過敏性による過剰反応。国王陛下は原因不明の病……ふたりの置かれた状況は違うはずだ。だからシュメルヒは、ヨアンに用意したものよりも、うんと希釈を薄めた。ほぼ人体に害が出ないよう配合を変えている。なのに効果があった。

(偶然? それとも、ヨアン様と陛下には共通点があって、私が見落としているだけ?)

 誰かのためにだけ精製した薬が他の誰かにも同じく効く。全く無い話ではない。だが今回に限って……アコ二ツムを使った薬は例外中の例外だ。十数年にわたり研究してきた開発者のシュメルヒには直感があった。

(ちがう、偶然はあり得ない。たとえ肉親でも、体内に同じ病の『根源』がなければ同じ効果は出ないはずだ)

 証明は不可能だ。

 なにしろ、当時のヨアンは薬を飲まなかったのだから。

 

 はた、と立ち止まった。

「妃、どうした?」

 ヨアンの声が耳を素通りしていく。

(飲まなかったのに)

そうだ。何故忘れていたのだろう……!

あの当時、ヨアンは結局薬を飲まなかった。けれど症状はいつのまにか改善していた。



(そういえばヨアン様に例の症状が出なくなったのは、何が原因だったのだ?)

 



 <水の祈り>で籠る少し前、ふたりで一緒に馬に乗った。ヨアンはすぐ熱を出してぐったりしていた。けれどあの時、思い返してみればヨアンは『最近、頭痛がましになってきてる』とも言っていた。

 では、原因はその『前』にあるということだ。

 シュメルヒが仮妃として嫁いだ時、婚姻の儀式……初夜で起きた発作、庭園でヨアンがくれた<偽花>、仲直りの握手、食事を一緒にとったり、少しずつ、ヨアンの方からシュメルヒに打ち解けてくれた日々。



(分からない、『なに』が原因で、ヨアン様は神経症の症状が出なくなった……? 何かきっかけがあるはずなのに)



 シュメルヒは柔らかな絹の布団に潜り込んだ。夜も更けとっくに就寝の時刻だった。

 ヨアンがいつものように腕を伸ばしてくる。身を寄せると、絡めとるように抱きしめられた。

 ヨアンはいつも、シュメルヒを抱いて眠る。寒い冬の時期には足まで絡めてくる。密着した体温とヨアンの匂いに包まれて、シュメルヒは肩口に頭を乗せると、落ち着く位置を探してもぞもぞと身じろいだ。

 ヨアンはシュメルヒの旋毛に顎を乗せて待つ。やがてシュメルヒが定位置を見つけて落ち着くと、「愛してる、おやすみ」「また明日。良い夢を」と言って口付けをする。

 朝が来るのが待ち遠しく、夜は甘い香りと安らぎに満ちていた。ヒートの時は、そこに熱と疼きが加わる。身悶えするシュメルヒの傍から、ヨアンは片時も離れない。

 熱に侵された姿を見られる羞恥も、目の前に美味しい御馳走があるのにありつけない飢餓感も辛かったが、それでもヨアンがそこにいる幸福は決して無くならなかった。

 今は、この幸福があとどれくらい続くのか、明日が来るのが怖い。

 はやく、ヨアン様の役に立たなくては……それが悲しみを紛らわす唯一の手段だ。

(ヨアン様、見ていてくださいね……お役に立ちますから。役に立ったら、喜んで……褒めて、くださいますか?)

 国王がヨアンにそうしたように、頭を撫でて「シュメルヒがいてくれてよかった」と笑って欲しい。

 想いが叶うよう強く念じ、ヨアンの首もとに顔を押し付けて眠りに落ちた。







その日、私室で読み終わった手紙を折りたたんで、シュメルヒは眉間を揉んだ。

似たような内容の手紙を数日前から何通も読み、その都度、丁寧に返信を書いている。「急がなくて良い」とヨアンもキリアスも言ってくれるが、頼んで回してもらった仕事なので手を抜きたくなかった。



  病床で政務から遠ざかっている国王に代わり、今はヨアンが名代として政務に立っている。実際に采配を振るうのはラッカス宰相だが、キリアスが宰相のお墨付きということもあり、徐々に次期国王としての権限をヨアンが担うようになっていた。いわば、即位前の実地訓練に近い状態だ。



(前世では宰相もヨアンを歯牙にもかけていなかった。変わったことが多いな……それここれも、ヨアン様の努力の賜物だ)

 

 宰相子飼いのキリアスがヨアンを支持している、というのも大きい。ヨアンの変化を一番歓迎しているのは、キリアスだろう。彼は時々、ヨアンと持論を戦わせては論争している。今世でそれなりに勉学したシュメルヒは初めのうちこそ話題についていけるが、議論が白熱するにつれ二人の勢いに置いてけぼりにされてしまうこともしばしあった。そういう時のキリアスはキンと張りつめた慇懃無礼が鳴りを潜めて、どこか楽し気だった。

(私も過度の贅沢をしないようしているし、今世でキリアスが叛乱者になることはないと思っていいのだろうか……)

 前世で「国庫を散財した毒妃」と謗られ処刑されたのだから、浪費や贅沢にだけは気を付けてきたつもりだ。前世のように王宮の奥に閉じ籠っているより、いろんな人々と言葉を交わしたり、ヨアンの仕事を手伝う方が、ずっと生活に張りが出る。

 

 それに仮とはいえ、夫であるヨアンが忙しく働いているのである。シュメルヒだけ何もせず過ごしていては申し訳ない。

 そう思って、城下の役人から寄せられる領主への訴状に目を通し、各領主へ返信し、必要であれば内容をまとめて大臣に報告書として提出する……という簡単な仕事を回してもらっている。

 地味な仕事ではあるが、これが意外にも勉強になった。

 広大なオスロに分布する領地で起こる様々ないざこざや困りごと、天変地異などの災害、物の行き来から生じる金銭のやりとり。あるいは領主の人となりや、領民に対する態度も見えてくるようになった。

 

 日に何百通と届く書状を、シュメルヒは素早く重要とそうでないものに仕分けていく。内容を暗記し重要と判断したものはヨアンに報告する。そうした細々とした知見はヨアンの「目」を王宮から外へと広げるのに一役も二役もかっていた。

 キリアスもこの仕事ぶりには内心感心していたが、シュメルヒはただ少しでも役に立ちたい一心で、せっせと途方もない手仕事を毎日こなしているのだった。

 

 そんな中、気になる書状が届いた。

 最初の一通は昨年の暮れだった。膨大な手紙に混じって、短く、「家畜が弱り、感冒にかかる子どもが増えた」というありふれた内容だった。

 

 寒い時期だから、これといって不自然なところはない。

 だがシュメルヒは「家畜が弱り」というのが妙に気がかりだった。

(前世でオスロに蔓延した流行病……もし同じことが今世でも起きるなら、きっともうすぐだ)

 

 王宮に閉じ籠っていたシュメルヒは、城下で流行り出した時期しか知らない。きっと発症したのは別の場所だ。それが人や物の行き来により城下まで広まってきたのだろう。だとしたら、シュメルヒが蔓延に気付いたもっと前に、どこかの土地で徴候が現れていたはずである。



 シュメルヒがこの仕事をもらうためにヨアンに頼み込んだのも、なんとかして病の発生源を突き止めたかったからだった。

 今、シュメルヒの手元には仕分けした手紙の束がある。どれも「病」に関するもので、身体の弱い老人や子供の何人かが命を落としたと記されていた。

(まだ、誰も重大事に捉えていない……もしかすると本当に勘違いかも。いや、しかし……もし勘違いでなかったら?)

 「病」について記された場所は、人口の密集した城下にどんどん近付いてきている。近づきながら、死者の数は徐々に増えていた。

 医師団を派遣するには、誰かが行って、必要性を訴えなくてはならない……。

 窓の外へ目をやると、遠くに高台から城下の街並みが見える。シュメルヒはしばらく眺め、手の中の紙束を握りしめた。





「駄目だ」

 ヨアンはきっぱりと言い切った。しゅん、と肩を落とすシュメルヒを見て言い足す。

「妃の気持ちは分かるがけど、視察の許可は出せない。理由を分かってくれるか?」

「……根拠のない病を大げさに騒ぎ立てたら、領民を不安にさせてしまうからでしょうか」

 ヨアンは少し困ったようにシュメルヒを見た。

「それもあるけど、一番の理由じゃない。……病がある土地に行かせて、妃にもしものことがあったら困るからだ。王宮から離れて危険な目にあったら? 俺の一番の反対理由はそこなんだよ。妃が心配なんだ」

(なんだ……ヨアン様はそんなことを気にされていたのか)

 ホッとした。もっと難しい理由かと思ったら、そんな些細なことだったなんて。思わず笑みが零れる。

「ご心配いりません。私は病に罹りにくい身体ですし、もしものことがあれば、自分で身を守れますから」

 ヨアンの表情がみるみるうちに強張っていった。

「……それはつまり、想像もしたくないけど、君が自分で自分を傷つけて血を流すってことか? あの時みたいに?」

 あの時、と言われてすぐにはぴんと来なかった。ややして、ヨアンが大聖堂での婚礼のことを言ったのだと気付く。襲撃者からヨアンを庇った拍子に背中を切り裂かれ、毒の血飛沫は襲撃者を死に至らしめた。

「もちろん周りの人たちに害が及ばぬよう極力避けます。私だけが少し血を流せば済むので……ヨアン様?」

 ヨアンは額に手を当てていた。

 

 場所はヨアンの執務室で、傍の机ではキリアスがヨアンの書類仕事を手伝いながら、手を止めず耳だけを二人の会話に傾けていた。

「……シュメルヒ。ちょっと、こっちへおいで。今からする俺の話をよく聞いてほしい」

 シュメルヒ。いつもは君、妃、と呼ぶヨアンが名前を呼ぶのは、大事な話がある時だ。シュメルヒの心にさざ波が立った。

(なにか……間違ったことを言ってしまっただろうか? ヨアン様は怒っているわけではなさそうだが)

 シュメルヒは、叱られるのを恐れる子供のようにのろのろと執務机を回り込み、ヨアンに近付いた。顔を上げたヨアンがシュメルヒをまっすぐに見つめてくる。

「さっきも言ったけど、俺が君を行かせられないのは、危険があるかもしれない場所だからだ」

「……はい」

「危険から遠ざけたいのは、君が大事だからだ。妃が今言った『心配いらない理由』は、理由になってない。君が自分自身を犠牲にすることが前提になってる。本末転倒だ……俺の言いたいことは、分かるか?」

「わか、ります」

 ヨアンは優しい。優しいヨアンに面倒な思いをさせてしまった。

(焦りすぎた……役に立ちたくて、ヨアン様の都合も考えずに頼み込んで困らせた)

 気が利かない自分に気持ちが沈んでいく。

(今ならきっと役に立てる気がしたのに……ヨアン様をご不快にさせてしまった)

「シュメルヒ、本当に俺の言いたいことを理解してるのか? 目を逸らさないで、こっちを見て。とても大事なことなんだ」

その時、切々としたヨアンの言葉を遮って、キリアスが割り込んだ。

「まあまあ、ヨアン様、その辺で。妃殿下がすっかり委縮されておいでだ」

 横から口を挟んだキリアスは、ヨアンに睨まれても飄々としていた。シュメルヒに向かって、にこっと笑みを投げる。

「いいじゃありませんか、妃殿下を視察に送り出しても」

「お前はちょっと黙ってろ、キリアス。行く行かないより、今はもっと大事な話を妃としてる最中なんだ」

「大袈裟な。妃殿下がわざわざ国民を案じて姿を見せたら、民は感激してヨアン殿下への人気も高まるでしょうし、結構良い案だと思いますけどねえ」

「妃を人気取りに利用したいだけだろう、お前は」

「酷い言いがかりですよ、殿下。平民である自分達を心配して妃殿下のような神々しい方が見舞いに来たら、効果絶大でしょう? 近隣にも噂がすぐ広まる。利用だなんてとんでもない! 妃殿下を頼りにしているんですよ、私は」

(人気取りのために出向きたいわけではないのだが……)

 結果としてヨアンのためになるなら……役に立てるなら、なんだっていい。

「私に出来ることなら、させてください。ヨアン様のお役に立てるならどんなことでもします」

「おい! 勝手に話しを進めるな!」

 ヨアンはキリアスに噛みつかんばかりだ。キリアスが味方してくれている今が好機とばかりに、シュメルヒはヨアンの前に膝をついて見上げた。

「ッ、こら、そんな真似、コイツのいる前でしなくていい! というか、まだ話は終わってないから」

 主君に対する懇願の姿勢だが、ヨアンはシュメルヒがそれをすると、毎回慌てて止めてくる。だからつい、大した頼み事でない時も、慌てるヨアンが見たくて膝まづいてしまう。だが、今回は真剣だ。

「お願いです、ヨアン様。危ないことはしませんし、何かあっても護衛の騎士たちの後ろで大人しくしています。ですから……ね、行かせてください。もう我儘は申しませんから、今回だけお願いを聞いてくださいませ」

 我儘、という単語にヨアンの手がピクリと動いた。

 シュメルヒが「ああしたい、こうしたい」と自分の意見を表明するとヨアンは嬉しそうにする。シュメルヒはそれを我儘だと思っているが、ヨアンは「妃が自分の気持ちを言葉にしてくれるのが嬉しいんだ」と言う。シュメルヒにはよくわからないが、そういう時のヨアンは、いつもシュメルヒのしたいようにさせてくれるのだ。

(この言い方をすれば、今回もきっとヨアン様は許してくださるはず)

「……護衛と、それから念のため俺も一緒に行くなら、……まあ」

 案の定、ヨアンの態度が少しだけ軟化した。

「ヨアン様は公務が立て込んでおられますでしょう?」

「そうだけど……おい、キリアス」

 呼ばれたキリアスはきっぱりと首を横に振った。

 机の上に溜まった書類の山を指差し、

「近場でしたらともかく、殿下が今王宮を空けるのは無理です」

「……どうしてもか?」

「護衛は十分に配備しますので、殿下は城の中で仕事を片付けてください。問題ありませんよ、治安の悪い貧民窟へ行くわけではないんですから」

 ヨアンは盛大に顔を顰め、目の前の書類とシュメルヒの顔を交互に見比べている。シュメルヒはヨアンの手に自分の手を重ねた。

「ヨアン様、ご心配なく。気がかりが晴れたらすぐに戻りますから、良い子でお留守番なさってください」

「……子供扱いするな、もう大人の男なんだぞ」

 ふっ、と笑みが零れた。ヨアンがこちらを睨む。

(……お可愛らしい。いっそずっと子供でいらしても良かったのに)

 これで、ヨアンの役に立てるかもしれない。さっきヨアンに叱られたばかりなのも忘れて、心が浮き立った。

(ヨアン様が同行できないのは最初から分かっていたことだし、その方が都合が良い……)

 ヨアンは心配性が過ぎるので、これからシュメルヒが試そうとしていることを知れば、また怒るに違いない。

「城の外に行くのを許す代わりに、約束してくれ。決して危ない真似はしないこと。自分を大事にしてほしい。病人は可哀想だが、君は医者じゃないんだ。出来ることと出来ないことがある……約束してくれるか?」

 心を読まれた気がしてぎくりとしたが、己に言い聞かせた。

(大丈夫、これは必要なこと。ヨアン様のために、頑張らなくては)

「はい。約束します、ヨアン様。危ないことは致しません。信じてください」
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