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闇と光の中で
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暗い部屋で手と同じくらいの長方形の機械から彼女の顔を照らす
それと同時にガチャンと玄関が閉まる
縦棒2本のマークを押し耳を塞いでいた丸い白のイヤホンを外し
3cm程のヒールを脱ぎ捨てカバンをソファに投げ倒れるようにシングルベッドに身を投げた
手に包まれた長方形の機械を撫でるようにスライドし緑ふちの白字をした正方形が赤い丸の白字2という字を強調させていた
その正方形を押すとさっきまで赤い丸の白字が横長の右端に移っていた
左側に名前がある
天宮透
と
その名前の下に何か文字が書いてある
不甲斐ない男でごめんな
彼女は深呼吸した
決心した表情で彼女は天宮透のトークを押した
俺、今のままだとお前を大事にできない
俺もお前も仕事ですれ違いばっかりで
会うこと連絡するのも少なくなってる
お前の相談とかも聞けてあげられない
昨日みたいに喧嘩とかしたいわけじゃない
たぶん今が潮時なんだと俺は思う
不甲斐ない男でごめんな
彼女を照らす光に対抗するように大粒の水が文字を掠めていく
鼻をすする音
ぽたぽた落ちる音
子供のような鳴き声
彼女は震えた手をゆっくり動かす
タッタッタッっと文字を浮かび上げる
私こそごめんね
透のこと支えてあげれなかった
昨日の電話、私も喧嘩したかったんじゃないの
同棲しない?って言いたかったの
…本気で恋を楽しいと思えた
ありがとう
さよなら
不甲斐ない彼女でごめんね
浮かび上げた文字を紙飛行機のマークで彼の元まで飛んで行った
さっきより大きい粒が布団をどんどん濡らしていく
声をかき消すように雨が降ってきた
その音の中にピアノの音が響き出す
366日
さっき止めたはずの歌が流れ始めた
それでもいい
それでもいいと思えた恋だった
彼女は思い出したように少し微笑み大粒の水を流していく
流れる曲に寄り添い彼女は彼のことを思います
2年前、企画が上手く行かなかった彼女を居酒屋でたまたま隣に座っただけなのに泣き酔いしてる彼女を相手してくれた
そこが2人の出会いであった
知人の紹介でコンパをすることなった
その時たまたま天宮透がいた
2人して「あ!!」と指を指し
そこから話している内に意気投合し2.3回食事をして付き合うことになった
彼女は東京 赤坂
彼も東京 赤坂
赤坂ガーデンプレイスで待ち合わせする
彼は東京 赤坂のデザイン会社に勤めていた
だからデートはいつも赤坂や都内、彼女の家に来ていた
春は花見をして
夏は赤坂のビアガーデンで飲み
秋は紅葉を見ながら散歩する
冬はイルミネーションの前でそっと抱きしめる
家に来たら彼女は彼の好きなオムライスを作り
お風呂に一緒に入って彼の髪を乾かし彼女の髪も乾かす
ソファーで肩に寄りかかりながら見た映画
枕を彼に投げつけ大粒の涙を流しながら言葉をぶつけ・ぶつけられた
それも包み込むように抱きしめあったベッドの中
いつまでも続くと思っていた
1年前に彼が横浜のみなとみらいに赴任が決まった
決して遠くはない
だが、前のように会う頻度は少なくなった
それでも半年間はお互い行ったり来たりで週1で会っていた
いつからか
ごめん急用できた申し訳ない
企画書書かなきゃだからごめん
その日元々友達に会うって言ってたじゃん
その日はごめん無理だった
わかっていた。時が来ていることは
でも彼女には目を背けることしか出来なかった
そうなんだね!気にしないでいいよ!頑張れ!
それは大変だね…頑張れ!
あ、そうだったんだ…ごめんね。楽しんで
そっか…わかった
彼女は会えない分仕事に精を出し業績は上がる一方的
心は落ちる一方的であった
ある日彼女はある決心をしてみなとみらいに行った
明かりが美しく輝いていた
彼女は心の中で
透と一緒にまた見たいな
後ろから聞き覚えのある声が聞こえた
でもその声と共に聞こえるのは甲高い女の声
その女が言った
透さん彼女さん大丈夫なの?
あぁ。
透…
後ろをチラッと見る
透だ
その瞬間、心の中で今まで起きたこともない感情が浮き上がった
嫉妬
怒り
裏切り
その感情が芽生えたと共に
彼と目が合った
彼女は勢いよく目を逸らした
一縷(いちる)の望みを賭けて
何もなく去って行った腕を組む2人組の背中を今にも崩れ落ちそうな体を奮い立たせ見つめることしかできなかった
その晩、彼に電話した
出ない
その次の日、電話した
出た
その時、言いたかった言葉を出す前に不安から出てきてしまった。
この前、みなとみらいに行ったんだ
透…いたよね?
俺会社にいたけど
透はずっと会社にいるの?
何が言いたいんだよ
浮気してるって言いたいのかよ
…目、合ったよね
…
…浮気してるよね
…で?
え?
お前は俺を信じてないってことがよくわかった
なにが?あの腕を組む2人組を見て信じてないんだなって言われても意味わかんないよ!
いやあれは…
あれは?なに!?この頃ずっと急用とかで会ってないじゃない!それはそういうことだったんでしょ!
いやだから…
だからなに!?早く言ってよ!私のこと放ったらかしにして若い女の子と遊んで1人だけ楽しんで私がどれだけ辛かった知らないでしょ?!!
透は今頑張ってるんだし私も頑張らなきゃって
風邪引いてないかなって
会いたくならないのかなって…
…
もういい。切る
それから今日のメッセージ
あと少しでちぎれそうな赤い糸を直さず私はちぎってしまった
彼が残した
服
ペアマグカップ
歯ブラシ
匂い
それだけが今の私を苦しめる
楽しかった思い出
辛かった思い出
今はただあなた
あなたのことだけで
あなたのことばかり
歌が終わると共に空が明け隙間から入って来た陽の光が雨が上がったことを告げていた
机の上に置いた
手と同じくらいな長方形の機械が
陽の光と共に光り
文字を浮かび上げた
天宮透
と
薄く囲われた名前を押す
ごめん。俺変な勘違いさせてた
結婚しよう
俺も同じように考えてた
潮時ってのはこの今の関係が終わりってこと
今日やっと企画が終わって余裕ができるんだ
まだこんな俺でもいいなら
いつもの場所で待ってる
しわくちゃなシャツにぐちゃぐちゃな顔腫れた目でふっ…と笑い
彼にメッセージを送る
もう…ほんとにバカ
わかった。いつもの場所ね
気合いの入った服にメイク
全身鏡で笑顔の練習
時計が8:30と指す
焼いたパンにイチゴジャムを付け
彼女は勢いよく扉を開けて光に溶け込んでいった
いつもの場所で
それと同時にガチャンと玄関が閉まる
縦棒2本のマークを押し耳を塞いでいた丸い白のイヤホンを外し
3cm程のヒールを脱ぎ捨てカバンをソファに投げ倒れるようにシングルベッドに身を投げた
手に包まれた長方形の機械を撫でるようにスライドし緑ふちの白字をした正方形が赤い丸の白字2という字を強調させていた
その正方形を押すとさっきまで赤い丸の白字が横長の右端に移っていた
左側に名前がある
天宮透
と
その名前の下に何か文字が書いてある
不甲斐ない男でごめんな
彼女は深呼吸した
決心した表情で彼女は天宮透のトークを押した
俺、今のままだとお前を大事にできない
俺もお前も仕事ですれ違いばっかりで
会うこと連絡するのも少なくなってる
お前の相談とかも聞けてあげられない
昨日みたいに喧嘩とかしたいわけじゃない
たぶん今が潮時なんだと俺は思う
不甲斐ない男でごめんな
彼女を照らす光に対抗するように大粒の水が文字を掠めていく
鼻をすする音
ぽたぽた落ちる音
子供のような鳴き声
彼女は震えた手をゆっくり動かす
タッタッタッっと文字を浮かび上げる
私こそごめんね
透のこと支えてあげれなかった
昨日の電話、私も喧嘩したかったんじゃないの
同棲しない?って言いたかったの
…本気で恋を楽しいと思えた
ありがとう
さよなら
不甲斐ない彼女でごめんね
浮かび上げた文字を紙飛行機のマークで彼の元まで飛んで行った
さっきより大きい粒が布団をどんどん濡らしていく
声をかき消すように雨が降ってきた
その音の中にピアノの音が響き出す
366日
さっき止めたはずの歌が流れ始めた
それでもいい
それでもいいと思えた恋だった
彼女は思い出したように少し微笑み大粒の水を流していく
流れる曲に寄り添い彼女は彼のことを思います
2年前、企画が上手く行かなかった彼女を居酒屋でたまたま隣に座っただけなのに泣き酔いしてる彼女を相手してくれた
そこが2人の出会いであった
知人の紹介でコンパをすることなった
その時たまたま天宮透がいた
2人して「あ!!」と指を指し
そこから話している内に意気投合し2.3回食事をして付き合うことになった
彼女は東京 赤坂
彼も東京 赤坂
赤坂ガーデンプレイスで待ち合わせする
彼は東京 赤坂のデザイン会社に勤めていた
だからデートはいつも赤坂や都内、彼女の家に来ていた
春は花見をして
夏は赤坂のビアガーデンで飲み
秋は紅葉を見ながら散歩する
冬はイルミネーションの前でそっと抱きしめる
家に来たら彼女は彼の好きなオムライスを作り
お風呂に一緒に入って彼の髪を乾かし彼女の髪も乾かす
ソファーで肩に寄りかかりながら見た映画
枕を彼に投げつけ大粒の涙を流しながら言葉をぶつけ・ぶつけられた
それも包み込むように抱きしめあったベッドの中
いつまでも続くと思っていた
1年前に彼が横浜のみなとみらいに赴任が決まった
決して遠くはない
だが、前のように会う頻度は少なくなった
それでも半年間はお互い行ったり来たりで週1で会っていた
いつからか
ごめん急用できた申し訳ない
企画書書かなきゃだからごめん
その日元々友達に会うって言ってたじゃん
その日はごめん無理だった
わかっていた。時が来ていることは
でも彼女には目を背けることしか出来なかった
そうなんだね!気にしないでいいよ!頑張れ!
それは大変だね…頑張れ!
あ、そうだったんだ…ごめんね。楽しんで
そっか…わかった
彼女は会えない分仕事に精を出し業績は上がる一方的
心は落ちる一方的であった
ある日彼女はある決心をしてみなとみらいに行った
明かりが美しく輝いていた
彼女は心の中で
透と一緒にまた見たいな
後ろから聞き覚えのある声が聞こえた
でもその声と共に聞こえるのは甲高い女の声
その女が言った
透さん彼女さん大丈夫なの?
あぁ。
透…
後ろをチラッと見る
透だ
その瞬間、心の中で今まで起きたこともない感情が浮き上がった
嫉妬
怒り
裏切り
その感情が芽生えたと共に
彼と目が合った
彼女は勢いよく目を逸らした
一縷(いちる)の望みを賭けて
何もなく去って行った腕を組む2人組の背中を今にも崩れ落ちそうな体を奮い立たせ見つめることしかできなかった
その晩、彼に電話した
出ない
その次の日、電話した
出た
その時、言いたかった言葉を出す前に不安から出てきてしまった。
この前、みなとみらいに行ったんだ
透…いたよね?
俺会社にいたけど
透はずっと会社にいるの?
何が言いたいんだよ
浮気してるって言いたいのかよ
…目、合ったよね
…
…浮気してるよね
…で?
え?
お前は俺を信じてないってことがよくわかった
なにが?あの腕を組む2人組を見て信じてないんだなって言われても意味わかんないよ!
いやあれは…
あれは?なに!?この頃ずっと急用とかで会ってないじゃない!それはそういうことだったんでしょ!
いやだから…
だからなに!?早く言ってよ!私のこと放ったらかしにして若い女の子と遊んで1人だけ楽しんで私がどれだけ辛かった知らないでしょ?!!
透は今頑張ってるんだし私も頑張らなきゃって
風邪引いてないかなって
会いたくならないのかなって…
…
もういい。切る
それから今日のメッセージ
あと少しでちぎれそうな赤い糸を直さず私はちぎってしまった
彼が残した
服
ペアマグカップ
歯ブラシ
匂い
それだけが今の私を苦しめる
楽しかった思い出
辛かった思い出
今はただあなた
あなたのことだけで
あなたのことばかり
歌が終わると共に空が明け隙間から入って来た陽の光が雨が上がったことを告げていた
机の上に置いた
手と同じくらいな長方形の機械が
陽の光と共に光り
文字を浮かび上げた
天宮透
と
薄く囲われた名前を押す
ごめん。俺変な勘違いさせてた
結婚しよう
俺も同じように考えてた
潮時ってのはこの今の関係が終わりってこと
今日やっと企画が終わって余裕ができるんだ
まだこんな俺でもいいなら
いつもの場所で待ってる
しわくちゃなシャツにぐちゃぐちゃな顔腫れた目でふっ…と笑い
彼にメッセージを送る
もう…ほんとにバカ
わかった。いつもの場所ね
気合いの入った服にメイク
全身鏡で笑顔の練習
時計が8:30と指す
焼いたパンにイチゴジャムを付け
彼女は勢いよく扉を開けて光に溶け込んでいった
いつもの場所で
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