Six Sisters:親父の知人女性と娘に挨拶してきて、と言われ渋々引き受けたが斜め上の結果をもたらした

鎔ゆう

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観光を終え彼女を引き連れ帰宅

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 新潟県笹山遺跡で出土され国宝になっている土器を見て回り、往時の生活を再現した展示を見る。
 縄文時代の火焔型土器や王冠型土器は、教科書で見たことのある奴だ。
 五十七点あって解説を読みつつ展示物を眺めるが、かなり退屈そうな奴が約一名。

「面白いか?」
「おもっしょねえの」
「あの、あたしは勉強になるので」

 楓はおバカ決定だ。歴史に全く興味がないらしく学ぶ意思も無いようだ。
 逆に心優は興味云々より学びと捉えてる。大学受験まで考えると知らんよりは知ってた方がいいし。先のことも見据えてるんだろう。

「楓はあれか? ネズミの国とか」

 目を輝かせて連れて行けとか言ってやがる。これには心優も心躍るようだ。揃って期待してるのが見て取れる。やっぱ女子なんだな。金さえ払えば夢が買えるからなあ。全部作りもんだけど。
 このあとも織物史を見て、信濃川流域の歴史や雪と暮らす生活風景を見たり。
 俺としては、ここが一番時間を潰しやすかった。心優も勉強になったと言ってる。どうやら相性はそれほど悪くないな。
 楓は、まあ仕方ない。アホだ。

「あんにゃ。よっぱらんなった。せいで帰らんかね」
「じょんのび、じゃないのか?」
「だっけよっぱらんなった」
「よっぱらんなったって、なんだよ」

 飽きたって意味らしい。方言出すなっての。通じねえんだよ、標準語圏の相手には。
 それにしても、こいつ訛りが酷いな。仮に上京しても、これで通したら大したものだと思うが。まあご当地アイドルなんてのは、あえて訛りを売りにしてるけど。
 帰りの時刻を確認し戻ることに。
 少し時間もあることから十日町東口駅前近辺にある、こぎれいなカフェに入って休憩する。
 到着時刻の少し前に駅に移動し電車に乗って帰った。

 戻ると陽子さんが「おかえり。楽しめた?」と。それなりに楽しめたと言っておく。楓が飽きてしまったとも。

「おここ……だちかんちゃ」

 母親も方言がすぐ出るから娘も方言使うんだろうなあ。本人は気付いてないみたいだけど。
 自宅リビングで夕飯まで寛ぐか、それともさっさと風呂に入るか。

「あんにゃ。三人って」
「マジで入るのか?」

 背中を流し合うのを経験したいとか。なんだそれ。

「水着?」
「着ない」
「丸出し?」
「あんにゃ、エロい」

 構わないらしい。見たけりゃ隅々まで見せるとか。恥じらいは無いようだ。
 心優とは、すでにそんな関係だからと思ったが、やっぱまだ少し恥ずかしいらしい。少しでもまともな神経の持ち主で良かった。
 夕飯まで時間もあり、移動で汗もかいていて気持ち悪いことから、風呂に入ってさっぱりすることにした。

 でだ、ペンションの風呂を借りて三人で大丈夫かと思ったが、陽子さんは意に介さないようだ。いいのかそれで?
 脱衣所で服を脱ぐと「あっきゃー!」とか言って喜ぶアホが居て、まだ育ち切らない体を見せつける変態と化していた。
 なんのことはない。俺のが心優で反応したのを見て、面白がったってだけで。

 三人並んで背中を流し合い、湯船に浸かり「じょんのびじょんのび」と寛ぐ楓が居る。
 中学生じゃあれだ、まだまだだな。ちんまい心優にすら負けてるし。それでも足を広げて広い浴槽で寛いでるし。心優は少し恥じらいながら浸かってる。なんか可愛らしい。

 風呂から上がり夕飯を食らいペンションの部屋で就寝。明日は帰るからな。
 だが、俺の隣にはしっかり心優が居て同衾状態。遠慮しようかと思ったが荒ぶる煩悩には抗えなかった。だって、血の繋がり無いんだもん。他人だぜ。遠慮する理由って何がある。
 そこにご馳走があれば食らうのが本能。

「あんにゃ。あたしのもん、ちょするちゃ」

 隣のベッドで布団被って聞き耳立てつつ、様子を窺っていたようだが、出てくると俺と心優の間に割入って寝言噛ましやがる。
 結局しっかり触らされた。でもなあ、手で摘まむ感じだったぞ。サイズ的に。

 人生初の三人プレイ、って奴か。
 などと感想を抱きつつ寝入った。

 翌朝、帰る準備をして朝食を済ませると、陽子さんから「五年後って言ってたけど」と言われたが。

「信じてます?」
「その辺はねえ。たぶん東京は誘惑多いし、覚えてくれてればいいかな、程度で」
「言っておきますよ。迎えに来るも来ないも、きちんとしろと」

 俺に対しては済まなさそうで、親父に対しては少々腹立たしさもあるようだ。本人が直接来て挨拶しないこともある。本気度は低いと見てるようだ。
 生活自体は苦労してない。駄目なら駄目で新たな伴侶を見つけるからって。

「琢真君が気を使う必要ないからね」

 だそうで。
 その後、越後湯沢駅まで送ってくれるが、もちろん心優も一緒だ。ついでに見送りで楓も乗ってる。
 それと土産を持たされた。親父以上に気を使ってくれてるし。あんなクソいい加減なバカタレ親父なのに。マジで悪いなと思う。

 駅改札前でふたりと別れホームに向かう。
 なんか寂しそうな楓が居て泣きそうじゃないか。親戚の娘と俺と同時に居なくなるからか。

「あんにゃ。好きだーすけ」

 やっぱ惚れられたか。難儀なこった。
 手を振り見送る楓だが、いずれ東京に行くとか言ってるし。
 五人揃って顔合わせた際に、どう思うのか知りたくもないな。その時点で親父の浮気相手が少なくとも五人居て、全員妹だなんて。浜松の子みたいに嫌われてる方が気楽だ。

 ホームで新幹線を待つ間、心優がこっちを見て「楓ちゃんって妹なんですよね」と言ってる。

「そうみたいだ」
「さっき好きって」
「妹と言っても、今まで一度も会ったことが無かった」

 だから互いに実感できないと説明したが、こんなの理解できないだろうなあ。ブラコンとシスコンとしか世間は認知しない。まあ変態兄妹ってことだな。

 ホームに流れ込み停車する新幹線。
 ふたりで乗り込み座席に着くと、この夏の挨拶回りも終わったと実感する。
 行きはただの他人だった。
 帰りは彼女として。
 行きで一緒という偶然に行き先までも。さらに陽子さんの親戚の子だったとか、運命としか言えない出会いかも。
 心優に視線をやると気付いて、こっちを見て首を傾げてる。
 なんか可愛い。

「そう言えば、どこに住んでるんだ?」
「世田谷区です。さ、笹井さんは」
「笹井なんて他人行儀すぎるだろ。琢真でいい。渋谷区だ。世田谷のどこ?」
「あ、えっと、じゃあ琢真さん。あの、世田谷代田です」

 すぐ近くと言っても差し支えないな。奥津軽だの佐世保だのと比べたら、隣近所みたいなもんだ。

「じゃあ、いつでも会えそうだな」
「い、いいんですか?」
「付き合ってるんじゃないの?」

 俯きつつも笑顔になって嬉しそうだなあ。

「途中までは一緒だな。俺の方が手前で降りるけど」
「あの、じゃあ、小田急線」
「ここまで偶然が一致するってのもな」

 運命の相手、なのかも。ああ、そこまで大袈裟なものじゃないか。でも、そう思ってもいいなんて。
 一時間半程度で東京駅に着くと乗り換えて新宿へ。新宿から小田急線に乗り換え自宅最寄り駅で下車する。

「俺はここだから。また連絡する」
「あの、気を付けてくださいね」
「そっちもな。まだもう少しあるし」

 名残惜しそうだなあ。もっと一緒にとか思うんだろう。俺もそう思う部分はあるが、だからと言って家まで行くのは違うし。
 あとで電話すると言って下車するが、車内から笑顔で手を振る心優が居た。
 まさか彼女までできるとは。血の繋がりが無いんだぜ。当たり前のことだけど、でも、夏休みに入ってからはずっと異常事態。妹相手にってのがな。

 ああ、そうだ。
 方々に居る妹。ひとりを除いて東京に来たがってるんだよな。
 異常事態は当分続くってことか。妹たちには悪いけど、どこかで早く気持ちが冷めるなり、目が覚めてくれるといい。どう足掻いても兄妹でしかないんだから。

 家に帰ると親父は仕事中だな。
 静まり返った室内。まずは服だの下着だの洗濯し部屋の掃除もしておく。
 掃除をしているとスマホが鳴った。
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