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プロローグ
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風が吹くと辺りに桜の花びらが舞う季節。
急に目が覚めベッドから飛び起きると、新品の制服をクローゼットから取り出して着替える。
鏡の前でネクタイを締め、ブレザーのボタンを留めると、心臓が少し速く鼓動するのを感じた。
肩掛けカバンの中身を確認し部屋を飛び出すと、丁度インターホンの音が家に鳴り響おた。
リビングに付けられたモニター付きの親機で外を確認する。
モニター越しに映ったのは、幼稚園から中学卒業まで一緒に遊んでいた幼馴染で、右隣に住んでいる”右川悟”とその妹の”瞳”だ。
通話ボタンを押し、外の二人に声を掛けた。
「おはよう悟、瞳ちゃん」
『おはようございます、真央先輩』
『おーっす』
「少し待ってて」
『お待ちしております』
画面越しに丁寧なお辞儀をする瞳を見ながら、通話ボタンを再び押して切る。
振り向くとテーブルには、既に焼かれていい香りを漂わせている食パンとソーセージ、牛乳が並べられていた。
「おはよう、詩央」
「真央にい、おはよう」
「詩央が用意してくれたのか?」
「うん。パパもママも、もう出掛けちゃったし、直央にいはまだ寝てるし」
「そっか、いつもありがとな」
「ううん、いつもは真央にいがやってくれてるし、今日ぐらいはね」
「今日だけかよ」
「さぁね、それより瞳達待たせてるし急いで食べないと」
「そうだな」
急いで朝食を済ませて玄関に急ぐ。
高校指定の革靴を履いて玄関を開けた。
「おっそいのぉ、十塚兄妹は」
悟は外を眺めながら両手を外壁の上に乗せて、頬杖を着いていた。
「これでも結構急いだ方だけどな、まぁそもそもお前らが来るのが早すぎるせいだが」
「すみません、私も早いって言ったんですが、お兄ちゃんが早く行って待ってる方が楽だ、って先に出てしまうものですから」
「早いに超したことはねぇだろ」
「それはそうだけど、こっちの事も考えろ」
「何を言う? 俺はあの人の事しか考えてねぇよ」
「まだ諦めてなかったのか」
「当たり前だ」
「何の話?」
「何って悟がまだ諦めてないって話」
右川兄妹は目の前に居るのに、後ろから声を掛けられた事に気付かず普通に返答をした。
「あの、真央先輩……後ろ」
「え? 後ろ? うわっ陽姉!」
「うわって何よ、うわって」
そこには、茶髪のゆるふわウェーブで腰まで長いロングヘアに長いまつ毛とぱっちり二重の大きな目、朝日に照らされて輝いて見える唇。
紺色のブレザーにスカート、首元には赤色のリボンで蝶結びを拵えた制服を着た、”上神 陽歌”が立っていた。
「おはようー、まだ7時回ったところだよ? 皆早いね」
「陽歌先輩、おはようございます」
「お、おはよう陽姉」
悟は微動作にせず、ずっと遠くを見つめている。
「あれー、悟君は挨拶無しかなー?」
「うぐっ……お、おはよう陽姉」
「私の事がだーい好きで直視できなくても、こっち見るぐらいできるでしょ? ほら、もう一回!」
悟はゆっくり身体を陽姉の方に向くが、首は外を見たままだ。
俺も中学に上がった頃、陽姉が好きなんだと自覚した事がある。
でも陽姉は、俺や悟を仲の良い幼馴染か、可愛い弟にしか思ってないようで。陽姉が中学を卒業する日、悟が思い切って告白したが見事玉砕した。
だが、悟は諦めることなく今でも陽姉の事を想っている。
「はぁ……おはよう陽姉」
「うん、おはよう悟君」
陽姉は悟が顔を赤くするほど超絶可愛い笑顔で返した。
俺もこの笑顔に何度も惹かれたが、俺には別に好きな人がいる。
急に目が覚めベッドから飛び起きると、新品の制服をクローゼットから取り出して着替える。
鏡の前でネクタイを締め、ブレザーのボタンを留めると、心臓が少し速く鼓動するのを感じた。
肩掛けカバンの中身を確認し部屋を飛び出すと、丁度インターホンの音が家に鳴り響おた。
リビングに付けられたモニター付きの親機で外を確認する。
モニター越しに映ったのは、幼稚園から中学卒業まで一緒に遊んでいた幼馴染で、右隣に住んでいる”右川悟”とその妹の”瞳”だ。
通話ボタンを押し、外の二人に声を掛けた。
「おはよう悟、瞳ちゃん」
『おはようございます、真央先輩』
『おーっす』
「少し待ってて」
『お待ちしております』
画面越しに丁寧なお辞儀をする瞳を見ながら、通話ボタンを再び押して切る。
振り向くとテーブルには、既に焼かれていい香りを漂わせている食パンとソーセージ、牛乳が並べられていた。
「おはよう、詩央」
「真央にい、おはよう」
「詩央が用意してくれたのか?」
「うん。パパもママも、もう出掛けちゃったし、直央にいはまだ寝てるし」
「そっか、いつもありがとな」
「ううん、いつもは真央にいがやってくれてるし、今日ぐらいはね」
「今日だけかよ」
「さぁね、それより瞳達待たせてるし急いで食べないと」
「そうだな」
急いで朝食を済ませて玄関に急ぐ。
高校指定の革靴を履いて玄関を開けた。
「おっそいのぉ、十塚兄妹は」
悟は外を眺めながら両手を外壁の上に乗せて、頬杖を着いていた。
「これでも結構急いだ方だけどな、まぁそもそもお前らが来るのが早すぎるせいだが」
「すみません、私も早いって言ったんですが、お兄ちゃんが早く行って待ってる方が楽だ、って先に出てしまうものですから」
「早いに超したことはねぇだろ」
「それはそうだけど、こっちの事も考えろ」
「何を言う? 俺はあの人の事しか考えてねぇよ」
「まだ諦めてなかったのか」
「当たり前だ」
「何の話?」
「何って悟がまだ諦めてないって話」
右川兄妹は目の前に居るのに、後ろから声を掛けられた事に気付かず普通に返答をした。
「あの、真央先輩……後ろ」
「え? 後ろ? うわっ陽姉!」
「うわって何よ、うわって」
そこには、茶髪のゆるふわウェーブで腰まで長いロングヘアに長いまつ毛とぱっちり二重の大きな目、朝日に照らされて輝いて見える唇。
紺色のブレザーにスカート、首元には赤色のリボンで蝶結びを拵えた制服を着た、”上神 陽歌”が立っていた。
「おはようー、まだ7時回ったところだよ? 皆早いね」
「陽歌先輩、おはようございます」
「お、おはよう陽姉」
悟は微動作にせず、ずっと遠くを見つめている。
「あれー、悟君は挨拶無しかなー?」
「うぐっ……お、おはよう陽姉」
「私の事がだーい好きで直視できなくても、こっち見るぐらいできるでしょ? ほら、もう一回!」
悟はゆっくり身体を陽姉の方に向くが、首は外を見たままだ。
俺も中学に上がった頃、陽姉が好きなんだと自覚した事がある。
でも陽姉は、俺や悟を仲の良い幼馴染か、可愛い弟にしか思ってないようで。陽姉が中学を卒業する日、悟が思い切って告白したが見事玉砕した。
だが、悟は諦めることなく今でも陽姉の事を想っている。
「はぁ……おはよう陽姉」
「うん、おはよう悟君」
陽姉は悟が顔を赤くするほど超絶可愛い笑顔で返した。
俺もこの笑顔に何度も惹かれたが、俺には別に好きな人がいる。
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