白黒の世界

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黒い行進 2話

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黒い行進 2話

 どうも、私です。前回無謀な突撃をしたことによってしばらくはドイツの内政をさせられることになった私です。いやはや、このお話しの続きを書くのはだいぶ先だと思っていたんですが、事前に十分すぎるほど野戦砲を備蓄していたようでして、わずか師団編成をしてから1日後に全師団の充足を満たしてしまったんです。何してるんですかね、ヒトラー閣下。おかげで私の負担が増えるじゃないですか。

 と文句を言っても仕方ないので、ポーランド、オランダらの戦争の後に行った内政について説明します。まずは国家方針である「kdfワーゲン」を達成し、民需工場の追加を行い、その後インフラを整えた後に「ドイツ経済戦争」の国家方針を達成させる。そこまで達成できれば「アンシュルツ」を行いオーストリアを併合し、追加の研究を行って研究枠を一つ増やす。ざっとこれぐらいでしょうか。これらを全部達成するにはそれなりの時間がかかってしまいます。これらを達成する間は私は内政にしか口を出せません。軍事についてグデーリアンさんやマンシュタインさん達とお話ししたいのに…まぁ総統閣下が直々に命令されたらしいので従いますけども。

 まずは軍需工場を量産します。現在民需工場が不足していることは確認できないので、軍事力の強化ですどんどん軍需工場を増設させましょう。

 具体的にはザクセンやヘッセン、ワルシャワなど計12都市158個の軍需工場を建設。これによって軍需工場は合計で223個まで増加し、恐らく全世界中トップの軍事力になるはずです。もっとも、それを全て建設しきるにはどれほどの時間がかかるかはわかったものではないですが。

 続いては既存の軍隊の編成です。現在我々ドイツ軍が保有している機甲師団は24個師団。軽戦車120両、トラック125両からなる装甲師団を24個師団、つまり現在一斉攻勢をかければ敵は2880両の戦車が一度に襲いかかってくるようになっているのですが、これでは足りない。もっと大量の戦車による突撃作戦を行えるようにしたいと思いましたので、現在の機甲師団を再編成、1個師団辺り軽戦車が300両。つまり全軍が突撃した場合、敵は7200両の戦車を迎え撃つ計算になるようにしました。これはさぞ恐ろしいでしょうねぇ。ちなみに、戦車達を支援するトラックも1個師団辺り195両まで増やしましたので、これで戦車部隊は更に強化されることになるでしょう。

 とそんなことをしている内に、スペインで国粋主義者と共産主義者とで内戦が勃発。ここで共産スペインが勝ってしまうと、今後スペインに攻め込んだ際にスペインがコミンテルンに加入してしまうため、総統閣下は国粋スペインに師団の更新を終えた精鋭機甲師団4個師団を派遣することを決定。マンシュタイン将軍をスペインの地に向かわせたのであった。

 「クッソなんだあの戦車は!まるで俺たちの攻撃が効かないじゃないか!」

 スペインの内戦地では、地獄の形相が広がっていた。内戦状態になったスペインだったが、国力がそれほど無い状態で内戦になったため、攻めるには武器が足りず、守るには武器が足りなかった。地獄の戦場では憎悪のみが増大し、武器がない兵士は拳で殴り合い、戦場は死屍累々としていた。そんな戦場では当然ながら装甲師団などあるはずもなく、1200両の鉄の群れが戦場を支配していた。マンシュタイン将軍が攻勢をかけた場所では全ての戦線で勝利し、スペイン内戦は年をまたぐことなく、1936年12月26日に集結した。そして年が明けた1937年2月13日…

 「というわけでスペイン戦の作戦会議を始める」

 その総統閣下の宣言でスペインに対する戦闘計画の会議が始まった…のだが、

 「あの、総統閣下。なんで私がまたここにいるんです?」

 あろうことか、私はまた作戦会議の立案者にされていた。前回のポーランド戦にて短期間での勝利を収めることができたため、完全に総統閣下に気に入られてしまったのだ。

 「心配するな。今回の戦争にて我々が負けることはまずない。安心しろ」

 そう総統閣下にも言われてしまったため、今回も渋々私は作戦を説明するのだった。

 「今回の作戦も大したものではないんですけど、デーニッツさん率いる艦隊とレーダーさん率いる艦隊でスペインまでの制海権を取り、グデーリアンさんによる機甲師団10個師団による強襲上陸を行います。上陸が成功し次第後続を送り、機甲師団24個師団、歩兵師団48個師団、計72個師団で一気にイギリスが保有しているジブラルタルでしたっけ。そこまで進軍します。そうすりゃ相手は降伏するはずです。ちなみに、一応電撃戦の練習も兼ねているので手は抜かないようにお願いします」

 とここまで私が説明していると、

 「ちょっと待てぃ。それほどの兵を移動させてしまっては本土を守る部隊がいないのではないか?」

 と総統閣下が指摘してきた。しかしそれは想定内の反応であり、

 「ご心配なく総統閣下。ロンメル将軍率いる機甲師団を8個師団、歩兵を24個師団、更に訓練中の歩兵8個師団、トラック師団12個師団の計52個師団を本土に展開可能にしています。歩兵32個師団で防衛し、機甲師団で突破、その戦線をトラック師団で防衛する、電撃戦を行えるようにしていますので」

 と私は胸を張って答えた。

 「…作戦を開始せよ。何としてでも1ヶ月以内には降伏させるのだ!」

 恥ずかしかったのだろう。いつもより数倍大きい声で叫び、将校達の笑い声の元、戦争が始まるのであった。

 「スペイン人は、我々のように誇り高く、権力を簡単には手放さない人々だ。だが彼らはまた、権力こそが最終的に勝利を決定付けるものであり、我々の偉大な文明の軌道は衝突によってしか終わらないことを理解すべきだ。ドイツの若者よ。来る闘争の心構えをせよ。国粋スペインとはお互いの血を流すことなくして終わらない。
歴 史 は 我 々 の 勝 利 に よ っ て 記 録 さ れ る の だ」

 戦争が始まる前、ヒトラーがこのようにドイツ国民達に演説を行った。国民達はドイツから戦争の準備をされていることを知った上でそれでも連合国に逃げなかったスペイン人の決意に心の底から拍手を行い、そしてだからこそ完膚なきまでスペイン軍を破壊することを改めて決意した。それこそが誇り高きスペイン軍達を救うことだと信じて…

 1937年2月23日、ドイツ第三帝国は国粋スペインに宣戦布告。ファシスト同士での戦争が開始された。

 レーダー提督がイギリス海の制海権を潜水艦艦隊で制圧し、戦艦を含む、デーニッツ提督が率いる主力艦隊がビスケー湾を制圧。無事にグデーリアンの機甲師団10個師団を輸送した。続いて後続を送ろうとしたドイツ軍であったが、ここで壊滅状態にありながらもわずかに生存していたスペイン潜水艦艦隊がドイツ主力艦隊に襲来した。反撃が一手遅れたドイツ艦隊はこの攻勢によって軽巡洋艦一隻が大破するという被害を被った。しかし敵潜水艦の位置を特定したことにより、レーダー提督率いる潜水艦艦隊がスペイン海軍に反撃を開始し、スペイン海軍は全滅した。そうして後続が到着したドイツ軍は、全軍で一斉攻勢を開始。開戦してから1ヶ月近く経過した1937年3月30日、ついにスペインの第一首都であるマドリードが陥落した。しかし、スペイン軍は首都をバルセロナに移転させて戦争を継続。また、首都機能を移している間にはスペイン軍による死をいとわない突撃によってドイツ軍の指揮系統が混乱する事態が発生。すぐに冷静さを取り戻したドイツ軍であったが、ドイツ軍の士気は大きく下がることになる。それと同日に、大日本帝国がソビエト連邦に宣戦布告。トロツキーとの内戦状態に陥っていたソ連は窮地に立たされることになった。

 内戦が終了して2ヶ月が経過したときに宣戦布告されたスペインは、総師団数が16個師団とドイツに比べてあまりにも弱々しかった。しかし、たとえ国土の9割が制圧されようとしていても、革命を成功させて新たなスペインを作り上げようとしたフランコ将軍を信じ、ドイツ軍に対して果敢に攻撃した。しかし、やはり戦車に対する有効な攻撃方法がなく、戦車の集中配備による一点攻勢、戦車が突破し間延びした戦線を歩兵が支え、盤石な支援の元更に奥地に浸透する、グデーリアンが発案した「電撃戦」の前には無力であり、宣戦布告を行ってから1ヶ月と少しが経過した1937年4月7日、国軍が全滅し、燃えかす一つすら残らなかった国粋スペインはついに降伏し、全土がドイツに併合されたのであった。

 そして1937年5月6日、ドイツによってオーストリアが併合され、ここにフランスを除けばヨーロッパの大半を手中に収めたドイツ第三帝国が誕生したのであった。

 工業力は軍需工場が138、民需工場が72、造船所が13と合計で220を超えた。また、軍備に関しては、機甲師団40個師団、トラック師団24個師団、そして歩兵師団96個師団と、160万人のドイツ軍人による大軍が存在している。これは内戦状態に陥る前のソ連軍よりも多い数であり、もはや陸軍で我々を超える国は存在しなくなった。…頃合いか、そう考えた私は、幹部達を招集し、次の戦争に関する会議を行う準備をした。もちろん、若い年頃でありながらポーランド、オランダ、そしてスペインを素早く制圧させて見せた、彼も引き連れて。

 少し時は遡って…

 「アンシュルツも完了した。工場も思ったよりは少なかったけど、最低限の目標である130以上は完成した。師団に関しても、攻撃のために使う電撃戦と防衛のために使う電撃戦、両方を準備できた。ちょっと防衛用が不安だけど…これで当面の間はドイツを脅かそうとする国は出てこなくすることができた。ようやっと一息付けるなぁ…」

 総統閣下から頼まれていた書類の作成と整理が終了し、私は一息ついていた。そして休憩にと、日本から取り寄せていたみかんジュースのビンを取り出した…のだが…

 「なん…だと……」

 なんと一滴も残っていなかったのだ。この間飲みきってしまったことを思いだし、絶望に打ちひしがれていると、

 「どうされたんです?そんなに落ち込まれて。珍しいこともあるんですね。」

 と誰かの声がした。私は振り返ってその声の主を見ようとしたが、誰なのかははじめからわかりきっていた。少し男性にしては高めの声であり、何の濁りもなく透き通っている声…そう…

 「今私は冷蔵庫に冷やしていたジュースが切れていてショックを受けています。何か用事があるのでしたら後にして頂けませんでしょうか?…ラインハルト・ハイドリヒさん」

 そのように返事を返した。しかし、

 「そんなつれないことを言わないで下さいよ。今後のドイツ軍にまつわる大事なお話なんです。ほら、あなたが飲みたいものが何なのかは分かりかねますが、私の好きなジュースを持ってきたんです。それを飲みながらお話ししましょう?」

 と悪びれる様子もなくハイドリヒは返事をしてきた。気分を害した私は、直接ハイドリヒに向かって悪態をつこうとしたが…

 「…なんで私の好物をあなた方が知っておられるのですか?私の好物など総統閣下にすら話した覚えはないのですけど」

 彼が持ってきた私の大好きなみかんジュースを飲みながら、ハイドリヒにそう訪ねた。

 「我々親衛隊の諜報能力は素晴らしいものですので。国防軍に所属している全ての将校達の好物は把握しています。例えばあなたが好いているグデーリアンさんであれば、あぁ見えて甘い物が好みのようですよ」

 と返答するハイドリヒに対し、

 「えっ!あのグデーリアンさんが甘い物好きだったんですか…全く知らなかったです…じゃぁ今度時間があるときにスイーツとか作ってみようっと」

 と返答する私、

 「ちなみに私の好物はソーセージです。やはりあれはドイツ製のものが1番うまい」

 「あなたの好みは聞いてないです」

 「酷い()」

 と私たちは会話をしていた。その上で、

 「しかし、以外でしたね。ハイドリヒさんは鬼だの悪魔だの死に神だの散々に言われていましたが、以外と普通の方じゃないですか」

 と私は話した。それに対しハイドリも、

 「全部悪口じゃねぇか。それにえらい言われようですね。泣いちゃいますよ私?というのは冗談ですが、私も意外でしたね。あなたには感情がないと報告されていましたが、大きな差はないものの、かすかに表情が変動している。それはここに来てから変わったのか、収容所の「処理」を任したが故に変化したのかは分かりませんけどね」

 と返事を返してきた。私は、ハイドリヒが所属している「総統親衛隊」からの依頼により、「アウツビッシュ収容場」に収容されているユダヤ人の虐殺をこの前から担当させてもらっていたのだ。

 「管理を推薦した私が言うのも何ですが、あの当時に収容されていたユダヤ人全てを、死体の肉を調理してステーキ風にして仲間に食べさせた後にネタをばらし、精神を破壊させ、衰弱死するまで一切飲まず食わずの何にでも言うことを聞く傀儡人形にしたことにはさすがの私も身の毛がよだちました。ぶっちゃけドン引きしましたね」

 とハイドリヒが私を気味がるように話しかけてきたが、それに対し私は、

 「そもそもあんな収容所を作っておびただしい数のユダヤ人を捕らえさせたあなたに言われたくないですよ。それに、使い捨ての駒をあそこまで用意できたから短期間での工場の増設につながったんですよ?もっと早くからあそこの運営に混ぜてほしかったですね」

 と軽く流し、ドン引きしている彼を横目に、

 「それより今後のドイツ軍の~って話をされていましたが、具体的な話とは?」

 と質問した。するとハイドリヒは先ほどの表情とはガラッと変わり、

 「あぁそのことですね。単刀直入に申し上げますと、我々親衛隊が保有している設計図をあなたに提供します。その代わりに我々親衛隊の特殊部隊である、「武装親衛隊」の創設を許可していただきたいのです」

 と答えを返してきた。彼にとっては設計図という餌をちらつかせて武装親衛隊の設立をなんとか許可させたい、と思っていたのだろ。故に、

 「分かりました。すぐに手配しますね」

 と私が即答したため、彼の目を点にさせることができた。いやはや、愉快愉快。

 その後、私は武装親衛隊の創立を許可し、代わりに親衛隊が保有していた兵器である、「機械化歩兵、ソードフィッシュ」の設計図を入手したのであった。そして時は進み、総統閣下による集合命令が発生された際、私はとある作戦の元、作成した侵攻計画を持って会議室に向かうのであった。

※この物語は架空戦記であり、フィクションです

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