冒険者ギルドの受付嬢と女性冒険者を愉しむ異世界奇行

鎔ゆう

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Sid.127 前回同様に姉妹丼

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 クリスタのことはよく褒めていたが、今回はソーニャも評価されたようだ。

「かなり力を付けていますよね」
「そうだな。以前よりは」
「まだ中級に据え置くのですか?」
「アヴァンシエラは無理だろ」

 引き上げてやりたいが、そのランクは責任も重くなるし、依頼者の期待も半端無くなるだろ。初めてこの商人の商会に行った時に、責任者が本気で喜んでいたのを見るとな。期待値は極めて高い。
 それに応えられる技量が無いと、とてもアヴァンシエラになんて無理だ。

「では魔法使いの子、クリスタは?」
「もう少しかな」
「厳しいのですね」
「せめてブリクストの威力が上がらないと」

 今の時点では使えても弱過ぎる。俺のブリクストの十分の一くらいの威力しかない。あれではトロールを倒すのもひと苦労だろう。
 俺が繰り出すエルホックといい勝負だからな。他の魔法も威力が低い。ミノタウルスを軽く捻れるくらいじゃないと。
 こういったことは、慎重であればある程いい。

 最初の宿場町で一泊しランデスコーグへ向かう。
 夜の順番が変化した。と言うか大乱交に磨きが掛かったぞ。ガブリエッラが加わったからな。テレーサを上回る爆乳を引っ提げたガブリエッラだ。四人に玩具にされていたし。おやめください、なんて上品に言ってやめる連中じゃない。ばるんばるんを揉みしだかれ遊ばれて「トール様、私は汚されました」なんて言ってるし。
 女同士だから汚されたとは思わん。
 クリスタとミリヤムは嫉妬もあったようだな。胸、小さいもんなあ。

「トール、おっきいの好きだよね」
「いや、そういうわけでも」
「結婚したでしょ」
「それはだな、胸のサイズじゃない」

 と言っても信じないし、こいつら。
 しっかりガブリエッラを愉しんだのは言うまでもないが。

 道中またも化け物と遭遇した。

「前回より頻度が高いか?」
「そうですね。少し多いかもしれません」

 前方に群れ成す存在はスヴァルトヴァーリ、と呼称される黒い狼型の化け物のようだ。怪しく光る赤い目、俊敏な動きと群れで行動し、危険度は高いらしいが。俺の目から見てしまうと亀の歩みだ。殴って倒せそうな。
 とりあえず俺以外で対処させてみることに。

「任せるのですか?」
「あの程度は楽勝にならないと」

 呑気な商人と御者が居て眺めながらの会話だ。
 ソーニャが突っ込み向かってくる狼を薙ぐが、敵はゴブリン如きとは違うようだ。上手く躱すし取り囲むようにして、四方八方から攻撃しようとする。
 だが、クリスタの魔法で上手く連携させない。やはりクリスタの能力だけ、頭ひとつ抜きんでているな。
 ガブリエッラには戦闘を見て覚えるように、としておいた。混戦模様でクロスボウなんて、ソーニャやミリヤムが串刺しになるからな。

 ミリヤムも戦闘に参加しプギオを両手に装備し、牙や爪の攻撃を防ぎつつ確実に、一匹ずつ対処しているようだ。上手いな。戦い方が。
 ソーニャも負けじと剣で薙いでいき、後方支援の優秀さもあり、暫くするとケリがついたようだ。

 手招きされ魔石回収に加わるガブリエッラだ。テレーサも一緒だな。魔石回収の指導教官の役割みたいな。
 まあ、なんだかんだ言っても、ガブリエッラのランクは初級だし、ソーニャたちとの実力差は埋め難い。もっともっと精進が必要だ。

 久しぶりな気がしないランデスコーグに着いた。まだエイネの感触が残ってる感じがしてな。少し重い話もされたし。苦労してたんだなと思うと。
 商人とは宿屋の前で別れギルドに向かう。

「会いたいのですか?」
「会いたいんだ。あの子に」
「トールって失礼な子が好きなのかな」
「あの、トール様、話が見えません」

 生きる上で苦労してたから、俺で良ければ相手してあげたいだけだ。
 具合も良かったけどな。

「エイネって子がギルドに居る」
「トール様だからでしょうか」
「なんだそれ」
「英傑様です。惹かれない方がおかしいのでしょう」

 英傑ってのは内緒にしてる。ランクは知られているが。
 まあスーペラティブってだけでも、女性が群がるに充分な称号だろうけど。
 ギルドに着き中へ入ると「あ、トールだ!」と、カウンターの中ではしゃぐエイネが居る。なんか可愛らしいな。
 空き部屋はあるか聞くと「トール以外は六人部屋でどうぞ」だそうだ。
 今夜もしっかり頂くつもりか。まあいいけど。

「イレネも期待してる」
「え、そうなの? なんか嫌われてると思ったが」
「嫌ってないよ。素直じゃないだけ」

 後ろで喚くのはテレーサとクリスタか。

「姉妹を愉しんだんだ」
「トールさん。どうせなので全員纏めて」
「それがいい。トール、全員で」
「無いっての」

 総勢七人なんて相手していられるかっての。腰が砕け散るわ。
 五人が部屋に向かうが、少々嫉妬の視線も混じってそうだな。
 ギルドの営業時間が終了するまで、暫し待つと着替えを済ませたエイネが、俺の腕を取り「今夜も萌えよう」とか言ってるし。肉欲全開だな。

 前回同様、家に行き両親に若干呆れられながらも、今回は最初から姉のイレネも交え、愉しまれてしまった。俺が愉しんだ、ではないぞ。愉しまれたのだ。
 前回は少し遠慮していたとか言ってたし。今回は遠慮しないと。
 二人相手に計四回。化け物相手の方が楽だな。旺盛過ぎる女性を相手にすると、疲労感も凄いんだよ。ただ、この二人はスタイルがいい。張りのある尻も堪らんわけで。アンバーカラーの肌も悪くない。肌のきめ細かさもあるとはな。見た感じではザラザラしてるのかと思ったが違ったし。

 ベッドに寝そべるエイネだが「帰りにまた寄るんだよね?」とか言ってる。

「経由しないと帰れないからな」
「じゃあ、その時に抱いてね」
「町に寄った時くらいしか機会が無いからなあ」
「楽しみに待ってるね」

 イレネも「もう前の男は忘れた」とか言ってるよ。この程度で忘れられる男も哀れだ。俺も死んだらすぐ忘れられるのだろうか。
 二人とも抱かれている時の安心感が違い過ぎると。他の男では得られないらしい。
 俺には分からん。その安心感とやらは。いや、アニタと一緒の時の充実感に近いのか。心が安らぐんだよな。表現は違えど同じかもしれん。

 翌日、前回と同じように朝食をご馳走になり、ギルド前でエイネと別れる。

「また来てね」
「まあ、来るしか無いんだろうな」
「その言葉は違うよ」

 楽しみにして欲しいと。何々しか、なんて言い方をされると悲しいそうだ。
 ああ、そうか。こういう場合は楽しみにしてると言えばいいのか。俺もモテはしてもまだまだ経験不足だ。女性心理を理解できてない。

「楽しみにしてるぞ」
「うん。あたしも」

 笑顔で送り出してくれたが、五人の視線が痛い。

「トール。すっかり虜」
「違う」
「絆されてますね」
「それも少し違う」

 少しと言うことは、絆された面もあるということだ、と言われてしまった。
 過去の境遇があってのことだ。いちいち言わないけどな。勝手に話すことではないだろうから。
 商人と合流しフルトグレンへ向けて出発する。
 馬車に乗り込むと積み荷の一部が減っていた。

「減ってるから売れたのか?」
「予定数は捌けてますよ」

 この商人は商売上手なようだ。
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